1,309 / 1,503
第21章 かすかな希望
エピローグ
しおりを挟む
老人は笑い始めた。その場の面々に笑顔が伝染していく。
「本当に素敵な方たちですねえ。西園寺様。あの人たちはあなたの身分を……」
「身分?そんなものここじゃ関係ないですよ。それにアイツとあった頃のアタシもそう言う状況じゃなかったですから」
かなめは思わず照れて頭を掻く。その後ろにじりじりとアメリアは迫る。
「なに気取った口調でしゃべってるのよ。いつも通りの方がうどん食べに行くとき気が楽でしょ?」
「オメエは食うことしか頭に無いのか!」
そう言って頭に当てていた手をアメリアに振り下ろすが、アメリアはそれを素早くかわして親父さんのところに顔を出す。
「怖いわよねえ……あんな化け物相手に怖かったですよね?」
「おい、アメリア。一遍死んでみるか?」
じりじりと指を鳴らしながら近づくかなめをアメリアが振り返る。老人はそんな光景を笑顔で見つめていた。
「良いですね……仲間って感じがしますよ」
後頭部を殴られたせいでじっとその光景を離れてみていた誠に老人がつぶやいた。
「確かにうちはコンビネーションが売りですから」
そう言って苦笑いを浮かべる誠を老人は羨望の目で見つめる。
「こういう仲間がいれば……あいつも道を踏み違えたりしなかったでしょうね」
老人の目に再び涙が光る。どうすることも出来ずに誠はただ老人のそばでかなめと怒鳴りあいをはじめるかなめを見つめていた。
カウラまでも巻き込んで広がるどたばた。うなづきながら老人はかなめ達を見守る。
「おい!暴れんじゃないよー!」
ドアが開いて入って来たのは嵯峨だった。さらに部外者である安城までもが部屋に入ってきた。
安城は顔を見合わせてその頼りない隊長を見つめている。
「すいませんねえ。うちの餓鬼共は躾がなってなくて……」
頭を掻きながらそう言う嵯峨に痛々しい視線が集中する。嵯峨の浮かべた苦笑いは老人にも伝染した。
「でも楽しそうでいいじゃないですか。東都警察の仏頂面に比べたらずっとましですよ」
老人の言葉に東都警察との出動が多い同盟司法局機動隊の隊長である安城が大きくうなづいている。
「まあ人間味あふれる部隊と言えば格好が付きますかね」
「あまり自慢にはならないんじゃ無いの?そのキャッチフレーズ」
自分の言葉を安城に一言で否定されて嵯峨は泣きそうな顔をする。彼らを無視してかなめとアメリアの口論は続いていた。
「勤務中に銃を携帯する必要なんて無いんだからね!」
「そりゃお前がぼけてるだけだろ?常在戦場がアタシ等の気概として必要なんだよ。当然敵が出てくりゃ鉛弾の一発もくれてやるのが礼儀って奴だ」
「お前は一発じゃすまないだろ……」
「カウラちゃん。良いこと言ったわね」
「お前等は黙ってろ!」
三対一。銃に手をやるかなめを島田が抑え込んだ。
「さてと……これで失礼しますね」
老人の一言にようやくかなめは視線を上げる。
「あ!……ああ……」
自分の隠していた地がばれたことに気づいてかなめがうろたえる。それをニヤニヤしながら嵯峨が見上げる。この見慣れた光景を見ている老人の表情に、安心したような表情が浮かんだのを見て軽く頭を下げた。
誠の行動ににこりと笑って老人は笑う。
「本当にすいません。西園寺はこういう奴なので……」
抗議するような視線のかなめを無視してカウラが老人に頭を下げる。
「いえいえ、素敵な人達ばかりで……アイツもあなた達に見送られて逝ったなら幸せだったんでしょう……」
再び老人の目に涙が浮かぶ。そんな彼の肩を叩く明華の姿にそれまでの騒がしい応接室は沈黙に包まれていた。
「ああ、湿っぽいのはここには似合いませんよね。じゃあ、西園寺大尉には一つだけお願いをしたいのですけど……」
老人は涙を拭うと笑顔を作って黙り込むかなめを見つめる。
「ああ、できることなら何でもしますよ」
嵯峨を折檻するのをやめてかなめが立ち上がった。真剣なタレ目が見える。
「うちの店に……新港で営業始めますから。是非来てください」
かなめは大きくうなづくがすぐに誠達を振り返った。
「かなめちゃんのおごりだもんね!」
「違うだろ!」
アメリアを怒鳴りつけるかなめだが、隣のカウラやランは大きく頷いてアメリアのそばに一歩近づく。
「わかりました。新港に行くときは西園寺のおごりでうかがいます」
「何勝手に決めてんだよ!カウラ!」
真剣な顔でカウラにまでそう言われて今度はかなめが泣きそうな顔になる。そんな光景を老人はうれしそうに見守る。
「では、お世話になりますね。これからも」
そう言うと一礼して老人は出て行った。
「たいへんだなあ……かなめ坊」
タバコの箱をポケットから取り出しながら応接室のソファーに座っている嵯峨がニヤニヤと笑う。
「まあうどんは嫌いじゃないからな。仕方ねえけど一回分くらいはおごってやるよ」
そのかなめの言葉にアメリアは目を輝かせる。
「たいへんですね……西園寺さん」
誠は思わずそう言うが振り向いたかなめの笑顔の中で目が笑っていないことに気がついて口をつぐんだ。
「おう!それじゃあ練習するか」
かなめはそう言って立ち上がる。誠もカウラもその言葉の意味が分からずにいた。
「そうね、おじいちゃんはパーラに連絡とって駅まで送らせるから」
アメリアの一言に察して立ち上がったパーラはそう言うと腕の端末を掲げている。
「ランニングからですか?いつもどおり」
ようやくかなめが言い出した練習が野球サークルのものだとわかって誠は嵯峨に目をやる。
「いいんじゃないのか?俺もしばらく運動してなかったしなあ」
立ち上がって伸びをする嵯峨に安城は冷たい目を向ける。その厳しい表情を見て嵯峨は諦めて腰を下ろす。
「安城隊長。ランニングくらいならいいんじゃないですか?どうせ隊長の運動不足解消の必要があるのは事実ですから」
小さなランが含み笑いを浮かべて嵯峨を見やる。
「そうね、十キロ走の訓練があるんでしょ?それに隊長自ら参加するのも悪くない話かもね」
「秀美さん……それは無いですよ」
そう言いながら嵯峨は苦笑いを浮かべる。
「じゃあ全員着替えてハンガーに集合!」
かなめはそう言って足早に応接室を後にする。
「しゃあねえなあ……」
諦めたように嵯峨は立ち上がって屈伸運動を始める。
「それじゃあお先に失礼します!」
誠はそう言うとそのまま応接室を後にした。そこには彼を待っていたかなめの姿があった。
「西園寺さん……」
「なんだ?」
問いかけにかなめはぶっきらぼうに答える。そこにはいつものかなめがいる。先ほどまでの飾った姿ではなく、アメリアが言う『底意地の悪そうな表情』のかなめに誠は安心感を覚えた。
「とりあえず十キロ走って……お前は本庄を立たせて50球ぐらい投げるか?」
「やっぱり走るんですね」
「そりゃそうだろ?安城隊長が見てるんだ。叔父貴も嫌とは言わねえだろ」
そう言うとかなめは女子更衣室に向かう。
「ご愁傷様!」
「お前も走るんだよ」
遅れて出てきたアメリア、それにカウラが声をかける。ただ黙ってうつむいて男子更衣室へ嵯峨はとぼとぼと歩く。
「隊長」
「ああ、気にするなって。運動不足を何とかしたかったのは事実だしなあ」
そう言った後嵯峨は大きなため息をつく。再び取り戻した日常に誠はただ半分呆れながら足を突っ込んでいく自分を感じているだけだった。
了
「本当に素敵な方たちですねえ。西園寺様。あの人たちはあなたの身分を……」
「身分?そんなものここじゃ関係ないですよ。それにアイツとあった頃のアタシもそう言う状況じゃなかったですから」
かなめは思わず照れて頭を掻く。その後ろにじりじりとアメリアは迫る。
「なに気取った口調でしゃべってるのよ。いつも通りの方がうどん食べに行くとき気が楽でしょ?」
「オメエは食うことしか頭に無いのか!」
そう言って頭に当てていた手をアメリアに振り下ろすが、アメリアはそれを素早くかわして親父さんのところに顔を出す。
「怖いわよねえ……あんな化け物相手に怖かったですよね?」
「おい、アメリア。一遍死んでみるか?」
じりじりと指を鳴らしながら近づくかなめをアメリアが振り返る。老人はそんな光景を笑顔で見つめていた。
「良いですね……仲間って感じがしますよ」
後頭部を殴られたせいでじっとその光景を離れてみていた誠に老人がつぶやいた。
「確かにうちはコンビネーションが売りですから」
そう言って苦笑いを浮かべる誠を老人は羨望の目で見つめる。
「こういう仲間がいれば……あいつも道を踏み違えたりしなかったでしょうね」
老人の目に再び涙が光る。どうすることも出来ずに誠はただ老人のそばでかなめと怒鳴りあいをはじめるかなめを見つめていた。
カウラまでも巻き込んで広がるどたばた。うなづきながら老人はかなめ達を見守る。
「おい!暴れんじゃないよー!」
ドアが開いて入って来たのは嵯峨だった。さらに部外者である安城までもが部屋に入ってきた。
安城は顔を見合わせてその頼りない隊長を見つめている。
「すいませんねえ。うちの餓鬼共は躾がなってなくて……」
頭を掻きながらそう言う嵯峨に痛々しい視線が集中する。嵯峨の浮かべた苦笑いは老人にも伝染した。
「でも楽しそうでいいじゃないですか。東都警察の仏頂面に比べたらずっとましですよ」
老人の言葉に東都警察との出動が多い同盟司法局機動隊の隊長である安城が大きくうなづいている。
「まあ人間味あふれる部隊と言えば格好が付きますかね」
「あまり自慢にはならないんじゃ無いの?そのキャッチフレーズ」
自分の言葉を安城に一言で否定されて嵯峨は泣きそうな顔をする。彼らを無視してかなめとアメリアの口論は続いていた。
「勤務中に銃を携帯する必要なんて無いんだからね!」
「そりゃお前がぼけてるだけだろ?常在戦場がアタシ等の気概として必要なんだよ。当然敵が出てくりゃ鉛弾の一発もくれてやるのが礼儀って奴だ」
「お前は一発じゃすまないだろ……」
「カウラちゃん。良いこと言ったわね」
「お前等は黙ってろ!」
三対一。銃に手をやるかなめを島田が抑え込んだ。
「さてと……これで失礼しますね」
老人の一言にようやくかなめは視線を上げる。
「あ!……ああ……」
自分の隠していた地がばれたことに気づいてかなめがうろたえる。それをニヤニヤしながら嵯峨が見上げる。この見慣れた光景を見ている老人の表情に、安心したような表情が浮かんだのを見て軽く頭を下げた。
誠の行動ににこりと笑って老人は笑う。
「本当にすいません。西園寺はこういう奴なので……」
抗議するような視線のかなめを無視してカウラが老人に頭を下げる。
「いえいえ、素敵な人達ばかりで……アイツもあなた達に見送られて逝ったなら幸せだったんでしょう……」
再び老人の目に涙が浮かぶ。そんな彼の肩を叩く明華の姿にそれまでの騒がしい応接室は沈黙に包まれていた。
「ああ、湿っぽいのはここには似合いませんよね。じゃあ、西園寺大尉には一つだけお願いをしたいのですけど……」
老人は涙を拭うと笑顔を作って黙り込むかなめを見つめる。
「ああ、できることなら何でもしますよ」
嵯峨を折檻するのをやめてかなめが立ち上がった。真剣なタレ目が見える。
「うちの店に……新港で営業始めますから。是非来てください」
かなめは大きくうなづくがすぐに誠達を振り返った。
「かなめちゃんのおごりだもんね!」
「違うだろ!」
アメリアを怒鳴りつけるかなめだが、隣のカウラやランは大きく頷いてアメリアのそばに一歩近づく。
「わかりました。新港に行くときは西園寺のおごりでうかがいます」
「何勝手に決めてんだよ!カウラ!」
真剣な顔でカウラにまでそう言われて今度はかなめが泣きそうな顔になる。そんな光景を老人はうれしそうに見守る。
「では、お世話になりますね。これからも」
そう言うと一礼して老人は出て行った。
「たいへんだなあ……かなめ坊」
タバコの箱をポケットから取り出しながら応接室のソファーに座っている嵯峨がニヤニヤと笑う。
「まあうどんは嫌いじゃないからな。仕方ねえけど一回分くらいはおごってやるよ」
そのかなめの言葉にアメリアは目を輝かせる。
「たいへんですね……西園寺さん」
誠は思わずそう言うが振り向いたかなめの笑顔の中で目が笑っていないことに気がついて口をつぐんだ。
「おう!それじゃあ練習するか」
かなめはそう言って立ち上がる。誠もカウラもその言葉の意味が分からずにいた。
「そうね、おじいちゃんはパーラに連絡とって駅まで送らせるから」
アメリアの一言に察して立ち上がったパーラはそう言うと腕の端末を掲げている。
「ランニングからですか?いつもどおり」
ようやくかなめが言い出した練習が野球サークルのものだとわかって誠は嵯峨に目をやる。
「いいんじゃないのか?俺もしばらく運動してなかったしなあ」
立ち上がって伸びをする嵯峨に安城は冷たい目を向ける。その厳しい表情を見て嵯峨は諦めて腰を下ろす。
「安城隊長。ランニングくらいならいいんじゃないですか?どうせ隊長の運動不足解消の必要があるのは事実ですから」
小さなランが含み笑いを浮かべて嵯峨を見やる。
「そうね、十キロ走の訓練があるんでしょ?それに隊長自ら参加するのも悪くない話かもね」
「秀美さん……それは無いですよ」
そう言いながら嵯峨は苦笑いを浮かべる。
「じゃあ全員着替えてハンガーに集合!」
かなめはそう言って足早に応接室を後にする。
「しゃあねえなあ……」
諦めたように嵯峨は立ち上がって屈伸運動を始める。
「それじゃあお先に失礼します!」
誠はそう言うとそのまま応接室を後にした。そこには彼を待っていたかなめの姿があった。
「西園寺さん……」
「なんだ?」
問いかけにかなめはぶっきらぼうに答える。そこにはいつものかなめがいる。先ほどまでの飾った姿ではなく、アメリアが言う『底意地の悪そうな表情』のかなめに誠は安心感を覚えた。
「とりあえず十キロ走って……お前は本庄を立たせて50球ぐらい投げるか?」
「やっぱり走るんですね」
「そりゃそうだろ?安城隊長が見てるんだ。叔父貴も嫌とは言わねえだろ」
そう言うとかなめは女子更衣室に向かう。
「ご愁傷様!」
「お前も走るんだよ」
遅れて出てきたアメリア、それにカウラが声をかける。ただ黙ってうつむいて男子更衣室へ嵯峨はとぼとぼと歩く。
「隊長」
「ああ、気にするなって。運動不足を何とかしたかったのは事実だしなあ」
そう言った後嵯峨は大きなため息をつく。再び取り戻した日常に誠はただ半分呆れながら足を突っ込んでいく自分を感じているだけだった。
了
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
特殊装甲隊 ダグフェロン 『廃帝と永遠の世紀末』 第三部 『暗黒大陸』
橋本 直
SF
遼州司法局も法術特捜の発足とともに実働部隊、機動隊、法術特捜の三部体制が確立することとなった。
それまで東和陸軍教導隊を兼務していた小さな隊長、クバルカ・ラン中佐が実働部隊副隊長として本異動になることが決まった。
彼女の本拠地である東和陸軍教導隊を訪ねた神前誠に法術兵器の実験に任務が課せられた。それは広域にわたり兵士の意識を奪ってしまうという新しい発想の非破壊兵器だった。
実験は成功するがチャージの時間等、運用の難しい兵器と判明する。
一方実働部隊部隊長嵯峨惟基は自分が領邦領主を務めている貴族制国家甲武国へ飛んだ。そこでは彼の両方を西園寺かなめの妹、日野かえでに継がせることに関する会議が行われる予定だった。
一方、南の『魔窟』と呼ばれる大陸ベルルカンの大国、バルキスタンにて総選挙が予定されており、実働部隊も支援部隊を派遣していた。だが選挙に不満を持つ政府軍、反政府軍の駆け引きが続いていた。
嵯峨は万が一の両軍衝突の際アメリカの介入を要請しようとする兄である西園寺義基のシンパである甲武軍部穏健派を牽制しつつ貴族の群れる会議へと向かった。
そしてそんな中、バルキスタンで反政府軍が機動兵器を手に入れ政府軍との全面衝突が発生する。
誠は試験が済んだばかりの非破壊兵器を手に戦線の拡大を防ぐべく出撃するのだった。
潜水艦艦長 深海調査手記
ただのA
SF
深海探査潜水艦ネプトゥヌスの艦長ロバート・L・グレイ が深海で発見した生物、現象、景観などを書き残した手記。
皆さんも艦長の手記を通して深海の神秘に触れてみませんか?
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第二部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』が発動した『干渉空間』と『光の剣(つるぎ)により貴族主義者のクーデターを未然に防止することが出来た『近藤事件』が終わってから1か月がたった。
宇宙は誠をはじめとする『法術師』の存在を公表することで混乱に陥っていたが、誠の所属する司法局実働部隊、通称『特殊な部隊』は相変わらずおバカな生活を送っていた。
そんな『特殊な部隊』の運用艦『ふさ』艦長アメリア・クラウゼ中佐と誠の所属するシュツルム・パンツァーパイロット部隊『機動部隊第一小隊』のパイロットでサイボーグの西園寺かなめは『特殊な部隊』の野球部の夏合宿を企画した。
どうせろくな事が起こらないと思いながら仕事をさぼって参加する誠。
そこではかなめがいかに自分とはかけ離れたお嬢様で、貴族主義の国『甲武国』がどれほど自分の暮らす永遠に続く20世紀末の東和共和国と違うのかを誠は知ることになった。
しかし、彼を待っていたのは『法術』を持つ遼州人を地球人から解放しようとする『革命家』の襲撃だった。
この事件をきっかけに誠の身辺警護の必要性から誠の警護にアメリア、かなめ、そして無表情な人造人間『ラスト・バタリオン』の第一小隊小隊長カウラ・ベルガー大尉がつくことになる。
これにより誠の暮らす『男子下士官寮』は有名無実化することになった。
そんなおバカな連中を『駄目人間』嵯峨惟基特務大佐と機動部隊隊長クバルカ・ラン中佐は生暖かい目で見守っていた。
そんな『特殊な部隊』の意図とは関係なく着々と『力ある者の支配する宇宙』の実現を目指す『廃帝ハド』の野望はゆっくりと動き出しつつあった。
SFお仕事ギャグロマン小説。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
レジェンド・オブ・ダーク遼州司法局異聞 2 「新たな敵」
橋本 直
SF
「近藤事件」の決着がついて「法術」の存在が世界に明らかにされた。
そんな緊張にも当事者でありながら相変わらずアバウトに受け流す遼州司法局実働部隊の面々はちょっとした神前誠(しんぜんまこと)とカウラ・ベルガーとの約束を口実に海に出かけることになった。
西園寺かなめの意外なもてなしや海での意外な事件に誠は戸惑う。
ふたりの窮地を救う部隊長嵯峨惟基(さがこれもと)の娘と言う嵯峨茜(さがあかね)警視正。
また、新編成された第四小隊の面々であるアメリカ海軍出身のロナルド・スミスJr特務大尉、ジョージ・岡部中尉、フェデロ・マルケス中尉や、技術士官レベッカ・シンプソン中尉の4名の新入隊員の配属が決まる。
新たなメンバーを加えても相変わらずの司法局実働部隊メンバーだったが嵯峨の気まぐれから西園寺かなめ、カウラ・ベルガー、アイシャ・クラウゼの三人に特殊なミッションが与えられる。
誠はただ振り回されるだけだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる