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頼りになる『相棒』
第11話 『相棒』
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「それじゃあ、串焼き盛り合わせ!」
春子は待っていたかのようにいつも頼む串焼き盛り合わせをカウンターに並べた。
「待ってたんですか?」
「いつものことよ」
誠の問いに春子は笑顔で答える。
「それにしても……かなめちゃん」
串焼き盛り合わせを受け取りながらアメリアは説教口調でそう言った。
「なんだよ」
明らかに不機嫌そうにかなめはそう答えた。
「誠ちゃんを『ペット』扱いは……ちょっとね」
「なんだよ。こいつは東和共和国の『庶民』だろ?甲武国の『貴族』のアタシからしたら庶民は『家畜』か『ペット』なの!親しみを込めて『ペット』と呼んでるんだから、まだましじゃねえか」
ラム酒を飲みながらかなめはめんどくさそうにつぶやいた。
「さすがに『ペット』扱いは問題だぞ」
烏龍茶を飲みながらカウラがつぶやく。
「そうよ!前の『近藤事件』で、誠ちゃんは大活躍したじゃないの!」
アメリアはそう言ってネギまを口にくわえる。
「増長されたらたまんねえのはアタシとカウラだぞ。オメエには関係ねえだろ?」
かなめは明らかに不服そうにそう言ってレバーを口にくわえた。
「誠ちゃんは『法術師』なの!うちでは貴重な戦力なのよ。ちゃんとした扱いしてあげないと……嫌われるわよ」
「何言ってんだ!上司なんて嫌われてなんぼだ!」
挑発的なアメリアの言葉にかなめはムキになって言い返す。
「ちゃんと『相棒』くらいの扱いにしてあげないと……」
「私はそのつもりだぞ」
アメリアの提案にカウラは静かにそう答えた。
「『相棒』?なんでこんな『落ちこぼれ』が?」
かなめはさらに怒りながらそう反論する。
「私は戦場を作る。そして、西園寺と神前がその結末をつける。私がどうこう言う話じゃないな」
そう言ってカウラはトリ皮串を口にくわえた。
「アタシはスナイパーだ」
話題を逸らすようにかなめはそう言った。
「『1ヒット2キル』。それがスナイパーの原則だ。アタシはその状況を作ってくれればそれで文句はねえよ」
串焼きを口にくわえてかなめはそう言った。
「じゃあ、次の出動で誠ちゃんはその状況を作ればいいじゃない」
アメリアはそう言って誠の顔を覗き見た。
誠は誰も構ってくれないのをいいことに、一人、串焼きを連続して口に運んでいるところだった。
「あの……僕にそんなことできるんでしょうか?」
間抜けな調子でそう言った誠に、アメリアは呆れたような視線を送っていた。
「分かったよ。とりあえず人間扱いしてやる……まあすぐにメッキははげるだろうがな」
かなめはそう言って葉巻をくゆらせる。誠はただ何もできずに笑っていることしかできなかった。
春子は待っていたかのようにいつも頼む串焼き盛り合わせをカウンターに並べた。
「待ってたんですか?」
「いつものことよ」
誠の問いに春子は笑顔で答える。
「それにしても……かなめちゃん」
串焼き盛り合わせを受け取りながらアメリアは説教口調でそう言った。
「なんだよ」
明らかに不機嫌そうにかなめはそう答えた。
「誠ちゃんを『ペット』扱いは……ちょっとね」
「なんだよ。こいつは東和共和国の『庶民』だろ?甲武国の『貴族』のアタシからしたら庶民は『家畜』か『ペット』なの!親しみを込めて『ペット』と呼んでるんだから、まだましじゃねえか」
ラム酒を飲みながらかなめはめんどくさそうにつぶやいた。
「さすがに『ペット』扱いは問題だぞ」
烏龍茶を飲みながらカウラがつぶやく。
「そうよ!前の『近藤事件』で、誠ちゃんは大活躍したじゃないの!」
アメリアはそう言ってネギまを口にくわえる。
「増長されたらたまんねえのはアタシとカウラだぞ。オメエには関係ねえだろ?」
かなめは明らかに不服そうにそう言ってレバーを口にくわえた。
「誠ちゃんは『法術師』なの!うちでは貴重な戦力なのよ。ちゃんとした扱いしてあげないと……嫌われるわよ」
「何言ってんだ!上司なんて嫌われてなんぼだ!」
挑発的なアメリアの言葉にかなめはムキになって言い返す。
「ちゃんと『相棒』くらいの扱いにしてあげないと……」
「私はそのつもりだぞ」
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「『相棒』?なんでこんな『落ちこぼれ』が?」
かなめはさらに怒りながらそう反論する。
「私は戦場を作る。そして、西園寺と神前がその結末をつける。私がどうこう言う話じゃないな」
そう言ってカウラはトリ皮串を口にくわえた。
「アタシはスナイパーだ」
話題を逸らすようにかなめはそう言った。
「『1ヒット2キル』。それがスナイパーの原則だ。アタシはその状況を作ってくれればそれで文句はねえよ」
串焼きを口にくわえてかなめはそう言った。
「じゃあ、次の出動で誠ちゃんはその状況を作ればいいじゃない」
アメリアはそう言って誠の顔を覗き見た。
誠は誰も構ってくれないのをいいことに、一人、串焼きを連続して口に運んでいるところだった。
「あの……僕にそんなことできるんでしょうか?」
間抜けな調子でそう言った誠に、アメリアは呆れたような視線を送っていた。
「分かったよ。とりあえず人間扱いしてやる……まあすぐにメッキははげるだろうがな」
かなめはそう言って葉巻をくゆらせる。誠はただ何もできずに笑っていることしかできなかった。
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