法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『悪夢の研究』と『今は無き国』

橋本 直

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第二章 法術暴走事件

第5話 『ヒーロー』を求めて

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国と叫んでいる輩がいますが、真似事止まりの集落ですよ。
この場所が大国との間に位置し、森に隠れるようあるため

外交も森を抜けることができれば、便利です。
脳筋共は魔物を潰せますが、世間知らずで交流は避けられがち。

文化的なところを見せなければ、今後はないと思いますね。
今の上層部は、力で押せばなんでもできる!ですけど。
この集落の規模で勝てる国じゃないでしょ。

ここを出るべきでしょう。
ですがどこに行けば?2つの大国、その周辺の独立国。
情報がないんです。うちに情報部がないわけじゃないんです。

気ままで趣味にはしるせいで、穴あきの情報。継ぎ接ぎ、想像して使ってます。
もっと良い人材を育てないと、やってけませんよ。


出て行くタイミングも大事です。逃走兵扱いで追われます。
狩りの対象にされるには、少しでも勝算が欲しいところ。
脳筋と言えども集団の狩りは得意な種族です。

痛ぶるのが標準装備ですけど。本能が猫ですからねー。
リンチは勘弁です。


持って行きたいものもないですが、その後の生活を考えると。
使える通貨があるでしょうか。鉱石や魔石のが良いですね。
もしもの資金源として、趣味と言いながら集めてます。

知り合いも後ろ盾もない私が、受け入れられるものでしょうか。
…愛人ならどうでしょうか。

猫獣人は見た目から可愛がられるとか。女性はもちろん
男でも細い尻尾、艶やかな毛並みが好まれます。

30歳間近でも需要はあるでしょう。奴隷落ちは勘弁なんですが。
そこは雇用契約で確認しましょう。書類などの誤魔化しをする相手を見抜くのは仕事柄
慣れました。猫被ってるのが見破れます。

観察するのは、昔からの癖です。
様子を見て、態度から感情を読み取り
警戒心が強いのは、仕事に役立っています。

友好関係も仕事だけ。
合わないんですよねー。酒、肉、女。の時間は癒されません。

本と少々の食事、1人の時間を求めちゃダメなんですかねー。
酒は嗜む程度。コッテリ肉よりあっさりな魚。女性は…。

Mっ気のない女性、求む。

どうしてなんでしょうか、「ぶってください」って女性ばかり来るんですよ。

私のキツい瞳のせいでしょうか?
濃いグレーとアイスブルーの色が冷たい印象なのでしょう。
“ドSっぽい”そうです。私にはわかりません。

女性関係があっさりしているのですが、こうなっているのも
初恋の影響でしょうか…。

あれは学問所で教えを受けていた頃。
近所の小さな女の子。
可愛らしい小柄な女の子と2人きり。

あたしのいうこと聞いて?
可愛く甘い誘惑に、嫌な予感がして
否と答えました。彼女は、

豹変した。

小さい頃にいじられた
小さい子に
支配下におきたかったらしいが
傅かず、靡かない私に興味は、なくなったらしい。

集落からいなくなっていた。子どもでもしてはいけない事があります。
それはもう過去のこと

でも、私の中で起こったこと。
もっと優しく、甘く。苛烈に責められたい。

誰でも良いわけじゃないんです。

理想の女性に、責められたい。
甘やかされたい

との願望を育てていきました。

私はペットになりたい。
可愛がられ、焦らされ、踏みつけられる。

そんな夢想を秘めていました。
現実に反映させることもない、妄想だったんです。

しかし、私は叫ぶようにその人物に言いました。



「貴女のペットにしてください!」

自分史上、これほど声高に願ったことはありませんでした。
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