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第17章 情勢
空中にて
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誠達の乗る輸送機は東和領空を出ようとしていた。輸送機中の居住性の悪い臨時司令室で黙ってモニターを眺めているアメリアが見えた。その流れるような紺色の長い髪を備え付けのシートに座って誠はぼんやりと眺めていた。
「どうしたの誠ちゃん。もしかして……私にラブ?」
アメリアがそこまで言ったところでトイレにつながる自動ドアから出てきたかなめがアメリアの後頭部に手刀を叩き込む。
「くだらねえこと言ってないでモニターでも見てろ」
不機嫌なかなめに振り向いたアメリアは鼻をつまむ。
「またトイレでタバコ?トイレが詰まったらどうするのよ」
「携帯灰皿持ってるよ!」
かなめはそう言うと誠の隣の席に体を倒す。サイボーグの体の重さにぎしりと椅子がきしんだ。
「アメリア。作戦開始時刻が伸びているのはどういうわけだ」
後部格納庫に連なるハッチから出てきたカウラが叫んだ。
「状況が変わってるのよ。ちょっとこのデータ……分かったわ。誠ちゃんとカウラちゃんこっち来て。かなめちゃんはそのまま後部ハッチから飛び降りてもいいわよ」
いつものようにかなめはアメリアの挑発にのせられそうになる。それを制止してカウラは仮眠を取っているパーラのオペレーター席に腰をかけてアメリアの前に展開しているモニターをのぞきこんだ。そこには作戦空域大気圏外の様子が画面が映し出されている。そしてそこには重巡洋艦を旗艦とした甲武の艦隊が表示されていた。
「甲武の連中。大気圏外に艦隊を展開か。ゲリラと二線級の軍隊相手にずいぶん大げさな話だな」
かなめは脳内にアメリアの前に展開している画像と同じものを見ているようだった。
「現在バルキスタンへの超高度降下作戦を展開可能な宙域に甲武の重巡洋艦『妙高』を旗艦とした艦隊が所定位置に移動中ってことらしいわね」
「『妙高』……甲武第三艦隊か。赤松のオヤジの手のものだな」
空いた席に足を伸ばしていたかなめがつぶやく。カウラも緊張した面持ちでアメリアの顔を見つめた。赤松忠満中将。嵯峨の無二の親友である第三艦隊提督である。その人柄は『駄目人間』の隊長、嵯峨惟基曰く臨機応変、常に先を見て動く人物だった。
「僕達が失敗すれば甲武第三艦隊の降下作戦が行われると言うことですか?」
誠の言葉にアメリアは一回大きく深呼吸をすると諭すようにゆっくりと言葉を継いだ。
「そうね、簡単に言うとそうだけど隊長も甲武の正規軍の介入は最後の手段と考えているはずよ。まず私達が現在にらみ合っているバルキスタンの政府軍とイスラム反政府勢力の衝突を止めるのが一番目の策。それが駄目なら『ふさ』による直接介入と反政府勢力の決起で仕事が無くなった甲武の特殊部隊による首都制圧作戦を展開する。これが二番目の作戦」
「だが、二番目の作戦は同盟にとっては大きな失点になるな。現在反政府勢力の浸透作戦が展開中で派遣されている同盟軍は孤立している部隊も出ているそうだ。政府軍寄りといわれている派遣部隊が総攻撃を喰らえばかなりの死傷者が出るだろう。当然そうなれば今度のバルキスタンの選挙は良くて無期延期。悪ければ地球の非難を覚悟してカント将軍に代わる政権の担い手をむりやり擁立しなければならない。当然そうなればすべての和平合意は白紙に戻される」
エメラルドグリーンの前髪を払いながらカウラは厳しい視線を誠に向ける。
「そして最悪の展開はそれも失敗に終わった時。『妙高』から降下した甲武自慢のアサルト・モジュール部隊による両勢力の完全制圧作戦の発動。そして同時に第三艦隊の後ろに揚陸艦を連ねているアメリカ陸軍が出撃、これに合流すると。間違いなく地球諸国は同盟への非難決議や制裁措置の発動にまで発展するわね。それにやけを起こしたバルキスタンの反政府武装勢力が以前の東モスレム紛争の時と同じく包囲された同盟諸国の兵士の公開処刑とか……まああんまり見たくもない状況を見る羽目に陥りそうね」
淡々とそう言ったあとアメリアは座っている椅子の背もたれに体を預けて伸びをした。
「つまりアタシ等が失敗すれば大変なことになるってことだろ?じゃあ簡単なことじゃねえか。おい! 神前!」
かなめの叫び声に誠が顔をあげた。
「成功したらいいものあげるからがんばれや」
そんな投げやりな言い方に誠は立ち上がってかなめを見つめた。言葉のわりにかなめの目は真剣だった。
「デート?それとも……わかったわ! 首にリボンだけの格好で現れて『プレゼントは私!』とか言うつもりでしょ?」
アメリアが含み笑いをするのを見てかなめがそっぽを向く。
「図星か……」
呆れたようにカウラが誠を見つめる。誠はただ愛想笑いを浮かべながら目が殺気を帯びているアメリアとカウラを見渡していた。
「ペッタン胸や深夜ラジオ中毒患者とデートするよりよっぽど建設的だろ?それに……」
「それに何?暴力馬鹿と一緒に町を歩いていたらそれこそ警察のご厄介になるのが落ちよ。それとも得意の寝技でも繰り出すとか」
かなめの売り言葉にアメリアの買い言葉。いつもの展開にカウラはただくたびれたと言うようにパーラの席で伸びをしている。
その時、誠は突然背後に気配を感じて振り返った。
「ごめん!アメリア。状況は!」
そう叫んでコックピット下の仮眠室から出てきたパーラに誠は思わず顔を赤らめた。ラフに勤務服のライトグリーンのワイシャツを引っ掛けて作業ズボン、ピンク色の髪の隙間からむき出しの肩の肌が透けて見える。
「パーラ。こいつがいること忘れてるだろ?」
アメリアとにらみ合うのをやめたかなめに言われてパーラは自分の姿を見た。胸の辺りまでしかボタンをしていないために誠からもその谷間がくっきりと見えた。そしてパーラの悲鳴。思わず視線を床に落して誠は言い訳を考える。
「なるほど、誠ちゃんはどじっ娘属性があるのね」
真顔でそう言うアメリアを見てカウラは何もいえずに急いでボタンをはめるパーラを見た。
「パーラ。ボタン一つづつずれてないか?」
「えっ……ホントだ」
そう言うとパーラはそのまま仮眠室の扉の向こうへと消えた。
「何がしたかったんだあいつ」
かなめはそう言うとゆっくりと体を起こす。誠がそちらに目をやると、かなめの顔は笑っていなかった。
「北から追いかけてくる機影があるな。……二機か」
彼女とリンクしている東和軍とこの輸送機のレーダーからの情報がかなめにそんな言葉を吐かせた。
「東和軍の識別信号は確認してるわよ。出撃前にランちゃんの言ってた『信頼できる護衛』の方々じゃないの? 」
アメリアはそう言うとモニターの前にあるキーボードを叩いて機影のデータの検索にかかった。
『クラウゼ少佐!東和陸軍のアサルト・モジュールから通信です!』
菰田の声に続いて、モニターの中に小さなウィンドウが開いた。
ヘルメットをしたランが映し出される。同時に機影のデータから東和の現用アサルト・モジュールである89式二機が接近していることが表示される。
『よう!守護天使の到着!……ってアタシはまだ基地にいるけどな。先導の機体をターミナルにして通信してるんだ』
明るくランが叫ぶ。その声を聞きながらようやく制服をきちんと着ることができたパーラがカウラが立ち上がるのにあわせて自分の席についた。
「ランちゃんありがとうね!……って基地からどうやってここまで来るんですか?」
『おい、クラウゼ。法術師に『距離』の概念はねーんだよ。アタシの部下二人が戦闘状態に入って位置が特定出来たらそこまで跳ぶから。それに一応アタシは副隊長なんだ。ちゃん付けは止めろ。しめしがつかねーだろ?』
愚痴るようにそう言うランの顔を見てアメリアはにやにや笑っている。さらに音声でランの部下の89式のパイロットが低い声で笑いをこらえているのが分かる。
『これがアタシの教導部隊最後の仕事になりそーだわ。とりあえずアタシが先導するから作戦時間の管理はテメーがやれ』
ヘルメットの中で頬を膨らませるランを笑いながらアメリアはうなづいた。
「時計合わせは一時間後で。進入経路は……予定通りカルデラ山脈の始まるベルギ共和国の北端のキーラク湾から」
なんとか着替えを済ませて飛び出してきたパーラがあわただしくキーボードを叩く。カウラはその姿を確認した後、誠とかなめに向かって歩いてくる。
「出撃準備!」
凛としたカウラの一言にはじかれるようにして誠とかなめはパーラの居た仮眠室の隣の部屋にあるパイロットスーツの装備をするべく立ち上がった。
「どうしたの誠ちゃん。もしかして……私にラブ?」
アメリアがそこまで言ったところでトイレにつながる自動ドアから出てきたかなめがアメリアの後頭部に手刀を叩き込む。
「くだらねえこと言ってないでモニターでも見てろ」
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「またトイレでタバコ?トイレが詰まったらどうするのよ」
「携帯灰皿持ってるよ!」
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いつものようにかなめはアメリアの挑発にのせられそうになる。それを制止してカウラは仮眠を取っているパーラのオペレーター席に腰をかけてアメリアの前に展開しているモニターをのぞきこんだ。そこには作戦空域大気圏外の様子が画面が映し出されている。そしてそこには重巡洋艦を旗艦とした甲武の艦隊が表示されていた。
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かなめは脳内にアメリアの前に展開している画像と同じものを見ているようだった。
「現在バルキスタンへの超高度降下作戦を展開可能な宙域に甲武の重巡洋艦『妙高』を旗艦とした艦隊が所定位置に移動中ってことらしいわね」
「『妙高』……甲武第三艦隊か。赤松のオヤジの手のものだな」
空いた席に足を伸ばしていたかなめがつぶやく。カウラも緊張した面持ちでアメリアの顔を見つめた。赤松忠満中将。嵯峨の無二の親友である第三艦隊提督である。その人柄は『駄目人間』の隊長、嵯峨惟基曰く臨機応変、常に先を見て動く人物だった。
「僕達が失敗すれば甲武第三艦隊の降下作戦が行われると言うことですか?」
誠の言葉にアメリアは一回大きく深呼吸をすると諭すようにゆっくりと言葉を継いだ。
「そうね、簡単に言うとそうだけど隊長も甲武の正規軍の介入は最後の手段と考えているはずよ。まず私達が現在にらみ合っているバルキスタンの政府軍とイスラム反政府勢力の衝突を止めるのが一番目の策。それが駄目なら『ふさ』による直接介入と反政府勢力の決起で仕事が無くなった甲武の特殊部隊による首都制圧作戦を展開する。これが二番目の作戦」
「だが、二番目の作戦は同盟にとっては大きな失点になるな。現在反政府勢力の浸透作戦が展開中で派遣されている同盟軍は孤立している部隊も出ているそうだ。政府軍寄りといわれている派遣部隊が総攻撃を喰らえばかなりの死傷者が出るだろう。当然そうなれば今度のバルキスタンの選挙は良くて無期延期。悪ければ地球の非難を覚悟してカント将軍に代わる政権の担い手をむりやり擁立しなければならない。当然そうなればすべての和平合意は白紙に戻される」
エメラルドグリーンの前髪を払いながらカウラは厳しい視線を誠に向ける。
「そして最悪の展開はそれも失敗に終わった時。『妙高』から降下した甲武自慢のアサルト・モジュール部隊による両勢力の完全制圧作戦の発動。そして同時に第三艦隊の後ろに揚陸艦を連ねているアメリカ陸軍が出撃、これに合流すると。間違いなく地球諸国は同盟への非難決議や制裁措置の発動にまで発展するわね。それにやけを起こしたバルキスタンの反政府武装勢力が以前の東モスレム紛争の時と同じく包囲された同盟諸国の兵士の公開処刑とか……まああんまり見たくもない状況を見る羽目に陥りそうね」
淡々とそう言ったあとアメリアは座っている椅子の背もたれに体を預けて伸びをした。
「つまりアタシ等が失敗すれば大変なことになるってことだろ?じゃあ簡単なことじゃねえか。おい! 神前!」
かなめの叫び声に誠が顔をあげた。
「成功したらいいものあげるからがんばれや」
そんな投げやりな言い方に誠は立ち上がってかなめを見つめた。言葉のわりにかなめの目は真剣だった。
「デート?それとも……わかったわ! 首にリボンだけの格好で現れて『プレゼントは私!』とか言うつもりでしょ?」
アメリアが含み笑いをするのを見てかなめがそっぽを向く。
「図星か……」
呆れたようにカウラが誠を見つめる。誠はただ愛想笑いを浮かべながら目が殺気を帯びているアメリアとカウラを見渡していた。
「ペッタン胸や深夜ラジオ中毒患者とデートするよりよっぽど建設的だろ?それに……」
「それに何?暴力馬鹿と一緒に町を歩いていたらそれこそ警察のご厄介になるのが落ちよ。それとも得意の寝技でも繰り出すとか」
かなめの売り言葉にアメリアの買い言葉。いつもの展開にカウラはただくたびれたと言うようにパーラの席で伸びをしている。
その時、誠は突然背後に気配を感じて振り返った。
「ごめん!アメリア。状況は!」
そう叫んでコックピット下の仮眠室から出てきたパーラに誠は思わず顔を赤らめた。ラフに勤務服のライトグリーンのワイシャツを引っ掛けて作業ズボン、ピンク色の髪の隙間からむき出しの肩の肌が透けて見える。
「パーラ。こいつがいること忘れてるだろ?」
アメリアとにらみ合うのをやめたかなめに言われてパーラは自分の姿を見た。胸の辺りまでしかボタンをしていないために誠からもその谷間がくっきりと見えた。そしてパーラの悲鳴。思わず視線を床に落して誠は言い訳を考える。
「なるほど、誠ちゃんはどじっ娘属性があるのね」
真顔でそう言うアメリアを見てカウラは何もいえずに急いでボタンをはめるパーラを見た。
「パーラ。ボタン一つづつずれてないか?」
「えっ……ホントだ」
そう言うとパーラはそのまま仮眠室の扉の向こうへと消えた。
「何がしたかったんだあいつ」
かなめはそう言うとゆっくりと体を起こす。誠がそちらに目をやると、かなめの顔は笑っていなかった。
「北から追いかけてくる機影があるな。……二機か」
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「東和軍の識別信号は確認してるわよ。出撃前にランちゃんの言ってた『信頼できる護衛』の方々じゃないの? 」
アメリアはそう言うとモニターの前にあるキーボードを叩いて機影のデータの検索にかかった。
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明るくランが叫ぶ。その声を聞きながらようやく制服をきちんと着ることができたパーラがカウラが立ち上がるのにあわせて自分の席についた。
「ランちゃんありがとうね!……って基地からどうやってここまで来るんですか?」
『おい、クラウゼ。法術師に『距離』の概念はねーんだよ。アタシの部下二人が戦闘状態に入って位置が特定出来たらそこまで跳ぶから。それに一応アタシは副隊長なんだ。ちゃん付けは止めろ。しめしがつかねーだろ?』
愚痴るようにそう言うランの顔を見てアメリアはにやにや笑っている。さらに音声でランの部下の89式のパイロットが低い声で笑いをこらえているのが分かる。
『これがアタシの教導部隊最後の仕事になりそーだわ。とりあえずアタシが先導するから作戦時間の管理はテメーがやれ』
ヘルメットの中で頬を膨らませるランを笑いながらアメリアはうなづいた。
「時計合わせは一時間後で。進入経路は……予定通りカルデラ山脈の始まるベルギ共和国の北端のキーラク湾から」
なんとか着替えを済ませて飛び出してきたパーラがあわただしくキーボードを叩く。カウラはその姿を確認した後、誠とかなめに向かって歩いてくる。
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