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『特殊な部隊』の『特殊』な宴会
第164話 名物『クエ鍋』
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「これがメインの『クエ』3匹分です!サイズは40キロ、38キロ、36キロと食べごろサイズですよ!」
先ほどの軍医が部下に大皿を持たせて現れた。誠から見ると彼はどう見ても板前の格好をしていた。
次々とどう見ても日本料理屋の店員にしか見えない司法局実働部隊・艦船管理部、通称『釣り部』の隊員が鍋の具材を配って回る。
「技術部の兵隊!全員食材及び酒類の配置にかかれ!」
くわえタバコの島田の一言で、つなぎ姿の整備員が一斉に動きだす。
「ここは多めの奴くれよ!」
箸で小皿を叩いて待ち構えているサラを横目にかなめは叫んでいた。
「さあ……入れるぞ!」
かなめはさっそくクエの身のほとんどを土鍋の中に放り込む。
「普通だしが先じゃないのか?」
カウラは鍋の隣に置いてあった小鉢に入ったいかにも『だし』だとわかる液体を指さした。
「なんだこれ?」
自分のした間違いを認めたくないかなめは白々しくそう言った。
「ここに紙が置いてあった。『事前にクエのアラで取っただしです。身を入れる前に鍋に入れてください』だそうだ」
カウラは冷酷にそうつぶやいた。
誠が隣の鍋を覗き見ると、いつの間にか現れた嵯峨が、鍋に隣に置いてあった『クエのだし』を入れているところだった。
「正確な判断力に欠けて、感情に流される。西園寺の悪いところだな」
同じように嵯峨の行為を見ていたカウラはかなめに向けてそう言い放った。
「うるせえ!腹に入れば同じだ!」
かなめが怒鳴る。カウラは呆れたような表情で黙り込んでいる。そしてアメリアは早速、かなめの鍋を見限って他の鍋への襲撃を考え始めているようだった。島田とサラは馬鹿なのであまりカウラの言葉が分かっていないような笑みを浮かべていた。
「まあ良いじゃないですか。ビール回ってますか」
誠がなだめるように顔を出した。
「『愛玩動物』の割には気が利くじゃねえか……」
誠の気遣いで少しばかり怒りを沈めたかなめが缶ビールを受け取る。
「私ももらおうか?」
カウラのその言葉。周りの空気が凍りついた。
誠から見ても誰もが酒を手にするカウラを見るのが初めてだということは理解できた。
「おい、大丈夫なのか?」
さすがのかなめも尋ねる。
「正人……カウラちゃんがビールを飲むんだって」
具の乱切り大根とシイタケ、水菜を鍋に投入しているサラはそう言って隣の島田の肩を叩く。
「まさかー。そんなわけないじゃないですか!ねえ。いつものウーロン茶を運ばせますから」
「いや、ビールをもらおう」
カウラのその言葉に島田の動きも止まった。
「大丈夫か?オマエ。なんか悪いものでも喰ったのか?それとも……アタシの『愛玩動物』と何かあった……」
にらむ先、かなめの視線の先には誠がいた。
「僕は何もしてないですよ!」
「だろうな。テメエにそんな度胸は無いだろうし。しょせん『ペット』だし」
かなめはそう言って缶ビールを空にして、次の缶に手を伸ばした。
「まあ飲めるんじゃないの?基礎代謝とかは私達『ラストバタリオン』はほぼ同じスペックで製造されているから」
乾杯の音頭も聞かずに飲み始めているアメリアがそう言う。
先ほどの軍医が部下に大皿を持たせて現れた。誠から見ると彼はどう見ても板前の格好をしていた。
次々とどう見ても日本料理屋の店員にしか見えない司法局実働部隊・艦船管理部、通称『釣り部』の隊員が鍋の具材を配って回る。
「技術部の兵隊!全員食材及び酒類の配置にかかれ!」
くわえタバコの島田の一言で、つなぎ姿の整備員が一斉に動きだす。
「ここは多めの奴くれよ!」
箸で小皿を叩いて待ち構えているサラを横目にかなめは叫んでいた。
「さあ……入れるぞ!」
かなめはさっそくクエの身のほとんどを土鍋の中に放り込む。
「普通だしが先じゃないのか?」
カウラは鍋の隣に置いてあった小鉢に入ったいかにも『だし』だとわかる液体を指さした。
「なんだこれ?」
自分のした間違いを認めたくないかなめは白々しくそう言った。
「ここに紙が置いてあった。『事前にクエのアラで取っただしです。身を入れる前に鍋に入れてください』だそうだ」
カウラは冷酷にそうつぶやいた。
誠が隣の鍋を覗き見ると、いつの間にか現れた嵯峨が、鍋に隣に置いてあった『クエのだし』を入れているところだった。
「正確な判断力に欠けて、感情に流される。西園寺の悪いところだな」
同じように嵯峨の行為を見ていたカウラはかなめに向けてそう言い放った。
「うるせえ!腹に入れば同じだ!」
かなめが怒鳴る。カウラは呆れたような表情で黙り込んでいる。そしてアメリアは早速、かなめの鍋を見限って他の鍋への襲撃を考え始めているようだった。島田とサラは馬鹿なのであまりカウラの言葉が分かっていないような笑みを浮かべていた。
「まあ良いじゃないですか。ビール回ってますか」
誠がなだめるように顔を出した。
「『愛玩動物』の割には気が利くじゃねえか……」
誠の気遣いで少しばかり怒りを沈めたかなめが缶ビールを受け取る。
「私ももらおうか?」
カウラのその言葉。周りの空気が凍りついた。
誠から見ても誰もが酒を手にするカウラを見るのが初めてだということは理解できた。
「おい、大丈夫なのか?」
さすがのかなめも尋ねる。
「正人……カウラちゃんがビールを飲むんだって」
具の乱切り大根とシイタケ、水菜を鍋に投入しているサラはそう言って隣の島田の肩を叩く。
「まさかー。そんなわけないじゃないですか!ねえ。いつものウーロン茶を運ばせますから」
「いや、ビールをもらおう」
カウラのその言葉に島田の動きも止まった。
「大丈夫か?オマエ。なんか悪いものでも喰ったのか?それとも……アタシの『愛玩動物』と何かあった……」
にらむ先、かなめの視線の先には誠がいた。
「僕は何もしてないですよ!」
「だろうな。テメエにそんな度胸は無いだろうし。しょせん『ペット』だし」
かなめはそう言って缶ビールを空にして、次の缶に手を伸ばした。
「まあ飲めるんじゃないの?基礎代謝とかは私達『ラストバタリオン』はほぼ同じスペックで製造されているから」
乾杯の音頭も聞かずに飲み始めているアメリアがそう言う。
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