レジェンド・オブ・ダーク 遼州司法局異聞

橋本 直

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第25章 秩序の守護者

不完全な報告書

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 そして老人がブランデーグラスを紫檀したんの組細工をあしらった貴賓室の執務机に置いたのを確認して話を切り出した。

「例の報告書は読んでいただけましたでしょうか?」 

 近藤はそう一言一言確かめるように言った。

 老人の目に生気の炎のようなものを近藤は感じた。

 遼州系第五惑星系を領土とする大国『ゲルパルト帝国』の秘密警察のトップを務めた男、ルドルフ・カーン。彼は地球圏各国政府や遼北人民国の特殊警察が血眼になって探している先の大戦の『第一級戦争犯罪者』である。

 その屈強な意思は遼州外惑星の大国であり先の『第二次遼州戦争』で地球圏に反旗を翻したゲルパルトを追われた同志達を、敗戦後二十年にわたり指導している人物ならではの力を持っていた。

「ああ読ませてもらったよ」 

 それだけ言うとカーンは近藤を試すような沈黙を作り出した。

 数多くの危険分子の拷問に立ち会ったことのあるカーンにとって、聞きたいことを尋ねるより、沈黙することの方が人に真実を語らせる鍵になることをわかっていた。カーンに黙って見つめられて、近藤は額に汗がにじむのを感じていた。

 カーンは静かにブランデーグラスを眺めていた。

「ところで、君は敵に対する敬意と言うものを持っているのかね?あの報告書の内容はいい。ただ、もしそういうものが君に少しでもあったのなら、あの『身勝手な推測と予測』に裏付けられた報告書を私の目に触れさせる様なことはしなかったと思うね。」

 皮肉めいた老人の言葉に近藤は口を真一文字に結んだ。

「報告書とはすべてありのままの事実を報告するから『報告書』と呼ばれるのだよ。推論と決めつけだけで書いていいのなら、それはタブレット紙の見出し記事と同じ価値しかない。まあ君の情報網がそれどまりなら話はわかるが」 

 そのカーンの否定にまみれた言葉を聞くと、思わず近藤は額の汗を拭っていた。手にした情報の価値を過小評価されたという事実が彼の語気を激しいものとした。

「ですがカーン閣下!現状として我々が表立って我等と同志達が動ける範囲といえば……悔しい話ですがかなり限られています!その中でできる限りのことを調べ上げたつもりです!」

 近藤は机に両手を突いて叫んだ。だが、カーンは表情を一つ変えることもなく、ただ感情的になった近藤をはぐらかすように再びブランデーグラスを手にした。 

「言い訳は生産的とは言えないな。情報統制に関していえば向こうには、東都共和国の『切り札』の『公安機動部隊』と言う存在がある。まあ、君のような『金集めが得意なだけ』の軍人は見過ごしてしまうものかもしれないがね……まあ戦争に資金が必要なのは事実だが……情報はそれ以上に重要なんだ。そこのところを理解してほしいんだ」

 近藤は表情を変えることが出来なかった。あっさりと自分を『金集めが得意なだけ』と斬って捨てる老人の残酷さにおびえていた。

「嵯峨と言う男が東和共和国の『公安』を味方につけているというのは、あくまで噂ですよ。あの男が時に『時代を読み切った』ような手を打つのは偶然です!それは嵯峨と言う男が作り出した『虚像』だと私は判断しました!」

「そうか?なら、そうしておこう。それが『虚像』なら、この報告書には矛盾が無いと読める。まあ、読むまでもなく、『結論』ありきで書いてあるから、この報告書に『矛盾』が無いのは当然だな」

 そう言ってカーンは静かにグラスをテーブルに置いた。

 反論の機会をうかがっていた近藤に向けて、カーンは一度笑みを浮かべた。そして、静かに言葉を続ける。

「我々と命がけのカードゲームをしているのは『嵯峨惟基』と呼ばれる存在だ。あの男のカードは私には『だいたい』分かっている。ならばこちらも手持ちの札を数えなおして、次に切るカードを選択する。カードゲームの基本だよ……そして情報収集もまた然りだ」

 そう言うカーンの顔には厳しい表情が浮かんだ。

「君のような『まともな軍人』は知らないだろうし、興味もない話かもしれないが、あの男はかつて『軍治安機関』にいたと言う『噂』がある。まあ、あの大戦時の記録が『まるっきり残っていない』あの男のことだから、『治安機関』や『諜報機関』の過去があったとしても不思議はないのだがね……」

 近藤は嵯峨が『甲武国四大公家当主』の『殿上貴族でんじょうきぞく』であるがゆえに戦争を避けていたと思い込んでいた。嵯峨の消えていた経歴について、カーンがすでに知っていることを確認して静かに黙り込んだ。

「相手が東都共和国の公安当局の電子戦のプロと手を結んでいるのなら、多少の出費はあっても、直接『足』で情報を稼ぐようなことも考えたらどうかね。君の独自に集めた資金はそれには十分耐えうると思うんだが……政治工作だけが資金の使い道では無いよ」

 そういうとカーンは再びグラスを手に取りブランデーに口をつけた。近藤はカーンのはぐらかすような調子にいつもと同じ苛立ちを感じていた。

 近藤は自分が今の甲武軍の主流からは外れた立場にあることは十分承知していた。多くの『士族』出身の代々続く軍人一族に生まれた近藤にとっては、『軍の民主化』と言う今の甲武の風潮は見過ごしがたいものだった。

 現在、甲武国政権の中枢にある西園寺義基首相は、軍縮を視野に入れた宥和的政策での同盟機構内部での発言権拡大を目指すことを選択していた。甲武の一方的な軍縮を敗北主義と考える近藤と同志達は、西園寺内閣による軍の特権剥奪に危機感を抱いていた。

 彼らは軍内部でも孤立していく中で、自分達こそが国家の尊厳すらも安易に投げ捨てかねない西園寺義基の『現実主義政策』に異を唱えるべく集まった救国の士だと自負していた。

 西園寺内閣の矢継ぎ早の同盟宥和政策が国を大きく変えつつある今が、それを打倒する最後のチャンスである。その信念が近藤を『危険人物』ルドルフ・カーンとの接触を取らせることとなった。

 ゲルパルトの『民族秩序の再興』を掲げる『ゲルパルト帝国民族団結党』の残党として国を追われてもその理想を推し進める『闘士』ルドルフ・カーン。そんな彼が近藤に依頼したのは、『売国奴』である西園寺義基の義弟、嵯峨惟基の率いる『特殊な部隊』の調査だった。

 特に嵯峨が極めて手に込んだ方法で入隊させた若者、『神前誠』が何者だろうが近藤には関心の無い話だった。そしてそこに注目するカーンの意図も図りかねていた。

 近藤はようやくそんなあふれ出してくる怒りを主とする感情の整理をつけると、言葉を選びながら話を続けた。

「やはり、この報告書に不手際があったとは到底思えません!金で魂を売る『ハッカー共』が情報改ざんを行っていないことは裏が取れています。ですので……」

「ちがう!ちがう!」

 そんな近藤の言葉にカーンは初めて明らかな不快感の色を帯びた叫びを漏らした。交響曲が終わり、再びブランデーグラスに口をつけた後、近藤を見る青い瞳には侮蔑の色がにじんでいるのがわかり、近藤は思わず口を閉ざした。

「君は本当に海軍大学校を卒業したのかね?あの青年は地球の堕落した連中が注目する存在なんだ。それだけは間違いないんだ。無視できるかね?この不愉快極まりない事実を!なのに君はなぜこのような『見るに堪えない報告書』を私に提出したのか聞いているんだよ!私は!」

「それは……あり得ません。遼州人に地球人にない力がある……他愛のないおとぎ話です」

近藤はそう一言で斬って捨てる。

「そういうことならそうだとしておこう。確かにそのような力が科学的に解明されていないのは事実だからね。しかし、その力が意図的に……多くの『敵』達によって隠されていると考えたら……どうだね?分かりやすく言えば『公然の秘密』として」

 再びグラスをテーブルに置くとカーンは椅子に座りなおし、氷のような青い瞳で近藤をにらみつけて静かに語り始めた。

「確かに今度あの『特殊な部隊』に入った神前誠少尉候補生。彼の出自に不自然なことは書類上無い。あえて言えばとてつもなく『乗り物酔い』がひどいことぐらいだ。だが、そもそもこんなに不自然なことが無い人物をなぜ嵯峨君が選んだのか?そう考えてみたことは無いのかね?嵯峨惟基。甲武国陸軍大学校で卒業証書を破り捨てて、「『全権督戦隊長ぜんけんとくせんたいちょう』以外の任官を拒否する!」と大演説をぶった男だ。我々の命がけの『カードゲーム』の『本当』の相手はあの男だよ。地球圏政府でも遼州同盟でも無いんだ。少なくとも、私にはそうだと考えている」

 そう言うとカーンはグラスを手に持った。

「君は認めたくないだろうが、私の知っていることを話そう。あの男には『運』がある。そして、別の名前で同じ顔をした男が、崩壊寸前の遼大陸戦線で指揮した貧弱な装備の大隊が遼北人民軍の100倍の戦力相手に『負けなかった』と私は聞いている。私はそんな『不敗の男』興味があるね。君は興味が無いようだが、私には『興味』がある」 

 近藤は目の前で敵を誉めつつその言葉に酔いかけている老人にそう言われて言葉に詰まった。見るべきものを見落としていた。そのような老人の言葉を聞けば、老人が何を言わんとしているか、そして報告書を提出したことに関して一番欠けているものは何かを察することができた。

『この老人は私と甲武国の『官派』の同志達を『利用』している。恐らく、あの嵯峨惟基と呼ばれる存在も……ならば、我々も動いて……出方を見よう」

 近藤はそう思いながら静かに『貴賓室の闘志』に頭を下げた後、敬礼した。

 敬礼を終えて納得した顔をした近藤を見て、カーンは満足しながら話を続けた。

「敵であれ尊敬すべき人物だよ嵯峨君は。地球圏や他のどの確認された軍事勢力にも彼ほどの人材はいない。敵として当たるに対して彼ほど愉快な人物はいないよ。そんな彼が選んだ人材なんだ。敵に値する嵯峨君が選んだ人材なんだ。彼が選んだ青年が私達を失望させるような『語るに足りない凡人』では無いと考えるのが当然の帰結だろ?」 

 そう言うカーンの口元に満足げな笑みが浮かんでいるのに近藤は気付いた。

 そして、その笑みはカーンの踏み越えてきた、敵味方を問わない死体の数に裏打ちされていた。

「近藤君は……前の大戦では司令部勤務か……それでは仕方がないね。この私の『愉快な気持ち』は近藤君には理解できないだろうな」

「『愉快な気持ち』……ですか……」

 カーンの問いに近藤は口をつぐんだ。自分の『第二次遼州戦争」の開戦から敗戦までの経歴が軍の参謀部勤務だということはカーンも十分に承知しているはずだった。

「それならばこの件も含めて少しは前線の地獄と言うものを味わった方がいいのかもしれないな……君は。司令部の『楽観主義的』な空気は、人間の闘争本能をすり減らすものだ。そしてその闘争本能無しには、既存の秩序を変えることは難しい。一方、君は認めたくないようだが、嵯峨君はもし私の情報が確かなら、戦争の『裏側』で常に最前線に身を置いていた人物だ……彼なら私の高揚する気分を説明できるだろう」

 近藤にはカーンの言葉は理解できなかった。戦争には表も裏も無い。強いものが勝つ。そう思っている自分をカーンは憐れむような目で見つめている事実が近藤には許せなかった。

 それと同時に勝てるはずの戦いに敗れていく最前線の兵士達に感じた負い目と言うものも思い出して近藤はただ黙り込むしかなかった。

「戦争はね、政治なんだよ。中でも嵯峨君は特に『見えない敵』と常に渡り合う必要のある困難な仕事をしていたようだ。君にはそれを知る機会は十分にあったんだ。君は知ろうとしなかっただけ……それだけだ」

 近藤はカーンの言葉の意図を図りかねた。

「自分達、『戦争指導者』は決して『楽観主義者』などではありません!」

 ようやく近藤の発した言葉にカーンは静かに首を横に振った。

「そうかな?私から見れば君達はあまりに『楽観的』だ。私はそのことを知っている。嵯峨君も、そう思っているよ。間違いなく」

 嵯峨と言う名前を口にするたびにカーンは愉快そうに眼を細めた。

 近藤は黙ったまま静かにカーンを見つめている。その意思と寛容が混ざり合うような落ち着いた言葉とまなざし。言っていることにはそれぞれ反論はあったが、近藤はカーンと言う闘士の怖さを再確認した。

 意思と経験と洞察力。そのすべてにおいて自分はカーンの足下にも及ばないことはこの数分で改めて自覚された。

「それでは例の計画を早める必要があるのでは?表面的にはわからないことでもこちらから動いて見せれば馬脚を現すこともありますから。少なくとも読書ばかりで頭の回転の良くない『中佐殿』あたりが暴走してくれれば……いくらでも手は打てますが?それでおとぎ話に言う『法術師』とやらの実力の程がわかれば……」

 そんな近藤の言葉に、カーンは落胆したように視線を外のデブリへと移した。

「いや、それについて君が口を挟む必要は無い。下がりたまえ」

 カーンは強い口調でそう言った。その語気に押される様にして近藤は軍人らしく踵を返して部屋を出て行こうとした。

「ですが……」 

 再び口を開いたカーンの言葉を聞くべく近藤は振り返る。

「私達の組織とこの艦隊の行動は無関係であると言うことを証明できるのであれば、君達は独自に君が存在を認めない『法術師』の実力調査に動いてくれてもかまわないがね……すでにこちらは『下準備』ができているんだ。あとは君の決断次第……まあ自由にしたまえ」 

 その一言に、近藤は親が新しいおもちゃを与えられた時のような笑顔を浮かべた。

「わかりました!それでは我々は独自に行動を開始します!」

 呪縛じゅばくから解かれたというように近藤は軽快に敬礼をした。そのままはじかれたように貴賓室を後にした。

 実直に過ぎる近藤が去って部屋は沈黙に包まれた。

 カーンは再びブランデーグラスを眺めると満足げにうなづいた。

「君は君にしてはよくやったよ、近藤君。あくまで『君にしては』だがね。昔の中国のことわざに『走狗死して肉を煮らる』と言うものがある。使い終わった『猟犬』は煮て食われる運命なんだよ、どこでもね。……さて、君達『猟犬』の『肉』にありつくのは私かな?『嵯峨君』かな?」

 カーンはそう言うとブランデーグラスのそこに残った液体を凝視した。楽章が変わって始まった楽曲の盛り上がりにあわせる様にして、カーンはブランデーを飲み干した。

静かにため息をつくとカーンは手元のボタンを押した。外の景色を映し出していた窓が光を反射してモニターへと切り替わる。

 そこには冴えない表情の新兵が、いかにも恥ずかしげに映り込んでいる身分証明書の写真と横に説明書きが映し出された。

「『神前誠』……君は何者なんだね?私は君があの『特殊な部隊』の五人目の覚醒した『法術師』であるという結論にはたどり着きたくない。『秩序の守護者』を自任する私にも望まない結論くらいあるものだ。『無秩序を望む』嵯峨君と言う存在を私は許すことができないんだ。『特殊な部隊』を私は認めることができない」

 まるで孫に語り掛けるようにカーンはそうつぶやいた。手元のボタンを押すといくつもの『神前誠』の日常を写した写真が映し出される。

「まあいい。近藤君も新たな『法術師』、神前誠と言う新兵を『英雄』にする戦いの『噛ませ犬』を志願してくれたことだ。じっくりと見させてもらおう。ちゃんと『法術師対策』の時間稼ぎの『おとり』ぐらいは勤め上げてくれよ。近藤君」

 カーンはそう言って静かに目を閉じてうつむいた。
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