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第10章 引っ越し準備
夏の風物詩
しおりを挟む「そういえば、アオイくん、イヤーカフしかつけてないみたいだったけど、潜入後の映像って見れたりするの?さっきは普通に、スマホで中継してたけど」
スムージーをおいしくいただきながら、ハヤミに疑問をぶつける。
「この前は、ニシジマがお前を襲おうとするかもしれなかったから、正面から鮮明な動画が撮れるようにヘアピンも仕込んだけど、イヤーカフにもカメラ機能あるから大丈夫だ」
「へぇえ…イヤーカフにも撮影機能が…」
と納得しかけて、
「ちょっと!そんなこと、聞いてない!」
レナは、思わず真っ赤になって立ち上がる。
そんなレナを冷めた目で見つめながら、
「おい、何か勘違いしてないか?別に俺たちは、お前の私生活に興味があるわけじゃないんだからさ、普通にオフにしてるよ」
そうザッと説明してから、
「お前が家に帰るときには、ちゃんとイヤーカフの機能はオフにしてあるから」
丁寧に説明し、「お前のほうでも電源はオフにできるから」と、イヤーカフの裏側に小さな突起があることを教えた。
そのとき、ハヤミの手が耳たぶや頬に触れてドキっとした。
…しかも…顔が…近い…
ぶわっと、顔中に全身の血が集結していくのがわかる。
嫌だ、どうしよう…
これ、絶対に顔、真っ赤だ…ヤバイ…
思いっきり目を閉じていると、
「おい、聞いてんのか?」
不機嫌そうなハヤミの声が聞こえて、ひとまず「あ、ありがとう」と誤魔化した。
やばい…
もう、心臓が爆発しちゃうよ。
レナは、ゆっくりと大きな深呼吸をして呼吸を整えた。
「お、アオイ、順調じゃん?」
ハヤミの声にモニターを見ると、ニシジマ、それから橋本、それから、面接官らしい男の3人が見える。
肝心のアオイの姿は、イヤーカフの死角になっているため映っていないが、3人は楽しそうな表情を浮かべていい雰囲気だ。
「それにしても、この映像、すごく鮮明だよね」
「当たり前だろ。うちで使ってる機械系の商品、全部、天才が作ってんだから」
「天才…?」
レナは聞き返したが、ハヤミはモニターを真剣な眼差しでみつめたまま、回答はなかった。
しばらくして、
「即採用だってー!」
と、ニシジマの会社から飛び出すように走り出てきたアオイが、スマホを片手に大はしゃぎ。
「お疲れ」
ハヤミがニヤリと笑い、
「今回の面接で、いろいろとわかったな」
そう言った。
「え、え?ええっ?何?何がわかったっていうの?」
レナが思わず立ち上がってがっつきながら尋ねると、
「うぜぇ、とにかく座れ」
本当にウザイという様子でレナを睨み、羊や牛を扱うような様子でイスに座らせた。
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「この前は、ニシジマがお前を襲おうとするかもしれなかったから、正面から鮮明な動画が撮れるようにヘアピンも仕込んだけど、イヤーカフにもカメラ機能あるから大丈夫だ」
「へぇえ…イヤーカフにも撮影機能が…」
と納得しかけて、
「ちょっと!そんなこと、聞いてない!」
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「おい、何か勘違いしてないか?別に俺たちは、お前の私生活に興味があるわけじゃないんだからさ、普通にオフにしてるよ」
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嫌だ、どうしよう…
これ、絶対に顔、真っ赤だ…ヤバイ…
思いっきり目を閉じていると、
「おい、聞いてんのか?」
不機嫌そうなハヤミの声が聞こえて、ひとまず「あ、ありがとう」と誤魔化した。
やばい…
もう、心臓が爆発しちゃうよ。
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肝心のアオイの姿は、イヤーカフの死角になっているため映っていないが、3人は楽しそうな表情を浮かべていい雰囲気だ。
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「当たり前だろ。うちで使ってる機械系の商品、全部、天才が作ってんだから」
「天才…?」
レナは聞き返したが、ハヤミはモニターを真剣な眼差しでみつめたまま、回答はなかった。
しばらくして、
「即採用だってー!」
と、ニシジマの会社から飛び出すように走り出てきたアオイが、スマホを片手に大はしゃぎ。
「お疲れ」
ハヤミがニヤリと笑い、
「今回の面接で、いろいろとわかったな」
そう言った。
「え、え?ええっ?何?何がわかったっていうの?」
レナが思わず立ち上がってがっつきながら尋ねると、
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本当にウザイという様子でレナを睨み、羊や牛を扱うような様子でイスに座らせた。
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