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第11章 お姉さん達と飲み会
脱落者⑤ 『一斗缶』
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「で、最後に来たのが『一斗缶』」
「『一斗缶』を落としたんですか!頭に!」
カウラの言葉に誠は驚きの言葉を発した。もはやここまで行くとギャグと言うよりいじめである。いきなり初配属先で一斗缶を落とされればそれはもう暴力である。
「そこを『おいしい』と思える誠ちゃんみたいな精神が無いとうちじゃあ務まらないのよ」
「アメリアさん。僕は一度も『おいしい』とは思ってないですよ」
誠はこれからも続くであろうハプニングを想像しながらアメリアに口答えをした。
「まあ、西モスレムのいい大学出て、それなりに軍での出世コースにいた奴がいきなり一斗缶をおとされたらいい気はしねえよな」
そう言いながらかなめは苦笑いを浮かべる。
「その人、何日持ちました?」
もうこのいじめを受けた諸先輩に誠に言える言葉はそれだけだった。
「まあ、こいつも一週間目に辞めるって叔父貴に言ったらしいな。午後にはタクシーで出て行ったから。でも、こいつは持つと思ったんだけどな」
「西園寺。人にはそれぞれ思う所がある。ことあるごとに銃を突き付けて脅したのは誰だ?」
「誰だったっけ……」
かなめとカウラの漫才を見ながら誠は苦笑いを浮かべつつアメリアに目を向けた。
「まあ、イスラム教徒だったから、この子アルコールがNGなのよ。それを知ってて島田とかが飲みに誘うもんだから……うちの飲み会の醜態をしらふで見せられ続けたわけ」
「それ、辛そうですね」
今の飲み会はまだましだろうということは島田のハイテンションを若干理解している誠には察することができた。
「結局この人も」
「一週間で『はい、さようなら』。で、誠ちゃんは晴れて正パイロットの席を確保したと」
「別に確保したいわけじゃないですけど」
アメリアのまとめに誠は少しばかり違和感を感じながらそう答えるしかなかった。
「『一斗缶』を落としたんですか!頭に!」
カウラの言葉に誠は驚きの言葉を発した。もはやここまで行くとギャグと言うよりいじめである。いきなり初配属先で一斗缶を落とされればそれはもう暴力である。
「そこを『おいしい』と思える誠ちゃんみたいな精神が無いとうちじゃあ務まらないのよ」
「アメリアさん。僕は一度も『おいしい』とは思ってないですよ」
誠はこれからも続くであろうハプニングを想像しながらアメリアに口答えをした。
「まあ、西モスレムのいい大学出て、それなりに軍での出世コースにいた奴がいきなり一斗缶をおとされたらいい気はしねえよな」
そう言いながらかなめは苦笑いを浮かべる。
「その人、何日持ちました?」
もうこのいじめを受けた諸先輩に誠に言える言葉はそれだけだった。
「まあ、こいつも一週間目に辞めるって叔父貴に言ったらしいな。午後にはタクシーで出て行ったから。でも、こいつは持つと思ったんだけどな」
「西園寺。人にはそれぞれ思う所がある。ことあるごとに銃を突き付けて脅したのは誰だ?」
「誰だったっけ……」
かなめとカウラの漫才を見ながら誠は苦笑いを浮かべつつアメリアに目を向けた。
「まあ、イスラム教徒だったから、この子アルコールがNGなのよ。それを知ってて島田とかが飲みに誘うもんだから……うちの飲み会の醜態をしらふで見せられ続けたわけ」
「それ、辛そうですね」
今の飲み会はまだましだろうということは島田のハイテンションを若干理解している誠には察することができた。
「結局この人も」
「一週間で『はい、さようなら』。で、誠ちゃんは晴れて正パイロットの席を確保したと」
「別に確保したいわけじゃないですけど」
アメリアのまとめに誠は少しばかり違和感を感じながらそう答えるしかなかった。
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