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『特殊な部隊』の秘密
読むと後悔すること間違いなし! 隊長のぶっちゃけトーク 『遼州浪人』の誕生
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民謡 『馬賊の歌』のカラオケが流れ始める
「まあ、いいや。いい人もいましたよ。そんな中で、第四惑星では地球の宇宙軍が基地と金山の開発技術者を集めてコロニーを建設していました。そして、彼等は皆東アジア人の『文化人』でした」
そう言ってまた電気がつく。なぜか男は手に茶碗を持っている。
「百均のじゃないですよ。茶道で使うアレ、茶碗です。古田織部と言うそこの司令官の茶道の流派『織部流』の祖の愛用品だそうです。『武家茶道』。千家とか、裏千家とか武者小路千家とかは、メジャーです。でも、その『織部流』をあえて名乗った司令官『田安安二郎将軍』があえて『織部流』を名乗ったのは……」
そう言うと男は茶碗を静かに置いた。
「それは将軍の『自分は武家の頭領たる資格がある』と言う事の宣言だった……地球は何も知らずに有能な『田安将軍』に全権を委任していました。腐敗した『遼州植民局』は自分の非道を隠して嘘の報告を田安司令に送りましたが、田安司令は茶室で茶を立てながら、こう言っていたそうです。『嘘ばかりだ……アラモノ砦でも落とすつもりか?』。まさに知識人しか理解不能な一言。俺は分かります。知識人なんで」
男は静かに茶碗の隣の箱からタバコを取り出す。
「『殺戮者』に不運が訪れます。疫病が発生しました。特徴は『蒙古斑』を持たない人種が次々と突如発病、もがき苦しみ30分以内に100パーセント死亡する。怖いですね、アジア人、ネイティブアメリカン以外はほぼ全滅しました。意外なことに、フィンランド人とハンガリー人は生き残りました。あの人達、顔はヨーロッパ人ですが、『蒙古斑』があるんです。人類学と言語学を知っていれば分かることです。学校の勉強だけじゃだめですよ」
男はエロ本の山の中に手を突っ込んでやめる。
「『植民局』が人手不足で機能停止すると、『蒙古斑』があればと地球からアジア人が次々と一攫千金を求めて流入しました」
突然、嵯峨は机の上から一丁の銃を取り出す。
「マウザーM712。『遼州浪人』と呼ばれた彼等が一番好んだ銃です。遼州人ばかりの村でも、鍛冶職人はこれぐらい作れるようになっていました。フルオートが撃てるのが売り。当たらないですけどね」
男は銃口をカメラに向ける。銃は水平に構えられている。
「連中はいつも同じ歌を歌っていました。『僕も君も行こう 狭い地球にゃ住み飽いた 波立彼方にゃ『遼』がある 『遼』には4億の民が待つ』。馬賊の歌、大正時代に日露戦争後、失業した軍人達が大陸に出かける際に歌った歌です」
『馬賊』の誕生です。日本語を話す連中が主でしたが、中国語、モンゴル語、韓国語、トルコ語、チベット語、ベトナム語……蒙古斑があれば、誰でも良かった。馬を地球から持ち込んで、徒党を組んで無法地帯を暴れまわる。匪賊、盗賊団、そして自警団で命を張ることを恐れぬ馬に乗ってカラシニコフ銃を持った『侠客』達」
そう言うと男は静かに銃を机に置いた。
「田安司令はその有力勢力に指示を出していました。そこに『リャオ』の『国』を作れ。そして、自分の地球からの独立の大義名分を作れ……その為には……」
男は静かに首を垂れた。
「田安司令は茶を立てながら腹心達にこう言ったそうだ。『『巫女』探せ……唯一、この奇妙な星の歴史を知る唯一の存在。ある『歌』を歌える『巫女』を……』ってね」
男は落としていた視線をカメラに向ける。鉛のような瞳があった
「『その『シャーマン』は『鬼道』に通じた『リャオ』の歴史を語る『誦習』を歌えるはずだ。それなら俺はここで地球と縁を切る!心の無い地球の軍にはうんざりしてきた!俺は……『幕府』を開く権利がある』……迷惑な話だぜ」
咥えていたタバコに火をつけると、男は静かに煙を吐き出した。
「まあ、いいや。いい人もいましたよ。そんな中で、第四惑星では地球の宇宙軍が基地と金山の開発技術者を集めてコロニーを建設していました。そして、彼等は皆東アジア人の『文化人』でした」
そう言ってまた電気がつく。なぜか男は手に茶碗を持っている。
「百均のじゃないですよ。茶道で使うアレ、茶碗です。古田織部と言うそこの司令官の茶道の流派『織部流』の祖の愛用品だそうです。『武家茶道』。千家とか、裏千家とか武者小路千家とかは、メジャーです。でも、その『織部流』をあえて名乗った司令官『田安安二郎将軍』があえて『織部流』を名乗ったのは……」
そう言うと男は茶碗を静かに置いた。
「それは将軍の『自分は武家の頭領たる資格がある』と言う事の宣言だった……地球は何も知らずに有能な『田安将軍』に全権を委任していました。腐敗した『遼州植民局』は自分の非道を隠して嘘の報告を田安司令に送りましたが、田安司令は茶室で茶を立てながら、こう言っていたそうです。『嘘ばかりだ……アラモノ砦でも落とすつもりか?』。まさに知識人しか理解不能な一言。俺は分かります。知識人なんで」
男は静かに茶碗の隣の箱からタバコを取り出す。
「『殺戮者』に不運が訪れます。疫病が発生しました。特徴は『蒙古斑』を持たない人種が次々と突如発病、もがき苦しみ30分以内に100パーセント死亡する。怖いですね、アジア人、ネイティブアメリカン以外はほぼ全滅しました。意外なことに、フィンランド人とハンガリー人は生き残りました。あの人達、顔はヨーロッパ人ですが、『蒙古斑』があるんです。人類学と言語学を知っていれば分かることです。学校の勉強だけじゃだめですよ」
男はエロ本の山の中に手を突っ込んでやめる。
「『植民局』が人手不足で機能停止すると、『蒙古斑』があればと地球からアジア人が次々と一攫千金を求めて流入しました」
突然、嵯峨は机の上から一丁の銃を取り出す。
「マウザーM712。『遼州浪人』と呼ばれた彼等が一番好んだ銃です。遼州人ばかりの村でも、鍛冶職人はこれぐらい作れるようになっていました。フルオートが撃てるのが売り。当たらないですけどね」
男は銃口をカメラに向ける。銃は水平に構えられている。
「連中はいつも同じ歌を歌っていました。『僕も君も行こう 狭い地球にゃ住み飽いた 波立彼方にゃ『遼』がある 『遼』には4億の民が待つ』。馬賊の歌、大正時代に日露戦争後、失業した軍人達が大陸に出かける際に歌った歌です」
『馬賊』の誕生です。日本語を話す連中が主でしたが、中国語、モンゴル語、韓国語、トルコ語、チベット語、ベトナム語……蒙古斑があれば、誰でも良かった。馬を地球から持ち込んで、徒党を組んで無法地帯を暴れまわる。匪賊、盗賊団、そして自警団で命を張ることを恐れぬ馬に乗ってカラシニコフ銃を持った『侠客』達」
そう言うと男は静かに銃を机に置いた。
「田安司令はその有力勢力に指示を出していました。そこに『リャオ』の『国』を作れ。そして、自分の地球からの独立の大義名分を作れ……その為には……」
男は静かに首を垂れた。
「田安司令は茶を立てながら腹心達にこう言ったそうだ。『『巫女』探せ……唯一、この奇妙な星の歴史を知る唯一の存在。ある『歌』を歌える『巫女』を……』ってね」
男は落としていた視線をカメラに向ける。鉛のような瞳があった
「『その『シャーマン』は『鬼道』に通じた『リャオ』の歴史を語る『誦習』を歌えるはずだ。それなら俺はここで地球と縁を切る!心の無い地球の軍にはうんざりしてきた!俺は……『幕府』を開く権利がある』……迷惑な話だぜ」
咥えていたタバコに火をつけると、男は静かに煙を吐き出した。
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