1,440 / 1,503
特殊装甲隊 ダグフェロン 『廃帝と永遠の世紀末』 第七部 「低殺傷兵器(ローリーサルウェポン)」 発端
引き継ぎ
しおりを挟む
「結局こうなるのね……」
アメリアはそう言いながら不機嫌そうに紺色の長い髪をとかす。東都の下町の誠の実家で破れた晴れ着をもったいないと丁寧にたたむ誠の母、薫。無事でよかったと笑っている父、誠一。彼等と今回の火事の鎮火にいかに自分が必要だったかをアメリアは大げさに話す。そんなところに誠達と同じ司法局の直属捜査部署である法術特捜本部長の嵯峨茜警視正から今回の事件の目撃者として警察署に出頭するようにとの連絡があり、とりあえず時間をもらってシャワーと着替えだけを済ませてこうして東和東都南城警察署の取調室へとたどり着いていた。
「あんなに泣いてたら取調べにならないだろうが……」
かなめはそう言いながらマジックミラーの向こうを眺めていた。そこには振袖姿の少女が取り調べの警察官の前で知らないと連呼しながら泣きじゃくっている。
「でも彼女以外パイロキネシス能力の適正のある人物はいなかったんだから……ああ、かなめちゃんが口から火を吹いたと言う線もあるわね」
一番ここに来るまでのカウラのスポーツカーの車内で愚痴を垂れていたアメリアが挑発するようにつぶやいた。思わずかなめがにらみつけるがアメリアは手にしたコーヒーの香りを楽しみながらまるで気にしていないという表情で歩き始めてしまう。取調室ではほとんど質問を諦めたという表情の捜査官を見ながらカウラも仕方なくコーヒーをすすった。
「拘束した者の他にもパイロキネシストいる可能性はあるな。それと適性検査自体もまだ技術的に確立されたものではないからな。資料に無くても思念発火が出来る人物がいた可能性もある。西園寺、法術適正のあった連中は一通り身元は確認したんだろ?」
「そりゃあまあ……でも能力適正が低い人物は簡易検査じゃ引っかからないからねえ。あの程度の火事を起こすくらいの力なら他の適正で引っかかった奴の犯行の可能性も捨てきれねえな」
かなめはそう言うと珍しくおとなしく手持ちの携帯端末から伸びるコードを自分の首筋のジャックに挿して情報収集を開始した。
「感覚的には……この子じゃないと思うんですけど……」
誠は直感的にそう口にしていた。かなめ、カウラ、アメリアの顔が一斉にぼんやりと思いをつぶやいただけの誠の顔を射抜く。
「は?『あんなかわいい女の子が犯罪者のはずは無いです!』とか言い出すつもりか?ばーか」
かなめの馬鹿にしたような口調に誠は何も言えずに自分のために入れてもらったコーヒーを手に取った。
「そう言う意味じゃないですよ!だって法術適正反応が出るといろいろ面倒な話を聞かされるらしいじゃないですか」
「そうね、まず最初に市役所での法術発動封印の誓約書を書かされて、そのあと警察署で法術に関する諸法の講習。それに能力ごとに消防署だとか陸運局だとかに提出する書類があって……」
誠の話をアメリアが引き継ぐ。その言葉を聞きながら再び誠は取調室の中を見た。相変わらず少女は泣くばかりで事情聴取はまるで進んでいない。
「法術の発動については何も知らない……気がついたら火が目の前に広がっていた……となると」
「能力の暴走の線が有力ですわね」
後ろから声をかけられてかなめは驚いて座っていた机から飛び降りる。そして彼女の後ろには見慣れた東都警察の制服を着た女性が腕組みをして立っていた。
「今頃出てきやがって……人を呼び出して何してた?デートか?」
「いいえ、かなめさんとは違って昨日から徹夜ですの。法術に関する捜査マニュアル。すぐにでも必要になるのに……なかなか思うように行きませんわね」
上品そうにそう言うとそのまま取調室が見えるガラス越しまでやってきて中をのぞき込む。
かなめの従妹で誠達の所属する司法局実働部隊隊長、嵯峨惟基特務大佐の娘である同盟司法局法術特捜の主席捜査官嵯峨茜警視正だった。いつもどおりに表情を変えずに中を一瞥した後ついてきた補佐官のカルビナ・ラーナ警部補が手にした捜査器具を取り出した。
「なんだそれ?」
かなめの質問にラーナは顔を上げるがまるで興味がないというように視線をおろして取り出した器具の制御をする為に端末にコードをつなぐ。
無視されて冷静でいられるほどかなめは人間ができていなかった。そのままつかつかとラーナに近づいて懐から取り出したコードを自分の首のジャックとラーナの端末に接続する。
「西園寺大尉!困るっす!」
「うるせえ!」
茜は一瞥して困った顔のラーナに頷いて見せてかなめの情報収集を黙って許した。
「演操術師の特定か……それならつじつまが合うな」
『演操術』。初めて聞く言葉に誠もカウラも目を茜に向けた。
「なんだか分からないけど面倒なことになりそうなのね」
アメリアがコーヒーを口に含んでその様子を眺めている。
「わたくし達が動く事件は大体が面倒なことなのではなくて?」
上品に答える茜にアメリアは手を広げて知らぬふりと言うような態度を示して見せた。
「確かに……今回も面倒なことになりそうだな」
カウラはそう言うと静かにコーヒーをすすった。そんな彼女の前で茜は大げさに直立不動の姿勢をとった。カウラも気づいて敬礼する。
「嵯峨茜警視正、事件を引き継ぎます」
「よろしくお願いします」
その有様を相変わらずラーナの機械を弄りながらかなめが眺める。アメリアはと言えば部屋の隅に置かれていた事務机にかけてあったコートに袖を通している。
「アメリアさん……」
誠が恐る恐る声をかける。その脇を安心したと言う表情のカウラが通り過ぎる。
「引継ぎは終わったわけだな……帰るか」
「いいんですか?事件はまだ……」
そこまで言いかけたところで茜が誠の肩を叩いた。
「初期消火とその後の対応お疲れ様。後は私達が引き継ぎますわ。正月休み、ごゆっくり」
「はあ……」
誠は自分と同じ年のエリート警察官の言葉に何も言い返せ無いことは分かっていた。そしてそのまま帰ろうとする三人の女上司の後を追って取調室を後にした。
アメリアはそう言いながら不機嫌そうに紺色の長い髪をとかす。東都の下町の誠の実家で破れた晴れ着をもったいないと丁寧にたたむ誠の母、薫。無事でよかったと笑っている父、誠一。彼等と今回の火事の鎮火にいかに自分が必要だったかをアメリアは大げさに話す。そんなところに誠達と同じ司法局の直属捜査部署である法術特捜本部長の嵯峨茜警視正から今回の事件の目撃者として警察署に出頭するようにとの連絡があり、とりあえず時間をもらってシャワーと着替えだけを済ませてこうして東和東都南城警察署の取調室へとたどり着いていた。
「あんなに泣いてたら取調べにならないだろうが……」
かなめはそう言いながらマジックミラーの向こうを眺めていた。そこには振袖姿の少女が取り調べの警察官の前で知らないと連呼しながら泣きじゃくっている。
「でも彼女以外パイロキネシス能力の適正のある人物はいなかったんだから……ああ、かなめちゃんが口から火を吹いたと言う線もあるわね」
一番ここに来るまでのカウラのスポーツカーの車内で愚痴を垂れていたアメリアが挑発するようにつぶやいた。思わずかなめがにらみつけるがアメリアは手にしたコーヒーの香りを楽しみながらまるで気にしていないという表情で歩き始めてしまう。取調室ではほとんど質問を諦めたという表情の捜査官を見ながらカウラも仕方なくコーヒーをすすった。
「拘束した者の他にもパイロキネシストいる可能性はあるな。それと適性検査自体もまだ技術的に確立されたものではないからな。資料に無くても思念発火が出来る人物がいた可能性もある。西園寺、法術適正のあった連中は一通り身元は確認したんだろ?」
「そりゃあまあ……でも能力適正が低い人物は簡易検査じゃ引っかからないからねえ。あの程度の火事を起こすくらいの力なら他の適正で引っかかった奴の犯行の可能性も捨てきれねえな」
かなめはそう言うと珍しくおとなしく手持ちの携帯端末から伸びるコードを自分の首筋のジャックに挿して情報収集を開始した。
「感覚的には……この子じゃないと思うんですけど……」
誠は直感的にそう口にしていた。かなめ、カウラ、アメリアの顔が一斉にぼんやりと思いをつぶやいただけの誠の顔を射抜く。
「は?『あんなかわいい女の子が犯罪者のはずは無いです!』とか言い出すつもりか?ばーか」
かなめの馬鹿にしたような口調に誠は何も言えずに自分のために入れてもらったコーヒーを手に取った。
「そう言う意味じゃないですよ!だって法術適正反応が出るといろいろ面倒な話を聞かされるらしいじゃないですか」
「そうね、まず最初に市役所での法術発動封印の誓約書を書かされて、そのあと警察署で法術に関する諸法の講習。それに能力ごとに消防署だとか陸運局だとかに提出する書類があって……」
誠の話をアメリアが引き継ぐ。その言葉を聞きながら再び誠は取調室の中を見た。相変わらず少女は泣くばかりで事情聴取はまるで進んでいない。
「法術の発動については何も知らない……気がついたら火が目の前に広がっていた……となると」
「能力の暴走の線が有力ですわね」
後ろから声をかけられてかなめは驚いて座っていた机から飛び降りる。そして彼女の後ろには見慣れた東都警察の制服を着た女性が腕組みをして立っていた。
「今頃出てきやがって……人を呼び出して何してた?デートか?」
「いいえ、かなめさんとは違って昨日から徹夜ですの。法術に関する捜査マニュアル。すぐにでも必要になるのに……なかなか思うように行きませんわね」
上品そうにそう言うとそのまま取調室が見えるガラス越しまでやってきて中をのぞき込む。
かなめの従妹で誠達の所属する司法局実働部隊隊長、嵯峨惟基特務大佐の娘である同盟司法局法術特捜の主席捜査官嵯峨茜警視正だった。いつもどおりに表情を変えずに中を一瞥した後ついてきた補佐官のカルビナ・ラーナ警部補が手にした捜査器具を取り出した。
「なんだそれ?」
かなめの質問にラーナは顔を上げるがまるで興味がないというように視線をおろして取り出した器具の制御をする為に端末にコードをつなぐ。
無視されて冷静でいられるほどかなめは人間ができていなかった。そのままつかつかとラーナに近づいて懐から取り出したコードを自分の首のジャックとラーナの端末に接続する。
「西園寺大尉!困るっす!」
「うるせえ!」
茜は一瞥して困った顔のラーナに頷いて見せてかなめの情報収集を黙って許した。
「演操術師の特定か……それならつじつまが合うな」
『演操術』。初めて聞く言葉に誠もカウラも目を茜に向けた。
「なんだか分からないけど面倒なことになりそうなのね」
アメリアがコーヒーを口に含んでその様子を眺めている。
「わたくし達が動く事件は大体が面倒なことなのではなくて?」
上品に答える茜にアメリアは手を広げて知らぬふりと言うような態度を示して見せた。
「確かに……今回も面倒なことになりそうだな」
カウラはそう言うと静かにコーヒーをすすった。そんな彼女の前で茜は大げさに直立不動の姿勢をとった。カウラも気づいて敬礼する。
「嵯峨茜警視正、事件を引き継ぎます」
「よろしくお願いします」
その有様を相変わらずラーナの機械を弄りながらかなめが眺める。アメリアはと言えば部屋の隅に置かれていた事務机にかけてあったコートに袖を通している。
「アメリアさん……」
誠が恐る恐る声をかける。その脇を安心したと言う表情のカウラが通り過ぎる。
「引継ぎは終わったわけだな……帰るか」
「いいんですか?事件はまだ……」
そこまで言いかけたところで茜が誠の肩を叩いた。
「初期消火とその後の対応お疲れ様。後は私達が引き継ぎますわ。正月休み、ごゆっくり」
「はあ……」
誠は自分と同じ年のエリート警察官の言葉に何も言い返せ無いことは分かっていた。そしてそのまま帰ろうとする三人の女上司の後を追って取調室を後にした。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
特殊装甲隊 ダグフェロン 『廃帝と永遠の世紀末』 第三部 『暗黒大陸』
橋本 直
SF
遼州司法局も法術特捜の発足とともに実働部隊、機動隊、法術特捜の三部体制が確立することとなった。
それまで東和陸軍教導隊を兼務していた小さな隊長、クバルカ・ラン中佐が実働部隊副隊長として本異動になることが決まった。
彼女の本拠地である東和陸軍教導隊を訪ねた神前誠に法術兵器の実験に任務が課せられた。それは広域にわたり兵士の意識を奪ってしまうという新しい発想の非破壊兵器だった。
実験は成功するがチャージの時間等、運用の難しい兵器と判明する。
一方実働部隊部隊長嵯峨惟基は自分が領邦領主を務めている貴族制国家甲武国へ飛んだ。そこでは彼の両方を西園寺かなめの妹、日野かえでに継がせることに関する会議が行われる予定だった。
一方、南の『魔窟』と呼ばれる大陸ベルルカンの大国、バルキスタンにて総選挙が予定されており、実働部隊も支援部隊を派遣していた。だが選挙に不満を持つ政府軍、反政府軍の駆け引きが続いていた。
嵯峨は万が一の両軍衝突の際アメリカの介入を要請しようとする兄である西園寺義基のシンパである甲武軍部穏健派を牽制しつつ貴族の群れる会議へと向かった。
そしてそんな中、バルキスタンで反政府軍が機動兵器を手に入れ政府軍との全面衝突が発生する。
誠は試験が済んだばかりの非破壊兵器を手に戦線の拡大を防ぐべく出撃するのだった。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第二部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』が発動した『干渉空間』と『光の剣(つるぎ)により貴族主義者のクーデターを未然に防止することが出来た『近藤事件』が終わってから1か月がたった。
宇宙は誠をはじめとする『法術師』の存在を公表することで混乱に陥っていたが、誠の所属する司法局実働部隊、通称『特殊な部隊』は相変わらずおバカな生活を送っていた。
そんな『特殊な部隊』の運用艦『ふさ』艦長アメリア・クラウゼ中佐と誠の所属するシュツルム・パンツァーパイロット部隊『機動部隊第一小隊』のパイロットでサイボーグの西園寺かなめは『特殊な部隊』の野球部の夏合宿を企画した。
どうせろくな事が起こらないと思いながら仕事をさぼって参加する誠。
そこではかなめがいかに自分とはかけ離れたお嬢様で、貴族主義の国『甲武国』がどれほど自分の暮らす永遠に続く20世紀末の東和共和国と違うのかを誠は知ることになった。
しかし、彼を待っていたのは『法術』を持つ遼州人を地球人から解放しようとする『革命家』の襲撃だった。
この事件をきっかけに誠の身辺警護の必要性から誠の警護にアメリア、かなめ、そして無表情な人造人間『ラスト・バタリオン』の第一小隊小隊長カウラ・ベルガー大尉がつくことになる。
これにより誠の暮らす『男子下士官寮』は有名無実化することになった。
そんなおバカな連中を『駄目人間』嵯峨惟基特務大佐と機動部隊隊長クバルカ・ラン中佐は生暖かい目で見守っていた。
そんな『特殊な部隊』の意図とは関係なく着々と『力ある者の支配する宇宙』の実現を目指す『廃帝ハド』の野望はゆっくりと動き出しつつあった。
SFお仕事ギャグロマン小説。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!
七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ?
俺はいったい、どうなっているんだ。
真実の愛を取り戻したいだけなのに。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
てめぇの所為だよ
章槻雅希
ファンタジー
王太子ウルリコは政略によって結ばれた婚約が気に食わなかった。それを隠そうともせずに臨んだ婚約者エウフェミアとの茶会で彼は自分ばかりが貧乏くじを引いたと彼女を責める。しかし、見事に返り討ちに遭うのだった。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様の重複投稿、自サイトにも掲載。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる