1,273 / 1,503
第9章 謹慎
凄腕を紹介する訳
しおりを挟む
「そんな……俺ってそんなに喧嘩っ早く見えます?」
島田は大将の言葉に苦笑いを浮かべた。
「なあに。うちの人の部下達はね街中で銃撃戦をやることのスペシャリストなんだよ。兄ちゃん。アンタのご自慢の拳の届く範囲はせいぜい数メートル。でも銃弾の届く範囲ってのは……まあ、アンタも司法局の人間だ。銃器の訓練ぐらい受けてんだろ?」
レイチェルはそう言ってほほ笑む。島田は青ざめてこの間も黙ってランに目を向けた。
「だから言ったろ?喧嘩を売る相手は選べって。なあに、レイチェルさんの言うとおり、この親父さんの部下達は人込みでターゲットだけを射殺して、無関係な民間人に弾を当てないぐらいの芸当はできる猛者ばかりだ。お祈りしろよ……ここの親父さんがオメーの挑発で気分を害していないことを。もし親父さんが怒っているなら、オメーが店を出たとたんに顔面に二三発銃弾が命中すんぞ」
かなめはそう言って笑った。
「嘘……」
「嘘ついてどうすんよ」
絶句する島田をランは静かに見つめていた。
「おい、ラン、西園寺の嬢ちゃん。くだらない戯言を言いにわざわざ出かけてきたのか?ご苦労なこった」
親父はそう冷酷に言い放った。その後ろ姿を見ながらかなめは不敵な笑みを浮かべる。
「親父。そうつんけんするなよ。実は頼みがあってきた」
「頼み?」
親父はかなめの言葉に思わず振り向いた。
「そうだ。頼みだ。ここにいるアタシとラン以外の連中の身の安全のことだ」
「へえ……」
かなめの言葉が意外だったようで、レイチェルは感心したようだった。
「かなめ嬢ちゃん。ようやく自分が何をしてるのか、見えるようになったみてえだな」
そう言う親父の目は笑っていない。かなめはその言葉に思わず頭を掻いた。
「アタシだってアンタに言わせればぬるいかもしれないが、それなりに修羅場って奴を経験してるんだぜ。アタシが軍人を始めた最初の職場があの租界だ。銃弾の雨が降り注ぐあそこで諜報工作なんて仕事をして、同僚が無慈悲に殺されていくのを見れば、嫌でも周りを見て生きるようになる。日々観察とその結果を反映しての自己の成長に努める。まあ地獄から学んだアタシなりの仕事の流儀だ」
日頃、誠が見ている粗暴で考えなしに見えるかなめから意外な言葉が飛び出した。誠は思わず目をカウラとアメリアに向けた。二人とも誠と同じくあまりに意外なかなめの言葉に呆然としていた。
「なるほど。御大将が姪だって理由だけであんたを重用するわけがないと思っちゃいたが……嬉しいね。後輩にこんな見どころのある人材がいるんだ」
店に入ってから初めて見る親父の心からの笑顔だった。親父はそのまままるでかなめのことを自慢しているように妻のレイチェルに目をやった。
「そりゃあ、西園寺のお嬢さんもアンタの御大将が目を付けた御仁さ」
レイチェルは砕けた調子でそう言った。かなめはレイチェルの言葉に覚悟を決めたように一息ついた。
「それじゃあまるでアタシ達が足手まといみたいな言い方じゃないの!」
いつもの態度と明らかに異なるかなめの言動に戸惑ったようにアメリアがそう叫んだ。
「勘が鈍ったんじゃねーか、アメリア。この中じゃ、西園寺とアタシ以外で戦場という世界の中に身を置いた経験のあるのはオメーだけなんだぜ。思い出せよ、遼州系アステロイドベルトを。あそこでゲルパルト帝国のネオナチ残党の先兵として戦争をやっていた二十年前をさ」
小さなランはそう言って自分より遥かに大柄のアメリアを見上げた。
「アメリアさんって……」
ランが漏らしたアメリアの過去。誠が聞いたのはほんのわずかな情報だというのに、アメリアを見る自分の目が変わっていることを誠は自覚した。
お祭り好きで底抜けに明るいムードメーカー。島田の隣で戸惑っているサラにとってはいつでも愚痴をこぼせる信頼できる同僚である。
そんなアメリアに戦場の地獄を見た過去がある。先の大戦で戦場で失われた人口を補うため、戦局が配線濃厚だったゲルパルト帝国が戦うために作りあげた存在であるアメリア達『ラストバタリオン』だった。
誠の知る限り、彼女達は結局大戦には間に合わず、地球軍が彼女達の製造プラントを制圧したときは、ほとんどの『ラストバタリオン』は培養ポッドの中で完成の時を待っていたはずだった。ここにいる同じ『ラストバタリオン』である、サラが起動したのは終戦後、隣で様子をうかがっているカウラに至っては稼働開始まだ8年であり、当然戦争などは経験したことがない。
「誠ちゃん。まあ隠しておくつもりは無かったんだけどね。ネオナチの連中。ゲルパルトが降伏してもなお、抵抗をやめなかったの。まあ、あの人達は諦めが悪いから。まあ、アタシは製造プラントから移送されてアステロイドベルトで目覚めるという最悪の経験をしたのよ。まあ、抵抗といってもそれほど長くできるはずもなく、数年で残党狩り組織に制圧されて、私はそこで保護された。まあ、昔の話よ」
いつもとまるで違う、悲しげな表情でアメリアはそう言うと苦笑いを浮かべた。
「まあ、オメエが戦場の匂いの序の口を知っている戦場初心者ってことはどうでもいい。アタシが親父さんに頼みたい内容に違いはねえんだ。親父……」
かなめはそう言うと親父の顔を見た。そこにはいつもの仏頂面があった。
「なんだ」
相変わらず不愛想に親父はそう言った。
「アタシと中佐は戦争狂に出会ってもテメエのケツぐらいはちゃんと拭ける流儀は心得てる。まあ、アタシ等の仕事じゃそんな馬鹿に出くわす可能性は一般企業に勤めてるサラリーマンに比べたら嫌になるくらい高い」
そう言うとかなめは再びどんぶりの汁を啜った。
「で?何が言いたい」
再び親父は口元に笑顔を浮かべた。そう言って次の言葉を選んでいるかなめの顔を見つめる。
「後でこの戦場初心者が本当にヤバくなったらここに駆け込むように説得する。だからそん時は頼む。アタシや中佐も体は一つだ。年中こいつ等の世話して回るなんてのは不可能だ……頼む……」
こんなに深々と頭を下げるかなめを誠は初めて見た。隣ではランも軽く頭を下げている。
「なんだ!西園寺!私達が甘ちゃんだとでも言うのか!」
そう叫んだのはカウラだった。一応は、第二小隊小隊長。かなめの上司である。誠も彼女がそう抗議するのもうなづけた。
「カウラよ。オメーのそう言う真っ直ぐなところは上司としては嫌いじゃないが、このことは西園寺とアタシが神前が配属になったときにすで決めてたことでな。いつかここにオメー等を連れてきて頼もうと思ってたんだ。まあ、今回の事件はかなりヤバい事件だ。まあ、いい機会だ。アタシの顔に免じて堪えてくれ」
ランは笑顔でカウラにそう頼んだ。真剣な顔でランにそう言われてしまえばカウラも黙るしかなかった。
「で?西園寺の嬢ちゃんよ……その頼みに俺はどう答えると思う?」
不機嫌そうに親父はつぶやく。その瞳をにらみつけながらかなめは笑顔を浮かべた。
「受けるね、アンタは。アンタはそう言う人だ」
かなめはそう言って再びどんぶりを手に取った。
「俺も随分お人よしに見られたもんだな」
「じゃあ断るのか?」
かなめは矢継ぎ早にそう言った。
親父は目をランに向けた。小さなランは不敵な笑みを浮かべながらにらみ返す。
「アンタの腹はこの娘等が来た時から決まってたんだろ?」
レイチェルはそう言ってほほ笑んだ。
親父は苦笑いを浮かべつつ静かにうなづいた。
「しゃあねえね。ランと西園寺の嬢ちゃんとの仲だ。引き受けてやるよ」
「よし!」
ランはそう言うと店の中を見回して、黙ってやり取りを見つめていた誠達一人一人を目で確認した
「それよりランよ……うどんは頼まねえのか?」
ぼそりと大将がつぶやくのを聞いてアメリアが手を挙げる。
「かけうどん大!」
アメリアの注文ににやりと笑った大将はうどんを茹で始めた。
「じゃあ、アタシもかけの小で」
「アタシは釜玉」
「そうだな……私はおろし醤油の中がいい」
ラン、かなめ、カウラが次々と注文する。
「じゃあ僕は……」
「俺はざるうどん!」
注文しようとする誠を遮って島田が叫んだ。
「もう!正人ったら……誠ちゃんが注文しているところじゃないの……私もざるうどんの大」
サラが慌ててそう言った。
「はいはい、サツマイモが揚がったよ」
レイチェルはそう言ってトレーにサツマイモの天ぷらを並べる。
先ほどまでの殺気はすでにこの場には無い。誠はその事実に気づいて苦笑いを浮かべた。
島田は大将の言葉に苦笑いを浮かべた。
「なあに。うちの人の部下達はね街中で銃撃戦をやることのスペシャリストなんだよ。兄ちゃん。アンタのご自慢の拳の届く範囲はせいぜい数メートル。でも銃弾の届く範囲ってのは……まあ、アンタも司法局の人間だ。銃器の訓練ぐらい受けてんだろ?」
レイチェルはそう言ってほほ笑む。島田は青ざめてこの間も黙ってランに目を向けた。
「だから言ったろ?喧嘩を売る相手は選べって。なあに、レイチェルさんの言うとおり、この親父さんの部下達は人込みでターゲットだけを射殺して、無関係な民間人に弾を当てないぐらいの芸当はできる猛者ばかりだ。お祈りしろよ……ここの親父さんがオメーの挑発で気分を害していないことを。もし親父さんが怒っているなら、オメーが店を出たとたんに顔面に二三発銃弾が命中すんぞ」
かなめはそう言って笑った。
「嘘……」
「嘘ついてどうすんよ」
絶句する島田をランは静かに見つめていた。
「おい、ラン、西園寺の嬢ちゃん。くだらない戯言を言いにわざわざ出かけてきたのか?ご苦労なこった」
親父はそう冷酷に言い放った。その後ろ姿を見ながらかなめは不敵な笑みを浮かべる。
「親父。そうつんけんするなよ。実は頼みがあってきた」
「頼み?」
親父はかなめの言葉に思わず振り向いた。
「そうだ。頼みだ。ここにいるアタシとラン以外の連中の身の安全のことだ」
「へえ……」
かなめの言葉が意外だったようで、レイチェルは感心したようだった。
「かなめ嬢ちゃん。ようやく自分が何をしてるのか、見えるようになったみてえだな」
そう言う親父の目は笑っていない。かなめはその言葉に思わず頭を掻いた。
「アタシだってアンタに言わせればぬるいかもしれないが、それなりに修羅場って奴を経験してるんだぜ。アタシが軍人を始めた最初の職場があの租界だ。銃弾の雨が降り注ぐあそこで諜報工作なんて仕事をして、同僚が無慈悲に殺されていくのを見れば、嫌でも周りを見て生きるようになる。日々観察とその結果を反映しての自己の成長に努める。まあ地獄から学んだアタシなりの仕事の流儀だ」
日頃、誠が見ている粗暴で考えなしに見えるかなめから意外な言葉が飛び出した。誠は思わず目をカウラとアメリアに向けた。二人とも誠と同じくあまりに意外なかなめの言葉に呆然としていた。
「なるほど。御大将が姪だって理由だけであんたを重用するわけがないと思っちゃいたが……嬉しいね。後輩にこんな見どころのある人材がいるんだ」
店に入ってから初めて見る親父の心からの笑顔だった。親父はそのまままるでかなめのことを自慢しているように妻のレイチェルに目をやった。
「そりゃあ、西園寺のお嬢さんもアンタの御大将が目を付けた御仁さ」
レイチェルは砕けた調子でそう言った。かなめはレイチェルの言葉に覚悟を決めたように一息ついた。
「それじゃあまるでアタシ達が足手まといみたいな言い方じゃないの!」
いつもの態度と明らかに異なるかなめの言動に戸惑ったようにアメリアがそう叫んだ。
「勘が鈍ったんじゃねーか、アメリア。この中じゃ、西園寺とアタシ以外で戦場という世界の中に身を置いた経験のあるのはオメーだけなんだぜ。思い出せよ、遼州系アステロイドベルトを。あそこでゲルパルト帝国のネオナチ残党の先兵として戦争をやっていた二十年前をさ」
小さなランはそう言って自分より遥かに大柄のアメリアを見上げた。
「アメリアさんって……」
ランが漏らしたアメリアの過去。誠が聞いたのはほんのわずかな情報だというのに、アメリアを見る自分の目が変わっていることを誠は自覚した。
お祭り好きで底抜けに明るいムードメーカー。島田の隣で戸惑っているサラにとってはいつでも愚痴をこぼせる信頼できる同僚である。
そんなアメリアに戦場の地獄を見た過去がある。先の大戦で戦場で失われた人口を補うため、戦局が配線濃厚だったゲルパルト帝国が戦うために作りあげた存在であるアメリア達『ラストバタリオン』だった。
誠の知る限り、彼女達は結局大戦には間に合わず、地球軍が彼女達の製造プラントを制圧したときは、ほとんどの『ラストバタリオン』は培養ポッドの中で完成の時を待っていたはずだった。ここにいる同じ『ラストバタリオン』である、サラが起動したのは終戦後、隣で様子をうかがっているカウラに至っては稼働開始まだ8年であり、当然戦争などは経験したことがない。
「誠ちゃん。まあ隠しておくつもりは無かったんだけどね。ネオナチの連中。ゲルパルトが降伏してもなお、抵抗をやめなかったの。まあ、あの人達は諦めが悪いから。まあ、アタシは製造プラントから移送されてアステロイドベルトで目覚めるという最悪の経験をしたのよ。まあ、抵抗といってもそれほど長くできるはずもなく、数年で残党狩り組織に制圧されて、私はそこで保護された。まあ、昔の話よ」
いつもとまるで違う、悲しげな表情でアメリアはそう言うと苦笑いを浮かべた。
「まあ、オメエが戦場の匂いの序の口を知っている戦場初心者ってことはどうでもいい。アタシが親父さんに頼みたい内容に違いはねえんだ。親父……」
かなめはそう言うと親父の顔を見た。そこにはいつもの仏頂面があった。
「なんだ」
相変わらず不愛想に親父はそう言った。
「アタシと中佐は戦争狂に出会ってもテメエのケツぐらいはちゃんと拭ける流儀は心得てる。まあ、アタシ等の仕事じゃそんな馬鹿に出くわす可能性は一般企業に勤めてるサラリーマンに比べたら嫌になるくらい高い」
そう言うとかなめは再びどんぶりの汁を啜った。
「で?何が言いたい」
再び親父は口元に笑顔を浮かべた。そう言って次の言葉を選んでいるかなめの顔を見つめる。
「後でこの戦場初心者が本当にヤバくなったらここに駆け込むように説得する。だからそん時は頼む。アタシや中佐も体は一つだ。年中こいつ等の世話して回るなんてのは不可能だ……頼む……」
こんなに深々と頭を下げるかなめを誠は初めて見た。隣ではランも軽く頭を下げている。
「なんだ!西園寺!私達が甘ちゃんだとでも言うのか!」
そう叫んだのはカウラだった。一応は、第二小隊小隊長。かなめの上司である。誠も彼女がそう抗議するのもうなづけた。
「カウラよ。オメーのそう言う真っ直ぐなところは上司としては嫌いじゃないが、このことは西園寺とアタシが神前が配属になったときにすで決めてたことでな。いつかここにオメー等を連れてきて頼もうと思ってたんだ。まあ、今回の事件はかなりヤバい事件だ。まあ、いい機会だ。アタシの顔に免じて堪えてくれ」
ランは笑顔でカウラにそう頼んだ。真剣な顔でランにそう言われてしまえばカウラも黙るしかなかった。
「で?西園寺の嬢ちゃんよ……その頼みに俺はどう答えると思う?」
不機嫌そうに親父はつぶやく。その瞳をにらみつけながらかなめは笑顔を浮かべた。
「受けるね、アンタは。アンタはそう言う人だ」
かなめはそう言って再びどんぶりを手に取った。
「俺も随分お人よしに見られたもんだな」
「じゃあ断るのか?」
かなめは矢継ぎ早にそう言った。
親父は目をランに向けた。小さなランは不敵な笑みを浮かべながらにらみ返す。
「アンタの腹はこの娘等が来た時から決まってたんだろ?」
レイチェルはそう言ってほほ笑んだ。
親父は苦笑いを浮かべつつ静かにうなづいた。
「しゃあねえね。ランと西園寺の嬢ちゃんとの仲だ。引き受けてやるよ」
「よし!」
ランはそう言うと店の中を見回して、黙ってやり取りを見つめていた誠達一人一人を目で確認した
「それよりランよ……うどんは頼まねえのか?」
ぼそりと大将がつぶやくのを聞いてアメリアが手を挙げる。
「かけうどん大!」
アメリアの注文ににやりと笑った大将はうどんを茹で始めた。
「じゃあ、アタシもかけの小で」
「アタシは釜玉」
「そうだな……私はおろし醤油の中がいい」
ラン、かなめ、カウラが次々と注文する。
「じゃあ僕は……」
「俺はざるうどん!」
注文しようとする誠を遮って島田が叫んだ。
「もう!正人ったら……誠ちゃんが注文しているところじゃないの……私もざるうどんの大」
サラが慌ててそう言った。
「はいはい、サツマイモが揚がったよ」
レイチェルはそう言ってトレーにサツマイモの天ぷらを並べる。
先ほどまでの殺気はすでにこの場には無い。誠はその事実に気づいて苦笑いを浮かべた。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
特殊装甲隊 ダグフェロン 『廃帝と永遠の世紀末』 第三部 『暗黒大陸』
橋本 直
SF
遼州司法局も法術特捜の発足とともに実働部隊、機動隊、法術特捜の三部体制が確立することとなった。
それまで東和陸軍教導隊を兼務していた小さな隊長、クバルカ・ラン中佐が実働部隊副隊長として本異動になることが決まった。
彼女の本拠地である東和陸軍教導隊を訪ねた神前誠に法術兵器の実験に任務が課せられた。それは広域にわたり兵士の意識を奪ってしまうという新しい発想の非破壊兵器だった。
実験は成功するがチャージの時間等、運用の難しい兵器と判明する。
一方実働部隊部隊長嵯峨惟基は自分が領邦領主を務めている貴族制国家甲武国へ飛んだ。そこでは彼の両方を西園寺かなめの妹、日野かえでに継がせることに関する会議が行われる予定だった。
一方、南の『魔窟』と呼ばれる大陸ベルルカンの大国、バルキスタンにて総選挙が予定されており、実働部隊も支援部隊を派遣していた。だが選挙に不満を持つ政府軍、反政府軍の駆け引きが続いていた。
嵯峨は万が一の両軍衝突の際アメリカの介入を要請しようとする兄である西園寺義基のシンパである甲武軍部穏健派を牽制しつつ貴族の群れる会議へと向かった。
そしてそんな中、バルキスタンで反政府軍が機動兵器を手に入れ政府軍との全面衝突が発生する。
誠は試験が済んだばかりの非破壊兵器を手に戦線の拡大を防ぐべく出撃するのだった。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第二部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』が発動した『干渉空間』と『光の剣(つるぎ)により貴族主義者のクーデターを未然に防止することが出来た『近藤事件』が終わってから1か月がたった。
宇宙は誠をはじめとする『法術師』の存在を公表することで混乱に陥っていたが、誠の所属する司法局実働部隊、通称『特殊な部隊』は相変わらずおバカな生活を送っていた。
そんな『特殊な部隊』の運用艦『ふさ』艦長アメリア・クラウゼ中佐と誠の所属するシュツルム・パンツァーパイロット部隊『機動部隊第一小隊』のパイロットでサイボーグの西園寺かなめは『特殊な部隊』の野球部の夏合宿を企画した。
どうせろくな事が起こらないと思いながら仕事をさぼって参加する誠。
そこではかなめがいかに自分とはかけ離れたお嬢様で、貴族主義の国『甲武国』がどれほど自分の暮らす永遠に続く20世紀末の東和共和国と違うのかを誠は知ることになった。
しかし、彼を待っていたのは『法術』を持つ遼州人を地球人から解放しようとする『革命家』の襲撃だった。
この事件をきっかけに誠の身辺警護の必要性から誠の警護にアメリア、かなめ、そして無表情な人造人間『ラスト・バタリオン』の第一小隊小隊長カウラ・ベルガー大尉がつくことになる。
これにより誠の暮らす『男子下士官寮』は有名無実化することになった。
そんなおバカな連中を『駄目人間』嵯峨惟基特務大佐と機動部隊隊長クバルカ・ラン中佐は生暖かい目で見守っていた。
そんな『特殊な部隊』の意図とは関係なく着々と『力ある者の支配する宇宙』の実現を目指す『廃帝ハド』の野望はゆっくりと動き出しつつあった。
SFお仕事ギャグロマン小説。
「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!
七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ?
俺はいったい、どうなっているんだ。
真実の愛を取り戻したいだけなのに。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第三部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』は法術の新たな可能性を追求する司法局の要請により『05式広域制圧砲』と言う新兵器の実験に駆り出される。その兵器は法術の特性を生かして敵を殺傷せずにその意識を奪うと言う兵器で、対ゲリラ戦等の『特殊な部隊』と呼ばれる司法局実働部隊に適した兵器だった。
一方、遼州系第二惑星の大国『甲武』では、国家の意思決定最高機関『殿上会』が開かれようとしていた。それに出席するために殿上貴族である『特殊な部隊』の部隊長、嵯峨惟基は甲武へと向かった。
その間隙を縫ったかのように『修羅の国』と呼ばれる紛争の巣窟、ベルルカン大陸のバルキスタン共和国で行われる予定だった選挙合意を反政府勢力が破棄し機動兵器を使った大規模攻勢に打って出て停戦合意が破綻したとの報が『特殊な部隊』に届く。
この停戦合意の破棄を理由に甲武とアメリカは合同で介入を企てようとしていた。その阻止のため、神前誠以下『特殊な部隊』の面々は輸送機でバルキスタン共和国へ向かった。切り札は『05式広域鎮圧砲』とそれを操る誠。『特殊な部隊』の制式シュツルム・パンツァー05式の機動性の無さが作戦を難しいものに変える。
そんな時間との戦いの中、『特殊な部隊』を見守る影があった。
『廃帝ハド』、『ビッグブラザー』、そしてネオナチ。
誠は反政府勢力の攻勢を『05式広域鎮圧砲』を使用して止めることが出来るのか?それとも……。
SFお仕事ギャグロマン小説。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
てめぇの所為だよ
章槻雅希
ファンタジー
王太子ウルリコは政略によって結ばれた婚約が気に食わなかった。それを隠そうともせずに臨んだ婚約者エウフェミアとの茶会で彼は自分ばかりが貧乏くじを引いたと彼女を責める。しかし、見事に返り討ちに遭うのだった。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様の重複投稿、自サイトにも掲載。
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる