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第48章 猛将
乱戦
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「距離をとれ!」
明石が叫ぶのと同時に目の前でレールガンの弾丸が真空で炸裂する。
『チャ……フ……』
部下との通信が途絶える。強烈な指向性ECMが一瞬明石の操る三式のモニターの乱れを誘う。
「格闘戦に持ち込む気か?」
次の瞬間には今度はミサイルが前面の空間で炸裂。レーダーがすぐに機能停止をする。明石はそれでも突入をやめなかった。
『今回は死ぬ気は無い……やけど死んでいった仲間の面子もあるからのう』
自分の額に汗が浮かんでいるのが実感できる。そのまま明石の機体は一気にばら撒かれたチャフの雲を抜けた。
すぐさま飛び込んできたのが赤いムカデのエンブレムと檜扇のレーザード・フラッグ。そしてサーベルが明石の機体の目前を掠めた。
「やられた!」
明石が叫んだのも無理は無かった。五機のムカデのエンブレムの三式に明石は取り囲まれていた。
「偽者か……でも位置が悪いな」
完全に包囲しているだけに火器が使えない敵に明石はレールガンでまず正面の三式に照準を合わせる。
『隊長!』
「来んでええ!罠や」
チャフの雲を避けて左翼に動いた部下の機体が一刀両断された。
「安東はん!」
部下の死を目の当たりにしてついレールガンの照準が外れて安東貴下のムカデの五式を大きく外れてレールガンの弾丸が通り過ぎるのが見えた。
『タコ!熱くなるな!』
魚住の声がヘルメットの中に響き渡って明石は冷静さを取り戻した。包囲している敵部隊をもう一度にらみつけてみる。どれも明らかに連携がおかしいことにすぐに気づいた。
「促成栽培に喰われたる訳にはいかんのう!」
すぐに初弾を外した敵に照準してトリガーを引く。まるで吸い込まれるようにコックピットに着弾したレールガンの弾道を確認するとすぐさまその後ろから現れた敵にも照準を絞る。
『俺ももらうぞ!』
今度は黒田の叫び。狙いをつけていたムカデのエンブレムの敵機に上方から連射が注がれすぐに敵機は大破していった。
「人の獲物を横取りすんなや!」
すぐさまサーベルで明石のもう一人の部下の三式の右手を切り落としていた敵のコックピットにレールガンを撃ちこむ。
『隊長!殺す気ですか!』
「ええやん、ワレはちゃんと生きとるぞ」
にんまりと笑う明石だがすぐに意識は先ほどちらりと見えたやけに動きの良い五式に向いていた。
『胡州一の侍。喰ったるで』
ようやく回復したレーダーを見て戦闘がかなりの乱戦になっていることがすぐに分かった。そして二機のすばやい動きの機体があることがすぐに見て取れた。
「別所がおいしいところを喰う気か?ええ度胸や」
そう叫ぶとすぐさま直線距離で一番近い敵の首をサーベルで落としてそのままアポジモーターに火を入れた。
明石が叫ぶのと同時に目の前でレールガンの弾丸が真空で炸裂する。
『チャ……フ……』
部下との通信が途絶える。強烈な指向性ECMが一瞬明石の操る三式のモニターの乱れを誘う。
「格闘戦に持ち込む気か?」
次の瞬間には今度はミサイルが前面の空間で炸裂。レーダーがすぐに機能停止をする。明石はそれでも突入をやめなかった。
『今回は死ぬ気は無い……やけど死んでいった仲間の面子もあるからのう』
自分の額に汗が浮かんでいるのが実感できる。そのまま明石の機体は一気にばら撒かれたチャフの雲を抜けた。
すぐさま飛び込んできたのが赤いムカデのエンブレムと檜扇のレーザード・フラッグ。そしてサーベルが明石の機体の目前を掠めた。
「やられた!」
明石が叫んだのも無理は無かった。五機のムカデのエンブレムの三式に明石は取り囲まれていた。
「偽者か……でも位置が悪いな」
完全に包囲しているだけに火器が使えない敵に明石はレールガンでまず正面の三式に照準を合わせる。
『隊長!』
「来んでええ!罠や」
チャフの雲を避けて左翼に動いた部下の機体が一刀両断された。
「安東はん!」
部下の死を目の当たりにしてついレールガンの照準が外れて安東貴下のムカデの五式を大きく外れてレールガンの弾丸が通り過ぎるのが見えた。
『タコ!熱くなるな!』
魚住の声がヘルメットの中に響き渡って明石は冷静さを取り戻した。包囲している敵部隊をもう一度にらみつけてみる。どれも明らかに連携がおかしいことにすぐに気づいた。
「促成栽培に喰われたる訳にはいかんのう!」
すぐに初弾を外した敵に照準してトリガーを引く。まるで吸い込まれるようにコックピットに着弾したレールガンの弾道を確認するとすぐさまその後ろから現れた敵にも照準を絞る。
『俺ももらうぞ!』
今度は黒田の叫び。狙いをつけていたムカデのエンブレムの敵機に上方から連射が注がれすぐに敵機は大破していった。
「人の獲物を横取りすんなや!」
すぐさまサーベルで明石のもう一人の部下の三式の右手を切り落としていた敵のコックピットにレールガンを撃ちこむ。
『隊長!殺す気ですか!』
「ええやん、ワレはちゃんと生きとるぞ」
にんまりと笑う明石だがすぐに意識は先ほどちらりと見えたやけに動きの良い五式に向いていた。
『胡州一の侍。喰ったるで』
ようやく回復したレーダーを見て戦闘がかなりの乱戦になっていることがすぐに分かった。そして二機のすばやい動きの機体があることがすぐに見て取れた。
「別所がおいしいところを喰う気か?ええ度胸や」
そう叫ぶとすぐさま直線距離で一番近い敵の首をサーベルで落としてそのままアポジモーターに火を入れた。
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