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第11章 お姉さん達と飲み会
脱落者④ 『水鉄砲』
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「次の奴が『水鉄砲』……アイツは嫌な奴だったな」
ラム酒を飲みながらかなめは一刀両断に誠の先任者を斬り捨てた。
「嫌な奴って……」
何とかフォローを入れないとあとでひどい目に逢いそうな予感がして誠はそう言って見せた。
「そう?自分の立ち位置は分かってなかったけど『バケツ』よりはマシよ。いい男ギャグは私は認めないから」
個人的な好き嫌いを前面に出してアメリアはそう言った。
「二人とも腕は確かだぞ」
「腕なんて代わりはいくらでもいんだよ!アタシはこいつは嫌いだった!」
カウラの言葉に今度はかなめが嫌悪感をあらわにした。
「どこ出身なんです?」
誠の向けた言葉にかなめはグラスを手にしたままそっぽを向く。
「遼北人民国。軍大学出のエリートパイロットよ。かなめちゃんも甲武国の陸軍士官学校出のエリートじゃない」
「アタシは士官学校時代の野郎にはいい思い出無いからな。まあ、エリートはうちの水は合わねえだろ?ランの姐御もエリート嫌いだし」
アメリアの問いにかなめは全責任をちっちゃな機動部隊長のランに押し付けた。
「しかし、射撃の素養は高かったろ?」
「まあ『生身では』の限定がつくがな」
それとなく言ったカウラの言葉をかなめはあっさり覆してみせる。
「まあ、上からの指示で来たってのは見ればわかったけどね」
アメリアはビールを飲みながらそう言って笑って見せた。
「その人も一週間持たなかったんですか?」
誠が水を向けると三人は静かにうなづいた。
「まあ、隊長が一週間様子を見ろっていったから一週間居ただけって感じよね」
「あっさりしてたなあいつ。遼北の中華料理は脂っこいのに」
「それが組織に生きるということだ……気に入らなくても上の指示には従わなければならない」
アメリア、かなめ、カウラの順の答えに誠は少し自分の置かれた状況がそれなりにヤバいモノだと察しながら静かにビールを口にした。
ラム酒を飲みながらかなめは一刀両断に誠の先任者を斬り捨てた。
「嫌な奴って……」
何とかフォローを入れないとあとでひどい目に逢いそうな予感がして誠はそう言って見せた。
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個人的な好き嫌いを前面に出してアメリアはそう言った。
「二人とも腕は確かだぞ」
「腕なんて代わりはいくらでもいんだよ!アタシはこいつは嫌いだった!」
カウラの言葉に今度はかなめが嫌悪感をあらわにした。
「どこ出身なんです?」
誠の向けた言葉にかなめはグラスを手にしたままそっぽを向く。
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「アタシは士官学校時代の野郎にはいい思い出無いからな。まあ、エリートはうちの水は合わねえだろ?ランの姐御もエリート嫌いだし」
アメリアの問いにかなめは全責任をちっちゃな機動部隊長のランに押し付けた。
「しかし、射撃の素養は高かったろ?」
「まあ『生身では』の限定がつくがな」
それとなく言ったカウラの言葉をかなめはあっさり覆してみせる。
「まあ、上からの指示で来たってのは見ればわかったけどね」
アメリアはビールを飲みながらそう言って笑って見せた。
「その人も一週間持たなかったんですか?」
誠が水を向けると三人は静かにうなづいた。
「まあ、隊長が一週間様子を見ろっていったから一週間居ただけって感じよね」
「あっさりしてたなあいつ。遼北の中華料理は脂っこいのに」
「それが組織に生きるということだ……気に入らなくても上の指示には従わなければならない」
アメリア、かなめ、カウラの順の答えに誠は少し自分の置かれた状況がそれなりにヤバいモノだと察しながら静かにビールを口にした。
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