特殊装甲隊 ダグフェロン『廃帝と永遠の世紀末』 遼州の闇

究極の『駄目人間』の巣

第21話 死すら恐れぬ勇気の目覚め

　誠は覚悟を決めた。

『こんなふざけた『特殊な部隊』からはとっとと足を洗を洗おう』

　心の中で誠はそう強く念じた。

　そんな生涯初の決断は『死』を恐れない『勇気』を与えてくれた。

　可愛らしい見た目のクバルカ・ラン中佐は高級外車を降りてからずっと、右手にある長い『杖』を持っていた。

　そう、彼女は『人の首を切断する用途』に使われていた『文化財』を握りしめているのである。

　誠の運命は『最強』を自称する『かっこかわいい』幼女の手に握られているのである。

　もし、彼女が誠がこの部隊を逃げるという言葉を曲げて解釈した場合には、最悪『死』が待っていることは誠にも容易に想像ができた。

　彼女は10年前の戦争では戦場にいた軍人である。人を殺すことにためらいなどないだろう。

　そして、目の前の駄目人間に誠の命を助けるような酔狂な趣味があるようにも誠には思えなかった。

　誠は人生捨てていた。

　嵯峨は雑誌の入った袖机を未練がましい目で何度も見た後、誠に向き直った。