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第26章 会戦
降臨した『神』
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『マーチか……実に良い。偉大なる『始まりの騎士』の騎行。その先ぶれに似合う良い曲じゃ……ワシの唯一の臣下吉田よ。良い仕事をしたな……褒めてとらす……実に……良いぞ……』
聞きなれない尊大な言葉に誠達は耳を疑った。
『ありがたきお言葉!臣下として、騎士様唯一の従者として……身に余る光栄にございます!』
いつもはひねくれている吉田の素直な口調がさらに誠達の心を揺さぶった。
『教えてやろう……』
シャムの機体から放たれた通信の音声はシャムのものだった。いつもの間の抜けた調子と違う厳かなその口調が気になって、誠はモニターを操作し、シャムの顔を投影させる。
画像の中、ヘルメットの下に映っているのは確かにシャムだった。ただいつもの可愛らしい幼い表情はそこには無い。厳しい、冷淡な厳かな雰囲気がそこにはあった。
『シャムちゃん……何言ってるの?』
『ふん!不遜だぞ……サラよ……』
まるでいつもの親しみやすさのかけらもない冷酷なシャムの言葉が響いた。
『教えてやろう……ワシのこと……しっかりと教えてやろう……ふふふふふ……』
不気味な、人の理解を許さないような微笑みがシャムから漏れる。
『50万年前、貴様ら一時の時を生きる力なき地球人達が言うところの古代遼州文明は滅んだ。奴等は触れてはならぬもの……に触れた。知ってはならぬものを……を知った。作ってはならぬもの……を作った。それゆえに滅んだ。まあ、当然だな。自然の摂理に背いたのだから。単なる自滅じゃ……同情するには値せん……』
冷酷にそう言い放つシャムの口元は笑っていた。
『だから……シャムちゃん……』
あまりに理解できない言葉を連ねるシャムに、ブリッジの管制官の椅子に座るサラは震えながらそう言った。
『だから、サラよ。聞け……奴等は愚かにも『神』を作ろうとした……すべてを超えこの宇宙のすべてを手に入れる力を欲したのじゃ……そんなもの……望むべきではないし、望んではならぬことじゃ。だが、奴等はそれを理解しなかった。愚かにも奴等はそれを望み、それにまつわる知識を得、そして作ってしまった。まあ、過ぎたこと……仕方のないことじゃ……それ自体には何も言う事は無い』
たしなめるような、いつもと明らかに違うシャムの口調。
「もしかして……それってシャムさんのことですか?」
そんな言葉が自然と誠の口をついて出た。画面の中のシャムの目が一瞬静かに閉じられる。その表情は静かな笑みを作り出していた。
『神前誠よ。貴様はなかなか察しがよいぞ。そうじゃ。ワシがそのかつて50万年前に栄えた、先遼州文明が生み出そうとした『神』。そして、その愚かな陽炎のような限られた命しか持たぬか弱き人間が生み出した超兵器……『始まりの騎士』じゃ」
シャムの口元は笑っているが、その目はどこか悲しげだった。
聞きなれない尊大な言葉に誠達は耳を疑った。
『ありがたきお言葉!臣下として、騎士様唯一の従者として……身に余る光栄にございます!』
いつもはひねくれている吉田の素直な口調がさらに誠達の心を揺さぶった。
『教えてやろう……』
シャムの機体から放たれた通信の音声はシャムのものだった。いつもの間の抜けた調子と違う厳かなその口調が気になって、誠はモニターを操作し、シャムの顔を投影させる。
画像の中、ヘルメットの下に映っているのは確かにシャムだった。ただいつもの可愛らしい幼い表情はそこには無い。厳しい、冷淡な厳かな雰囲気がそこにはあった。
『シャムちゃん……何言ってるの?』
『ふん!不遜だぞ……サラよ……』
まるでいつもの親しみやすさのかけらもない冷酷なシャムの言葉が響いた。
『教えてやろう……ワシのこと……しっかりと教えてやろう……ふふふふふ……』
不気味な、人の理解を許さないような微笑みがシャムから漏れる。
『50万年前、貴様ら一時の時を生きる力なき地球人達が言うところの古代遼州文明は滅んだ。奴等は触れてはならぬもの……に触れた。知ってはならぬものを……を知った。作ってはならぬもの……を作った。それゆえに滅んだ。まあ、当然だな。自然の摂理に背いたのだから。単なる自滅じゃ……同情するには値せん……』
冷酷にそう言い放つシャムの口元は笑っていた。
『だから……シャムちゃん……』
あまりに理解できない言葉を連ねるシャムに、ブリッジの管制官の椅子に座るサラは震えながらそう言った。
『だから、サラよ。聞け……奴等は愚かにも『神』を作ろうとした……すべてを超えこの宇宙のすべてを手に入れる力を欲したのじゃ……そんなもの……望むべきではないし、望んではならぬことじゃ。だが、奴等はそれを理解しなかった。愚かにも奴等はそれを望み、それにまつわる知識を得、そして作ってしまった。まあ、過ぎたこと……仕方のないことじゃ……それ自体には何も言う事は無い』
たしなめるような、いつもと明らかに違うシャムの口調。
「もしかして……それってシャムさんのことですか?」
そんな言葉が自然と誠の口をついて出た。画面の中のシャムの目が一瞬静かに閉じられる。その表情は静かな笑みを作り出していた。
『神前誠よ。貴様はなかなか察しがよいぞ。そうじゃ。ワシがそのかつて50万年前に栄えた、先遼州文明が生み出そうとした『神』。そして、その愚かな陽炎のような限られた命しか持たぬか弱き人間が生み出した超兵器……『始まりの騎士』じゃ」
シャムの口元は笑っているが、その目はどこか悲しげだった。
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