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異質な『法術師』という存在
第91話 神前誠がもたらした『馬鹿騒ぎ』
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「……とりあえず、神前の野郎に関心を持っている国家、武装勢力は以上になります」
いつものように、実働部隊隊長室は雑然としていた。
ランは隣の技術部情報課課長の若い男性大尉が話し終わるのをその隣で見守っていた。
「ふうん、そう。俺の予想通りかな……ちょっと少ないか」
嵯峨はそういうと手にしている茶碗をじっと見つめている。その表面の凹凸に視線を投げながら、ランと男性大尉を無視しているような態度でそう言った。
「つまりアレだろ?結論は、『どこが神前の素性に最初に気づいたかわかんねえ』と言うことなんだろ?回りくどいのはやめようや。地球圏の政府には、遼州同盟の偉いさんからお手紙を出したそうだが……『最強の営利企業』のマフィアの親分さん達のことだ。神前の身柄の確保を地球圏で一番最初に頼んだ連中の名前は絶対出てこないだろうな」
嵯峨はそう言うと、執務机の端に置かれたポットを手元に引き寄せる。
「地球連邦を支える各国家の諜報組織や各惑星系国家の治安関係組織は当然動きますよね。遼州同盟加盟国でも『ゲルパルト連邦共和国』や『甲武国』は当然として『外惑星連邦』をはじめとする前の戦争の『連合国』まで確かに動いてはいますが……どこが最初に動いたかというと……」
急須にポットのお湯を注ぎながら、嵯峨は黙って男性大尉の言葉を聞いていた。
『偉大なる中佐殿』ことクバルカ・ラン中佐は、黙って腕組みをして二人の会話を聞いていた。
「ですがどれも動くタイミングとかがばらばらで、何処が主導権を握っているのやら見当がつかない有様で……」
情報将校用の大型のタブレットを手にした大尉はそう言って頭を掻く。
「まあ生きたままで、『特殊な部隊』の部隊員を拉致するなんて、元々失敗する可能性は大きかったからねえ。成功不成功に関わらず、依頼元がばれないように細工をする準備ができていたんだろ?失敗しても神前に興味を持っている勢力がうじゃうじゃいるからね。そっちを言い出しっぺに仕向けて、自分は知らん顔……大人なんてそんなもんでしょ」
相変わらず嵯峨はラン達に視線を合わせず、急須のお茶を茶碗に注いでいた。
「連中は神前の『素性』に『関心がある』と俺に示して見せるだけで十分だと考えているんじゃない?」
茶碗にある程度茶を注ぐと、ようやく嵯峨は視線をランに向けた。
「隊長は。この『馬鹿騒ぎ』を始めた馬鹿の目星がついてんじゃねーか?」
腕組みをしながらランはそう言ってにやりと笑う。
しかし、嵯峨は全く答えずに淡々とお茶を飲んだ。
いつものように、実働部隊隊長室は雑然としていた。
ランは隣の技術部情報課課長の若い男性大尉が話し終わるのをその隣で見守っていた。
「ふうん、そう。俺の予想通りかな……ちょっと少ないか」
嵯峨はそういうと手にしている茶碗をじっと見つめている。その表面の凹凸に視線を投げながら、ランと男性大尉を無視しているような態度でそう言った。
「つまりアレだろ?結論は、『どこが神前の素性に最初に気づいたかわかんねえ』と言うことなんだろ?回りくどいのはやめようや。地球圏の政府には、遼州同盟の偉いさんからお手紙を出したそうだが……『最強の営利企業』のマフィアの親分さん達のことだ。神前の身柄の確保を地球圏で一番最初に頼んだ連中の名前は絶対出てこないだろうな」
嵯峨はそう言うと、執務机の端に置かれたポットを手元に引き寄せる。
「地球連邦を支える各国家の諜報組織や各惑星系国家の治安関係組織は当然動きますよね。遼州同盟加盟国でも『ゲルパルト連邦共和国』や『甲武国』は当然として『外惑星連邦』をはじめとする前の戦争の『連合国』まで確かに動いてはいますが……どこが最初に動いたかというと……」
急須にポットのお湯を注ぎながら、嵯峨は黙って男性大尉の言葉を聞いていた。
『偉大なる中佐殿』ことクバルカ・ラン中佐は、黙って腕組みをして二人の会話を聞いていた。
「ですがどれも動くタイミングとかがばらばらで、何処が主導権を握っているのやら見当がつかない有様で……」
情報将校用の大型のタブレットを手にした大尉はそう言って頭を掻く。
「まあ生きたままで、『特殊な部隊』の部隊員を拉致するなんて、元々失敗する可能性は大きかったからねえ。成功不成功に関わらず、依頼元がばれないように細工をする準備ができていたんだろ?失敗しても神前に興味を持っている勢力がうじゃうじゃいるからね。そっちを言い出しっぺに仕向けて、自分は知らん顔……大人なんてそんなもんでしょ」
相変わらず嵯峨はラン達に視線を合わせず、急須のお茶を茶碗に注いでいた。
「連中は神前の『素性』に『関心がある』と俺に示して見せるだけで十分だと考えているんじゃない?」
茶碗にある程度茶を注ぐと、ようやく嵯峨は視線をランに向けた。
「隊長は。この『馬鹿騒ぎ』を始めた馬鹿の目星がついてんじゃねーか?」
腕組みをしながらランはそう言ってにやりと笑う。
しかし、嵯峨は全く答えずに淡々とお茶を飲んだ。
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