法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』の初陣

橋本 直

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第六章 駄目な人々

第33話 取ってつけたような謝罪

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翌日からジョージも参加した。


レコードから楽譜を起こす作業から開始する。元々楽譜もあるのだがアレンジもしたい。全部の楽器用の楽譜が揃ったら合わせて調整をしていく。

楽器は音出しから入る。声楽は発声から。

キャサリンは元々の声が良いから発声をもっとやった方が良いな。

身体が楽器の私達はストレッチなども行う。

「王子、発声練習お願いしまーす」

ドレミの音階を1音ずつ上げて声を出す基本練習

「キャサリン喉開いて」

まだ硬いなあ。

「ちょっと失礼」

キャサリンのお腹に手を当てる。腹筋はぼちぼちだな。

クライスとカインが羨ましそうに見るのでサービスでガン飛ばしといた。嬉しそうなのが気持ち悪い。


「王子、ロングトーンもお願いしやーす」

「はいはい」

王子嬉しそうだなあ。


なるほどファからソ辺りがブレるね。丁度裏声との境目なんだな。

「キャサリンはファからソ辺りを家で自主発声ね。アルトはその辺の音階多いから」

「解ったわ!歌うの楽しい!」

嬉しそうで良かった。アルトはこのくらいの年齢ではなかなか大人っぽい声がいない。キャサリンは良い声だ。


「それから!カイン!クライス!何時に起きた?」

不服そうな顔をするとすまなさそうな顔をしながらも嬉しそう。

「声が起きてない」

睨むとやはり嬉しそう。キャサリンは横で苦笑している。

「やっぱドMって本当なのね」

と耳打ちして来た。私は困り顔で頷いた。


エミリアは出だしが他の管楽器が居ないのでほぼソロに近い。一生懸命練習している。上手いよなあ。


一方でジョージとルイスの弦楽器コンビ!上手い!

攻略対象者ハイスペック。ピアノ以外も行けるのか。

眺めて居るとルイスが不快そうにガン飛ばして来た。此奴は庶民が嫌いなんだろうか?私もついつい睨み返してしまう。


火花散りそうなのでこの辺で止めとこう。


今日の練習は1回合わせて終わった。何だかんだで途中休憩もしたけど6時間くらい学校に居た。

前世はアレだっただけど今世の歌を歌う生活も楽しい


帰りはお金持ち達はクラシックカー(この時代のこの世界では最先端)で御帰宅だ。

お迎えが来ている。

ルイスがふらっと車と逆方向へ歩いて行った。

ん?!んんんんん!!?

「単車だぁ!!」

テンションが一気に駆け上がる


「凄い凄い凄い!」

ルイスの方へ猛ダッシュ!

皆もどうした?と着いて来ている


「ルイス、買ったんだ?」

クライスが珍しそうにモーターサイクル(日本語ではオートバイ)を眺めている。

「乗りたい!乗りたい!お願いしやす!」

私はルイスに頭を下げる


「流石に女性には危ないですよ」

カインが宥めてくる。いやいや乗れるんだよ!


「ルナリー、これ高いですわよ」

キャサリンは気持ちは解ってくれているのだろうが確かに高いんだよなあ


「因みにおいくらくらい?」

単車をペタペタ触りながらルイスの方を見ると少し嫌そうな顔をしていた。

「ウェールズ家の年収くらい?か、それ以上?」

さらっと言いやがる。クソ!買えねえ!


「お願いします。乗せて下さい。ルイス様」

懇願してみる。


「乗せてあげれば?」

王子がルイスに声をかける。


「後ろになら。事故起こされても困るから」

ルイスは不服そうに言った。

「いいの?!それでも嬉しい!」

「学校の周り1周だけな」


ヘルメットをポンと渡される。この世界で乗れると思わなかったなあ。単車ぁぁ!

ルイスの後ろに乗る。テンションが上がり過ぎる。ワクワク。

エンジンがかかるとこの感覚!懐かしい!

「しっかり捕まってろ!」

ルイスに言われて、慌てて腰に手を回す。


風が気持ち良い!この流れる感覚!

「ひゃっほー」

声が漏れる!

「たーのしーい!」

身体が覚えてるなあ。カーブ曲がる感触。


「お前さあ!、、、」

ルイスが何か言った

「何ー?聞こえない!」

大声で叫ぶ

結局、何を言ったか解らず学校1周はあっという間に終わってしまう。

ルイスの背中が何だか懐かしい感じがした。

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