1,311 / 1,503
特殊装甲隊 ダグフェロン 『カウラ・ベルガー大尉の誕生日』 第1章 プロローグ
訓練を終えて
しおりを挟む「コーヒー……どうだ。お前も飲んだ方がいいんじゃないか?疲れただろ」
そんな嵯峨の言葉もにらみ合うかなめとアメリアを気にしている誠には届かなかった。いつもなら止めにはいるカウラもここ三回続けてかなめの暴走で閉所訓練で嵯峨を倒せていないこともあって二人を止める様子も無かった。
「いい身分だな。ぬくぬくしたところで指示だけ出しているんだ。気楽だろ」
「へえ、やっぱり上官の命令を聞かないサイボーグは言うことが違うわね」
次第に二人の間の空気が再び険悪になっていく。そこで突然アメリアの携帯端末が鳴った。
「私よ……何?逃げた?ゲーセンとプラモ屋、それに本屋と食べ物屋を頭に入れて巡回……そうね、島田君には貸しがあるから技術部の非番の連中もかき集めて頂戴」
そう言うとアメリアは通信端末を切った。その内容は誠にも予想できることだった。
遼州同盟司法局実働部隊。司法実力機関として嵯峨惟基の指揮の下、実績を重ねている部隊のレクリエーション機関の存在があった。それは『演芸会』と呼称されていた。会長はアメリアだった。
素人芸人フェスティバルや豊川市近隣のイベントやプラモデルコンテストなどを牛耳るその組織。そこには人気絵師の神前誠曹長の活躍があった。
今日は部隊での勤務と言う名目による稽古となぜかアメリアがこだわっているゲームのデバック作業が佳境を迎えているところだった。アメリアの麾下の運用艦『ふさ』のブリッジクルーの女子達は三日にわたり宿直室に監禁されて作業を続けていた。
「なんだ?また誰かが逃げたのか?」
突然の報にかなめはにやりと笑って顔を突き出す。だが、アメリアはすぐに状況打開の策を編み出していた。
「アメリア!」
カウラが声を出す暇も無かった。すぐに誠の腕を掴みそのまま重い扉を開く。
「アメリアさん……」
その行動で誠は抜けた穴を誠を早く帰すことで埋めようとしているアメリアの魂胆を見抜いた。しかし、車がないアメリアに何が出来るでもない。かなめは完全にアメリアのさせるままにしている、カウラにいたっては立ち上がってアメリアの後に続いて開いたドアに続く。
「大丈夫よ。島田君はきっと逃げたメンバーの行方をつきとめるわ」
そう言ってアメリアは誠の手を引いて廊下を進む。気になったのか誠が見ている後方ではかなめがニヤニヤ笑いながら付いてくる。
「車は私のでいいんだな」
「お願いできるかしら」
誠の意思とは関係なく、アメリアとカウラの間で話がまとまる。その様子にかなめはにんまりと笑った。
「毎回誰か逃げてないか?嫌なんじゃねえの?」
「お笑いやゲーム作りが嫌いなわけじゃないもの。まああの子達にじっとしていろって方が無理な話なんだけどね」
そう言うとアメリアは訓練場の粗末な階段を降り始める。窓の外を見れば、この訓練場の本来の持ち主である東和陸軍の特殊部隊の面々が整列している様が見れた。
「ご苦労様ねえ」
そう言いながらアメリアは戦闘服のままの誠の手を引っ張って埃が巻き上がるような手抜き工事の階段を下りながら早足で歩き続けた。
冬の弱々しい日差しが屋内戦闘訓練場を出た誠達に降り注いだ。次の訓練予定が入っている東都警察強襲機動隊の面々が寒空の中、缶コーヒーを飲みながら駐車場で待機していた。
男性隊員の視線がかなめに集まる。かなめはその視線を心地よいとでも言うように強調された胸のラインを披露しながら中性的に見えるカウラの後に続いていた。しばらく歩いていたカウラだが、あからさまな視線に飽きれてかなめを振り返った。
「あれ?隊長殿はそう言うことは気にはされないと思っていました……が?」
そんな挑発的なかなめの言葉にカウラは一気に不機嫌になる。ようやくこの状況に気づいたように東都警察の部隊長の眼鏡をかけた女性指揮官が咳払いをしている。
「あ……あ?」
エメラルドグリーンのポニーテールを降りながらカウラの視線は女性指揮官に注がれた。
「エルマ……エルマじゃないか!」
そのままカウラはエルマと呼んだ女性士官に向かって近づいていく。誠も良く見ればその士官の髪がライトブルーでそれが遼州星系で起きた前の大戦の敗戦国ゲルパルトが製造した人造人間『ラストバタリオン』のものであることに気がついた。
「なんだ……カウラか」
女性隊長はそう言うと複雑な表情で近づいていたカウラの手を握った。
「おい、知り合いか?」
「まあな」
そう言って二人は手を握り合う。だが誠にはその二人の表情はどこかぎこちなく見えた。エルマの部下達も少し怪訝な表情で二人を見つめている。
「紹介ぐらいしろよ」
かなめの声に後ろから駆けてきたアメリアがうなづく。それを見てカウラは驚いたようにエルマの手を離した。
「そうね。エルマ……エルマ・ドラーゼ警部補。東都警察だったな、所属は」
「そうだが……これが噂の『特殊な部隊』の人達か」
エルマの視線が誠達に向く。かなめ、アメリア、誠。三人ともそれぞれの意味で警察や軍部では有名人と言うこともあり、エルマの部下達も囁きあっている。
「それにしても出世したものだな、お互い」
そう言うエルマのおかっぱに刈りそろえられたライトブルーの髪が揺れる。カウラは振り返って部下のかなめと誠、そしておまけのアメリアの方を見て困ったような表情で鈍い笑みを浮かべた。
「確かに。でもそちらは良い部下に恵まれているみたいじゃないか」
「アタシ等は悪い部下だと言いてえわけだな」
カウラにあてこするように振り返ったかなめが誠とアメリアを見つめる。アメリアは勤務服の襟の少佐の階級章を見せながら頬を膨らませる。誠も頭を掻きながらエルマを見つめていた。
「これは少佐……アメリア・クラウゼ少佐ですか?」
そう言うとエルマが厳しい表情に変わり直立不動の姿勢をとる。アメリアは戸惑ったようにごまかしの笑みを浮かべる。それをしばらくカウラは見比べていた。
「良いのよ、別に気なんて使わなくても」
「いえ……クラウゼ少佐の話は教育施設でも良く聞かされましたから。実戦参加をした数少ない『ラスト・バタリオン』とうかがってます」
目を輝かせるエルマにカウラは気おされていた。カウラもアメリアもゲルパルトの人造人間計画『ラストバタリオン』で製造された人造人間である。だが、ほとんどは製造中に終戦を迎え、それまでに育成ポッドの外にいたのは司法局では運用艦『ふさ』の艦長で運行部の部長アメリアただ一人だった。
「実戦ですか……」
「どんな活躍したのか教えてくださいよ!オバサン!」
誠の純粋な疑問にかぶせてかなめががなりたてる。握りこぶしを作りながらアメリアがじりじりとかなめに近づいていく。
「馬鹿をやっている暇は無いんじゃないのか?エルマ……ちょっと急ぎの用事があってな。いくぞ、西園寺!」
馬鹿騒ぎが起きることを察知したカウラがそう言ってかなめの手を引いた。カウラは唖然とするエルマを置いて駐車場の隅に向かう。
「かなめちゃん」
カウラのハコスカにたどり着いたアメリアが珍しくこめかみをひくつかせながらかなめをにらみつけている。
「なんだよ。急いでいるんじゃねえのか?運航部の女芸人達のことだ。徹夜が続くとまた逃げ出すぞ……と言うか逃げたんだな」
助手席のドアを開けたかなめはシートを倒してすぐに後部座席にもぐりこんだ。アメリアも何も言えずに同じように乗り込む。
「一応言っておくが、アメリアは早期覚醒で実戦に投入されたわけだ。私やサラみたいに自然覚醒まで培養ポットで育った者より稼動時間が長いのは当然だろ」
気を利かせてのカウラの一言。誠にはその違いがよく分からなかった。すぐにガソリンエンジンの響きが車内を満たす。
「いいわよそんなフォロー。それより久しぶりだったらお茶くらいしていけばいいのに……どうせ逃げた子達が捕まらないと私が帰ってもどうにもならないもの」
アメリアの言葉にカウラはちょっとした笑みを浮かべる。車は駐車場を出て冬の気配の漂う落葉樹の森に挟まれた道に出た。
「今でもそう言うことには関心が持てないからな。アメリアほど実社会に対応した期間が長くは無い」
「何よ!カウラちゃんまでそんなこと言うの?」
アメリアの膨れっ面がバックミラーに映っている。誠は苦笑いを浮かべながら対向車もなく続く林道のを見渡していた。
「稼働時間を年齢とすると……8歳か、カウラは」
何気なく言ったかなめの言葉にカウラの表情がハッとしたものに変わる。
「ロリね……ロリキャラね」
アメリアが非常にいい顔をするので明らかにその様子を眺めていたカウラが渋い表情を浮かべる。
「でも8年で大尉に昇進なんて凄いですね」
「そうだな、どこかの誰かは三週間で少尉候補生から曹長に格下げ食らったからな」
「西園寺さん勘弁してくださいよ」
誠は自分の降格をネタにされて後ろで窮屈そうに座ることにすでに飽きているかなめを振り返る。
「そう言う誰かも一度降格食らったことが無かったか?」
カウラの皮肉にかなめは黙り込むことで答えようとしているように口をへの字に結んで外の枝だけが残された木々に視線を移していた。
そんな嵯峨の言葉もにらみ合うかなめとアメリアを気にしている誠には届かなかった。いつもなら止めにはいるカウラもここ三回続けてかなめの暴走で閉所訓練で嵯峨を倒せていないこともあって二人を止める様子も無かった。
「いい身分だな。ぬくぬくしたところで指示だけ出しているんだ。気楽だろ」
「へえ、やっぱり上官の命令を聞かないサイボーグは言うことが違うわね」
次第に二人の間の空気が再び険悪になっていく。そこで突然アメリアの携帯端末が鳴った。
「私よ……何?逃げた?ゲーセンとプラモ屋、それに本屋と食べ物屋を頭に入れて巡回……そうね、島田君には貸しがあるから技術部の非番の連中もかき集めて頂戴」
そう言うとアメリアは通信端末を切った。その内容は誠にも予想できることだった。
遼州同盟司法局実働部隊。司法実力機関として嵯峨惟基の指揮の下、実績を重ねている部隊のレクリエーション機関の存在があった。それは『演芸会』と呼称されていた。会長はアメリアだった。
素人芸人フェスティバルや豊川市近隣のイベントやプラモデルコンテストなどを牛耳るその組織。そこには人気絵師の神前誠曹長の活躍があった。
今日は部隊での勤務と言う名目による稽古となぜかアメリアがこだわっているゲームのデバック作業が佳境を迎えているところだった。アメリアの麾下の運用艦『ふさ』のブリッジクルーの女子達は三日にわたり宿直室に監禁されて作業を続けていた。
「なんだ?また誰かが逃げたのか?」
突然の報にかなめはにやりと笑って顔を突き出す。だが、アメリアはすぐに状況打開の策を編み出していた。
「アメリア!」
カウラが声を出す暇も無かった。すぐに誠の腕を掴みそのまま重い扉を開く。
「アメリアさん……」
その行動で誠は抜けた穴を誠を早く帰すことで埋めようとしているアメリアの魂胆を見抜いた。しかし、車がないアメリアに何が出来るでもない。かなめは完全にアメリアのさせるままにしている、カウラにいたっては立ち上がってアメリアの後に続いて開いたドアに続く。
「大丈夫よ。島田君はきっと逃げたメンバーの行方をつきとめるわ」
そう言ってアメリアは誠の手を引いて廊下を進む。気になったのか誠が見ている後方ではかなめがニヤニヤ笑いながら付いてくる。
「車は私のでいいんだな」
「お願いできるかしら」
誠の意思とは関係なく、アメリアとカウラの間で話がまとまる。その様子にかなめはにんまりと笑った。
「毎回誰か逃げてないか?嫌なんじゃねえの?」
「お笑いやゲーム作りが嫌いなわけじゃないもの。まああの子達にじっとしていろって方が無理な話なんだけどね」
そう言うとアメリアは訓練場の粗末な階段を降り始める。窓の外を見れば、この訓練場の本来の持ち主である東和陸軍の特殊部隊の面々が整列している様が見れた。
「ご苦労様ねえ」
そう言いながらアメリアは戦闘服のままの誠の手を引っ張って埃が巻き上がるような手抜き工事の階段を下りながら早足で歩き続けた。
冬の弱々しい日差しが屋内戦闘訓練場を出た誠達に降り注いだ。次の訓練予定が入っている東都警察強襲機動隊の面々が寒空の中、缶コーヒーを飲みながら駐車場で待機していた。
男性隊員の視線がかなめに集まる。かなめはその視線を心地よいとでも言うように強調された胸のラインを披露しながら中性的に見えるカウラの後に続いていた。しばらく歩いていたカウラだが、あからさまな視線に飽きれてかなめを振り返った。
「あれ?隊長殿はそう言うことは気にはされないと思っていました……が?」
そんな挑発的なかなめの言葉にカウラは一気に不機嫌になる。ようやくこの状況に気づいたように東都警察の部隊長の眼鏡をかけた女性指揮官が咳払いをしている。
「あ……あ?」
エメラルドグリーンのポニーテールを降りながらカウラの視線は女性指揮官に注がれた。
「エルマ……エルマじゃないか!」
そのままカウラはエルマと呼んだ女性士官に向かって近づいていく。誠も良く見ればその士官の髪がライトブルーでそれが遼州星系で起きた前の大戦の敗戦国ゲルパルトが製造した人造人間『ラストバタリオン』のものであることに気がついた。
「なんだ……カウラか」
女性隊長はそう言うと複雑な表情で近づいていたカウラの手を握った。
「おい、知り合いか?」
「まあな」
そう言って二人は手を握り合う。だが誠にはその二人の表情はどこかぎこちなく見えた。エルマの部下達も少し怪訝な表情で二人を見つめている。
「紹介ぐらいしろよ」
かなめの声に後ろから駆けてきたアメリアがうなづく。それを見てカウラは驚いたようにエルマの手を離した。
「そうね。エルマ……エルマ・ドラーゼ警部補。東都警察だったな、所属は」
「そうだが……これが噂の『特殊な部隊』の人達か」
エルマの視線が誠達に向く。かなめ、アメリア、誠。三人ともそれぞれの意味で警察や軍部では有名人と言うこともあり、エルマの部下達も囁きあっている。
「それにしても出世したものだな、お互い」
そう言うエルマのおかっぱに刈りそろえられたライトブルーの髪が揺れる。カウラは振り返って部下のかなめと誠、そしておまけのアメリアの方を見て困ったような表情で鈍い笑みを浮かべた。
「確かに。でもそちらは良い部下に恵まれているみたいじゃないか」
「アタシ等は悪い部下だと言いてえわけだな」
カウラにあてこするように振り返ったかなめが誠とアメリアを見つめる。アメリアは勤務服の襟の少佐の階級章を見せながら頬を膨らませる。誠も頭を掻きながらエルマを見つめていた。
「これは少佐……アメリア・クラウゼ少佐ですか?」
そう言うとエルマが厳しい表情に変わり直立不動の姿勢をとる。アメリアは戸惑ったようにごまかしの笑みを浮かべる。それをしばらくカウラは見比べていた。
「良いのよ、別に気なんて使わなくても」
「いえ……クラウゼ少佐の話は教育施設でも良く聞かされましたから。実戦参加をした数少ない『ラスト・バタリオン』とうかがってます」
目を輝かせるエルマにカウラは気おされていた。カウラもアメリアもゲルパルトの人造人間計画『ラストバタリオン』で製造された人造人間である。だが、ほとんどは製造中に終戦を迎え、それまでに育成ポッドの外にいたのは司法局では運用艦『ふさ』の艦長で運行部の部長アメリアただ一人だった。
「実戦ですか……」
「どんな活躍したのか教えてくださいよ!オバサン!」
誠の純粋な疑問にかぶせてかなめががなりたてる。握りこぶしを作りながらアメリアがじりじりとかなめに近づいていく。
「馬鹿をやっている暇は無いんじゃないのか?エルマ……ちょっと急ぎの用事があってな。いくぞ、西園寺!」
馬鹿騒ぎが起きることを察知したカウラがそう言ってかなめの手を引いた。カウラは唖然とするエルマを置いて駐車場の隅に向かう。
「かなめちゃん」
カウラのハコスカにたどり着いたアメリアが珍しくこめかみをひくつかせながらかなめをにらみつけている。
「なんだよ。急いでいるんじゃねえのか?運航部の女芸人達のことだ。徹夜が続くとまた逃げ出すぞ……と言うか逃げたんだな」
助手席のドアを開けたかなめはシートを倒してすぐに後部座席にもぐりこんだ。アメリアも何も言えずに同じように乗り込む。
「一応言っておくが、アメリアは早期覚醒で実戦に投入されたわけだ。私やサラみたいに自然覚醒まで培養ポットで育った者より稼動時間が長いのは当然だろ」
気を利かせてのカウラの一言。誠にはその違いがよく分からなかった。すぐにガソリンエンジンの響きが車内を満たす。
「いいわよそんなフォロー。それより久しぶりだったらお茶くらいしていけばいいのに……どうせ逃げた子達が捕まらないと私が帰ってもどうにもならないもの」
アメリアの言葉にカウラはちょっとした笑みを浮かべる。車は駐車場を出て冬の気配の漂う落葉樹の森に挟まれた道に出た。
「今でもそう言うことには関心が持てないからな。アメリアほど実社会に対応した期間が長くは無い」
「何よ!カウラちゃんまでそんなこと言うの?」
アメリアの膨れっ面がバックミラーに映っている。誠は苦笑いを浮かべながら対向車もなく続く林道のを見渡していた。
「稼働時間を年齢とすると……8歳か、カウラは」
何気なく言ったかなめの言葉にカウラの表情がハッとしたものに変わる。
「ロリね……ロリキャラね」
アメリアが非常にいい顔をするので明らかにその様子を眺めていたカウラが渋い表情を浮かべる。
「でも8年で大尉に昇進なんて凄いですね」
「そうだな、どこかの誰かは三週間で少尉候補生から曹長に格下げ食らったからな」
「西園寺さん勘弁してくださいよ」
誠は自分の降格をネタにされて後ろで窮屈そうに座ることにすでに飽きているかなめを振り返る。
「そう言う誰かも一度降格食らったことが無かったか?」
カウラの皮肉にかなめは黙り込むことで答えようとしているように口をへの字に結んで外の枝だけが残された木々に視線を移していた。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
潜水艦艦長 深海調査手記
ただのA
SF
深海探査潜水艦ネプトゥヌスの艦長ロバート・L・グレイ が深海で発見した生物、現象、景観などを書き残した手記。
皆さんも艦長の手記を通して深海の神秘に触れてみませんか?
特殊装甲隊 ダグフェロン 『廃帝と永遠の世紀末』 第三部 『暗黒大陸』
橋本 直
SF
遼州司法局も法術特捜の発足とともに実働部隊、機動隊、法術特捜の三部体制が確立することとなった。
それまで東和陸軍教導隊を兼務していた小さな隊長、クバルカ・ラン中佐が実働部隊副隊長として本異動になることが決まった。
彼女の本拠地である東和陸軍教導隊を訪ねた神前誠に法術兵器の実験に任務が課せられた。それは広域にわたり兵士の意識を奪ってしまうという新しい発想の非破壊兵器だった。
実験は成功するがチャージの時間等、運用の難しい兵器と判明する。
一方実働部隊部隊長嵯峨惟基は自分が領邦領主を務めている貴族制国家甲武国へ飛んだ。そこでは彼の両方を西園寺かなめの妹、日野かえでに継がせることに関する会議が行われる予定だった。
一方、南の『魔窟』と呼ばれる大陸ベルルカンの大国、バルキスタンにて総選挙が予定されており、実働部隊も支援部隊を派遣していた。だが選挙に不満を持つ政府軍、反政府軍の駆け引きが続いていた。
嵯峨は万が一の両軍衝突の際アメリカの介入を要請しようとする兄である西園寺義基のシンパである甲武軍部穏健派を牽制しつつ貴族の群れる会議へと向かった。
そしてそんな中、バルキスタンで反政府軍が機動兵器を手に入れ政府軍との全面衝突が発生する。
誠は試験が済んだばかりの非破壊兵器を手に戦線の拡大を防ぐべく出撃するのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第二部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』が発動した『干渉空間』と『光の剣(つるぎ)により貴族主義者のクーデターを未然に防止することが出来た『近藤事件』が終わってから1か月がたった。
宇宙は誠をはじめとする『法術師』の存在を公表することで混乱に陥っていたが、誠の所属する司法局実働部隊、通称『特殊な部隊』は相変わらずおバカな生活を送っていた。
そんな『特殊な部隊』の運用艦『ふさ』艦長アメリア・クラウゼ中佐と誠の所属するシュツルム・パンツァーパイロット部隊『機動部隊第一小隊』のパイロットでサイボーグの西園寺かなめは『特殊な部隊』の野球部の夏合宿を企画した。
どうせろくな事が起こらないと思いながら仕事をさぼって参加する誠。
そこではかなめがいかに自分とはかけ離れたお嬢様で、貴族主義の国『甲武国』がどれほど自分の暮らす永遠に続く20世紀末の東和共和国と違うのかを誠は知ることになった。
しかし、彼を待っていたのは『法術』を持つ遼州人を地球人から解放しようとする『革命家』の襲撃だった。
この事件をきっかけに誠の身辺警護の必要性から誠の警護にアメリア、かなめ、そして無表情な人造人間『ラスト・バタリオン』の第一小隊小隊長カウラ・ベルガー大尉がつくことになる。
これにより誠の暮らす『男子下士官寮』は有名無実化することになった。
そんなおバカな連中を『駄目人間』嵯峨惟基特務大佐と機動部隊隊長クバルカ・ラン中佐は生暖かい目で見守っていた。
そんな『特殊な部隊』の意図とは関係なく着々と『力ある者の支配する宇宙』の実現を目指す『廃帝ハド』の野望はゆっくりと動き出しつつあった。
SFお仕事ギャグロマン小説。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる