12 / 211
第二章 落ちこぼれが落ちた『罠』
第12話 就業弱者
しおりを挟む 宇宙暦四五二三年六月三十日 標準時間〇二四〇。
ゾンファ艦隊のフェイ・ツーロン上将はアルビオン艦隊の第九艦隊を抑えるべく、攻撃を続けていた。距離は十五光秒を割り込み、敵に少なくない出血を強いていたが、未だに敵司令官アデル・ハース大将の思惑を読み切れず、彼の表情に余裕はなかった。
「敵艦隊、レールキャノンを使用した模様。質量弾到着まで約二百秒です」
情報担当参謀からの報告にフェイは疑問を持つ。
(この距離でレールキャノンだと……何を考えている……)
その思考は次の報告で中断する。
「敵、天底方向に向けて変針しました」
フェイはすぐに自らのコンソールに目をやる。
そこにはシオン・チョン上将率いる本隊から離れていく第九艦隊の姿が映し出されていた。
「敵第九艦隊の前方に向けて針路変更。攻撃を中止し、防御を固めろ」
第九艦隊を自由にしないよう塞ぐような針路に変更する。艦首の向きを変えたことで脆弱な側面を晒すことになるため、防御を命じた。
(距離を取ることの意味は何だ? あのハースがこの圧倒的に不利な状況で無駄な機動を命じるわけがない……罠の発動と共に反転するつもりなのか? だが、それでは我が艦隊に側面を晒すことになる……)
フェイはこの時、アルビオン艦隊随一の知将、ハースの幻影に惑わされていた。
彼が考えるようにハースは非常に合理的で、一見して無駄に思える行動もあとで検証すると必ず意味があった。そのため、この行動にも意味を見出そうとしてしまったのだ。
「敵の罠はまだ見つからないか!」と索敵担当の参謀に強い口調で確認する。
しかし、「申し訳ございません」という答えしか返ってこない。フェイはすぐに冷静さを取り戻す。
「了解した。必ず罠があるはずだ。一秒でも早く見つけてくれ」と言った後、艦隊に向けて放送を行った。
「我が艦隊の目的は敵第九艦隊を自由にさせないことだ。前衛艦隊と本隊が敵本隊を仕留めてくれれば一個艦隊では何もできん。今は敵を沈めるより、動きを封じることを第一に考えるのだ」
これによりフェイ艦隊の攻撃はそれまでより緩やかなものになった。
標準時間〇二四五。
フェイ艦隊は第九艦隊と十光秒の位置にあった。
「敵の罠が判明しました! 衛星軌道上にある浮きドックに戦闘艦が隠されています! 数は一個艦隊程度と思われます!」
「何!」とフェイは驚くが、すぐに我に返る。
「その情報を直ちにシオン上将とレイ上将に転送しろ!」
その頃、シオン率いる本隊はムツキ級軍事衛星群から約五光秒の位置にあり、衛星を攻撃していた。
レイ・リアン上将率いる前衛艦隊はヤシマ艦隊とロンバルディア艦隊に肉薄し、優勢に戦いを進めている。
フェイ艦隊から本隊までは約十光秒、前衛艦隊までは約十五光秒離れている。
通信を送ったものの、その返信が来るのは二十秒以上後になる。その時間をイライラとしながら待っていると、前衛艦隊が爆発する光景が映し出された。
「て、敵伏兵艦隊、攻撃を開始しました! ス、ステルス機雷による攻撃も加わっております!」
焦ってどもる参謀の声を聴きながら、フェイはその光景を茫然と見つめた。しかし、すぐに我に返り、命令を発する。
「敵第九艦隊に向けて加速開始! 主砲斉射! 奴らを本隊に向かわせるな!」
それまでの慎重さを投げ捨て、第九艦隊に向けて突撃を開始した。
■■■
標準時間〇二四五。
前衛艦隊のレイ・リアン上将はヤシマ艦隊とロンバルディア艦隊を圧倒していることに満足していた。
「このまま押し切ってしまえ! 奴らの気力もそろそろ尽きるぞ!」
一方、同じく前衛艦隊を率いるシー・シャオロン上将は思ったほど敵にダメージを与えられないことに疑問を感じていた。
(崩れそうに見えるが、微妙なところで持ちこたえている。弱兵と侮ると手痛い反撃を受けるかもしれない……)
当初はズルズルと後退し、すぐにでも戦列が崩れると思われたが、戦闘が始まって一時間半以上経つのに両艦隊は秩序を保っている。
「前進を中止し、戦列を整えつつ、ロンバルディア艦隊に攻撃を集中しなさい。アルビオン艦隊からの攻撃にも充分注意しておくように」
レイ艦隊と共に前進していたため、シー艦隊の戦列は乱れ、戦艦と巡航艦が入り乱れている状況だ。本来であれば、防御力の高い戦艦を最前列に配置し、その陰から巡航艦や駆逐艦が攻撃を加えるのだが、指揮官たちの戦意が旺盛すぎてこのような状況になっている。
シー艦隊が戦列を整えようとした時、索敵担当参謀が慌てた口調で報告し始めた。
「天頂方向の浮きドック群に戦闘艦の反応があります!」
「何!」とシーは言ってメインスクリーンに視線を向けた。
更に旗艦の索敵員が悲鳴に似た声を上げる。
「ステルスミサイル多数接近! ステルス機雷から発射された模様! 天頂方向と天底方向の二方向から……」
そこまで言ったところで旗艦ウーイーシャン06が大きく揺れた。
浮きドックに潜んでいたアルビオン艦隊の砲撃が命中したのだ。
戦闘指揮所では警報音が鳴り響き、人工知能の中性的な声が響く。
『艦首兵装区画減圧中。当該区画を閉鎖します……』
『主兵装エリア火災発生。自動消火装置作動……』
突然の奇襲に全員が対応できずにいた。
そんな中、シーはいち早く我に返り、CIC要員を落ち着かせるべく、声を上げた。
「落ち着きなさい! 敵は僅か一個艦隊に過ぎない! ステルス機雷も冷静に処理すれば対処できる! 敵は切り札を使ったのです! これを乗り切れば、もう敵に打つ手はない!」
シーの言葉に艦長以下のCIC要員は僅かだが落ち着きを取り戻し、マニュアル通りの対応を始めた。
しかし、その混乱をヤシマ及びロンバルディア艦隊は見逃さなかった。
それまでのうっ憤を晴らすかのように激しい砲撃を加えていく。
ヤシマ艦隊の司令官トモエ・ナカハラは旗艦ヒューガ13の司令官シートから立ち上がり、麾下の艦隊に鋭い口調で命令した。
「全艦前進せよ! 今こそ宿敵ゾンファを駆逐する時だ! 進め!」
その命令でナカハラ艦隊が前進を開始すると、レイジ・アベカワ大将の艦隊も前進し始める。
「敵が自暴自棄になる可能性がある。艦列を崩すことなく、冷静に攻撃せよ。ここで確実に敵を仕留めるのだ」
アルビオン軍第十一艦隊のサンドラ・サウスゲート大将もそれまでのストレスを解放するかのように苛烈な攻撃を加え続けている。
「ようやく我々の出番だ! 敵は混乱している! 一気に蹴散らせ!」
更にロンバルディア艦隊も前進を開始し、ゾンファ前衛艦隊は前方と上方の二方向からの砲撃を受けることになった。更に上方と下方に隠してあったステルス機雷が起動し、三方向から激しい攻撃を受けていた。
ゾンファ艦隊の最前列にいたレイ・リアン上将はヤシマ艦隊の猛攻を受け、旗艦もろとも爆散した。レイ艦隊は指揮官を失い、戦列が崩壊していく。
ゾンファ艦隊本隊のシオン・チョン上将はムツキ級軍事衛星を三基破壊し、アルビオン艦隊を追い詰めつつあったが、第十一艦隊の攻撃に始まった奇襲により、対応を迫られることになった。
本隊は前衛艦隊の五光秒後方にあり、救援は可能であったが、連合艦隊の反攻に合わせてアルビオン艦隊本隊も攻勢に転じたことから、即座に動けなかった。
更に散発的だが、ステルス機雷が襲い掛かり、混乱が起きる。
「敵の最後の足掻きだ! ステルス機雷に対応しつつ、前衛艦隊の救援に向かう! まだ我々の方が数で優っている! 冷静に対処せよ!」
シオンの言葉に本隊は一時の混乱が収まったが、一度変わった流れを取り戻せなかった。
「我が艦隊を先頭にヤシマ艦隊に突撃する。ヤシマ艦隊を突破後、後背から敵を殲滅する! 我に続け!」
シオンはこの状況を打開するため、賭けと言えるほどの強引な中央突破を命じた。
ゾンファ艦隊のフェイ・ツーロン上将はアルビオン艦隊の第九艦隊を抑えるべく、攻撃を続けていた。距離は十五光秒を割り込み、敵に少なくない出血を強いていたが、未だに敵司令官アデル・ハース大将の思惑を読み切れず、彼の表情に余裕はなかった。
「敵艦隊、レールキャノンを使用した模様。質量弾到着まで約二百秒です」
情報担当参謀からの報告にフェイは疑問を持つ。
(この距離でレールキャノンだと……何を考えている……)
その思考は次の報告で中断する。
「敵、天底方向に向けて変針しました」
フェイはすぐに自らのコンソールに目をやる。
そこにはシオン・チョン上将率いる本隊から離れていく第九艦隊の姿が映し出されていた。
「敵第九艦隊の前方に向けて針路変更。攻撃を中止し、防御を固めろ」
第九艦隊を自由にしないよう塞ぐような針路に変更する。艦首の向きを変えたことで脆弱な側面を晒すことになるため、防御を命じた。
(距離を取ることの意味は何だ? あのハースがこの圧倒的に不利な状況で無駄な機動を命じるわけがない……罠の発動と共に反転するつもりなのか? だが、それでは我が艦隊に側面を晒すことになる……)
フェイはこの時、アルビオン艦隊随一の知将、ハースの幻影に惑わされていた。
彼が考えるようにハースは非常に合理的で、一見して無駄に思える行動もあとで検証すると必ず意味があった。そのため、この行動にも意味を見出そうとしてしまったのだ。
「敵の罠はまだ見つからないか!」と索敵担当の参謀に強い口調で確認する。
しかし、「申し訳ございません」という答えしか返ってこない。フェイはすぐに冷静さを取り戻す。
「了解した。必ず罠があるはずだ。一秒でも早く見つけてくれ」と言った後、艦隊に向けて放送を行った。
「我が艦隊の目的は敵第九艦隊を自由にさせないことだ。前衛艦隊と本隊が敵本隊を仕留めてくれれば一個艦隊では何もできん。今は敵を沈めるより、動きを封じることを第一に考えるのだ」
これによりフェイ艦隊の攻撃はそれまでより緩やかなものになった。
標準時間〇二四五。
フェイ艦隊は第九艦隊と十光秒の位置にあった。
「敵の罠が判明しました! 衛星軌道上にある浮きドックに戦闘艦が隠されています! 数は一個艦隊程度と思われます!」
「何!」とフェイは驚くが、すぐに我に返る。
「その情報を直ちにシオン上将とレイ上将に転送しろ!」
その頃、シオン率いる本隊はムツキ級軍事衛星群から約五光秒の位置にあり、衛星を攻撃していた。
レイ・リアン上将率いる前衛艦隊はヤシマ艦隊とロンバルディア艦隊に肉薄し、優勢に戦いを進めている。
フェイ艦隊から本隊までは約十光秒、前衛艦隊までは約十五光秒離れている。
通信を送ったものの、その返信が来るのは二十秒以上後になる。その時間をイライラとしながら待っていると、前衛艦隊が爆発する光景が映し出された。
「て、敵伏兵艦隊、攻撃を開始しました! ス、ステルス機雷による攻撃も加わっております!」
焦ってどもる参謀の声を聴きながら、フェイはその光景を茫然と見つめた。しかし、すぐに我に返り、命令を発する。
「敵第九艦隊に向けて加速開始! 主砲斉射! 奴らを本隊に向かわせるな!」
それまでの慎重さを投げ捨て、第九艦隊に向けて突撃を開始した。
■■■
標準時間〇二四五。
前衛艦隊のレイ・リアン上将はヤシマ艦隊とロンバルディア艦隊を圧倒していることに満足していた。
「このまま押し切ってしまえ! 奴らの気力もそろそろ尽きるぞ!」
一方、同じく前衛艦隊を率いるシー・シャオロン上将は思ったほど敵にダメージを与えられないことに疑問を感じていた。
(崩れそうに見えるが、微妙なところで持ちこたえている。弱兵と侮ると手痛い反撃を受けるかもしれない……)
当初はズルズルと後退し、すぐにでも戦列が崩れると思われたが、戦闘が始まって一時間半以上経つのに両艦隊は秩序を保っている。
「前進を中止し、戦列を整えつつ、ロンバルディア艦隊に攻撃を集中しなさい。アルビオン艦隊からの攻撃にも充分注意しておくように」
レイ艦隊と共に前進していたため、シー艦隊の戦列は乱れ、戦艦と巡航艦が入り乱れている状況だ。本来であれば、防御力の高い戦艦を最前列に配置し、その陰から巡航艦や駆逐艦が攻撃を加えるのだが、指揮官たちの戦意が旺盛すぎてこのような状況になっている。
シー艦隊が戦列を整えようとした時、索敵担当参謀が慌てた口調で報告し始めた。
「天頂方向の浮きドック群に戦闘艦の反応があります!」
「何!」とシーは言ってメインスクリーンに視線を向けた。
更に旗艦の索敵員が悲鳴に似た声を上げる。
「ステルスミサイル多数接近! ステルス機雷から発射された模様! 天頂方向と天底方向の二方向から……」
そこまで言ったところで旗艦ウーイーシャン06が大きく揺れた。
浮きドックに潜んでいたアルビオン艦隊の砲撃が命中したのだ。
戦闘指揮所では警報音が鳴り響き、人工知能の中性的な声が響く。
『艦首兵装区画減圧中。当該区画を閉鎖します……』
『主兵装エリア火災発生。自動消火装置作動……』
突然の奇襲に全員が対応できずにいた。
そんな中、シーはいち早く我に返り、CIC要員を落ち着かせるべく、声を上げた。
「落ち着きなさい! 敵は僅か一個艦隊に過ぎない! ステルス機雷も冷静に処理すれば対処できる! 敵は切り札を使ったのです! これを乗り切れば、もう敵に打つ手はない!」
シーの言葉に艦長以下のCIC要員は僅かだが落ち着きを取り戻し、マニュアル通りの対応を始めた。
しかし、その混乱をヤシマ及びロンバルディア艦隊は見逃さなかった。
それまでのうっ憤を晴らすかのように激しい砲撃を加えていく。
ヤシマ艦隊の司令官トモエ・ナカハラは旗艦ヒューガ13の司令官シートから立ち上がり、麾下の艦隊に鋭い口調で命令した。
「全艦前進せよ! 今こそ宿敵ゾンファを駆逐する時だ! 進め!」
その命令でナカハラ艦隊が前進を開始すると、レイジ・アベカワ大将の艦隊も前進し始める。
「敵が自暴自棄になる可能性がある。艦列を崩すことなく、冷静に攻撃せよ。ここで確実に敵を仕留めるのだ」
アルビオン軍第十一艦隊のサンドラ・サウスゲート大将もそれまでのストレスを解放するかのように苛烈な攻撃を加え続けている。
「ようやく我々の出番だ! 敵は混乱している! 一気に蹴散らせ!」
更にロンバルディア艦隊も前進を開始し、ゾンファ前衛艦隊は前方と上方の二方向からの砲撃を受けることになった。更に上方と下方に隠してあったステルス機雷が起動し、三方向から激しい攻撃を受けていた。
ゾンファ艦隊の最前列にいたレイ・リアン上将はヤシマ艦隊の猛攻を受け、旗艦もろとも爆散した。レイ艦隊は指揮官を失い、戦列が崩壊していく。
ゾンファ艦隊本隊のシオン・チョン上将はムツキ級軍事衛星を三基破壊し、アルビオン艦隊を追い詰めつつあったが、第十一艦隊の攻撃に始まった奇襲により、対応を迫られることになった。
本隊は前衛艦隊の五光秒後方にあり、救援は可能であったが、連合艦隊の反攻に合わせてアルビオン艦隊本隊も攻勢に転じたことから、即座に動けなかった。
更に散発的だが、ステルス機雷が襲い掛かり、混乱が起きる。
「敵の最後の足掻きだ! ステルス機雷に対応しつつ、前衛艦隊の救援に向かう! まだ我々の方が数で優っている! 冷静に対処せよ!」
シオンの言葉に本隊は一時の混乱が収まったが、一度変わった流れを取り戻せなかった。
「我が艦隊を先頭にヤシマ艦隊に突撃する。ヤシマ艦隊を突破後、後背から敵を殲滅する! 我に続け!」
シオンはこの状況を打開するため、賭けと言えるほどの強引な中央突破を命じた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第二部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』が発動した『干渉空間』と『光の剣(つるぎ)により貴族主義者のクーデターを未然に防止することが出来た『近藤事件』が終わってから1か月がたった。
宇宙は誠をはじめとする『法術師』の存在を公表することで混乱に陥っていたが、誠の所属する司法局実働部隊、通称『特殊な部隊』は相変わらずおバカな生活を送っていた。
そんな『特殊な部隊』の運用艦『ふさ』艦長アメリア・クラウゼ中佐と誠の所属するシュツルム・パンツァーパイロット部隊『機動部隊第一小隊』のパイロットでサイボーグの西園寺かなめは『特殊な部隊』の野球部の夏合宿を企画した。
どうせろくな事が起こらないと思いながら仕事をさぼって参加する誠。
そこではかなめがいかに自分とはかけ離れたお嬢様で、貴族主義の国『甲武国』がどれほど自分の暮らす永遠に続く20世紀末の東和共和国と違うのかを誠は知ることになった。
しかし、彼を待っていたのは『法術』を持つ遼州人を地球人から解放しようとする『革命家』の襲撃だった。
この事件をきっかけに誠の身辺警護の必要性から誠の警護にアメリア、かなめ、そして無表情な人造人間『ラスト・バタリオン』の第一小隊小隊長カウラ・ベルガー大尉がつくことになる。
これにより誠の暮らす『男子下士官寮』は有名無実化することになった。
そんなおバカな連中を『駄目人間』嵯峨惟基特務大佐と機動部隊隊長クバルカ・ラン中佐は生暖かい目で見守っていた。
そんな『特殊な部隊』の意図とは関係なく着々と『力ある者の支配する宇宙』の実現を目指す『廃帝ハド』の野望はゆっくりと動き出しつつあった。
SFお仕事ギャグロマン小説。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第三部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』は法術の新たな可能性を追求する司法局の要請により『05式広域制圧砲』と言う新兵器の実験に駆り出される。その兵器は法術の特性を生かして敵を殺傷せずにその意識を奪うと言う兵器で、対ゲリラ戦等の『特殊な部隊』と呼ばれる司法局実働部隊に適した兵器だった。
一方、遼州系第二惑星の大国『甲武』では、国家の意思決定最高機関『殿上会』が開かれようとしていた。それに出席するために殿上貴族である『特殊な部隊』の部隊長、嵯峨惟基は甲武へと向かった。
その間隙を縫ったかのように『修羅の国』と呼ばれる紛争の巣窟、ベルルカン大陸のバルキスタン共和国で行われる予定だった選挙合意を反政府勢力が破棄し機動兵器を使った大規模攻勢に打って出て停戦合意が破綻したとの報が『特殊な部隊』に届く。
この停戦合意の破棄を理由に甲武とアメリカは合同で介入を企てようとしていた。その阻止のため、神前誠以下『特殊な部隊』の面々は輸送機でバルキスタン共和国へ向かった。切り札は『05式広域鎮圧砲』とそれを操る誠。『特殊な部隊』の制式シュツルム・パンツァー05式の機動性の無さが作戦を難しいものに変える。
そんな時間との戦いの中、『特殊な部隊』を見守る影があった。
『廃帝ハド』、『ビッグブラザー』、そしてネオナチ。
誠は反政府勢力の攻勢を『05式広域鎮圧砲』を使用して止めることが出来るのか?それとも……。
SFお仕事ギャグロマン小説。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

異世界に転生したのにスキルも貰えずに吸血鬼に拉致されてロボットを修理しろってどういうことなのか
ピモラス
ファンタジー
自動車工場で働くケンはいつも通りに仕事を終えて、帰りのバスのなかでうたた寝をしていた。
目を覚ますと、見知らぬ草原の真っ只中だった。
なんとか民家を見つけ、助けを求めたのだが、兵士を呼ばれて投獄されてしまう。
そこへ返り血に染まった吸血鬼が襲撃に現れ、ケンを誘拐する。
その目的は「ロボットを修理しろ」とのことだった・・・
戦国時代の武士、VRゲームで食堂を開く
オイシイオコメ
SF
奇跡の保存状態で頭部だけが発見された戦国時代の武士、虎一郎は最新の技術でデータで復元され、VRゲームの世界に甦った。
しかし甦った虎一郎は何をして良いのか分からず、ゲーム会社の会長から「畑でも耕してみたら」と、おすすめされ畑を耕すことに。
農業、食堂、バトルのVRMMOコメディ!
※この小説はサラッと読めるように名前にルビを多めに振ってあります。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる