1,275 / 1,503
第9章 謹慎
戦う意味
しおりを挟む
「オメエ等も餓鬼じゃない。それどころかきっちり軍事訓練を受けた兵隊だってことは知ってる。だがな。租界に足を踏み込むってことはだ。そんな兵隊さん達の寝首を掻くことぐらい造作もなくやってのける化け物達に目を付けられる可能性があるってこった」
誠から見てもかなめの表情は冷たく厳しいものだった。一息ついて誠を一瞥するとかなめは話を続けた。
「まあ、今時そんな凄腕が東和くんだりで商いやってるとは思えねえがな。遼州の火薬庫。ベルルカン大陸の失敗国家の紛争地帯に行けばそう言う連中の手ならいくら出しても買いたい奴は五万といる。ただ、そいつ等が里心がついて租界のゲットーに舞い戻ってる可能性も捨てきれねえ」
物騒なことを言う割に、かなめの顔は笑っていた。
「西園寺の言う事は大げさに聞こえるかもしれねーが、アタシも西園寺もその慎重さゆえに今があるんだ。だからアタシからも言っておく。本当にヤバい奴に出会って、その場にアタシ、西園寺、隊長が居ないときは逃げろ。もし東都の中での出会いなら、あの店に飛び込んであのデブにそれについて説明して保護を求めろ。まあ、順番は逆だが、同じことは第二小隊の連中には説明済みだ」
ランはそう言って笑った。その表情には強がりのようなものがあった。
「ランちゃん……あのデブがそんな切れ者だなんて……ただのうどん屋の亭主じゃないの」
アメリアの言葉に島田は激しくうなづいてランを見つめた。
「一応アタシの先輩なんだぜ……顔ぐらい立てろ」
ランは言葉を選びながらそう言った。そして最後に自嘲気味に笑う。
「でも、私達軍人でしょ?」
立ち上がったアメリアがそう言って机を叩く。
「まあな。だが、あのうどん屋の親父レベルになると、普通の兵隊なんて射撃の的のスイカ同然だ。アタシや西園寺もそっち側の人間だってことだ。そんな連中を前にしたらオメー等は無力だ。アタシ等の言う通り黙って逃げろ」
冷酷なランの言葉に誠達は打ちのめされた。
「で、オメエ等。アタシ等の話は分かったか?」
そう言ってかなめは周りを見回す。
「西園寺はともかく、クバルカ中佐が嘘を言うとは思えないからな。私も犬死はするつもりは無い」
カウラは静かにうなづいて隣のアメリアを見る。
「私だって死にたくないわよ!」
自分の胸を叩きながらアメリアは激しくそう言った。
「私も嫌……正人は?」
「馬鹿!俺だって!」
サラと島田も叫んだ。
「お父様もご存じとあれば、私に異存など……ラーナは?」
「へっへっへ、まあアタシも……死ぬのはしばらく先の方が……いいかと……」
法術特捜コンビの茜とラーナもそう言った。
「おい、神前。オメーもそうか?」
ランは一人黙って自分を見つめている誠に声を掛けた。
「まあ、僕も死にたくは無いですけどね……でも……」
誠は頭を掻き、照れながらそう言った。
「まあ、誰でも死にたくは無いわな。じゃあ、それで良いんだな」
そう言ってかなめは周りを見まさす。
「西園寺さん!僕の話を聞いてください!僕が言いたいのはですね……」
「なんだよ神前。死にたくないでそれでいいじゃないか、それで十分だぜそれで」
かなめは真剣な表情の誠をなだめすかせるようにそう言う。
「いえ、それじゃあ納得できないんです。クバルカ中佐。一つ、質問があります」
「誠ちゃんが珍しくかなめちゃんに逆らったわね……」
いつになく真剣な誠を冷やかすようにアメリアがそう言って見つめる。
「質問だ?……まーいーや。聞こうじゃねーか。なんだ、言ってみろ」
自分を見つめる強い意志を持った誠にランはそう言って穏やかな視線を返した。
ランのにらむような視線に見つめられて誠にいつもの気弱な表情が戻る。だが、誠はすぐに意を決したような表情を浮かべて口を開いた。
「何をしても生き延びろ。まあ、僕も無駄死にはしたくありません。でも、そうして生き延びた先。僕達はなぜ、そうまでして生き延びなければならないんですか……そうまでして戦い続ける理由は何ですか?戦う理由。それを教えてください」
言葉を一つ一つ選びながらそう言った。そのいつもに無い気の弱い誠の視線。しかし、ランはそれにひるむことなく誠を見つめ続ける。
「戦う意味だ?……神前……オメエ何が言いたい……」
誠の言葉にあきれ果てたという口調でかなめはそう言った。
「おい、西園寺。オメーは浅はかだぜ……神前よりはるかに場数を踏んでるのに……オメーは本当に浅はかだ。いいぜ、聞かせてやろう。神前、オメーが望むもの。そして、司法局実働部隊隊長、嵯峨惟基特務大佐からアタシが聞いた戦う意味って奴をさ……同席した連中は僥倖だぜ……聞き逃すなよ……」
そう言ったランの顔には満足げな笑みが浮かんでいた。
「アタシが知らない話だ。聞こうじゃねえか」
満足げな笑みを浮かべながらかなめがつぶやく。
「急くなよ、西園寺。まあ普通の兵隊さんの目的は勝利だわな……要するに勝ちゃあいい。まあ、その際に国際法だ、政治力だ、経済力だ、まあ色々あるが、目的ってのは勝利ってことになってる。この勝利ってのも単純じゃない……まあそんなことはこの際どーでもいーこった。要するに軍の目的は勝利だ。まあ、うちと性格の似ているお巡りさんなら治安維持、国民の財産と生命を守る。まあ兵隊の勝利が目的ってのと比べると多少分かりにくいが、ようするにみんなの命を守る。まあ目的ははっきりしてるわな」
さっぱりとした口調でランは言い切る。隣でかなめが凄味を利かせた目で小さなランを見つめた。
「一般論を利かせるたあ……随分と……」
「だから西園寺、最後まで聞け。戦う意味、アタシ達が戦い続けなきゃならねー目的ってのは……命を救う事だ」
静かに。そして言い切るようにランは言った。その言葉にアメリアが納得できないように頭を掻いた。
「期待させておいてそれ?ランちゃん。それならさっきランちゃんがお巡りさんの仕事だって言ってたことじゃない。何か違いでもあるの?」
不服そうなアメリアにランは呆れたようにため息をついた。
「そんなこと誰かが言うと思ったよ。アタシ等の命を守るってのはそんなに単純なもんじゃねーんだ。ちゃんと聞いとけ……」
そう言ってランは余裕のある笑みを浮かべた。それはその姿の少女のそれとはとても思えない老成したものだった。
「確かにお巡りさんのお仕事は命を守るってことだ。まあ、時には持ってる拳銃なんかを抜くが、まあそれも目の前の人命救助って目的のためだ。西園寺、ここで茶々を入れるなよ。怪しいってだけで無実の人をぶっ殺す馬鹿も警察官をやってるって言いたいんだろ?テメーは。そんな例外はアタシの話にゃ上がってこねー。あくまでまともなお巡りさんの話だ。まあ、これから話すことっを聞けば。アタシ等がはたから見ればまともには見えないこともあるってことは言っといたほうがいいかな。まあ、人さんの意見などどうでもいいが……」
静かにそして冷静にランは話を続けた。
「まあ、アタシや隊長の命令が時に最低で人の道に反していると思えることもあるかも知れねー。まあ、そん時それに従うかどうかはテメー等の勝手だ……そん時言う事を聞かなくてもアタシや隊長は怒らねーよ。ただ、そんな時、オメー等に非道な悪魔になれとアタシと隊長が指示を出した時。指示を出した責任を取るのがアタシや隊長の務めだ。オメー等の責任じゃねー。ただそいつは人の命を救うためだ。目の前の一人を殺すことでその背後にいる数百、数千の命を救えるなら……アタシ等はどんな酷い命令でも出す……そう言う事だ」
ランの非情で冷たい言葉に一同は沈黙した。
「それが僕達の戦いの意味……」
誠は真剣なランの表情を見ながら自分の手が汚すであろう血を思い出して恐怖した。
「そう言うわけだ……じゃあ出るぞ」
かなめはそう言って立ち上がる。カラオケボックスを出ようとしたランをかなめが押しとどめた。
「どーした?」
ランはその幼い表情を前に苦笑いを浮かべながらかなめは言葉を切り出す。
「早速八体目の暴走法術師が出やがった」
「今確認します」
緊張した面持ちのかなめの後ろで端末を手にしていたラーナが検索を始める。
「どこだ!どこで出た」
ランも興奮して立ち上がる。
「それが同盟機構本部ビルの正面だそうだ」
かなめの言葉を聞いて一同に沈黙が訪れる。
「そりゃあ暴走とは言わねえだろ?テロだよテロ!」
引きつった笑いを浮かべてランがつぶやいた。その様子をカウラが心配そうに眺めている。
「確かにそれは暴走ではなく爆弾テロみたいなものよ」
アメリアの叫び声がカラオケボックスの防音室の中に響いた。
「大っぴらに研究機関の連中が動いたんだ。まあ警察のお手並みを見ようじゃねーか」
そう言って不敵に笑うランの姿を見て彼女の肝の座り方に誠は感心させられた。
誠から見てもかなめの表情は冷たく厳しいものだった。一息ついて誠を一瞥するとかなめは話を続けた。
「まあ、今時そんな凄腕が東和くんだりで商いやってるとは思えねえがな。遼州の火薬庫。ベルルカン大陸の失敗国家の紛争地帯に行けばそう言う連中の手ならいくら出しても買いたい奴は五万といる。ただ、そいつ等が里心がついて租界のゲットーに舞い戻ってる可能性も捨てきれねえ」
物騒なことを言う割に、かなめの顔は笑っていた。
「西園寺の言う事は大げさに聞こえるかもしれねーが、アタシも西園寺もその慎重さゆえに今があるんだ。だからアタシからも言っておく。本当にヤバい奴に出会って、その場にアタシ、西園寺、隊長が居ないときは逃げろ。もし東都の中での出会いなら、あの店に飛び込んであのデブにそれについて説明して保護を求めろ。まあ、順番は逆だが、同じことは第二小隊の連中には説明済みだ」
ランはそう言って笑った。その表情には強がりのようなものがあった。
「ランちゃん……あのデブがそんな切れ者だなんて……ただのうどん屋の亭主じゃないの」
アメリアの言葉に島田は激しくうなづいてランを見つめた。
「一応アタシの先輩なんだぜ……顔ぐらい立てろ」
ランは言葉を選びながらそう言った。そして最後に自嘲気味に笑う。
「でも、私達軍人でしょ?」
立ち上がったアメリアがそう言って机を叩く。
「まあな。だが、あのうどん屋の親父レベルになると、普通の兵隊なんて射撃の的のスイカ同然だ。アタシや西園寺もそっち側の人間だってことだ。そんな連中を前にしたらオメー等は無力だ。アタシ等の言う通り黙って逃げろ」
冷酷なランの言葉に誠達は打ちのめされた。
「で、オメエ等。アタシ等の話は分かったか?」
そう言ってかなめは周りを見回す。
「西園寺はともかく、クバルカ中佐が嘘を言うとは思えないからな。私も犬死はするつもりは無い」
カウラは静かにうなづいて隣のアメリアを見る。
「私だって死にたくないわよ!」
自分の胸を叩きながらアメリアは激しくそう言った。
「私も嫌……正人は?」
「馬鹿!俺だって!」
サラと島田も叫んだ。
「お父様もご存じとあれば、私に異存など……ラーナは?」
「へっへっへ、まあアタシも……死ぬのはしばらく先の方が……いいかと……」
法術特捜コンビの茜とラーナもそう言った。
「おい、神前。オメーもそうか?」
ランは一人黙って自分を見つめている誠に声を掛けた。
「まあ、僕も死にたくは無いですけどね……でも……」
誠は頭を掻き、照れながらそう言った。
「まあ、誰でも死にたくは無いわな。じゃあ、それで良いんだな」
そう言ってかなめは周りを見まさす。
「西園寺さん!僕の話を聞いてください!僕が言いたいのはですね……」
「なんだよ神前。死にたくないでそれでいいじゃないか、それで十分だぜそれで」
かなめは真剣な表情の誠をなだめすかせるようにそう言う。
「いえ、それじゃあ納得できないんです。クバルカ中佐。一つ、質問があります」
「誠ちゃんが珍しくかなめちゃんに逆らったわね……」
いつになく真剣な誠を冷やかすようにアメリアがそう言って見つめる。
「質問だ?……まーいーや。聞こうじゃねーか。なんだ、言ってみろ」
自分を見つめる強い意志を持った誠にランはそう言って穏やかな視線を返した。
ランのにらむような視線に見つめられて誠にいつもの気弱な表情が戻る。だが、誠はすぐに意を決したような表情を浮かべて口を開いた。
「何をしても生き延びろ。まあ、僕も無駄死にはしたくありません。でも、そうして生き延びた先。僕達はなぜ、そうまでして生き延びなければならないんですか……そうまでして戦い続ける理由は何ですか?戦う理由。それを教えてください」
言葉を一つ一つ選びながらそう言った。そのいつもに無い気の弱い誠の視線。しかし、ランはそれにひるむことなく誠を見つめ続ける。
「戦う意味だ?……神前……オメエ何が言いたい……」
誠の言葉にあきれ果てたという口調でかなめはそう言った。
「おい、西園寺。オメーは浅はかだぜ……神前よりはるかに場数を踏んでるのに……オメーは本当に浅はかだ。いいぜ、聞かせてやろう。神前、オメーが望むもの。そして、司法局実働部隊隊長、嵯峨惟基特務大佐からアタシが聞いた戦う意味って奴をさ……同席した連中は僥倖だぜ……聞き逃すなよ……」
そう言ったランの顔には満足げな笑みが浮かんでいた。
「アタシが知らない話だ。聞こうじゃねえか」
満足げな笑みを浮かべながらかなめがつぶやく。
「急くなよ、西園寺。まあ普通の兵隊さんの目的は勝利だわな……要するに勝ちゃあいい。まあ、その際に国際法だ、政治力だ、経済力だ、まあ色々あるが、目的ってのは勝利ってことになってる。この勝利ってのも単純じゃない……まあそんなことはこの際どーでもいーこった。要するに軍の目的は勝利だ。まあ、うちと性格の似ているお巡りさんなら治安維持、国民の財産と生命を守る。まあ兵隊の勝利が目的ってのと比べると多少分かりにくいが、ようするにみんなの命を守る。まあ目的ははっきりしてるわな」
さっぱりとした口調でランは言い切る。隣でかなめが凄味を利かせた目で小さなランを見つめた。
「一般論を利かせるたあ……随分と……」
「だから西園寺、最後まで聞け。戦う意味、アタシ達が戦い続けなきゃならねー目的ってのは……命を救う事だ」
静かに。そして言い切るようにランは言った。その言葉にアメリアが納得できないように頭を掻いた。
「期待させておいてそれ?ランちゃん。それならさっきランちゃんがお巡りさんの仕事だって言ってたことじゃない。何か違いでもあるの?」
不服そうなアメリアにランは呆れたようにため息をついた。
「そんなこと誰かが言うと思ったよ。アタシ等の命を守るってのはそんなに単純なもんじゃねーんだ。ちゃんと聞いとけ……」
そう言ってランは余裕のある笑みを浮かべた。それはその姿の少女のそれとはとても思えない老成したものだった。
「確かにお巡りさんのお仕事は命を守るってことだ。まあ、時には持ってる拳銃なんかを抜くが、まあそれも目の前の人命救助って目的のためだ。西園寺、ここで茶々を入れるなよ。怪しいってだけで無実の人をぶっ殺す馬鹿も警察官をやってるって言いたいんだろ?テメーは。そんな例外はアタシの話にゃ上がってこねー。あくまでまともなお巡りさんの話だ。まあ、これから話すことっを聞けば。アタシ等がはたから見ればまともには見えないこともあるってことは言っといたほうがいいかな。まあ、人さんの意見などどうでもいいが……」
静かにそして冷静にランは話を続けた。
「まあ、アタシや隊長の命令が時に最低で人の道に反していると思えることもあるかも知れねー。まあ、そん時それに従うかどうかはテメー等の勝手だ……そん時言う事を聞かなくてもアタシや隊長は怒らねーよ。ただ、そんな時、オメー等に非道な悪魔になれとアタシと隊長が指示を出した時。指示を出した責任を取るのがアタシや隊長の務めだ。オメー等の責任じゃねー。ただそいつは人の命を救うためだ。目の前の一人を殺すことでその背後にいる数百、数千の命を救えるなら……アタシ等はどんな酷い命令でも出す……そう言う事だ」
ランの非情で冷たい言葉に一同は沈黙した。
「それが僕達の戦いの意味……」
誠は真剣なランの表情を見ながら自分の手が汚すであろう血を思い出して恐怖した。
「そう言うわけだ……じゃあ出るぞ」
かなめはそう言って立ち上がる。カラオケボックスを出ようとしたランをかなめが押しとどめた。
「どーした?」
ランはその幼い表情を前に苦笑いを浮かべながらかなめは言葉を切り出す。
「早速八体目の暴走法術師が出やがった」
「今確認します」
緊張した面持ちのかなめの後ろで端末を手にしていたラーナが検索を始める。
「どこだ!どこで出た」
ランも興奮して立ち上がる。
「それが同盟機構本部ビルの正面だそうだ」
かなめの言葉を聞いて一同に沈黙が訪れる。
「そりゃあ暴走とは言わねえだろ?テロだよテロ!」
引きつった笑いを浮かべてランがつぶやいた。その様子をカウラが心配そうに眺めている。
「確かにそれは暴走ではなく爆弾テロみたいなものよ」
アメリアの叫び声がカラオケボックスの防音室の中に響いた。
「大っぴらに研究機関の連中が動いたんだ。まあ警察のお手並みを見ようじゃねーか」
そう言って不敵に笑うランの姿を見て彼女の肝の座り方に誠は感心させられた。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
特殊装甲隊 ダグフェロン 『廃帝と永遠の世紀末』 第三部 『暗黒大陸』
橋本 直
SF
遼州司法局も法術特捜の発足とともに実働部隊、機動隊、法術特捜の三部体制が確立することとなった。
それまで東和陸軍教導隊を兼務していた小さな隊長、クバルカ・ラン中佐が実働部隊副隊長として本異動になることが決まった。
彼女の本拠地である東和陸軍教導隊を訪ねた神前誠に法術兵器の実験に任務が課せられた。それは広域にわたり兵士の意識を奪ってしまうという新しい発想の非破壊兵器だった。
実験は成功するがチャージの時間等、運用の難しい兵器と判明する。
一方実働部隊部隊長嵯峨惟基は自分が領邦領主を務めている貴族制国家甲武国へ飛んだ。そこでは彼の両方を西園寺かなめの妹、日野かえでに継がせることに関する会議が行われる予定だった。
一方、南の『魔窟』と呼ばれる大陸ベルルカンの大国、バルキスタンにて総選挙が予定されており、実働部隊も支援部隊を派遣していた。だが選挙に不満を持つ政府軍、反政府軍の駆け引きが続いていた。
嵯峨は万が一の両軍衝突の際アメリカの介入を要請しようとする兄である西園寺義基のシンパである甲武軍部穏健派を牽制しつつ貴族の群れる会議へと向かった。
そしてそんな中、バルキスタンで反政府軍が機動兵器を手に入れ政府軍との全面衝突が発生する。
誠は試験が済んだばかりの非破壊兵器を手に戦線の拡大を防ぐべく出撃するのだった。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第二部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』が発動した『干渉空間』と『光の剣(つるぎ)により貴族主義者のクーデターを未然に防止することが出来た『近藤事件』が終わってから1か月がたった。
宇宙は誠をはじめとする『法術師』の存在を公表することで混乱に陥っていたが、誠の所属する司法局実働部隊、通称『特殊な部隊』は相変わらずおバカな生活を送っていた。
そんな『特殊な部隊』の運用艦『ふさ』艦長アメリア・クラウゼ中佐と誠の所属するシュツルム・パンツァーパイロット部隊『機動部隊第一小隊』のパイロットでサイボーグの西園寺かなめは『特殊な部隊』の野球部の夏合宿を企画した。
どうせろくな事が起こらないと思いながら仕事をさぼって参加する誠。
そこではかなめがいかに自分とはかけ離れたお嬢様で、貴族主義の国『甲武国』がどれほど自分の暮らす永遠に続く20世紀末の東和共和国と違うのかを誠は知ることになった。
しかし、彼を待っていたのは『法術』を持つ遼州人を地球人から解放しようとする『革命家』の襲撃だった。
この事件をきっかけに誠の身辺警護の必要性から誠の警護にアメリア、かなめ、そして無表情な人造人間『ラスト・バタリオン』の第一小隊小隊長カウラ・ベルガー大尉がつくことになる。
これにより誠の暮らす『男子下士官寮』は有名無実化することになった。
そんなおバカな連中を『駄目人間』嵯峨惟基特務大佐と機動部隊隊長クバルカ・ラン中佐は生暖かい目で見守っていた。
そんな『特殊な部隊』の意図とは関係なく着々と『力ある者の支配する宇宙』の実現を目指す『廃帝ハド』の野望はゆっくりと動き出しつつあった。
SFお仕事ギャグロマン小説。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!
七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ?
俺はいったい、どうなっているんだ。
真実の愛を取り戻したいだけなのに。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第三部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』は法術の新たな可能性を追求する司法局の要請により『05式広域制圧砲』と言う新兵器の実験に駆り出される。その兵器は法術の特性を生かして敵を殺傷せずにその意識を奪うと言う兵器で、対ゲリラ戦等の『特殊な部隊』と呼ばれる司法局実働部隊に適した兵器だった。
一方、遼州系第二惑星の大国『甲武』では、国家の意思決定最高機関『殿上会』が開かれようとしていた。それに出席するために殿上貴族である『特殊な部隊』の部隊長、嵯峨惟基は甲武へと向かった。
その間隙を縫ったかのように『修羅の国』と呼ばれる紛争の巣窟、ベルルカン大陸のバルキスタン共和国で行われる予定だった選挙合意を反政府勢力が破棄し機動兵器を使った大規模攻勢に打って出て停戦合意が破綻したとの報が『特殊な部隊』に届く。
この停戦合意の破棄を理由に甲武とアメリカは合同で介入を企てようとしていた。その阻止のため、神前誠以下『特殊な部隊』の面々は輸送機でバルキスタン共和国へ向かった。切り札は『05式広域鎮圧砲』とそれを操る誠。『特殊な部隊』の制式シュツルム・パンツァー05式の機動性の無さが作戦を難しいものに変える。
そんな時間との戦いの中、『特殊な部隊』を見守る影があった。
『廃帝ハド』、『ビッグブラザー』、そしてネオナチ。
誠は反政府勢力の攻勢を『05式広域鎮圧砲』を使用して止めることが出来るのか?それとも……。
SFお仕事ギャグロマン小説。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
てめぇの所為だよ
章槻雅希
ファンタジー
王太子ウルリコは政略によって結ばれた婚約が気に食わなかった。それを隠そうともせずに臨んだ婚約者エウフェミアとの茶会で彼は自分ばかりが貧乏くじを引いたと彼女を責める。しかし、見事に返り討ちに遭うのだった。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様の重複投稿、自サイトにも掲載。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる