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序章

第3話 戦い続ける地球人達

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 独立した遼州圏だが、遼州に移住した地球人達は戦いを止めることをしなかった。『ゲルパルト』と『外惑星連邦』は、ファシズムと共産主義と言う相容れないイデオロギーをめぐり、第三惑星遼州で独立した大陸国家での勢力争いを始めた。

 そこに『甲武』が反共を掲げてゲルパルトに味方して介入し、戦乱の火の手は瞬く間に燃え広がった。

 その結果、永世中立を国是とする遼州大陸東に位置する『東和共和国』と鎖国をしていた遼州の精神的支柱である遼州人の国家『遼帝国』を除くすべての国が参加する『第一次遼州戦争』が勃発した。

 『反ナチズム』の立場の地球圏からの支援を『外惑星連邦』に届ける役割を果たしていたラップ共和国の仲介もあって5年後にこの戦いが終わった時にはすでに5億人の命が奪われていた。

 遼州人の国である東和共和国は遼州圏に移住した地球人が戦争を好むことに嫌気を指し、その原因を『科学文明』にあると考えた。

 鎖国をし、青銅器文明のまま時が停まっている遼帝国はいざ知らず、多少の文明を持っている東和共和国は国内のデジタル化を停止することで戦争の恐怖から逃げ出そうとした。

 東和の技術は超高速アナログ通信や旧時代のメディアであるCDやレーザーディスクが我が物顔で店頭に並び、役所では書類と印鑑が現役のアナログな世界へと回帰していった。

 遼帝国が内部崩壊から鎖国を解禁した後も、その流れは続いた。遼州圏はそれぞれに微妙な緊張を孕みつつ。介入を狙う地球圏との微妙な関係を保ちながら時は流れた。

 そうして400年の時が流れた。

 人はこの世界がいつまでも続くかと信じ込んでいた。しかし、今度は『甲武』と『ゲルパルト』の枢軸同盟と『外惑星』を中心とする連合国と、それを支援する地球圏との対立が表面化していく流れの中、時代は次の局面を迎えようとしていた。

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