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プライドゼロの策士の計略
だから詮索屋は嫌われる
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かなめがドアを開けて出ていくのを、誠はただ見送ることしかできなかった。
「おい、大丈夫か」
いつの間にか、小さなランが隣に立っていた。
「ああ、すいません。ちょっと考え事をしていて……」
誠はそう言うと頭を掻いて照れ笑いを浮かべた。
「そうか、じゃあついてこい。脳ピンク……じゃなかった、隊長室につれてってやる」
ランはそう言って誠を避けてドアノブにてをかけた。
「分かりました」
そう言って誠はランの小さな背中についていくことにした。
ランの部隊の部屋からしばらく歩いた先にドアがあった。この時初めて気づいたが、各部屋には札のようなものがついていた。そのランが立ち止まった部屋にもそれがあった。
「『隊長室』か……」
自分に言い聞かせるようにして、誠はその札を読み上げた。
「言っとく。ひでーものをこれからオメーは見ることになる」
少し怒りに震えながらランはそう言った。
「ひどいもの?」
誠は何のことだか分からずそう返した。
「そうだ、ひでーもんだ。まあ入ればわかる。入って入隊を拒否しても構わねーが、アタシの立場が無くなるのはごめんだからな。全部『嵯峨惟基が悪い』で通してくれ。頼むわ」
そう言うランの目はランランと血走っていた。
「そ……そうします」
ランの殺気に恐れをなした誠にはそう言う以外の選択肢は無かった。
「おい、大丈夫か」
いつの間にか、小さなランが隣に立っていた。
「ああ、すいません。ちょっと考え事をしていて……」
誠はそう言うと頭を掻いて照れ笑いを浮かべた。
「そうか、じゃあついてこい。脳ピンク……じゃなかった、隊長室につれてってやる」
ランはそう言って誠を避けてドアノブにてをかけた。
「分かりました」
そう言って誠はランの小さな背中についていくことにした。
ランの部隊の部屋からしばらく歩いた先にドアがあった。この時初めて気づいたが、各部屋には札のようなものがついていた。そのランが立ち止まった部屋にもそれがあった。
「『隊長室』か……」
自分に言い聞かせるようにして、誠はその札を読み上げた。
「言っとく。ひでーものをこれからオメーは見ることになる」
少し怒りに震えながらランはそう言った。
「ひどいもの?」
誠は何のことだか分からずそう返した。
「そうだ、ひでーもんだ。まあ入ればわかる。入って入隊を拒否しても構わねーが、アタシの立場が無くなるのはごめんだからな。全部『嵯峨惟基が悪い』で通してくれ。頼むわ」
そう言うランの目はランランと血走っていた。
「そ……そうします」
ランの殺気に恐れをなした誠にはそう言う以外の選択肢は無かった。
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