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第20章 鋼の巨人
犯意の源
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「07式のオペレーションシステムに接続!コントロールをそちらに任せます!」
誠の言葉にモニタの中でかなめがうなづく。抵抗する厚生局の07式の左わき腹の装甲板を引き剥がされてマニピュレータで有線でシステムに侵入されても07式のパイロットは投降する意思を示さなかった。
『しばらくそのまま抑えていてくれ。西園寺がシステムを掌握すれば私達の仕事は終わりだ』
安堵の表情。いつも緊張して見える画面の中のカウラの顔が笑顔に変わる。誠も自然と集中していたために額から流れていた汗に気づいて苦笑いを浮かべながら空調の温度を下げた。
『安城少佐隊は一階まで制圧したらしいわ。後は……』
『例のプラント……化け物の回収か……』
首筋のスロットにハブを差し込んで何本ものケーブルをぶら下げているかなめのつぶやく。何本ものコードを首元に刺したかなめの姿に少しばかり誠は驚きの表情を浮かべた。
『神前。何見てんだよ?』
かなめの言葉に心を見透かされたように感じた誠は意味も無く頭を下げた。
『システムを制圧した。カウラ。包囲してる機動隊の上に連絡して07式のパイロットを抑えさせろ』
誠はようやく力が抜けてだらりとシートに身体を投げた。すでに日付をまたごうとしていた。07式の機能停止により東都警察の機動隊は投光車両を並べて一斉に誠の機体と、大破した灰色の07式を闇夜に映し出している。
『ご苦労さん……良い仕事したじゃねえか』
そう言いながらタバコを取り出そうとしているかなめに目をやっていたときに誠の意識に強烈な一撃が走った。
『おい!』
カウラが叫んでいる。誠にはそれが聞こえるが身体が言うことを利かなかった。意識が朦朧として、そして何か恐怖のようなものが全身を走り毛根に血液が流れ込むような感覚が芽生える。
『どうした!神前!』
再びカウラの声が意識から遠くなっていくような状況で聞こえた。とりあえずわずかに言うことをきく左腕でオートに設定して07式に取り付こうとする機動隊の隊員達から離れるのがやっとだった。
『神前!どうしたんだ?顔色が悪いぞ』
かなめの声も聞こえるが、まるで電波の悪いところの無線通信のような聞こえ方をしていた。異変に気づいたカウラがモニターの中で地下で作戦行動中のランの隊に連絡をつけようとしているのが見える。
『そうか……クバルカ中佐達が出会ったのかな……彼等に……』
かすかに意識の果てに浮かぶ誠の思い。そしてそれゆえにこの異変があの法術師開発用の生態プラントにされた難民達の意識のなせる技であることを確信していた。
「決着は……まだついていないんだ……」
そう思うと誠は全身に自分の力を流し込もうとしてみた。
誠の言葉にモニタの中でかなめがうなづく。抵抗する厚生局の07式の左わき腹の装甲板を引き剥がされてマニピュレータで有線でシステムに侵入されても07式のパイロットは投降する意思を示さなかった。
『しばらくそのまま抑えていてくれ。西園寺がシステムを掌握すれば私達の仕事は終わりだ』
安堵の表情。いつも緊張して見える画面の中のカウラの顔が笑顔に変わる。誠も自然と集中していたために額から流れていた汗に気づいて苦笑いを浮かべながら空調の温度を下げた。
『安城少佐隊は一階まで制圧したらしいわ。後は……』
『例のプラント……化け物の回収か……』
首筋のスロットにハブを差し込んで何本ものケーブルをぶら下げているかなめのつぶやく。何本ものコードを首元に刺したかなめの姿に少しばかり誠は驚きの表情を浮かべた。
『神前。何見てんだよ?』
かなめの言葉に心を見透かされたように感じた誠は意味も無く頭を下げた。
『システムを制圧した。カウラ。包囲してる機動隊の上に連絡して07式のパイロットを抑えさせろ』
誠はようやく力が抜けてだらりとシートに身体を投げた。すでに日付をまたごうとしていた。07式の機能停止により東都警察の機動隊は投光車両を並べて一斉に誠の機体と、大破した灰色の07式を闇夜に映し出している。
『ご苦労さん……良い仕事したじゃねえか』
そう言いながらタバコを取り出そうとしているかなめに目をやっていたときに誠の意識に強烈な一撃が走った。
『おい!』
カウラが叫んでいる。誠にはそれが聞こえるが身体が言うことを利かなかった。意識が朦朧として、そして何か恐怖のようなものが全身を走り毛根に血液が流れ込むような感覚が芽生える。
『どうした!神前!』
再びカウラの声が意識から遠くなっていくような状況で聞こえた。とりあえずわずかに言うことをきく左腕でオートに設定して07式に取り付こうとする機動隊の隊員達から離れるのがやっとだった。
『神前!どうしたんだ?顔色が悪いぞ』
かなめの声も聞こえるが、まるで電波の悪いところの無線通信のような聞こえ方をしていた。異変に気づいたカウラがモニターの中で地下で作戦行動中のランの隊に連絡をつけようとしているのが見える。
『そうか……クバルカ中佐達が出会ったのかな……彼等に……』
かすかに意識の果てに浮かぶ誠の思い。そしてそれゆえにこの異変があの法術師開発用の生態プラントにされた難民達の意識のなせる技であることを確信していた。
「決着は……まだついていないんだ……」
そう思うと誠は全身に自分の力を流し込もうとしてみた。
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