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第11章 奇妙な休日
隠れ家
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「じゃあ……って、ここのUFOキャッチャーは商品がちょっとせこいのよね。それじゃあ次は私のお気に入りの店を紹介するわね」
そう言うとアメリアはそのまま誠の手を引いて歩き出した。周りの羨望のまなざしに誠は思わず酔いしれれていた。上司と部下と言う関係だけならこんなことにはならない。そう思うと、誠の心臓の鼓動が早くなっていく。
ベッドタウン東都豊川市の大通り。平日と言うこともあり、ベビーカーを押す若い女性の姿が多く見られる。彼女達もアメリアを見ると、少し複雑な表情で道を開ける。
アメリアは紺色のコートの下にはデニム地のジャケットにジーパンと言う姿である。その格好は彼女らしく地味な選択だと言うのに、誠の手を引いて歩く彼女の姿は明らかにこの豊川の町には掃き溜めに鶴といったように誠には思えた。
「ここよ」
そう言ってアメリアが立ち止まったのが、古めかしい建物の喫茶店だった。誠には意外だった。アメリアとはアニメショップやおもちゃ屋にかなめとカウラを連れて一緒に来ることはよくあった。しかし、こう言う町の穴場のような喫茶店を彼女が知っていると言うのはアメリアには誠の知らない一面もあるんだと思い知らされた。自然と誠の視線は周りの嫉妬に満ちた視線を忘れてアメリアに注がれた。
「じゃあ、入りましょ」
そう言うとアメリアは重そうな喫茶店の木の扉を開いた。
中はさらに誠のアメリアのイメージを変えるものだった。年代モノの西洋風の家具が並び、セルロイド製のフランス人形がケースに入って並んでいる。
「久しぶりじゃないか、アメリアさん」
そう言って白いものが混じる髭を蓄えたマスターが二人を出迎えた。客は誠達だけ、アメリアは慣れた調子でカウンターに腰をかける。
「ブレンドでいいんだね、いつもの」
そう言うマスターにアメリアは頷いてみせる。
「良い感じのお店ですね」
マスターに差し出された水を口に含みながら誠はアメリアを見つめた。
「驚いた?私がこう言う店を知ってるってこと」
そう言いながらいつものいたずらに成功した少女のような笑顔がこぼれる。
「もしかして彼が誠君かい?」
カウンターの中で作業をしながらマスターがアメリアに話しかけた。
「そうよ。それと外でこの店をのぞき込んでいるのが同僚」
その言葉に誠は木の扉の隙間にはめ込まれたガラスの間に目をやった。そこには中をのぞき込んでいるかなめとカウラの姿があった。
目が合った二人が頭を掻きながら扉を開く。だがそれだけではなかった。
「いつから気づいてた」
かなめはそう言いながらスタジアムジャンパーの袖で額を拭った。
「やっぱ気づくよな……私の髪が目立ったせいか?」
「違うわよ、物騒なの持ち歩いてる誰かさんの態度がデカいから」
「誰の態度がデカいんだよ」
かなめが反射的にそう叫んだ。隣には子供服を着ているランが肩で風を切って入ってくるなり誠の隣に座った。あまりに自然なランの動きに呆然と見守るしかなかったかなめとカウラだが、ようやく誠の隣の席を奪われたことに気づいて、仕方がないというようにお誕生日席に座る。
「ずいぶん友達がいるんだね。大歓迎だよ」
そう言いながらマスターは水の入ったコップを配った。
「パフェ無いんだな」
メニューを見ながらカウラは落ち込んだようにうなだれた。
「お嬢さんは甘いのが好きなんだね。まあ、うちはコーヒーとケーキだけの店だから」
淡々とマスタは優しい口調で話す。彼はそのまま手元のカップにアメリアと誠のコーヒーを注いだ。
「日本茶もねーんだな」
そう言いながらランが顔をしかめる。アメリアはにんまりと笑顔を浮かべながらランを見つめている。
「なんだよ!アタシの顔になんか付いてんのか?」
「ああ、鬼の教導官殿は好みが和風のようですねえ」
誠の隣の席を奪われた腹いせにかなめがつぶやいた。すぐさまランは殺気を帯びた視線をかなめに送る。
『なんだよ、これじゃあぜんぜん気分転換に……』
そう思いながら誠はアメリアを見つめた。そこにはコーヒーの満たされたカップを満足そうに眺めているアメリアがいた。まず、何も入れずにアメリアはカップの中のコーヒーの香りを嗅いだ。
「ちょっとこの前のより香りが濃いわね」
そう言うと一口コーヒーを口に含む。
「わかるかい、できるだけ遼州の豆で味が保てるか実験してみたんだけど」
「ええ、以前よりいい感じよ」
そう言うとアメリアは手元のミルクを少しだけカップに注いだ。誠もそれに習って少しだけミルクを注ぐ。カップの中ではミルクが白い螺旋を描いた。
「じゃあアタシもアメリアと同じブレンドで」
かなめがそう言いながら隣でじっとメニューとにらめっこしているカウラを見つめる。
「私もおなじでいい」
そんなカウラの言葉が落ち着いた室内に響いた。
「じゃあ、アタシもそれで」
諦めたようにランがそう言った。
「わかりました」
そう言うとマスターは忙しげに手元のカップを並べていく。
「いつから気づいていた?」
かなめがそう言ったので誠は少し驚いていた。考えてみればおせっかいを絵にかいて好奇心で塗り固めたような彼等がついてこないわけは無いことは誠にも理解できた。司法局とはそう言うところだと学習するには四ヶ月と言う時間は十分だった。愛想笑いを浮かべるかなめ達を誠は眺める。配属以降、誠が気づいたことと言えば司法局の面々は基本的にはお人よしだと言うことだった。
アメリアが悩んでいると聞けば気になる。ついている誠が頼りにならないとなれば仕事を誰かに押し付けてでもついてくる。
「まあ……どうせパーラの車に探知機でもつけてるんじゃないですか?」
そう言ってアメリアは珍しそうに室内を見回すランに声をかけた。
「まーな。でも実際は西園寺がアホだから見つかったんだろ?」
ランはそう言ってかなめを指差した。
「まあ、そうですね。あの二人がいつ突っかかってくるかと楽しみにしてましたから」
余裕の笑みと色気のある流し目をアメリアは送る。かなめもカウラもそんなアメリアにただ頭を掻きながら照れるしかなかった。
「話はまとまったのかな?」
そう言うとにこやかに笑うマスターがランの前にコーヒーの入ったカップを置いた。
「香りは好きなんだよな。アタシも」
そう言うとランはカップに鼻を近づける。
「良い香りだな」
カウラはそう言って満面の笑みでかなめを見つめた。
「まあな」
そう言うとかなめはブラックのままコーヒーを飲み始めた。
「少しは味と香りを楽しみなさいよ」
アメリアは静かに目の前に漂う湯気を軽くあおって香りを引き寄せる。隣のカウラはミルクを注ぎ、グラニュー糖を軽く一匙コーヒーに注いでカップをかき回していた。
恐る恐るランは口にコーヒーを含む。次の瞬間その表情が柔らかくなった。
「うめー!」
その一言にマスターの表情が緩む。
「中佐殿は飲まず嫌いをしていたんですね」
そう言って面白そうにアメリアはランの顔を覗き込む。
「別にいいだろうが!」
そう言いながら静かにコーヒーを飲むランにマスターは気がついたというように手元からケーキを取り出した。
「サービスですよ」
そう言ってマスターは笑う。
「これはすいませんねえ。良いんですか?」
「ええ、うちのコーヒーを気に入ってくれたんですから」
そう言って笑うマスターにランは、受け取ったケーキに早速取り掛かった。
「なんだ、ケーキもあるじゃん」
そう言いながらかなめはケーキのメニューを見回し始めた。
「それにしてもアメリアさん。本当に軍人さんだったんですね」
「軍籍はあるけど、身分としては司法機関要員ね……あの司法局実働部隊の隊員ですから」
「そーだな。一応、司法執行機関扱いだからな……つまり警察官?」
そう言いながらケーキと格闘するランはやはり見た通りの8歳前後の少女に見えた。
「チョコケーキ……にするかな」
「そうか……私はマロンで」
かなめとカウラの注文にマスターは相好を崩す。
「何しに来たんだよ、オメエ等」
誠は苦笑いを浮かべながらアメリアを見つめた。コーヒーを飲みながら、動かした視線の中に誠を見つけたアメリアはにこりと笑った。その姿に思わず誠は目をそらして、言い訳をするように自分のカップの中のコーヒーを口に注ぎ込んだ。
そう言うとアメリアはそのまま誠の手を引いて歩き出した。周りの羨望のまなざしに誠は思わず酔いしれれていた。上司と部下と言う関係だけならこんなことにはならない。そう思うと、誠の心臓の鼓動が早くなっていく。
ベッドタウン東都豊川市の大通り。平日と言うこともあり、ベビーカーを押す若い女性の姿が多く見られる。彼女達もアメリアを見ると、少し複雑な表情で道を開ける。
アメリアは紺色のコートの下にはデニム地のジャケットにジーパンと言う姿である。その格好は彼女らしく地味な選択だと言うのに、誠の手を引いて歩く彼女の姿は明らかにこの豊川の町には掃き溜めに鶴といったように誠には思えた。
「ここよ」
そう言ってアメリアが立ち止まったのが、古めかしい建物の喫茶店だった。誠には意外だった。アメリアとはアニメショップやおもちゃ屋にかなめとカウラを連れて一緒に来ることはよくあった。しかし、こう言う町の穴場のような喫茶店を彼女が知っていると言うのはアメリアには誠の知らない一面もあるんだと思い知らされた。自然と誠の視線は周りの嫉妬に満ちた視線を忘れてアメリアに注がれた。
「じゃあ、入りましょ」
そう言うとアメリアは重そうな喫茶店の木の扉を開いた。
中はさらに誠のアメリアのイメージを変えるものだった。年代モノの西洋風の家具が並び、セルロイド製のフランス人形がケースに入って並んでいる。
「久しぶりじゃないか、アメリアさん」
そう言って白いものが混じる髭を蓄えたマスターが二人を出迎えた。客は誠達だけ、アメリアは慣れた調子でカウンターに腰をかける。
「ブレンドでいいんだね、いつもの」
そう言うマスターにアメリアは頷いてみせる。
「良い感じのお店ですね」
マスターに差し出された水を口に含みながら誠はアメリアを見つめた。
「驚いた?私がこう言う店を知ってるってこと」
そう言いながらいつものいたずらに成功した少女のような笑顔がこぼれる。
「もしかして彼が誠君かい?」
カウンターの中で作業をしながらマスターがアメリアに話しかけた。
「そうよ。それと外でこの店をのぞき込んでいるのが同僚」
その言葉に誠は木の扉の隙間にはめ込まれたガラスの間に目をやった。そこには中をのぞき込んでいるかなめとカウラの姿があった。
目が合った二人が頭を掻きながら扉を開く。だがそれだけではなかった。
「いつから気づいてた」
かなめはそう言いながらスタジアムジャンパーの袖で額を拭った。
「やっぱ気づくよな……私の髪が目立ったせいか?」
「違うわよ、物騒なの持ち歩いてる誰かさんの態度がデカいから」
「誰の態度がデカいんだよ」
かなめが反射的にそう叫んだ。隣には子供服を着ているランが肩で風を切って入ってくるなり誠の隣に座った。あまりに自然なランの動きに呆然と見守るしかなかったかなめとカウラだが、ようやく誠の隣の席を奪われたことに気づいて、仕方がないというようにお誕生日席に座る。
「ずいぶん友達がいるんだね。大歓迎だよ」
そう言いながらマスターは水の入ったコップを配った。
「パフェ無いんだな」
メニューを見ながらカウラは落ち込んだようにうなだれた。
「お嬢さんは甘いのが好きなんだね。まあ、うちはコーヒーとケーキだけの店だから」
淡々とマスタは優しい口調で話す。彼はそのまま手元のカップにアメリアと誠のコーヒーを注いだ。
「日本茶もねーんだな」
そう言いながらランが顔をしかめる。アメリアはにんまりと笑顔を浮かべながらランを見つめている。
「なんだよ!アタシの顔になんか付いてんのか?」
「ああ、鬼の教導官殿は好みが和風のようですねえ」
誠の隣の席を奪われた腹いせにかなめがつぶやいた。すぐさまランは殺気を帯びた視線をかなめに送る。
『なんだよ、これじゃあぜんぜん気分転換に……』
そう思いながら誠はアメリアを見つめた。そこにはコーヒーの満たされたカップを満足そうに眺めているアメリアがいた。まず、何も入れずにアメリアはカップの中のコーヒーの香りを嗅いだ。
「ちょっとこの前のより香りが濃いわね」
そう言うと一口コーヒーを口に含む。
「わかるかい、できるだけ遼州の豆で味が保てるか実験してみたんだけど」
「ええ、以前よりいい感じよ」
そう言うとアメリアは手元のミルクを少しだけカップに注いだ。誠もそれに習って少しだけミルクを注ぐ。カップの中ではミルクが白い螺旋を描いた。
「じゃあアタシもアメリアと同じブレンドで」
かなめがそう言いながら隣でじっとメニューとにらめっこしているカウラを見つめる。
「私もおなじでいい」
そんなカウラの言葉が落ち着いた室内に響いた。
「じゃあ、アタシもそれで」
諦めたようにランがそう言った。
「わかりました」
そう言うとマスターは忙しげに手元のカップを並べていく。
「いつから気づいていた?」
かなめがそう言ったので誠は少し驚いていた。考えてみればおせっかいを絵にかいて好奇心で塗り固めたような彼等がついてこないわけは無いことは誠にも理解できた。司法局とはそう言うところだと学習するには四ヶ月と言う時間は十分だった。愛想笑いを浮かべるかなめ達を誠は眺める。配属以降、誠が気づいたことと言えば司法局の面々は基本的にはお人よしだと言うことだった。
アメリアが悩んでいると聞けば気になる。ついている誠が頼りにならないとなれば仕事を誰かに押し付けてでもついてくる。
「まあ……どうせパーラの車に探知機でもつけてるんじゃないですか?」
そう言ってアメリアは珍しそうに室内を見回すランに声をかけた。
「まーな。でも実際は西園寺がアホだから見つかったんだろ?」
ランはそう言ってかなめを指差した。
「まあ、そうですね。あの二人がいつ突っかかってくるかと楽しみにしてましたから」
余裕の笑みと色気のある流し目をアメリアは送る。かなめもカウラもそんなアメリアにただ頭を掻きながら照れるしかなかった。
「話はまとまったのかな?」
そう言うとにこやかに笑うマスターがランの前にコーヒーの入ったカップを置いた。
「香りは好きなんだよな。アタシも」
そう言うとランはカップに鼻を近づける。
「良い香りだな」
カウラはそう言って満面の笑みでかなめを見つめた。
「まあな」
そう言うとかなめはブラックのままコーヒーを飲み始めた。
「少しは味と香りを楽しみなさいよ」
アメリアは静かに目の前に漂う湯気を軽くあおって香りを引き寄せる。隣のカウラはミルクを注ぎ、グラニュー糖を軽く一匙コーヒーに注いでカップをかき回していた。
恐る恐るランは口にコーヒーを含む。次の瞬間その表情が柔らかくなった。
「うめー!」
その一言にマスターの表情が緩む。
「中佐殿は飲まず嫌いをしていたんですね」
そう言って面白そうにアメリアはランの顔を覗き込む。
「別にいいだろうが!」
そう言いながら静かにコーヒーを飲むランにマスターは気がついたというように手元からケーキを取り出した。
「サービスですよ」
そう言ってマスターは笑う。
「これはすいませんねえ。良いんですか?」
「ええ、うちのコーヒーを気に入ってくれたんですから」
そう言って笑うマスターにランは、受け取ったケーキに早速取り掛かった。
「なんだ、ケーキもあるじゃん」
そう言いながらかなめはケーキのメニューを見回し始めた。
「それにしてもアメリアさん。本当に軍人さんだったんですね」
「軍籍はあるけど、身分としては司法機関要員ね……あの司法局実働部隊の隊員ですから」
「そーだな。一応、司法執行機関扱いだからな……つまり警察官?」
そう言いながらケーキと格闘するランはやはり見た通りの8歳前後の少女に見えた。
「チョコケーキ……にするかな」
「そうか……私はマロンで」
かなめとカウラの注文にマスターは相好を崩す。
「何しに来たんだよ、オメエ等」
誠は苦笑いを浮かべながらアメリアを見つめた。コーヒーを飲みながら、動かした視線の中に誠を見つけたアメリアはにこりと笑った。その姿に思わず誠は目をそらして、言い訳をするように自分のカップの中のコーヒーを口に注ぎ込んだ。
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