1,315 / 1,531
第2章 事の発端
ちっちゃな副隊長
しおりを挟む
技術部の各セクションの部屋を通過してハンガーへと出た誠達の前にはいつもなら隣の建物である車両置き場においてある人型兵器『アサルト・モジュール』の搬送用トレーラーが一台置かれていた。
そしてその運転席では部隊では若手の19歳の技術兵である西高志兵長が端末を手にじっと目の前の灰色の機体を見上げていた。
司法局実働部隊の部隊として保有する4機のアサルト・モジュールのうちの一機。05式特戦乙型。そしてその担当操縦者は誠だった。
すでに多くのメディアで紹介されてきた誠の機体は配属直後の『近藤事件』と先日の『同盟厚生局事件』で知られた存在になっていた。
「何を見上げているんだ……そうか、明日から東志津駐屯地の基地祭だったか」
特に関心は無いというようにカウラは誠の機体を見上げる。
「でも人気ですよね、神前さんの機体。僕も何度かネットでこの塗装の05式乙型のプラモデルの写真見つけましたよ」
他意は無いのはわかるが誠にも年下の西からそう言われるとただ頭を掻くしかなかった。
「ああ、そう」
慣れている誠だが、こうしてカウラの澄んだ目で見上げられると恥ずかしく思えてきた。開かれたコックピットに顔を突っ込んでいた整備員までいつの間にか誠達を見下ろしている。
「なんだ?お前等。帰ってきてたのか。隊長は……まだなんだな」
ハンガーから二階の執務室へ上がる階段の上で声をかけてきたのは高梨渉管理部長だった。東和軍の背広組みのキャリア官僚として予算を使って嵯峨惟基の首根っこを押さえる総務会計総責任者『管理部部長』と言うのが高梨の役目だった。
そのずんぐりむっくりした体型の小男が階段の上で待ち構えていた。
「ああ、すいません。先日の備品発注の件は……」
「それなら後にしてくれ!西兵長。島田君は?」
階段を急ぎ足で下りてきた高梨はそのまま西のところに向かう。取残された誠とカウラはそのまま面倒な話になりそうなので逃げるようにして上に向かう鉄製の階段を登り始めた。
階段を登りきると目に入るのはガラス張りの管理部のオフィスが目に入った。軍服を着た主計任務の兵や下士官と事務官のカジュアル姿のパートの女性が忙しく働いているのが見える。
「遅せーぞ!いつまでかかってんだ!とっとと来い!」
オフィスを眺めていた誠達を甲高い声が怒鳴りつける。アサルト・モジュール。特機と呼称される人型兵器の運用を任されている司法局実働部隊の中心部隊『機動部隊』の部隊長、本来は非番のはずのクバルカ・ラン中佐がそこに立っていた。いつもの事ながら誠は怒ったような彼女の顔を見ると一言言いたかったがその一言は常に飲み込んでいた。
勤務服を着て襟に中佐の階級章をつけ、胸には特技章やパイロット章や勲功の略称をつけているというのに、ランの姿は彼女が部隊屈指の古強者であるということにまるで説得力が無くなって見えた。その原因は彼女の姿にあった。
彼女はどう見ても小学生、しかも低学年にしか見えない背格好だった。124cmの身長と本人は主張しているが、それは明らかにサバを読んでいると誠は思っていた。ツリ目のにらむような顔つきなのだが、やわらかそうな頬や耳たぶはどう見てもお子様である。
「非番じゃなかったんですか?」
カウラはいつも不自然に思わずにそのままランのところに足を向ける。
「東都警察の法術部隊の話が来ただろ?あれで訓練メニューの練り直しが必要になってな。どうせ休日ってもすることもねーからな」
そう言いながらランはにんまりと笑って詰め所の中に消えた。
「怒られてんの!」
部屋には端末の前のモニター越しに入ってくる誠達をタレ目で見つめるかなめがいた。
「西園寺!無駄口叩く暇があったら報告書上げろ!オメー等もな」
そう言うとランは小さい身体で普通の人向けの実働部隊長の椅子によじ登る。その様子をわくわくしながら見つめる誠に冷ややかなカウラの視線が注がれていた
「ああ、仕事!仕事しますよ!」
そう言うと誠は自分の席に飛びつき、端末を起動させた。
「おう、仕事か?ご苦労なこっちゃ」
紫のド派手な背広に着替えた明石がついでのようにドアから顔を出す。そして手にしたディスクをつまんで見せ付ける。
「ああ、この前の厚生局の闇研究の資料か。明石。お前さんが預かったわけだ」
ランはそう言うと椅子から飛び降りててくてくと明石に近づく。
「せっかくうちが解決してやったというのに本局はだんまりですか?職域侵害じゃねえの?」
嫌味を飛ばすかなめだが、彼女の毒舌は誠もカウラも知っていた。
「言うな西園寺。お役所にはお役所のやり方ってのがあんだ」
遅れる厚生局内部の綱紀粛正状況にふつふつと怒りを燃やしているように握りこぶしを作るランだがかなめに見つめられて照れたようにうつむいた。
「クバルカ先任も苦労しとるようやね。ほいじゃあ本局に戻りまっさ!」
そう言ってツルツルに剃り上げられた頭を叩くと明石は出て行った。
「厚生局の一件で東都警察も本気になったか……楽出来るといいねー」
心のそこからの叫びのようにそんな言葉を搾り出すと、安堵した表情でランは自分の席へと戻っていった。
「そうだ、忘れてたわ」
ランはそう言うと視線を誠達に向けた。
「技術部の連中にベルルカン風邪が流行っててな……ベルガー、西園寺、神前。歩哨を頼めるか?」
部隊の入り口にある警備室にはいつも技術部員の誰かが詰めていた。そこに人手が足りないらしいことをランは言いたいようだった。
「アメリアにも頼んでおいたからな」
「めんどくさいねえ……」
かなめは頭を掻きながらそう言って苦笑いを浮かべた。
「カウラ!そう言うわけだ。とりあえず……」
諦めたランはそう言うと腕の端末に目を向ける。
「20時まで、ゲートで歩哨任務につけ!」
「は!20:00時までゲート管理業務に移ります!」
立ち上がったカウラに大きくうなづいて見せてランは颯爽と部屋から出て行った。にんまりと笑った二人はそのまま立ち上がると出口で敬礼してそのままカウラを置いて廊下に出た。
「あ!お姉さま!」
声をかけてきたのは第二小隊小隊長の嵯峨かえで少佐だった。そのまま走り寄ってこないのは明らかに彼女を見てかなめの表情が冷たくなったからだった。だが、実の姉であるかなめに苛められたいというマゾヒスティックな嗜好の持ち主のかえでは恍惚の表情で立ち去ろうとするかなめを見つめている。誠も出来るだけ早く立ち去りたいと言う願望にしたがってかえでの後ろの第二小隊隊員渡辺リン大尉とアン・ナン・パク軍曹を無視して、そのまま管理部のガラス窓を横切りハンガーへ降りる階段へと向かった。
「声ぐらいかけてやればいいのに」
追いついてきたカウラの一言にかなめはさらに不機嫌になったようにカウラにらみつけた。
「そんなことしてもつけあがるだけだ」
かなめは冷たくそう言って歩みを速める。その表情を見てさすがのカウラも目をそらした。
そしてその運転席では部隊では若手の19歳の技術兵である西高志兵長が端末を手にじっと目の前の灰色の機体を見上げていた。
司法局実働部隊の部隊として保有する4機のアサルト・モジュールのうちの一機。05式特戦乙型。そしてその担当操縦者は誠だった。
すでに多くのメディアで紹介されてきた誠の機体は配属直後の『近藤事件』と先日の『同盟厚生局事件』で知られた存在になっていた。
「何を見上げているんだ……そうか、明日から東志津駐屯地の基地祭だったか」
特に関心は無いというようにカウラは誠の機体を見上げる。
「でも人気ですよね、神前さんの機体。僕も何度かネットでこの塗装の05式乙型のプラモデルの写真見つけましたよ」
他意は無いのはわかるが誠にも年下の西からそう言われるとただ頭を掻くしかなかった。
「ああ、そう」
慣れている誠だが、こうしてカウラの澄んだ目で見上げられると恥ずかしく思えてきた。開かれたコックピットに顔を突っ込んでいた整備員までいつの間にか誠達を見下ろしている。
「なんだ?お前等。帰ってきてたのか。隊長は……まだなんだな」
ハンガーから二階の執務室へ上がる階段の上で声をかけてきたのは高梨渉管理部長だった。東和軍の背広組みのキャリア官僚として予算を使って嵯峨惟基の首根っこを押さえる総務会計総責任者『管理部部長』と言うのが高梨の役目だった。
そのずんぐりむっくりした体型の小男が階段の上で待ち構えていた。
「ああ、すいません。先日の備品発注の件は……」
「それなら後にしてくれ!西兵長。島田君は?」
階段を急ぎ足で下りてきた高梨はそのまま西のところに向かう。取残された誠とカウラはそのまま面倒な話になりそうなので逃げるようにして上に向かう鉄製の階段を登り始めた。
階段を登りきると目に入るのはガラス張りの管理部のオフィスが目に入った。軍服を着た主計任務の兵や下士官と事務官のカジュアル姿のパートの女性が忙しく働いているのが見える。
「遅せーぞ!いつまでかかってんだ!とっとと来い!」
オフィスを眺めていた誠達を甲高い声が怒鳴りつける。アサルト・モジュール。特機と呼称される人型兵器の運用を任されている司法局実働部隊の中心部隊『機動部隊』の部隊長、本来は非番のはずのクバルカ・ラン中佐がそこに立っていた。いつもの事ながら誠は怒ったような彼女の顔を見ると一言言いたかったがその一言は常に飲み込んでいた。
勤務服を着て襟に中佐の階級章をつけ、胸には特技章やパイロット章や勲功の略称をつけているというのに、ランの姿は彼女が部隊屈指の古強者であるということにまるで説得力が無くなって見えた。その原因は彼女の姿にあった。
彼女はどう見ても小学生、しかも低学年にしか見えない背格好だった。124cmの身長と本人は主張しているが、それは明らかにサバを読んでいると誠は思っていた。ツリ目のにらむような顔つきなのだが、やわらかそうな頬や耳たぶはどう見てもお子様である。
「非番じゃなかったんですか?」
カウラはいつも不自然に思わずにそのままランのところに足を向ける。
「東都警察の法術部隊の話が来ただろ?あれで訓練メニューの練り直しが必要になってな。どうせ休日ってもすることもねーからな」
そう言いながらランはにんまりと笑って詰め所の中に消えた。
「怒られてんの!」
部屋には端末の前のモニター越しに入ってくる誠達をタレ目で見つめるかなめがいた。
「西園寺!無駄口叩く暇があったら報告書上げろ!オメー等もな」
そう言うとランは小さい身体で普通の人向けの実働部隊長の椅子によじ登る。その様子をわくわくしながら見つめる誠に冷ややかなカウラの視線が注がれていた
「ああ、仕事!仕事しますよ!」
そう言うと誠は自分の席に飛びつき、端末を起動させた。
「おう、仕事か?ご苦労なこっちゃ」
紫のド派手な背広に着替えた明石がついでのようにドアから顔を出す。そして手にしたディスクをつまんで見せ付ける。
「ああ、この前の厚生局の闇研究の資料か。明石。お前さんが預かったわけだ」
ランはそう言うと椅子から飛び降りててくてくと明石に近づく。
「せっかくうちが解決してやったというのに本局はだんまりですか?職域侵害じゃねえの?」
嫌味を飛ばすかなめだが、彼女の毒舌は誠もカウラも知っていた。
「言うな西園寺。お役所にはお役所のやり方ってのがあんだ」
遅れる厚生局内部の綱紀粛正状況にふつふつと怒りを燃やしているように握りこぶしを作るランだがかなめに見つめられて照れたようにうつむいた。
「クバルカ先任も苦労しとるようやね。ほいじゃあ本局に戻りまっさ!」
そう言ってツルツルに剃り上げられた頭を叩くと明石は出て行った。
「厚生局の一件で東都警察も本気になったか……楽出来るといいねー」
心のそこからの叫びのようにそんな言葉を搾り出すと、安堵した表情でランは自分の席へと戻っていった。
「そうだ、忘れてたわ」
ランはそう言うと視線を誠達に向けた。
「技術部の連中にベルルカン風邪が流行っててな……ベルガー、西園寺、神前。歩哨を頼めるか?」
部隊の入り口にある警備室にはいつも技術部員の誰かが詰めていた。そこに人手が足りないらしいことをランは言いたいようだった。
「アメリアにも頼んでおいたからな」
「めんどくさいねえ……」
かなめは頭を掻きながらそう言って苦笑いを浮かべた。
「カウラ!そう言うわけだ。とりあえず……」
諦めたランはそう言うと腕の端末に目を向ける。
「20時まで、ゲートで歩哨任務につけ!」
「は!20:00時までゲート管理業務に移ります!」
立ち上がったカウラに大きくうなづいて見せてランは颯爽と部屋から出て行った。にんまりと笑った二人はそのまま立ち上がると出口で敬礼してそのままカウラを置いて廊下に出た。
「あ!お姉さま!」
声をかけてきたのは第二小隊小隊長の嵯峨かえで少佐だった。そのまま走り寄ってこないのは明らかに彼女を見てかなめの表情が冷たくなったからだった。だが、実の姉であるかなめに苛められたいというマゾヒスティックな嗜好の持ち主のかえでは恍惚の表情で立ち去ろうとするかなめを見つめている。誠も出来るだけ早く立ち去りたいと言う願望にしたがってかえでの後ろの第二小隊隊員渡辺リン大尉とアン・ナン・パク軍曹を無視して、そのまま管理部のガラス窓を横切りハンガーへ降りる階段へと向かった。
「声ぐらいかけてやればいいのに」
追いついてきたカウラの一言にかなめはさらに不機嫌になったようにカウラにらみつけた。
「そんなことしてもつけあがるだけだ」
かなめは冷たくそう言って歩みを速める。その表情を見てさすがのカウラも目をそらした。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第三部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』は法術の新たな可能性を追求する司法局の要請により『05式広域制圧砲』と言う新兵器の実験に駆り出される。その兵器は法術の特性を生かして敵を殺傷せずにその意識を奪うと言う兵器で、対ゲリラ戦等の『特殊な部隊』と呼ばれる司法局実働部隊に適した兵器だった。
一方、遼州系第二惑星の大国『甲武』では、国家の意思決定最高機関『殿上会』が開かれようとしていた。それに出席するために殿上貴族である『特殊な部隊』の部隊長、嵯峨惟基は甲武へと向かった。
その間隙を縫ったかのように『修羅の国』と呼ばれる紛争の巣窟、ベルルカン大陸のバルキスタン共和国で行われる予定だった選挙合意を反政府勢力が破棄し機動兵器を使った大規模攻勢に打って出て停戦合意が破綻したとの報が『特殊な部隊』に届く。
この停戦合意の破棄を理由に甲武とアメリカは合同で介入を企てようとしていた。その阻止のため、神前誠以下『特殊な部隊』の面々は輸送機でバルキスタン共和国へ向かった。切り札は『05式広域鎮圧砲』とそれを操る誠。『特殊な部隊』の制式シュツルム・パンツァー05式の機動性の無さが作戦を難しいものに変える。
そんな時間との戦いの中、『特殊な部隊』を見守る影があった。
『廃帝ハド』、『ビッグブラザー』、そしてネオナチ。
誠は反政府勢力の攻勢を『05式広域鎮圧砲』を使用して止めることが出来るのか?それとも……。
SFお仕事ギャグロマン小説。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
底辺エンジニア、転生したら敵国側だった上に隠しボスのご令嬢にロックオンされる。~モブ×悪女のドール戦記~
阿澄飛鳥
SF
俺ことグレン・ハワードは転生者だ。
転生した先は俺がやっていたゲームの世界。
前世では機械エンジニアをやっていたので、こっちでも祝福の【情報解析】を駆使してゴーレムの技師をやっているモブである。
だがある日、工房に忍び込んできた女――セレスティアを問い詰めたところ、そいつはなんとゲームの隠しボスだった……!
そんなとき、街が魔獣に襲撃される。
迫りくる魔獣、吹き飛ばされるゴーレム、絶体絶命のとき、俺は何とかセレスティアを助けようとする。
だが、俺はセレスティアに誘われ、少女の形をした魔導兵器、ドール【ペルラネラ】に乗ってしまった。
平民で魔法の才能がない俺が乗ったところでドールは動くはずがない。
だが、予想に反して【ペルラネラ】は起動する。
隠しボスとモブ――縁のないはずの男女二人は精神を一つにして【ペルラネラ】での戦いに挑む。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
「日本人」最後の花嫁 少女と富豪の二十二世紀
さんかく ひかる
SF
22世紀後半。人類は太陽系に散らばり、人口は90億人を超えた。
畜産は制限され、人々はもっぱら大豆ミートや昆虫からたんぱく質を摂取していた。
日本は前世紀からの課題だった少子化を克服し、人口1億3千万人を維持していた。
しかし日本語を話せる人間、つまり昔ながらの「日本人」は鈴木夫妻と娘のひみこ3人だけ。
鈴木一家以外の日本国民は外国からの移民。公用語は「国際共通語」。政府高官すら日本の文字は読めない。日本語が絶滅するのは時間の問題だった。
温暖化のため首都となった札幌へ、大富豪の息子アレックス・ダヤルが来日した。
彼の母は、この世界を造ったとされる天才技術者であり実業家、ラニカ・ダヤル。
一方、最後の「日本人」鈴木ひみこは、両親に捨てられてしまう。
アレックスは、捨てられた少女の保護者となった。二人は、温暖化のため首都となった札幌のホテルで暮らしはじめる。
ひみこは、自分を捨てた親を見返そうと決意した。
やがて彼女は、アレックスのサポートで国民のアイドルになっていく……。
両親はなぜ、娘を捨てたのか? 富豪と少女の関係は?
これは、最後の「日本人」少女が、天才技術者の息子と過ごした五年間の物語。
完結しています。エブリスタ・小説家になろうにも掲載してます。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる