特殊装甲隊 ダグフェロン『廃帝と永遠の世紀末』 遼州の闇

悲劇の代償

第78話 フォローの名を借りた『強制飲み会』

　どう見ても8歳女児の『偉大なる中佐殿』ことクバルカ・ラン中佐は自分の城、実働機動部隊の執務室に入った。

　ランの姿を見ると、机に脚を載せて、目の前のモニターを眺めていた、かなめの視線が生気を帯びる。

「わかってるよ姐御、フォローだろ？……アメリアにも連絡するか？」

「まあ今メールを送ったから……早いねえ。連絡が来てるぜ。いつものメンツで『月島屋』で待つだとよ」

　そう言ってランは満面笑みのかなめを見つめた。

「そういうわけで」

　機動部隊詰め所に『なぜか居た』、『ヤンキー』島田正人曹長が誠の肩に手を伸ばす。

「なんですか？僕がなにかしましたか？」

　誠は今一つ状況が飲み込めずにいた。

「なにがじゃないんだよ！お前さんを励ます飲み会なんだから」

　黄昏ていた誠を技術部部長代理兼整備班長である茶髪のあんちゃん、島田正人が引っ張って廊下に連れ出す。

　誠は割り算が出来ない島田の怪力に慌てふためきながら廊下に引きずり出された。