特殊装甲隊 ダグフェロン 第一部 蘇る火付盗賊改方 (ひつけとうぞくあらためかた) とは……殺人許可書を持つ「特殊な部隊」

橋本 直

文字の大きさ
上 下
15 / 60
プライドゼロの策士の計略

だから詮索屋は嫌われる

しおりを挟む
 かなめがドアを開けて出ていくのを、誠はただ見送ることしかできなかった。

「おい、大丈夫か」

 いつの間にか、小さなランが隣に立っていた。

「ああ、すいません。ちょっと考え事をしていて……」

 誠はそう言うと頭を掻いて照れ笑いを浮かべた。

「そうか、じゃあついてこい。脳ピンク……じゃなかった、隊長室につれてってやる」

 ランはそう言って誠を避けてドアノブにてをかけた。

「分かりました」

 そう言って誠はランの小さな背中についていくことにした。

 ランの部隊の部屋からしばらく歩いた先にドアがあった。この時初めて気づいたが、各部屋には札のようなものがついていた。そのランが立ち止まった部屋にもそれがあった。

「『隊長室』か……」

 自分に言い聞かせるようにして、誠はその札を読み上げた。

「言っとく。ひでーものをこれからオメーは見ることになる」

 少し怒りに震えながらランはそう言った。

「ひどいもの?」

 誠は何のことだか分からずそう返した。

「そうだ、ひでーもんだ。まあ入ればわかる。入って入隊を拒否しても構わねーが、アタシの立場が無くなるのはごめんだからな。全部『嵯峨惟基が悪い』で通してくれ。頼むわ」

 そう言うランの目はランランと血走っていた。

「そ……そうします」

 ランの殺気に恐れをなした誠にはそう言う以外の選択肢は無かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

謎の隕石

廣瀬純一
SF
隕石が発した光で男女の体が入れ替わる話

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

年下の地球人に脅されています

KUMANOMORI(くまのもり)
SF
 鵲盧杞(かささぎ ろき)は中学生の息子を育てるシングルマザーの宇宙人だ。  盧杞は、息子の玄有(けんゆう)を普通の地球人として育てなければいけないと思っている。  ある日、盧杞は後輩の社員・谷牧奨馬から、見覚えのないセクハラを訴えられる。  セクハラの件を不問にするかわりに、「自分と付き合って欲しい」という谷牧だったが、盧杞は元夫以外の地球人に興味がない。  さらに、盧杞は旅立ちの時期が近づいていて・・・    シュール系宇宙人ノベル。

桃華の戦機~トウカノセンキ~

武無由乃
SF
西暦2090年。日本は深海エネルギー結晶『エネラス』の発見によって資源大国となっていた。 しかしそれは、多くの争いを日本にもたらし。それに対抗する手段を日本に求めたのである。 そして、一人の少女の戦いが始まる。 作品解説: 巨大人型兵器×サイバーパンク×超能力な世界観(+美少女成分)を舞台にしたミリタリーファンタジー。 作者独自の作品群『rev.シリーズ』のWeb公開作品の第一弾。 一応SFジャンルにしていますが、正確には近未来ファンタジー作品です。SF科学考証とかあったもんじゃありません。 作者は、それほど世界情勢とかにも詳しくないので、いろいろ歪んだ世界観になっているかもしれませんのでご注意ください。

身体交換

廣瀬純一
SF
男と女の身体を交換する話

処理中です...