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『特殊な部隊』の飲み会ウォームアップ!
第162話 『ペット』の飼い主は誰か
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「はいはーい!どいてくださいよ!先生。お席のほうが出来ましたのでご案内します!」
そこにいつの間にか現れて、誠をさらっていこうとするのはアメリアだった。
「おい!いつの間に湧いたんだ!」
「卑怯者!誠の下の世話の担当は私だ!」
かなめとカウラが飄然と現れたアイシャに噛み付く。
「だって二人ともこれから『飼い主決定戦』のために決闘でもするんでしょ?じゃあ誠ちゃんはお邪魔じゃない。だからこうして迎えに来てあげたってわけ」
『そんな理屈が通用するか!』
二人は大声でエレベータに向かおうとするアイシャを怒鳴りつける。
「クラウゼ大尉!三人で連れてってやったらどうです?」
「西園寺さん!良いじゃないですか!」
「酷いよねえ。神前君って三人の心をもてあそんで」
「そう言うなよ。戻ったら三人をストーキングしている技術部の馬鹿につけ狙われるんだから。それまで楽しんでろよ」
「新入りの分際で!」
周りのブリッジクルーの女性陣、技術部の男性部員が口々に茶々を入れてくる。
「黙れー!」
瞬間湯沸かし器、かなめが大声で怒鳴りつける。
「じゃあ、行くとするか。西園寺、アイシャ。ついて来い。大丈夫か誠。一人で立てるか?それとも吐くか?」
誠はすさまじく居辛い雰囲気と、明らかに批判的なギャラリーの視線に耐えながらエレベータに乗り込む。
「それにしても初出撃で巡洋艦撃破ってすごいわよねえ。これじゃあさっきのニュースも当然よね」
「何があった?」
相変わらず機嫌の悪いかなめがアイシャに問いただす。
「同盟会議なんだけど。そこで先生みたいな法術師の軍の前線任務からの引き上げが決まったのよ。地球連邦の主要国なんかはこれに同調する動きを見せているわ。まああんなの見せられたら、さもありなんというところかしら」
「地球圏の情報戦に力を入れている有力国は既にこの状況を予想していた。言って見れば当事者みたいなものだからなその動きは当然だ。しかし他の勢力が黙っていないだろうな」
カウラはその政治的な結末を淡々と受け入れた。
「一番頭にきてるのは同盟会議の反主流派の国ね。同盟会議の声明文に連名で名を連ねているものの、声明文が準備されている段階ではこんな大変なことになるとは思ってなかったでしょうから。金は出したのに何でこんなおいしい情報をよこさなかったのか……ってね。それと地球圏ではフランスとドイツが黙殺を宣言したし、インド、ブラジル、南アフリカ、イスラエルもヨーロッパ諸国の動きに同調するみたいよ」
「まるで核兵器開発時の地球のパワーゲームみたいだな。もっとも今度のは下手な核兵器よりも製造が簡単で、持ち運ぶも何も足が生えてて勝手に歩き回るからな」
アメリアの解説を聞いて、かなめはようやく冷静に現状分析を始めた。かなめの表情が険しくなる。同じくカウラも複雑な表情を浮かべた。
「でも……こいつがか?」
そう言うとかなめはまじまじと誠の顔を眺める。
『かなめさんのタレ目が近い……『ペット』でもいいかもしれない……』
不謹慎にも誠はそう思う。さらに『特殊な部隊』一番の胸のボリュームに自然と視線が流れる。
「アタシもさあ。実際、間近で見てて凄いなあと驚いたんだけど……やっぱり普通のゲロを吐く生き物じゃん」
かなめの言葉が誠の心を砕いた。口からよく何かを吐くのは事実なので、誠にその言葉を否定することはできなかった。
「誠ちゃんが口から『重力に逆らえないエクトプラズム』を吐くことがあるのは知ってるからでしょ?知らなきゃただの英雄よ」
アメリアの身勝手な誠に対する論評も事実だけに、誠は何も言えなかった。
「まあそうなんだけど。こいつが叔父貴と同類の法術師?信じられねえよなあ」
かなめはさらにじろじろと誠の全身を観察し始める。
「西園寺!イヤラシイ目で神前を見るな!ちゃんと『ペット』として扱え!」
「誰がイヤラシイ目で見てるって?オメエがそう見てるからアタシも同じ目で見てると妄想するんだろ?」
苛立つカウラをかなめは難なくかわして見せた。そしてそのままハンガーへ向かう通路を歩き続けた。
そこにいつの間にか現れて、誠をさらっていこうとするのはアメリアだった。
「おい!いつの間に湧いたんだ!」
「卑怯者!誠の下の世話の担当は私だ!」
かなめとカウラが飄然と現れたアイシャに噛み付く。
「だって二人ともこれから『飼い主決定戦』のために決闘でもするんでしょ?じゃあ誠ちゃんはお邪魔じゃない。だからこうして迎えに来てあげたってわけ」
『そんな理屈が通用するか!』
二人は大声でエレベータに向かおうとするアイシャを怒鳴りつける。
「クラウゼ大尉!三人で連れてってやったらどうです?」
「西園寺さん!良いじゃないですか!」
「酷いよねえ。神前君って三人の心をもてあそんで」
「そう言うなよ。戻ったら三人をストーキングしている技術部の馬鹿につけ狙われるんだから。それまで楽しんでろよ」
「新入りの分際で!」
周りのブリッジクルーの女性陣、技術部の男性部員が口々に茶々を入れてくる。
「黙れー!」
瞬間湯沸かし器、かなめが大声で怒鳴りつける。
「じゃあ、行くとするか。西園寺、アイシャ。ついて来い。大丈夫か誠。一人で立てるか?それとも吐くか?」
誠はすさまじく居辛い雰囲気と、明らかに批判的なギャラリーの視線に耐えながらエレベータに乗り込む。
「それにしても初出撃で巡洋艦撃破ってすごいわよねえ。これじゃあさっきのニュースも当然よね」
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アメリアの解説を聞いて、かなめはようやく冷静に現状分析を始めた。かなめの表情が険しくなる。同じくカウラも複雑な表情を浮かべた。
「でも……こいつがか?」
そう言うとかなめはまじまじと誠の顔を眺める。
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「アタシもさあ。実際、間近で見てて凄いなあと驚いたんだけど……やっぱり普通のゲロを吐く生き物じゃん」
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「誠ちゃんが口から『重力に逆らえないエクトプラズム』を吐くことがあるのは知ってるからでしょ?知らなきゃただの英雄よ」
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「まあそうなんだけど。こいつが叔父貴と同類の法術師?信じられねえよなあ」
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「誰がイヤラシイ目で見てるって?オメエがそう見てるからアタシも同じ目で見てると妄想するんだろ?」
苛立つカウラをかなめは難なくかわして見せた。そしてそのままハンガーへ向かう通路を歩き続けた。
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