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第2章 翌日の出来事
野次馬
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部隊の入り口のゲートを抜けるとそこには人だかりができていた。
その中で雑談していた整備班員が振り向いた。いつものようにカウラはそれを見て窓を開いた。
「ああ、ベルガー大尉。駐車場はいま満員御礼ですよ」
丸刈りの技術部員が声をかけてくる。
「島田か?」
そのカウラの問いに隊員はうなづく。人垣の向こうで叫ぶ島田の声が聞こえてきた。
「まったくこんな時に……アイツ等なに考えてんだか……」
かなめの声を無視してカウラは車を走らせる。駐車場が見える前から野次馬の姿が見て取れた。
「おい、停められるか?」
そう言ってかなめが身を乗り出す。そのままゆっくりと近づくカウラの車に気づいてブリッジオペレータの女性隊員が脇によける。
そうするとそこにはタイヤを外されてジャッキで持ち上げられた小型車が見えた。
「ちょっとそこに停めろ。降りるから」
かなめの言葉にカウラは小型車の手前で車を停める。ニヤニヤしているアメリアが助手席から降り、誠も追い出される。そのままかなめは苦笑いを浮かべながら見慣れない車に近づいていく。
「ああ、アメリア……見てよ……アタシの新車」
取り付けようとする新品のサスペンションを手に得意満面の運航部副部長のパーラ・ラビロフ大尉がいる。だがかなめはそれを無視してエンジンをいじっているつなぎ姿の島田の後ろまで行き思い切り尻を蹴り上げた。
「痛て!」
「バーカ!いちいち喚くな!痛いように蹴ってるんだよ!」
かなめの声に飛び跳ねるように島田が振り向く。隣に立っていたサラとパーラも振り向いた。
「ここは職場だ。仕事をしろ仕事を!」
「でもまだ始業時間じゃ……」
島田は口答えをしようとするがかなめのタレ目の不気味な迫力に押されて黙り込んだ。
「それに昨日の件で話があるそうだ」
車を奥に停めてきたカウラの言葉に島田はようやく悟った。
「おい!お前等も壊さない程度によく構造を把握しておけ!後で細かい説明はするからな」
島田は周りで彼の作業を見ていた整備班員にそう言うとそのまま正門へと走り去る。サラとパーラもそれに続いた。
「あらあらかなめちゃんがまじめに仕事しろなんて言うからびっくりしちゃったわ!」
手を合わせているアメリアにかなめは照れたように頭を掻く。
「その仕事を振ってくれる人が来たぞ」
カウラは白いセダンが散っていく野次馬達の間から白いセダンから降りている茜達の姿を見ていた。
「そうだな。どういう指示を出すか。実に見ものだな」
そう言うとかなめはそのまま茜達を無視してハンガーへと急ぐ。
誠がハンガーに足を踏み入れると、誠の専用アサルト・モジュール05式乙型の前で足を止めているかなめがいた。
「どうしたんですか?西園寺さん」
「リアルに作ってたんだな、アメリアの奴」
誠の濃い緑色のステルス表面塗料に部隊章の『大一大万大吉』を描いただけの飾り気のまるでない機体が目に入る。
「そうよ。いつも整備している島田君から貰った資料を使ったんだから」
胸を張るアメリアとあまりの反響に照れている誠がそこにいた。
「行きますか」
誠は控えめにかなめに声をかけた。
「ああ、行くか」
そう言うとかなめは気が付いたようにそのまま機動部隊の詰め所に向かう階段を上り始めた。
その中で雑談していた整備班員が振り向いた。いつものようにカウラはそれを見て窓を開いた。
「ああ、ベルガー大尉。駐車場はいま満員御礼ですよ」
丸刈りの技術部員が声をかけてくる。
「島田か?」
そのカウラの問いに隊員はうなづく。人垣の向こうで叫ぶ島田の声が聞こえてきた。
「まったくこんな時に……アイツ等なに考えてんだか……」
かなめの声を無視してカウラは車を走らせる。駐車場が見える前から野次馬の姿が見て取れた。
「おい、停められるか?」
そう言ってかなめが身を乗り出す。そのままゆっくりと近づくカウラの車に気づいてブリッジオペレータの女性隊員が脇によける。
そうするとそこにはタイヤを外されてジャッキで持ち上げられた小型車が見えた。
「ちょっとそこに停めろ。降りるから」
かなめの言葉にカウラは小型車の手前で車を停める。ニヤニヤしているアメリアが助手席から降り、誠も追い出される。そのままかなめは苦笑いを浮かべながら見慣れない車に近づいていく。
「ああ、アメリア……見てよ……アタシの新車」
取り付けようとする新品のサスペンションを手に得意満面の運航部副部長のパーラ・ラビロフ大尉がいる。だがかなめはそれを無視してエンジンをいじっているつなぎ姿の島田の後ろまで行き思い切り尻を蹴り上げた。
「痛て!」
「バーカ!いちいち喚くな!痛いように蹴ってるんだよ!」
かなめの声に飛び跳ねるように島田が振り向く。隣に立っていたサラとパーラも振り向いた。
「ここは職場だ。仕事をしろ仕事を!」
「でもまだ始業時間じゃ……」
島田は口答えをしようとするがかなめのタレ目の不気味な迫力に押されて黙り込んだ。
「それに昨日の件で話があるそうだ」
車を奥に停めてきたカウラの言葉に島田はようやく悟った。
「おい!お前等も壊さない程度によく構造を把握しておけ!後で細かい説明はするからな」
島田は周りで彼の作業を見ていた整備班員にそう言うとそのまま正門へと走り去る。サラとパーラもそれに続いた。
「あらあらかなめちゃんがまじめに仕事しろなんて言うからびっくりしちゃったわ!」
手を合わせているアメリアにかなめは照れたように頭を掻く。
「その仕事を振ってくれる人が来たぞ」
カウラは白いセダンが散っていく野次馬達の間から白いセダンから降りている茜達の姿を見ていた。
「そうだな。どういう指示を出すか。実に見ものだな」
そう言うとかなめはそのまま茜達を無視してハンガーへと急ぐ。
誠がハンガーに足を踏み入れると、誠の専用アサルト・モジュール05式乙型の前で足を止めているかなめがいた。
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「リアルに作ってたんだな、アメリアの奴」
誠の濃い緑色のステルス表面塗料に部隊章の『大一大万大吉』を描いただけの飾り気のまるでない機体が目に入る。
「そうよ。いつも整備している島田君から貰った資料を使ったんだから」
胸を張るアメリアとあまりの反響に照れている誠がそこにいた。
「行きますか」
誠は控えめにかなめに声をかけた。
「ああ、行くか」
そう言うとかなめは気が付いたようにそのまま機動部隊の詰め所に向かう階段を上り始めた。
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