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寿司と幼女
第84話 鏡の国
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次の日は雨だった。地獄のランニングとトレーニングはこれまでのシミュレーションの感想などを書類にする仕事に置き換えられた。
終業時間近くになると暗鬱な気分をまとう誠を待っていたのは笑顔のかわいいランだった。
「今日、寿司連れてってやる」
ランは出社した誠にそう言って笑うといつも通り机の上の将棋盤に目をやった。
「よかったな……寿司じゃん」
「初めてじゃないか?一月以内に中佐が寿司に連れて行くなんて」
かなめもカウラも笑顔で席に着く誠に目をやった。
「回転寿司ですか?」
「ちげーよ。ちゃんとしたカウンターの寿司だ。なんでもそこの大将は銀座で修業したとか言ってたぞ。菱川重工のお偉いさん目当ての結構高級な店なんだぜ。アタシが良い仕入れ先を教えてやったからそれが縁で通ってるんだ」
桂馬の駒を手にランはそう言って盤面を見つめている。
誠は初めての回っていない寿司の話にワクワクしながら机の上の端末を終了した。その脳裏からは昨日の島田の仕打ちで退職を考えたことなど完全に消え去っていた。
「寿司だからな……タダより高いものは無いということもある」
ぼそりとカウラがつぶやくが、誠の寿司へのあこがれの感情がそんな警告を聞き逃すように仕向けた。
そしてそのままいつもより早く着替えを済ませると更衣室を出た。
そこにある喫煙所で嵯峨がつまらなそうにタバコを吸っていた。
「寿司食えるんだ……いいねえ……俺半年以上食ってねえけど」
喫煙所のソファーに腰かけている嵯峨はそう言って誠を見上げた。
「しかも回らない寿司って……ありがとうございます!」
「俺がおごるんじゃねえんだから……まあ、いいや。ランに色々教わんな」
そう言って嵯峨はタバコをくゆらせた。
「アイツの社会常識問題についていくために必須の知識なんだが……甲武国は……『共和国』じゃない。『帝国』でもない。その理由……分かるか?」
嵯峨はそう言って社会知識ゼロの誠の顔をまじまじと見つめた。
「僕……社会は苦手なんで」
そう答えるしかない自分が恥ずかしいが事実なので仕方がなかった。
「それは知ってるよ……理由は簡単だな。甲武国の元首は人間じゃねえんだ」
「人間じゃない……というか『元首』ってなんです?」
誠の顔を完全にあきれ果てたというような表情で嵯峨が見上げる。
「あのなあ……大学出てるんだろ?まあいいや、元首って言うのはその国の代表のこった。あそこの元首はな……『鏡』なんだ……『甲武の御鏡』と呼ばれて貴族の会議をやる『金烏殿』と呼ばれる建物の奥深くに飾られてる」
「鏡?」
あまりに意外な答えに誠は口ごもった。
「そう、鏡。遼帝国の遼薫とか言う皇帝から初代の甲武国宰相西園寺基……ああ、かなめのご先祖な。そのかなめのご先祖が受け取った鏡があそこの国の元首なんだ。あそこの四大公家である西園寺家、九条家、田安家、嵯峨家はその鏡の信任に応えて政を行うことになってるんだ」
誠は鏡のやる政治が理解できずに呆然と立ち尽くしていた。
「鏡が信任?鏡にそんな機能があるんですか?AI搭載してるんですか?」
間抜けな答えなのは十分承知だったが、誠にはそれ以上のことは言えなかった。
「AI搭載って……そんな鏡気持ち悪いわな。その鏡はしゃべりもしないし文字が浮き出るわけじゃねえよ。第一、独立当初の遼帝国にそんな技術はねえよ。普通の青銅製の鏡だ。俺は見たことがあるが……何のことは無い、半径25㎝ぐらいの丸い鏡だ。裏になんか色々書いてあるらしいが……俺は表しか見たことがねえよ。まあ、綺麗に顔が映る普通の鏡だ」
嵯峨は少し遠くを見るような目で誠を見つめながらそう言った。
「なんでそんな鏡をありがたがるんです?鏡なんていくらでも作れるじゃないですか」
誠にはそんな頭の悪い質問しかできなかった。
「その理由は簡単だ……人は間違うが物は間違わないって訳。いわゆる国の御神体だな。神社とかに大木とか石とか御神体にしているところあるじゃん。そんな感じだな」
「確かに……ありますね」
東和共和国にも神社はある。多くは巨木や剣などを御神体にしているということは誠も知っていた。
「まあそう考えると一番しっくりくるわな。鏡が神様って訳だな。神様だもん……間違いを犯すわけがない」
「確かにそうですけど……代表なんですよね?その鏡は。国の代表が何かを決めなきゃならない時はどうするんですか?」
誠にも政治は人間がやることくらい分かっている。それを鏡の信任でやるということが今一つ理解できなかった。
「そんなもん政治をやってる貴族が決めりゃあいい。そしてその責任は貴族が鏡に対してとる訳だ」
「なんかしっくりしないんですけど……」
東和共和国は大統領制が敷かれている。大統領は首相を指名し政治を行うくらいの知識は誠にもあった。
「鏡はただ政治を行う貴族達の顔を映すだけ……その苦悩も愚かさもすべてはっきりと映す……間違いが無いんだ。だから鏡が元首って訳。絶対に過ちを犯さない元首が出来上がるんだ」
嵯峨はそう言って吸いかけのタバコを灰皿に落とす。
「でも誰も異論をはさまないんですか?どう考えても僕には変なことに思えるんですけど……」
誠は待たせているランのことを思い出しながらそう言ってみた。
「異論を言う人間の顔を映すのもまた鏡なんだ。鏡に文句言ったって疲れるだけだよ……それに失政は鏡に忠誠を誓った貴族達が悪いってこと。鏡は何一つ間違っちゃいないわけだ……失敗できるのは人間の特権だな」
「それが甲武国の政治……」
かなめの母国の少し変わった政治体制に誠は驚きつつそうつぶやいた。
「そう。鏡に誓いを立て鏡に頭を下げて政治を行うのがあそこの貴族ってことなんだ」
「じゃあ前の戦争でたくさんの甲武の兵が死んだのは……」
二十年前の『第二次遼州大戦』のことはさすがの誠も知っていた。そしてその戦いで数億の命が失われたことも当然知っていた。
「甲武の兵隊は鏡の為に死んだわけだが……死んだ原因を作ったのは時の政府と軍って訳なんだ。鏡は何も間違っちゃいない……全責任は負ける戦争をした政府にある訳だ」
嵯峨はそう言うと胸のポケットから二本目のタバコを取り出した。
「どこか……納得できないんですけど」
「そうかい。俺にはよくできた政治体制と言えると思うがね。人間は絶対に間違える生き物だ。その生き物の顔を映し出す鏡が映された人間に全権を与える……隠喩が効いててなかなか興味深いよ……兄貴はあんまり好きじゃねえって言ってたが……兄貴は人間好きだからな、人間が元首の国にしたいんだろ、甲武を」
嵯峨はそう言って笑った。
「隊長のお兄さんってことは西園寺さんのお父さんですよね」
「そうだよ。俺は長いことあそこの家に厄介になってたからな……兄貴にゃあ頭が上がらねえんだ。それ以上にそのかみさんには頭が上がらねえがな」
頭を掻きながらそう言うと嵯峨はニヤリと笑った。
「西園寺さんのお母さん……どんな人なんです?」
「そりゃあ……鬼」
誠は嵯峨の言葉に思わず驚いて目をむいた。
「まあ、冗談だよ。まあ食えないオバサンだな」
「はあ」
皮肉のこもった笑みを浮かべる嵯峨を見つめながら誠は今一つ納得できないでいた。
「そうですか……」
「まあさっきも神社の話が出たように宗教とか研究すると似たような話が出てくるが……お前さんは理系だもんな。関心ねえだろ?」
「また馬鹿にしてるんですか?」
知らないことばかりとは言え、さすがにこれだけ見下された口調で説明を受ければ気の小さい誠でもカチンとくる。
「そう卑屈になりなさんなって。なんなら寿司でも食いながらランに相談してみな。いい本を紹介してくれるんじゃねえかな……お前さんに理解できるかどうかは別だが」
「やっぱり馬鹿にしてるじゃないですか!」
口から天井に向けて煙を吐きながらの嵯峨の言葉に誠はそう言って抗議した。
「馬鹿にされるような知識量だから馬鹿にされるんだよ。勉強しなさいって……ああ、それはランの決め台詞だったな」
「確かにクバルカ中佐ならそう言いそうですけど」
「そこまで分かってるならちょっとは勉強してよ……社会常識だよそんなの。だから一つも内定貰えねえんだよ」
一番誠が嵯峨について頭に来ているところを突かれて誠は怒りの表情で嵯峨をにらみつけた。
「人の進路をすべて潰した人の言うセリフですか?それ」
「確かにな……ランが待ってるんだろ?行って来いよ」
「行ってきます!」
さんざんおもちゃにされたという事実に気分を害しながら誠は大股で廊下を歩いていった。
終業時間近くになると暗鬱な気分をまとう誠を待っていたのは笑顔のかわいいランだった。
「今日、寿司連れてってやる」
ランは出社した誠にそう言って笑うといつも通り机の上の将棋盤に目をやった。
「よかったな……寿司じゃん」
「初めてじゃないか?一月以内に中佐が寿司に連れて行くなんて」
かなめもカウラも笑顔で席に着く誠に目をやった。
「回転寿司ですか?」
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誠は初めての回っていない寿司の話にワクワクしながら机の上の端末を終了した。その脳裏からは昨日の島田の仕打ちで退職を考えたことなど完全に消え去っていた。
「寿司だからな……タダより高いものは無いということもある」
ぼそりとカウラがつぶやくが、誠の寿司へのあこがれの感情がそんな警告を聞き逃すように仕向けた。
そしてそのままいつもより早く着替えを済ませると更衣室を出た。
そこにある喫煙所で嵯峨がつまらなそうにタバコを吸っていた。
「寿司食えるんだ……いいねえ……俺半年以上食ってねえけど」
喫煙所のソファーに腰かけている嵯峨はそう言って誠を見上げた。
「しかも回らない寿司って……ありがとうございます!」
「俺がおごるんじゃねえんだから……まあ、いいや。ランに色々教わんな」
そう言って嵯峨はタバコをくゆらせた。
「アイツの社会常識問題についていくために必須の知識なんだが……甲武国は……『共和国』じゃない。『帝国』でもない。その理由……分かるか?」
嵯峨はそう言って社会知識ゼロの誠の顔をまじまじと見つめた。
「僕……社会は苦手なんで」
そう答えるしかない自分が恥ずかしいが事実なので仕方がなかった。
「それは知ってるよ……理由は簡単だな。甲武国の元首は人間じゃねえんだ」
「人間じゃない……というか『元首』ってなんです?」
誠の顔を完全にあきれ果てたというような表情で嵯峨が見上げる。
「あのなあ……大学出てるんだろ?まあいいや、元首って言うのはその国の代表のこった。あそこの元首はな……『鏡』なんだ……『甲武の御鏡』と呼ばれて貴族の会議をやる『金烏殿』と呼ばれる建物の奥深くに飾られてる」
「鏡?」
あまりに意外な答えに誠は口ごもった。
「そう、鏡。遼帝国の遼薫とか言う皇帝から初代の甲武国宰相西園寺基……ああ、かなめのご先祖な。そのかなめのご先祖が受け取った鏡があそこの国の元首なんだ。あそこの四大公家である西園寺家、九条家、田安家、嵯峨家はその鏡の信任に応えて政を行うことになってるんだ」
誠は鏡のやる政治が理解できずに呆然と立ち尽くしていた。
「鏡が信任?鏡にそんな機能があるんですか?AI搭載してるんですか?」
間抜けな答えなのは十分承知だったが、誠にはそれ以上のことは言えなかった。
「AI搭載って……そんな鏡気持ち悪いわな。その鏡はしゃべりもしないし文字が浮き出るわけじゃねえよ。第一、独立当初の遼帝国にそんな技術はねえよ。普通の青銅製の鏡だ。俺は見たことがあるが……何のことは無い、半径25㎝ぐらいの丸い鏡だ。裏になんか色々書いてあるらしいが……俺は表しか見たことがねえよ。まあ、綺麗に顔が映る普通の鏡だ」
嵯峨は少し遠くを見るような目で誠を見つめながらそう言った。
「なんでそんな鏡をありがたがるんです?鏡なんていくらでも作れるじゃないですか」
誠にはそんな頭の悪い質問しかできなかった。
「その理由は簡単だ……人は間違うが物は間違わないって訳。いわゆる国の御神体だな。神社とかに大木とか石とか御神体にしているところあるじゃん。そんな感じだな」
「確かに……ありますね」
東和共和国にも神社はある。多くは巨木や剣などを御神体にしているということは誠も知っていた。
「まあそう考えると一番しっくりくるわな。鏡が神様って訳だな。神様だもん……間違いを犯すわけがない」
「確かにそうですけど……代表なんですよね?その鏡は。国の代表が何かを決めなきゃならない時はどうするんですか?」
誠にも政治は人間がやることくらい分かっている。それを鏡の信任でやるということが今一つ理解できなかった。
「そんなもん政治をやってる貴族が決めりゃあいい。そしてその責任は貴族が鏡に対してとる訳だ」
「なんかしっくりしないんですけど……」
東和共和国は大統領制が敷かれている。大統領は首相を指名し政治を行うくらいの知識は誠にもあった。
「鏡はただ政治を行う貴族達の顔を映すだけ……その苦悩も愚かさもすべてはっきりと映す……間違いが無いんだ。だから鏡が元首って訳。絶対に過ちを犯さない元首が出来上がるんだ」
嵯峨はそう言って吸いかけのタバコを灰皿に落とす。
「でも誰も異論をはさまないんですか?どう考えても僕には変なことに思えるんですけど……」
誠は待たせているランのことを思い出しながらそう言ってみた。
「異論を言う人間の顔を映すのもまた鏡なんだ。鏡に文句言ったって疲れるだけだよ……それに失政は鏡に忠誠を誓った貴族達が悪いってこと。鏡は何一つ間違っちゃいないわけだ……失敗できるのは人間の特権だな」
「それが甲武国の政治……」
かなめの母国の少し変わった政治体制に誠は驚きつつそうつぶやいた。
「そう。鏡に誓いを立て鏡に頭を下げて政治を行うのがあそこの貴族ってことなんだ」
「じゃあ前の戦争でたくさんの甲武の兵が死んだのは……」
二十年前の『第二次遼州大戦』のことはさすがの誠も知っていた。そしてその戦いで数億の命が失われたことも当然知っていた。
「甲武の兵隊は鏡の為に死んだわけだが……死んだ原因を作ったのは時の政府と軍って訳なんだ。鏡は何も間違っちゃいない……全責任は負ける戦争をした政府にある訳だ」
嵯峨はそう言うと胸のポケットから二本目のタバコを取り出した。
「どこか……納得できないんですけど」
「そうかい。俺にはよくできた政治体制と言えると思うがね。人間は絶対に間違える生き物だ。その生き物の顔を映し出す鏡が映された人間に全権を与える……隠喩が効いててなかなか興味深いよ……兄貴はあんまり好きじゃねえって言ってたが……兄貴は人間好きだからな、人間が元首の国にしたいんだろ、甲武を」
嵯峨はそう言って笑った。
「隊長のお兄さんってことは西園寺さんのお父さんですよね」
「そうだよ。俺は長いことあそこの家に厄介になってたからな……兄貴にゃあ頭が上がらねえんだ。それ以上にそのかみさんには頭が上がらねえがな」
頭を掻きながらそう言うと嵯峨はニヤリと笑った。
「西園寺さんのお母さん……どんな人なんです?」
「そりゃあ……鬼」
誠は嵯峨の言葉に思わず驚いて目をむいた。
「まあ、冗談だよ。まあ食えないオバサンだな」
「はあ」
皮肉のこもった笑みを浮かべる嵯峨を見つめながら誠は今一つ納得できないでいた。
「そうですか……」
「まあさっきも神社の話が出たように宗教とか研究すると似たような話が出てくるが……お前さんは理系だもんな。関心ねえだろ?」
「また馬鹿にしてるんですか?」
知らないことばかりとは言え、さすがにこれだけ見下された口調で説明を受ければ気の小さい誠でもカチンとくる。
「そう卑屈になりなさんなって。なんなら寿司でも食いながらランに相談してみな。いい本を紹介してくれるんじゃねえかな……お前さんに理解できるかどうかは別だが」
「やっぱり馬鹿にしてるじゃないですか!」
口から天井に向けて煙を吐きながらの嵯峨の言葉に誠はそう言って抗議した。
「馬鹿にされるような知識量だから馬鹿にされるんだよ。勉強しなさいって……ああ、それはランの決め台詞だったな」
「確かにクバルカ中佐ならそう言いそうですけど」
「そこまで分かってるならちょっとは勉強してよ……社会常識だよそんなの。だから一つも内定貰えねえんだよ」
一番誠が嵯峨について頭に来ているところを突かれて誠は怒りの表情で嵯峨をにらみつけた。
「人の進路をすべて潰した人の言うセリフですか?それ」
「確かにな……ランが待ってるんだろ?行って来いよ」
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