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帰ってくる問題児
第26話 奇妙な出会い
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「それじゃあ案内してくださる?」
麗子は愛想笑いを浮かべる誠に向けてそう言い放った。
「はい、わかりました」
誠はそう言うとそのまま廊下を進んで二階に上がる階段に向かう。
「叔父貴のことだ、逃げてんだろ?」
かなめは相変わらずニヤニヤ笑いながら麗子と鳥居のコンビの後ろを歩いていた。
階段をのぼり、そのまま隊長室に誠は麗子を案内した。
「ここです」
「ありがとう」
案内してきた誠に微笑みを投げた後、麗子は隊長室の扉を三回ノックした。
「はーい」
意外にも嵯峨の声がした。
「いるじゃないの」
「おかしいな……」
アメリアにつつかれてかなめは不思議そうに扉を見つめる。
「失礼しますわ」
そう言うと麗子は静かに隊長室の扉を開いた。
「うっ!」
麗子はそう言うとポケットからハンカチを取り出して口を覆った。
「やっぱりな……」
かなめはそうなるのが分かっていたかのように苦笑いを浮かべる。
この『駄目人間の巣窟』に初めて入った人は誰もが経験する埃とすえた匂いの歓迎に誠もまた納得した。
隊長である嵯峨の辞書には『掃除』の文字が無かった。
部屋には埃が充満し、仕事終わりに安い甲種焼酎のつまみとして持ち込んだスルメやエイヒレの匂いが来るものを拒むかのように広がっている。
「内府殿……」
麗子は半分呆れたというようにそう言って大きな隊長室でのんびりと通俗雑誌を読んでいる嵯峨を見つめた。
「いらっしゃい……殿上会以来だな」
嵯峨はそう言うと見るからに不機嫌そうな麗子の顔を嬉しそうな表情で見上げた。
「この匂いと埃……どうにかなりませんの?」
不機嫌そうにそう言うと麗子は隊長室を見回した。鳥居は特に気にする様子もなくカメラで写真を撮り続けている。
「まあ……どうにも無精な性分でね。田安の右大臣殿は潔癖症か?」
「そう言う問題ではありません!」
まるで気にする様子でもない嵯峨に麗子はそう言ってため息をついた。
「仮にも嵯峨家は甲武建国の祖である西園寺基公から連なる由緒ある家柄ですわよ」
「俺、養子だもん。血はつながってねえわな」
麗子の言葉を遮ってそう言うと嵯峨は満足げな笑みを浮かべる。
「ですが、嵯峨の苗字を名乗る以上はそれなりの覚悟と申しますか……」
「覚悟も何も好きで名乗ってるわけじゃねえわな。親父が嵯峨家を継げって言ったから部屋住みの三男坊から嵯峨家を継いだだけだ」
ああ言えばこう言う嵯峨らしい態度に麗子の怒りはさらにヒートアップする。
「ですが、甲武の四大公家の末席とは言え名門の当主としての心構えをですね……」
「現当主はかえでだ。俺は隠居の身だ。そんな心構えなんて御免だね」
嵯峨はそう言うと満足げに手元のスナック菓子を口に運んだ。
「そんな減らず口を……」
麗子の怒りはマックスに達しようとしていた。
「ここは俺の部隊。どんな隊長室にしようが俺の勝手だ」
嵯峨は勝利を確信してそう言い放った。
「まったく……これでは甲武の恥です」
「別に一般公開されてるわけじゃねえんだから恥はねえだろ」
そう言うと嵯峨は再びスナック菓子に手を伸ばす。
「よくこんなところで食べ物を口に……」
「菌は入ってねえよ。入ったところで人間そう簡単に死なないって……まあ俺は不死身だけど」
いつもの調子の嵯峨に誠はせっかく上がった部隊の株が急降下していく様を見つめるだけだった
「それよりご苦労さんだな。監査とか面倒だろ?」
「この部屋で息をすること自体が面倒ですわ」
麗子は汚いものを見るような目で自然体でお菓子を食べている嵯峨にそうつぶやいた。
「そう言いなさんな。軍なんて言うものはキツイ・汚い・危険の三拍子そろった職場だぞ。死人の腐敗集の中じっと敵を待ち伏せしたりとか、他に飲むものが無くて戦友の血を飲んで渇きをしのぐだの出来なきゃ立派な武門の棟梁にはなれねえよ」
嵯峨はそう言って目の前の哀れな闖入者をあしらった。
「それはそうなんですが……」
麗子も嵯峨にそう言われてしまえば何も言い返すことはできなかった。
「じゃあ、勉強になったろ?帰って良いよ」
そう言うと嵯峨は誠達に背を向けてタバコに火をつけた。
「叔父貴……もっと言いようがあるだろうが」
「かなめ坊。俺の言葉に間違いがあったか?」
背を向けたまま嵯峨はかなめにそう言って部屋を出ていくように手を振る。
「仕方が無いわね……じゃあうちで一番問題ありそうなところに行きましょ」
アメリアは気を利かせてそう言うとドアを開いた。
「失礼しますわ」
麗子は不機嫌そうにそう言うとアメリアに続いて隊長室を後にした。
麗子は愛想笑いを浮かべる誠に向けてそう言い放った。
「はい、わかりました」
誠はそう言うとそのまま廊下を進んで二階に上がる階段に向かう。
「叔父貴のことだ、逃げてんだろ?」
かなめは相変わらずニヤニヤ笑いながら麗子と鳥居のコンビの後ろを歩いていた。
階段をのぼり、そのまま隊長室に誠は麗子を案内した。
「ここです」
「ありがとう」
案内してきた誠に微笑みを投げた後、麗子は隊長室の扉を三回ノックした。
「はーい」
意外にも嵯峨の声がした。
「いるじゃないの」
「おかしいな……」
アメリアにつつかれてかなめは不思議そうに扉を見つめる。
「失礼しますわ」
そう言うと麗子は静かに隊長室の扉を開いた。
「うっ!」
麗子はそう言うとポケットからハンカチを取り出して口を覆った。
「やっぱりな……」
かなめはそうなるのが分かっていたかのように苦笑いを浮かべる。
この『駄目人間の巣窟』に初めて入った人は誰もが経験する埃とすえた匂いの歓迎に誠もまた納得した。
隊長である嵯峨の辞書には『掃除』の文字が無かった。
部屋には埃が充満し、仕事終わりに安い甲種焼酎のつまみとして持ち込んだスルメやエイヒレの匂いが来るものを拒むかのように広がっている。
「内府殿……」
麗子は半分呆れたというようにそう言って大きな隊長室でのんびりと通俗雑誌を読んでいる嵯峨を見つめた。
「いらっしゃい……殿上会以来だな」
嵯峨はそう言うと見るからに不機嫌そうな麗子の顔を嬉しそうな表情で見上げた。
「この匂いと埃……どうにかなりませんの?」
不機嫌そうにそう言うと麗子は隊長室を見回した。鳥居は特に気にする様子もなくカメラで写真を撮り続けている。
「まあ……どうにも無精な性分でね。田安の右大臣殿は潔癖症か?」
「そう言う問題ではありません!」
まるで気にする様子でもない嵯峨に麗子はそう言ってため息をついた。
「仮にも嵯峨家は甲武建国の祖である西園寺基公から連なる由緒ある家柄ですわよ」
「俺、養子だもん。血はつながってねえわな」
麗子の言葉を遮ってそう言うと嵯峨は満足げな笑みを浮かべる。
「ですが、嵯峨の苗字を名乗る以上はそれなりの覚悟と申しますか……」
「覚悟も何も好きで名乗ってるわけじゃねえわな。親父が嵯峨家を継げって言ったから部屋住みの三男坊から嵯峨家を継いだだけだ」
ああ言えばこう言う嵯峨らしい態度に麗子の怒りはさらにヒートアップする。
「ですが、甲武の四大公家の末席とは言え名門の当主としての心構えをですね……」
「現当主はかえでだ。俺は隠居の身だ。そんな心構えなんて御免だね」
嵯峨はそう言うと満足げに手元のスナック菓子を口に運んだ。
「そんな減らず口を……」
麗子の怒りはマックスに達しようとしていた。
「ここは俺の部隊。どんな隊長室にしようが俺の勝手だ」
嵯峨は勝利を確信してそう言い放った。
「まったく……これでは甲武の恥です」
「別に一般公開されてるわけじゃねえんだから恥はねえだろ」
そう言うと嵯峨は再びスナック菓子に手を伸ばす。
「よくこんなところで食べ物を口に……」
「菌は入ってねえよ。入ったところで人間そう簡単に死なないって……まあ俺は不死身だけど」
いつもの調子の嵯峨に誠はせっかく上がった部隊の株が急降下していく様を見つめるだけだった
「それよりご苦労さんだな。監査とか面倒だろ?」
「この部屋で息をすること自体が面倒ですわ」
麗子は汚いものを見るような目で自然体でお菓子を食べている嵯峨にそうつぶやいた。
「そう言いなさんな。軍なんて言うものはキツイ・汚い・危険の三拍子そろった職場だぞ。死人の腐敗集の中じっと敵を待ち伏せしたりとか、他に飲むものが無くて戦友の血を飲んで渇きをしのぐだの出来なきゃ立派な武門の棟梁にはなれねえよ」
嵯峨はそう言って目の前の哀れな闖入者をあしらった。
「それはそうなんですが……」
麗子も嵯峨にそう言われてしまえば何も言い返すことはできなかった。
「じゃあ、勉強になったろ?帰って良いよ」
そう言うと嵯峨は誠達に背を向けてタバコに火をつけた。
「叔父貴……もっと言いようがあるだろうが」
「かなめ坊。俺の言葉に間違いがあったか?」
背を向けたまま嵯峨はかなめにそう言って部屋を出ていくように手を振る。
「仕方が無いわね……じゃあうちで一番問題ありそうなところに行きましょ」
アメリアは気を利かせてそう言うとドアを開いた。
「失礼しますわ」
麗子は不機嫌そうにそう言うとアメリアに続いて隊長室を後にした。
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