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気分屋
純情サイボーグ
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しばらく考えた後、リアナは一つの結論に達したように手を叩いた。
「もしかして、かなめちゃんて好きな人と海に行くって初めてなのかしら?」
空気を読まない人間はどこにでもいるものだ。だがリアナのその言葉がこれから起こるであろうかなめの逆上を想像して一同は恐怖にかられるのだった。
「言っちゃった……」
運転の為静かにコーラを飲んでいたパーラの一言が場の全員の思いを代表していた。
時間が止まった。
全員がその可能性は否定していなかったが、その後に訪れるだろう報復を恐れて結論を選べないでいた。それが判っていても全員の視線がかなめの方を向く。
かなめは何が起きたかわからないとでも言うようにきょとんとして、全員の顔が自分のほうを向いていることを確認した。
「どうなの?かなめちゃん」
確かにこの場でこんな事をかなめに確認できるのはリアナしかいなかった。もし同じことを言ったのが島田なら救急車が必要になる。カウラやアイシャなら店が半壊の憂き目にあうだろう。誠とサラ、パーラ、キム、エダにはそんな度胸も無い。
全員の視線がかなめに集中した。
「何見てんだ?お前等?」
かなめは聞いていなかった。それもまた意外だった。誠も彼女の地獄耳のおかげで酷い目にあったことが何度かある。カウラもアイシャも同様なのだろう、意外なかなめの言葉に戸惑っている。
「やっぱりかなめちゃん変!神前君のことで悩んでるんでしょ?」
リアナはとどめを刺すようにそうつぶやいた。誠、カウラ、アイシャ、島田、サラ、パーラは心の中で頭を抱えた。皆はリアナの口をふさいでおかなかったのを後悔した。
「何で?」
そんな言葉がかなめの口から出てきたことに誠達は胸をなでおろした。その様子を不思議そうにかなめは見つめていた。
「でもこれも上司としてのお仕事ね。かなめちゃん。神前君のことどう思ってるか言って御覧なさい」
また地雷原に踏み込むようなリアナの発言にシャムでさえ背筋が凍ったように伸び上がる。既に飲み屋の娘らしく客の間の雰囲気を察する事に長けた小夏は退避済みである。
「こいつのこと?アタシが?……それって何?」
かなめはまったくわかっていないと言うようにグラスを傾ける。誠は隣の席の健一の脇を突いた。
「リアナさん。無理に聞かなくても……」
健一が思わず口をはさんだ。それまで機嫌が良さそうだったリアナの表情が厳しくなって夫に向けられる。
「健一君。出会いはね、重要なのよ。そして思いも。かなめちゃん照れなくてもいいから答えてみて」
くるりと夫からかなめに視線を移したリアナが真顔で隣に座っているそのままかなめのぼんやりした顔に顔を近づける。かなめがリアナの青い瞳、白い髪を眺めている。そしてそのまま誠達には永遠とでも思える時間が流れた。
カウンターでは女将の春子と小夏がじっとその様を見つめていた。
急にかなめの頬が赤らんだ。瞬きをし、そして手にしていた酒を一気にあおる。
「ばっ、ばっ、馬鹿じゃねえの?お姉さん冗談止めてくださいよ。誰がこんな軟弱野郎のこと好きだとか……」
『好き?』
全員がかなめの言葉を反芻してそうつぶやいていた。その言葉を自分で口にしてかなめはさらに顔を赤らめる。
「かなめちゃんかわいい!」
シャムがそう言って飛び出そうとしたところでかなめが立ち上がり、上目がちにシャムを睨みつけた。その迫力に圧されてさすがに色恋沙汰には鈍そうなシャムも愛想笑いを浮かべながら自分の席に戻る。
「気が変わった。お前等割り勘な。それとアタシ帰るから」
誠達が予想はしていたその場で大暴走と言うことにはなりはしなかった。かなめは比較的穏やかな態度で立ち上がる。
「かなめちゃん!」
呼び止めようとリアナが声を出したが、かなめはそのまま手を振って店を出て行く。顔を出した春子が呆れたようにリアナを見つめている。
「ああ、行っちゃった」
息を潜めていたパーラが伸びをしてかなめが消えた引き戸を見つめていた。
「お姉さん!かなめの性格知ってるでしょ?」
アイシャが恨みがましい目でリアナを見つめる。同様にかなめの財布をあてにしていた誠や島田もリアナを見つめる輪に参加していた。
「ちょっとまずかったかしら。いいわ。みんなのお勘定健一君が払うから」
「え?」
突然の提案に今度は健一がうろたえる。そして給料前の出費を恐れていた一同がホッと胸をなでおろした瞬間だった。
「神前、追え」
カウラは確かにそう言った。静かだが明らかに命令としてカウラはその言葉を口にしていた。
「いいから追え!」
動こうとしない誠を見つめて再びカウラの口から意外な言葉が出た。ハッとして誠は店から飛び出していた。
「西園寺さん!」
あまさき屋から出てすぐ誠はかなめを見つけた。そばの小道でタバコをくゆらしながら、店じまいしたラーメン屋の土塀にもたれかかって空を見ている。誠の言葉を聞くとかなめはわざと早足で歩き出した。
「待ってくださいよ、西園寺さん」
誠はそのまま走ってかなめに追いつくと彼女の前に立った。咥えているタバコからの煙が誠を包んだ。
「邪魔だ。どけ」
静かな声でかなめが言いつける。しかし誠には動くつもりは無かった。
「どうせアイシャあたりからお前が払えって言われて来たんだろ?気が変わったんだ。ほっとけ」
下を向いたままのかなめ。誠は何も言えずにいた。
「お前だって迷惑だろ?あんなこと言われたらさ。だからアタシは帰る」
まるで聞き分けの無い少女だった。
かなめは胡州帝国の四大公の筆頭、西園寺家の跡取りとして生を受けた。しかし、民衆に慕われた祖父、西園寺重基に嫉妬した政敵の刺客の仕掛けた爆弾でかなめは体の大半を失うことになった。
かなめはその時の遺伝子データにより25歳前後の成長した姿の義体を与えられて過ごしてきた。そんな彼女の境遇を想像しながら今の拗ねているかなめを見ると誠にはその無表情の中に一抹の寂しさのようなものを感じて惹きつけられていた。
そのままかなめはタバコを吸い終えると携帯灰皿を取り出してもみ消す。
「じゃあな」
一言そう言ってかなめは背を向けた。
「そんな事無いですよ!西園寺さんは……素敵な人ですから」
誠のその言葉かなめが振り向いた。呆れたようなまるで同情するような感情がその目に映っている。
「素敵な人……ねえ。アタシみたいな暴力馬鹿が素敵だってのは驚きだ」
かなめは自虐的な笑いを浮かべる。それでも誠は言葉を続けた。
「そうですよ。僕が誘拐された時だってちゃんと助けに来てくれたじゃないですか!西園寺さんは本当は優しい人です!」
誠は真剣な顔でそう説いた。お互い見つめあう目と目が永遠にも思える時間を二人に与えた。そしてそんな時間が過ぎた後、かなめが突然笑い出した。まるで自分自身を笑っているとでも言うようにかなめは腹を抱えて大笑いする。誠は何が起きたのかわからないままじっと笑い続けるかなめを見つめていた。
「ったく。アタシの負けだ」
そう言うとかなめは誠の左肩に手を乗せる。
「……ずるいぜそんなの」
かなめが自分自身にそう呟いた。誠の横をすり抜けてかなめは再び大通りに向かう。
「西園寺さん……」
説得できたと言う事実よりかなめの言葉の意味がわからず誠は呆然と立ち尽くしていた。
「こりゃあテメエのさっきの死にそうな顔を忘れる為には飲み直さないといけねえな。まあアタシのおごりだ。潰れるまで飲ませるから覚悟しろよ」
かなめはそう言うと笑顔に戻ってあまさき屋に向かった。誠はかなめの言葉の最後に身を凍らせながら派手に引き戸を開いたかなめの後に続いた。
「もしかして、かなめちゃんて好きな人と海に行くって初めてなのかしら?」
空気を読まない人間はどこにでもいるものだ。だがリアナのその言葉がこれから起こるであろうかなめの逆上を想像して一同は恐怖にかられるのだった。
「言っちゃった……」
運転の為静かにコーラを飲んでいたパーラの一言が場の全員の思いを代表していた。
時間が止まった。
全員がその可能性は否定していなかったが、その後に訪れるだろう報復を恐れて結論を選べないでいた。それが判っていても全員の視線がかなめの方を向く。
かなめは何が起きたかわからないとでも言うようにきょとんとして、全員の顔が自分のほうを向いていることを確認した。
「どうなの?かなめちゃん」
確かにこの場でこんな事をかなめに確認できるのはリアナしかいなかった。もし同じことを言ったのが島田なら救急車が必要になる。カウラやアイシャなら店が半壊の憂き目にあうだろう。誠とサラ、パーラ、キム、エダにはそんな度胸も無い。
全員の視線がかなめに集中した。
「何見てんだ?お前等?」
かなめは聞いていなかった。それもまた意外だった。誠も彼女の地獄耳のおかげで酷い目にあったことが何度かある。カウラもアイシャも同様なのだろう、意外なかなめの言葉に戸惑っている。
「やっぱりかなめちゃん変!神前君のことで悩んでるんでしょ?」
リアナはとどめを刺すようにそうつぶやいた。誠、カウラ、アイシャ、島田、サラ、パーラは心の中で頭を抱えた。皆はリアナの口をふさいでおかなかったのを後悔した。
「何で?」
そんな言葉がかなめの口から出てきたことに誠達は胸をなでおろした。その様子を不思議そうにかなめは見つめていた。
「でもこれも上司としてのお仕事ね。かなめちゃん。神前君のことどう思ってるか言って御覧なさい」
また地雷原に踏み込むようなリアナの発言にシャムでさえ背筋が凍ったように伸び上がる。既に飲み屋の娘らしく客の間の雰囲気を察する事に長けた小夏は退避済みである。
「こいつのこと?アタシが?……それって何?」
かなめはまったくわかっていないと言うようにグラスを傾ける。誠は隣の席の健一の脇を突いた。
「リアナさん。無理に聞かなくても……」
健一が思わず口をはさんだ。それまで機嫌が良さそうだったリアナの表情が厳しくなって夫に向けられる。
「健一君。出会いはね、重要なのよ。そして思いも。かなめちゃん照れなくてもいいから答えてみて」
くるりと夫からかなめに視線を移したリアナが真顔で隣に座っているそのままかなめのぼんやりした顔に顔を近づける。かなめがリアナの青い瞳、白い髪を眺めている。そしてそのまま誠達には永遠とでも思える時間が流れた。
カウンターでは女将の春子と小夏がじっとその様を見つめていた。
急にかなめの頬が赤らんだ。瞬きをし、そして手にしていた酒を一気にあおる。
「ばっ、ばっ、馬鹿じゃねえの?お姉さん冗談止めてくださいよ。誰がこんな軟弱野郎のこと好きだとか……」
『好き?』
全員がかなめの言葉を反芻してそうつぶやいていた。その言葉を自分で口にしてかなめはさらに顔を赤らめる。
「かなめちゃんかわいい!」
シャムがそう言って飛び出そうとしたところでかなめが立ち上がり、上目がちにシャムを睨みつけた。その迫力に圧されてさすがに色恋沙汰には鈍そうなシャムも愛想笑いを浮かべながら自分の席に戻る。
「気が変わった。お前等割り勘な。それとアタシ帰るから」
誠達が予想はしていたその場で大暴走と言うことにはなりはしなかった。かなめは比較的穏やかな態度で立ち上がる。
「かなめちゃん!」
呼び止めようとリアナが声を出したが、かなめはそのまま手を振って店を出て行く。顔を出した春子が呆れたようにリアナを見つめている。
「ああ、行っちゃった」
息を潜めていたパーラが伸びをしてかなめが消えた引き戸を見つめていた。
「お姉さん!かなめの性格知ってるでしょ?」
アイシャが恨みがましい目でリアナを見つめる。同様にかなめの財布をあてにしていた誠や島田もリアナを見つめる輪に参加していた。
「ちょっとまずかったかしら。いいわ。みんなのお勘定健一君が払うから」
「え?」
突然の提案に今度は健一がうろたえる。そして給料前の出費を恐れていた一同がホッと胸をなでおろした瞬間だった。
「神前、追え」
カウラは確かにそう言った。静かだが明らかに命令としてカウラはその言葉を口にしていた。
「いいから追え!」
動こうとしない誠を見つめて再びカウラの口から意外な言葉が出た。ハッとして誠は店から飛び出していた。
「西園寺さん!」
あまさき屋から出てすぐ誠はかなめを見つけた。そばの小道でタバコをくゆらしながら、店じまいしたラーメン屋の土塀にもたれかかって空を見ている。誠の言葉を聞くとかなめはわざと早足で歩き出した。
「待ってくださいよ、西園寺さん」
誠はそのまま走ってかなめに追いつくと彼女の前に立った。咥えているタバコからの煙が誠を包んだ。
「邪魔だ。どけ」
静かな声でかなめが言いつける。しかし誠には動くつもりは無かった。
「どうせアイシャあたりからお前が払えって言われて来たんだろ?気が変わったんだ。ほっとけ」
下を向いたままのかなめ。誠は何も言えずにいた。
「お前だって迷惑だろ?あんなこと言われたらさ。だからアタシは帰る」
まるで聞き分けの無い少女だった。
かなめは胡州帝国の四大公の筆頭、西園寺家の跡取りとして生を受けた。しかし、民衆に慕われた祖父、西園寺重基に嫉妬した政敵の刺客の仕掛けた爆弾でかなめは体の大半を失うことになった。
かなめはその時の遺伝子データにより25歳前後の成長した姿の義体を与えられて過ごしてきた。そんな彼女の境遇を想像しながら今の拗ねているかなめを見ると誠にはその無表情の中に一抹の寂しさのようなものを感じて惹きつけられていた。
そのままかなめはタバコを吸い終えると携帯灰皿を取り出してもみ消す。
「じゃあな」
一言そう言ってかなめは背を向けた。
「そんな事無いですよ!西園寺さんは……素敵な人ですから」
誠のその言葉かなめが振り向いた。呆れたようなまるで同情するような感情がその目に映っている。
「素敵な人……ねえ。アタシみたいな暴力馬鹿が素敵だってのは驚きだ」
かなめは自虐的な笑いを浮かべる。それでも誠は言葉を続けた。
「そうですよ。僕が誘拐された時だってちゃんと助けに来てくれたじゃないですか!西園寺さんは本当は優しい人です!」
誠は真剣な顔でそう説いた。お互い見つめあう目と目が永遠にも思える時間を二人に与えた。そしてそんな時間が過ぎた後、かなめが突然笑い出した。まるで自分自身を笑っているとでも言うようにかなめは腹を抱えて大笑いする。誠は何が起きたのかわからないままじっと笑い続けるかなめを見つめていた。
「ったく。アタシの負けだ」
そう言うとかなめは誠の左肩に手を乗せる。
「……ずるいぜそんなの」
かなめが自分自身にそう呟いた。誠の横をすり抜けてかなめは再び大通りに向かう。
「西園寺さん……」
説得できたと言う事実よりかなめの言葉の意味がわからず誠は呆然と立ち尽くしていた。
「こりゃあテメエのさっきの死にそうな顔を忘れる為には飲み直さないといけねえな。まあアタシのおごりだ。潰れるまで飲ませるから覚悟しろよ」
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