1,461 / 1,503
出会い
出会い
しおりを挟む
水島はしばらく震えが止まらなかった。すでに暗くなりかけた部屋の中。静かにうちから湧き出てくる笑みを我慢していた。突然の火に驚いて自転車から転げ落ちる女子高生の顔が頭の中をぐるぐると回転しているように感じる。
もし覚醒剤にでも手を出すとこう言う感じを味わえるのだろうか?そんな思いが頭をよぎる。しかし、水島にはそんな麻薬に頼ってまで高揚感を高める必要は無い。今は力があった。
「そうだ……俺は神にもなれるかも知れないんだ……」
これまで彼が『力の使い方を教えてやった』連中の驚いた顔が次々と頭をぎる。そうすると妄想が膨らみさらに笑みが広がるのが感じられる。
最初のうちは偶然に見えていると思った他者の能力が意識して見えるようになったのはほんの最近。しかもそれも偶然だった。
年末。朝からの法律の徹強で疲れていた水島は参考書を持って日がとっぷりと沈んだ都心のビル街を歩いていた。通り過ぎる車の列。かつてそんな営業車の一台に自分が乗っていたことを思い出すと石でもあれば投げたくなる衝動に駆られていた。
『どこかにカモがいないかね』
そう思いながら水島は湾岸地区へ走る地下鉄の駅へ急ぐ。
そんな彼の目の前に立体駐車場の出入り口が目に入った。ビルの隙間に申し訳程度に付けられた事務所の横では足元に空き缶を置いた警備員がタバコをくゆらせていた。
『なんだろう、こいつは』
いつもならそのまま目をそらして通り過ぎてしまうところだが水島は男から眼が離せなかった。男の手の中のタバコの赤い光が強くなったり弱くなったりを繰り返している。そんな男に水島は意識を集中してみた。
突然警備員の意識が自分に流れ込んできた。倦怠感、疲労、妬み、快楽、嫌悪感、嫉妬。そんな混乱した他者の意識に触れた瞬間、水島は恐怖のあまり手にしていた参考書を取り落としそうになった。
『なんだ!脅かすな!』
声にならない叫び。そしてその意識の端にいつも法術を持つものに出会うと感じる独特の引っ掛かりがそこに感じられた。
『これは使えるな』
男の前を通り過ぎながら水島はニヤリと笑った。すぐにその力、パイロキネシス能力を発動させてやる。
「熱!なんだ!熱い!」
背中で男の叫び声が聞こえた。水島はとりあえず男の手にしていたタバコを消し炭にすることでこの場は満足して足を速めた。
もしそれだけで終わっていれば、これからも機会があれば悪戯する程度で済んでいたことだろう。だが次の瞬間。街の人々のさまざまな意識が流れ込んできていた。
誰もが敵意を意識の下に抱えていた。彼とすれ違う高いヒールを履いたやせぎすの若い女は何かに憎悪を燃やしているのを必死に理性で押し殺しているのがすぐに分かった。信号待ちでまわりをきょろきょろと見ているタクシーの運転手にはあからさまな前の客への怒りが見て取れた。道端で大きな腹を見せびらかしながら商談相手との挨拶のため大げさに頭を下げているサラリーマンには頭を下げる相手への苛立ちばかりが目に付いた。
自分が失業をしてから世間に対して自分だけが持っていると感じていた感情のすべてが街に満ちていた。
『こんなに人は負の感情で動いているのか……』
ただ黙って歩いていてもその感情に飲み込まれそうになる自分。そしてその目の前を歩く少年の姿を見て水島は驚愕した。
少年。八歳ぐらいだろうか。すでにどんな格好をしていたかは覚えていないが、その表情は妙に老成しているような印象を水島に与えた。
「じろじろ見るなよ……そんなに法術師が珍しいのか?」
明らかに自分に向けて投げられた言葉にしばらく水島は呆然と立ち尽くしていた。
「意識ののぞき見なんてずいぶんと趣味が悪いじゃないか」
続けて少年から吐かれた言葉。今でもその時の衝撃は忘れていない。
そこは水島が住む湾岸地区へ向かう地下鉄が入っている東都新開地駅西口。
再開発のビルと雑居ビルが混じった混沌の街での二人の出会い。それを思い出すたびに水島の心は震えた。
「おじさん……今何かやったね」
その言葉を聴いて水島は体の力が抜けていくのを感じた。明らかに誰も知らないはずの自分の力を見られた。初めての体験で混乱する意識の中でも彼は少年が自分を告発しようとしているのではないかと思って身を翻して早足で逃げ始めた。
「逃げなくてもいいじゃない。別に責めてるわけじゃないんだから」
少年はついてきていた。水島の心臓は高鳴った。誰も自分に関心など持たないと思っていた都心の繁華街。その中に明らかに自分に興味を示してさらに水島の悪事の一部始終を見物していた少年がいる。握り締めた法律書にも冬だというのに汗が染み出てきた。
「僕もおじさんの意識を読ませてもらったけど……。失業中か。つらいよね。そうだ、できれば就職先でも世話して……」
「いい加減にしたまえ!」
しつこい少年の追跡に振り向いた水島はついに少年を怒鳴りつけていた。少年は頭を掻きながら立ち止まり、そして大きく深呼吸をした。
「なるほど……ご自分の力の意味をご存じないようですね」
「力?なんだねそれは……」
水島の声は震えていた。ただ警備員の力を利用してその男のタバコを燃やして見せた。しかも自分の能力を使ったわけではない。だと言うのになんで少年からつけられねばならなかったのか。そしてなんでその水島の力の使い方を少年は知っているような口ぶりなのか。水島はただ何もできずに少年を見下ろしていた。
目の前で少年はそんな水島を見ながらしばらく考え事をするように腕組みをした。通り過ぎる人々は親子か親戚が何かでもめているだけとでも思っているようで、無関心のまま通り過ぎていく。
そんな中、少年はいい考えが浮かんだというように目を輝かせて水島を見上げてきた。
「OK。それならちょっと僕の友達になってくれないかな……」
少年の言葉に水島は言葉を失った。どう見ても8歳くらいの少年。先ほどの感覚からして相当な法術適正の持ち主のようだがあくまで子供だった。気まぐれか、それとも何か狙いがあるのか。水島の心が猜疑心で満たされていく。
「友達?」
オウムのように繰り返す。それでも少年の笑顔は絶える事が無い。
「そうだよ。じゃあ端末を貸して」
手を伸ばしてくる少年にまるで操られるように水島は自分の携帯端末を貸していた。
「これ、連絡先」
そんな少年の言葉に水島は端末を手にして操作してみた。
「アメリカ陸軍東都情報管理局第三分室……住所はアメリカ合衆国東和連絡事務所?」
足が震えた。自分の行動や心理をすべて見通していた事実を見れば少年の能力は明らかに自分よりも優れているのは明らかだった。そしてそんな彼の連絡先は軍の関係の施設だと言う。しかも所在地は東和共和国とは国交の無いアメリカ連絡事務所の敷地の中である。
「別に気にしなくていいよ。ただの見たまんまの子供だから。住所が連絡事務所なだけであって……」
まるで当然の事実のようにしゃべる少年。その態度にさらに水島の鼓動が加速していく。
「それでも十分すごいことなんだけどね」
「そう?そうでもないと思うけど」
少年が怪しげに笑う。
「じゃあ気が向いたら連絡くれるとうれしいな」
少年はそう言うとそのまま手を振って立ち去ろうとする。
「なんなんだ君は!俺を……」
水島の搾り出した言葉に気がついたように振り替える少年に驚きの表情が浮かんでいる。
「十分法術を使えるようになったらお話聞かせてもらうよ。それまで練習していてね」
満足げに微笑む少年。水島の手はついに参考書を地面に取り落としていた。その音に気がついたように少年が再び振り返る
「ああ、あくまでも軽い練習くらいにしてくれないと困るよ。警察なんかの世話にならない程度にね」
にんまりと笑う少年の顔。その妖しげな姿に水島は飲まれていた。そして自分の言いたいことはすべて言ったと言う表情で少年は人ごみの中に消えていった。
たぶん周りの通行人は二人が何を話していたのかなどは気がつきもしないだろう。そして自分の力も去っていく少年以外には関心のほかの出来事だった。
「練習か……」
なぜか気が付けば水島は自分の右手を見つめていた。そして思い出して落ちた参考書を拾い上げた。
そして再び自分の手を見つめる。その手は今もこうして変わらずに水島の目の前にあった。
端末を叩くのと本のページをめくること以外得意なことは何もない手。
『突然の出来事か……必然の出会いか……』
今は豊川市のアパートでこうしてその『練習』を終えた満足感で満たされた状態で一人部屋で横になっている。
『まあ練習は続けるさ。こんなに面白いんだから。それに俺を誰も止められないんだから』
そう思うと水島の顔に笑みが自然と浮かんでくるようになっていた。それを感じると水島はあれから自分が笑うことが多くなっている事実に気づいて少しばかりあの名乗らなかった少年に感謝の言葉を送りたくなっていた。
もし覚醒剤にでも手を出すとこう言う感じを味わえるのだろうか?そんな思いが頭をよぎる。しかし、水島にはそんな麻薬に頼ってまで高揚感を高める必要は無い。今は力があった。
「そうだ……俺は神にもなれるかも知れないんだ……」
これまで彼が『力の使い方を教えてやった』連中の驚いた顔が次々と頭をぎる。そうすると妄想が膨らみさらに笑みが広がるのが感じられる。
最初のうちは偶然に見えていると思った他者の能力が意識して見えるようになったのはほんの最近。しかもそれも偶然だった。
年末。朝からの法律の徹強で疲れていた水島は参考書を持って日がとっぷりと沈んだ都心のビル街を歩いていた。通り過ぎる車の列。かつてそんな営業車の一台に自分が乗っていたことを思い出すと石でもあれば投げたくなる衝動に駆られていた。
『どこかにカモがいないかね』
そう思いながら水島は湾岸地区へ走る地下鉄の駅へ急ぐ。
そんな彼の目の前に立体駐車場の出入り口が目に入った。ビルの隙間に申し訳程度に付けられた事務所の横では足元に空き缶を置いた警備員がタバコをくゆらせていた。
『なんだろう、こいつは』
いつもならそのまま目をそらして通り過ぎてしまうところだが水島は男から眼が離せなかった。男の手の中のタバコの赤い光が強くなったり弱くなったりを繰り返している。そんな男に水島は意識を集中してみた。
突然警備員の意識が自分に流れ込んできた。倦怠感、疲労、妬み、快楽、嫌悪感、嫉妬。そんな混乱した他者の意識に触れた瞬間、水島は恐怖のあまり手にしていた参考書を取り落としそうになった。
『なんだ!脅かすな!』
声にならない叫び。そしてその意識の端にいつも法術を持つものに出会うと感じる独特の引っ掛かりがそこに感じられた。
『これは使えるな』
男の前を通り過ぎながら水島はニヤリと笑った。すぐにその力、パイロキネシス能力を発動させてやる。
「熱!なんだ!熱い!」
背中で男の叫び声が聞こえた。水島はとりあえず男の手にしていたタバコを消し炭にすることでこの場は満足して足を速めた。
もしそれだけで終わっていれば、これからも機会があれば悪戯する程度で済んでいたことだろう。だが次の瞬間。街の人々のさまざまな意識が流れ込んできていた。
誰もが敵意を意識の下に抱えていた。彼とすれ違う高いヒールを履いたやせぎすの若い女は何かに憎悪を燃やしているのを必死に理性で押し殺しているのがすぐに分かった。信号待ちでまわりをきょろきょろと見ているタクシーの運転手にはあからさまな前の客への怒りが見て取れた。道端で大きな腹を見せびらかしながら商談相手との挨拶のため大げさに頭を下げているサラリーマンには頭を下げる相手への苛立ちばかりが目に付いた。
自分が失業をしてから世間に対して自分だけが持っていると感じていた感情のすべてが街に満ちていた。
『こんなに人は負の感情で動いているのか……』
ただ黙って歩いていてもその感情に飲み込まれそうになる自分。そしてその目の前を歩く少年の姿を見て水島は驚愕した。
少年。八歳ぐらいだろうか。すでにどんな格好をしていたかは覚えていないが、その表情は妙に老成しているような印象を水島に与えた。
「じろじろ見るなよ……そんなに法術師が珍しいのか?」
明らかに自分に向けて投げられた言葉にしばらく水島は呆然と立ち尽くしていた。
「意識ののぞき見なんてずいぶんと趣味が悪いじゃないか」
続けて少年から吐かれた言葉。今でもその時の衝撃は忘れていない。
そこは水島が住む湾岸地区へ向かう地下鉄が入っている東都新開地駅西口。
再開発のビルと雑居ビルが混じった混沌の街での二人の出会い。それを思い出すたびに水島の心は震えた。
「おじさん……今何かやったね」
その言葉を聴いて水島は体の力が抜けていくのを感じた。明らかに誰も知らないはずの自分の力を見られた。初めての体験で混乱する意識の中でも彼は少年が自分を告発しようとしているのではないかと思って身を翻して早足で逃げ始めた。
「逃げなくてもいいじゃない。別に責めてるわけじゃないんだから」
少年はついてきていた。水島の心臓は高鳴った。誰も自分に関心など持たないと思っていた都心の繁華街。その中に明らかに自分に興味を示してさらに水島の悪事の一部始終を見物していた少年がいる。握り締めた法律書にも冬だというのに汗が染み出てきた。
「僕もおじさんの意識を読ませてもらったけど……。失業中か。つらいよね。そうだ、できれば就職先でも世話して……」
「いい加減にしたまえ!」
しつこい少年の追跡に振り向いた水島はついに少年を怒鳴りつけていた。少年は頭を掻きながら立ち止まり、そして大きく深呼吸をした。
「なるほど……ご自分の力の意味をご存じないようですね」
「力?なんだねそれは……」
水島の声は震えていた。ただ警備員の力を利用してその男のタバコを燃やして見せた。しかも自分の能力を使ったわけではない。だと言うのになんで少年からつけられねばならなかったのか。そしてなんでその水島の力の使い方を少年は知っているような口ぶりなのか。水島はただ何もできずに少年を見下ろしていた。
目の前で少年はそんな水島を見ながらしばらく考え事をするように腕組みをした。通り過ぎる人々は親子か親戚が何かでもめているだけとでも思っているようで、無関心のまま通り過ぎていく。
そんな中、少年はいい考えが浮かんだというように目を輝かせて水島を見上げてきた。
「OK。それならちょっと僕の友達になってくれないかな……」
少年の言葉に水島は言葉を失った。どう見ても8歳くらいの少年。先ほどの感覚からして相当な法術適正の持ち主のようだがあくまで子供だった。気まぐれか、それとも何か狙いがあるのか。水島の心が猜疑心で満たされていく。
「友達?」
オウムのように繰り返す。それでも少年の笑顔は絶える事が無い。
「そうだよ。じゃあ端末を貸して」
手を伸ばしてくる少年にまるで操られるように水島は自分の携帯端末を貸していた。
「これ、連絡先」
そんな少年の言葉に水島は端末を手にして操作してみた。
「アメリカ陸軍東都情報管理局第三分室……住所はアメリカ合衆国東和連絡事務所?」
足が震えた。自分の行動や心理をすべて見通していた事実を見れば少年の能力は明らかに自分よりも優れているのは明らかだった。そしてそんな彼の連絡先は軍の関係の施設だと言う。しかも所在地は東和共和国とは国交の無いアメリカ連絡事務所の敷地の中である。
「別に気にしなくていいよ。ただの見たまんまの子供だから。住所が連絡事務所なだけであって……」
まるで当然の事実のようにしゃべる少年。その態度にさらに水島の鼓動が加速していく。
「それでも十分すごいことなんだけどね」
「そう?そうでもないと思うけど」
少年が怪しげに笑う。
「じゃあ気が向いたら連絡くれるとうれしいな」
少年はそう言うとそのまま手を振って立ち去ろうとする。
「なんなんだ君は!俺を……」
水島の搾り出した言葉に気がついたように振り替える少年に驚きの表情が浮かんでいる。
「十分法術を使えるようになったらお話聞かせてもらうよ。それまで練習していてね」
満足げに微笑む少年。水島の手はついに参考書を地面に取り落としていた。その音に気がついたように少年が再び振り返る
「ああ、あくまでも軽い練習くらいにしてくれないと困るよ。警察なんかの世話にならない程度にね」
にんまりと笑う少年の顔。その妖しげな姿に水島は飲まれていた。そして自分の言いたいことはすべて言ったと言う表情で少年は人ごみの中に消えていった。
たぶん周りの通行人は二人が何を話していたのかなどは気がつきもしないだろう。そして自分の力も去っていく少年以外には関心のほかの出来事だった。
「練習か……」
なぜか気が付けば水島は自分の右手を見つめていた。そして思い出して落ちた参考書を拾い上げた。
そして再び自分の手を見つめる。その手は今もこうして変わらずに水島の目の前にあった。
端末を叩くのと本のページをめくること以外得意なことは何もない手。
『突然の出来事か……必然の出会いか……』
今は豊川市のアパートでこうしてその『練習』を終えた満足感で満たされた状態で一人部屋で横になっている。
『まあ練習は続けるさ。こんなに面白いんだから。それに俺を誰も止められないんだから』
そう思うと水島の顔に笑みが自然と浮かんでくるようになっていた。それを感じると水島はあれから自分が笑うことが多くなっている事実に気づいて少しばかりあの名乗らなかった少年に感謝の言葉を送りたくなっていた。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
特殊装甲隊 ダグフェロン 『廃帝と永遠の世紀末』 第三部 『暗黒大陸』
橋本 直
SF
遼州司法局も法術特捜の発足とともに実働部隊、機動隊、法術特捜の三部体制が確立することとなった。
それまで東和陸軍教導隊を兼務していた小さな隊長、クバルカ・ラン中佐が実働部隊副隊長として本異動になることが決まった。
彼女の本拠地である東和陸軍教導隊を訪ねた神前誠に法術兵器の実験に任務が課せられた。それは広域にわたり兵士の意識を奪ってしまうという新しい発想の非破壊兵器だった。
実験は成功するがチャージの時間等、運用の難しい兵器と判明する。
一方実働部隊部隊長嵯峨惟基は自分が領邦領主を務めている貴族制国家甲武国へ飛んだ。そこでは彼の両方を西園寺かなめの妹、日野かえでに継がせることに関する会議が行われる予定だった。
一方、南の『魔窟』と呼ばれる大陸ベルルカンの大国、バルキスタンにて総選挙が予定されており、実働部隊も支援部隊を派遣していた。だが選挙に不満を持つ政府軍、反政府軍の駆け引きが続いていた。
嵯峨は万が一の両軍衝突の際アメリカの介入を要請しようとする兄である西園寺義基のシンパである甲武軍部穏健派を牽制しつつ貴族の群れる会議へと向かった。
そしてそんな中、バルキスタンで反政府軍が機動兵器を手に入れ政府軍との全面衝突が発生する。
誠は試験が済んだばかりの非破壊兵器を手に戦線の拡大を防ぐべく出撃するのだった。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第二部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』が発動した『干渉空間』と『光の剣(つるぎ)により貴族主義者のクーデターを未然に防止することが出来た『近藤事件』が終わってから1か月がたった。
宇宙は誠をはじめとする『法術師』の存在を公表することで混乱に陥っていたが、誠の所属する司法局実働部隊、通称『特殊な部隊』は相変わらずおバカな生活を送っていた。
そんな『特殊な部隊』の運用艦『ふさ』艦長アメリア・クラウゼ中佐と誠の所属するシュツルム・パンツァーパイロット部隊『機動部隊第一小隊』のパイロットでサイボーグの西園寺かなめは『特殊な部隊』の野球部の夏合宿を企画した。
どうせろくな事が起こらないと思いながら仕事をさぼって参加する誠。
そこではかなめがいかに自分とはかけ離れたお嬢様で、貴族主義の国『甲武国』がどれほど自分の暮らす永遠に続く20世紀末の東和共和国と違うのかを誠は知ることになった。
しかし、彼を待っていたのは『法術』を持つ遼州人を地球人から解放しようとする『革命家』の襲撃だった。
この事件をきっかけに誠の身辺警護の必要性から誠の警護にアメリア、かなめ、そして無表情な人造人間『ラスト・バタリオン』の第一小隊小隊長カウラ・ベルガー大尉がつくことになる。
これにより誠の暮らす『男子下士官寮』は有名無実化することになった。
そんなおバカな連中を『駄目人間』嵯峨惟基特務大佐と機動部隊隊長クバルカ・ラン中佐は生暖かい目で見守っていた。
そんな『特殊な部隊』の意図とは関係なく着々と『力ある者の支配する宇宙』の実現を目指す『廃帝ハド』の野望はゆっくりと動き出しつつあった。
SFお仕事ギャグロマン小説。
「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!
七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ?
俺はいったい、どうなっているんだ。
真実の愛を取り戻したいだけなのに。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
てめぇの所為だよ
章槻雅希
ファンタジー
王太子ウルリコは政略によって結ばれた婚約が気に食わなかった。それを隠そうともせずに臨んだ婚約者エウフェミアとの茶会で彼は自分ばかりが貧乏くじを引いたと彼女を責める。しかし、見事に返り討ちに遭うのだった。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様の重複投稿、自サイトにも掲載。
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
レジェンド・オブ・ダーク遼州司法局異聞 2 「新たな敵」
橋本 直
SF
「近藤事件」の決着がついて「法術」の存在が世界に明らかにされた。
そんな緊張にも当事者でありながら相変わらずアバウトに受け流す遼州司法局実働部隊の面々はちょっとした神前誠(しんぜんまこと)とカウラ・ベルガーとの約束を口実に海に出かけることになった。
西園寺かなめの意外なもてなしや海での意外な事件に誠は戸惑う。
ふたりの窮地を救う部隊長嵯峨惟基(さがこれもと)の娘と言う嵯峨茜(さがあかね)警視正。
また、新編成された第四小隊の面々であるアメリカ海軍出身のロナルド・スミスJr特務大尉、ジョージ・岡部中尉、フェデロ・マルケス中尉や、技術士官レベッカ・シンプソン中尉の4名の新入隊員の配属が決まる。
新たなメンバーを加えても相変わらずの司法局実働部隊メンバーだったが嵯峨の気まぐれから西園寺かなめ、カウラ・ベルガー、アイシャ・クラウゼの三人に特殊なミッションが与えられる。
誠はただ振り回されるだけだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる