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出会い……それは物語の始まり
第8話 敗戦国の『英雄』と呼ばれる女性
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『誰かが何か企んでるな……ってまあ企んでるだろう。あの嵯峨とかいう人しかいないけど』
そう独り言を言いながら、誠はただ行きかう人々を眺めていた。
周りを見回していた誠だが、あることに気づいた。
ちょうど正面のこの駐車場の一番奥の柱の前に小さな女の子が立っていた。そして、誠がここにきてからこうして周りを見回している間も彼女は誠をじっと見つめていた。
「なんで女の子が?」
ここは軍の施設である。関係者以外はそもそも駐車場に入るゲートのところで止められるはずだ。
「あれか……ここの職員の子供かなにかか……」
誠はそう考えを切り替えて小さな女の子から目をそらした。
誠は別に好きでここに立っているわけではない。
誠は『女の人』を待っていた。
彼を迎えの車に乗せて、辞令に書いてある配属先の司法局実働部隊とか言う『特殊な部隊』に連れて行ってくれる迎えの人物を待っていた。
誠も馬鹿ではないので、その人物が何者なのかは、名乗りもしなかった辞令を渡した禿に聞いて名前と身分、その人物の略歴ぐらいは知っていた。
迎えに来るのは『クバルカ・ラン』と言う女性だと聞いた。階級は中佐とだけ人事の担当者から伝えられていた。
十年前、ここ島国東和共和国の西に浮かぶ巨大な大陸『遼大陸』は『戦乱』に包まれていた。
特に、その南部であった『遼南内戦』は壮絶を極めるものだったと誠も知っていた。
人事の担当者が言うには『クバルカ・ラン中佐』はその『内戦』の敗戦国『遼南共和国軍』のエースだと聞いていた。
彼女は『紅い』専用アサルト・モジュールに乗って、目覚ましい戦功を立てたと言う。
その後、なぜか内戦終了後成立した『遼南民主国』ではなく、ここ『東都共和国』に『亡命』したのだと人事の担当の大尉は言った。
亡命後、東和共和国陸軍に引き抜かれた彼女は、アサルト・モジュールの教導隊でも、その『強さ』を発揮した凄腕だと聞いていた。
人事の担当者の大尉の禿げ頭が頼んでもいないのに彼女の活躍について熱く語る様に閉口したことを誠は思い出した。
そう独り言を言いながら、誠はただ行きかう人々を眺めていた。
周りを見回していた誠だが、あることに気づいた。
ちょうど正面のこの駐車場の一番奥の柱の前に小さな女の子が立っていた。そして、誠がここにきてからこうして周りを見回している間も彼女は誠をじっと見つめていた。
「なんで女の子が?」
ここは軍の施設である。関係者以外はそもそも駐車場に入るゲートのところで止められるはずだ。
「あれか……ここの職員の子供かなにかか……」
誠はそう考えを切り替えて小さな女の子から目をそらした。
誠は別に好きでここに立っているわけではない。
誠は『女の人』を待っていた。
彼を迎えの車に乗せて、辞令に書いてある配属先の司法局実働部隊とか言う『特殊な部隊』に連れて行ってくれる迎えの人物を待っていた。
誠も馬鹿ではないので、その人物が何者なのかは、名乗りもしなかった辞令を渡した禿に聞いて名前と身分、その人物の略歴ぐらいは知っていた。
迎えに来るのは『クバルカ・ラン』と言う女性だと聞いた。階級は中佐とだけ人事の担当者から伝えられていた。
十年前、ここ島国東和共和国の西に浮かぶ巨大な大陸『遼大陸』は『戦乱』に包まれていた。
特に、その南部であった『遼南内戦』は壮絶を極めるものだったと誠も知っていた。
人事の担当者が言うには『クバルカ・ラン中佐』はその『内戦』の敗戦国『遼南共和国軍』のエースだと聞いていた。
彼女は『紅い』専用アサルト・モジュールに乗って、目覚ましい戦功を立てたと言う。
その後、なぜか内戦終了後成立した『遼南民主国』ではなく、ここ『東都共和国』に『亡命』したのだと人事の担当の大尉は言った。
亡命後、東和共和国陸軍に引き抜かれた彼女は、アサルト・モジュールの教導隊でも、その『強さ』を発揮した凄腕だと聞いていた。
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