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『力』を持つ者の定め 『特殊な部隊』の通過儀礼としての『事件』
第68話 『銃を愛でる女サイボーグ』の経歴書
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『伏せろ!』
嵯峨の補聴器から響くかなめの合図と同時に、誠は男の手を振りほどいて地面に体を叩きつけた。
轟音が響き、肉のちぎれる音が、誠の上で響いた。
誠が振り向くと、壁の破片と一緒に男の上半身が吹き飛ばされて踊り場の方に飛んでいるさなかだった。階段下の三下はそれを誠達と勘違いして、サブマシンガンでの掃射を浴びせかけ、男の上半身は一瞬でひき肉になった。
誠はそのかつて人間だったものから目を反らして後ろの壁を見た。
そこには人の頭ほどある弾丸の貫通した跡が残り、コンクリートの破片が散乱している。
「これが、アタシ等『特殊な部隊』のやり方。そいつの体がアタシが設置したアンチマテリアルライフルの射線に入ったから撃った。そんだけ」
かなめの冷徹な一言で、誠は今起きた出来事を把握した。
かなめが男を挑発していたのは、かなめが設置した壁をぶち破るほどの威力の対物ライフルの射線に男を追い込むためだったのだと。
誠が男を振りほどけば、もうかなめにその『砲』を撃たない理由は無い。
そして、かなめの『電子の脳』による遠隔操作で対物ライフルは発射されて、誠に銃を突き付けていた男はコンクリートの壁ごと撃ち抜かれて肉片となった。
肉片と化した男の残骸の前に座り込む誠にかなめは手を伸ばす。
かなめは実働部隊の制服に愛銃『スプリングフィールドXDM40』を右手に持っているだけだった。
よく見ればかなめの夏服から出る二の腕には、人工皮膚の継ぎ目のラインが見て取れた。
「僕は……全然、西園寺さんのことをわかってなかったんですね」
立ち上がりながら誠はかなめに笑いかけた。
「アタシが教えなかったからな。それとアタシはあの『駄目人間』を叔父貴と呼んでる。恥ずかしい話だが、アレはアタシの『叔父』だから」
かなめは安心したように胸のポケットからタバコを取り出して一本くわえた。
「オジキ?おじさん?あの『駄目人間』が?どう見ても弟ですけど」
次から次へと訪れるかなめの隠された過去に誠は驚き続ける。そして、耳には近づく銃撃戦の銃声が響いてくる。
「残念ながら本当。アタシが生まれる前からあの『駄目人間』が家にいたんだと。アタシが外から帰ると、たいがいあの『駄目人間』がちゃぶ台で冷や飯にお茶をかけてを食ってた。親父の戸籍上の弟だから『叔父貴。血縁的には『お袋』の血族らしいから……親戚なんだよ、あの『脳ピンク』とはな」
かなめは胸のポケットからタバコにジッポで火をつける。そして誠を見上げて、少し恥ずかしそうに笑った。
誠は状況が把握できないで銃を握って震えていた。
嵯峨の補聴器から響くかなめの合図と同時に、誠は男の手を振りほどいて地面に体を叩きつけた。
轟音が響き、肉のちぎれる音が、誠の上で響いた。
誠が振り向くと、壁の破片と一緒に男の上半身が吹き飛ばされて踊り場の方に飛んでいるさなかだった。階段下の三下はそれを誠達と勘違いして、サブマシンガンでの掃射を浴びせかけ、男の上半身は一瞬でひき肉になった。
誠はそのかつて人間だったものから目を反らして後ろの壁を見た。
そこには人の頭ほどある弾丸の貫通した跡が残り、コンクリートの破片が散乱している。
「これが、アタシ等『特殊な部隊』のやり方。そいつの体がアタシが設置したアンチマテリアルライフルの射線に入ったから撃った。そんだけ」
かなめの冷徹な一言で、誠は今起きた出来事を把握した。
かなめが男を挑発していたのは、かなめが設置した壁をぶち破るほどの威力の対物ライフルの射線に男を追い込むためだったのだと。
誠が男を振りほどけば、もうかなめにその『砲』を撃たない理由は無い。
そして、かなめの『電子の脳』による遠隔操作で対物ライフルは発射されて、誠に銃を突き付けていた男はコンクリートの壁ごと撃ち抜かれて肉片となった。
肉片と化した男の残骸の前に座り込む誠にかなめは手を伸ばす。
かなめは実働部隊の制服に愛銃『スプリングフィールドXDM40』を右手に持っているだけだった。
よく見ればかなめの夏服から出る二の腕には、人工皮膚の継ぎ目のラインが見て取れた。
「僕は……全然、西園寺さんのことをわかってなかったんですね」
立ち上がりながら誠はかなめに笑いかけた。
「アタシが教えなかったからな。それとアタシはあの『駄目人間』を叔父貴と呼んでる。恥ずかしい話だが、アレはアタシの『叔父』だから」
かなめは安心したように胸のポケットからタバコを取り出して一本くわえた。
「オジキ?おじさん?あの『駄目人間』が?どう見ても弟ですけど」
次から次へと訪れるかなめの隠された過去に誠は驚き続ける。そして、耳には近づく銃撃戦の銃声が響いてくる。
「残念ながら本当。アタシが生まれる前からあの『駄目人間』が家にいたんだと。アタシが外から帰ると、たいがいあの『駄目人間』がちゃぶ台で冷や飯にお茶をかけてを食ってた。親父の戸籍上の弟だから『叔父貴。血縁的には『お袋』の血族らしいから……親戚なんだよ、あの『脳ピンク』とはな」
かなめは胸のポケットからタバコにジッポで火をつける。そして誠を見上げて、少し恥ずかしそうに笑った。
誠は状況が把握できないで銃を握って震えていた。
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