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第26章 会戦
始まりの予感
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エネルギーの渦が押し寄せる!
「終わりだ!」
そう叫んで誠は最後の抵抗として干渉空間に力のすべてを注ぎ込んだ。
『諦めるのはまだだぜ……』
突然それまで沈黙していたシャムのクローム・ナイトから全機に通信が送られた。同時にエネルギーの渦は突然途切れ、宇宙は何事もない沈黙に包まれた。
『……インパルス・カノンのエネルギーパルスが消えた?……しかしなぜ……』
カウラはそう言って前を見つめた。射線上、宇宙空間は空間はまるで何事も無かったかのように沈黙している。
『え?何が起きたの?誠ちゃん……何かした?』
管制官の通信としてサラが連絡をよこす。
「何もしてませんよ!僕は!」
叫ぶ誠。
『そうだぜ、神前はなにもしてねえ……なあ!ランの姐御!』
かなめは叫びつつ笑っていた。
『そうだな。神前の馬鹿は何もしてねーよ。やったのは別の馬鹿だ……おい!吉田!聞いてんだろ!この性悪!』
そう叫んでランはヘルメットの下で満面の笑みを浮かべていた。
「吉田さんならさっきあの砲台の砲身に突っ込んで死んじゃったじゃないですか!今更よんでも……」
『おいおいおい、神前よ……人を勝手に殺すなよ。通信ならさっき入れたぜ……』
再びシャムの機体から全機に通信が送られる。それと同時に、全周波数帯にわたるハッキングが行われたことを示すアラームが各機のコンソールに点る。
『ハッキングよ!各機!OSのチェック!なにが起きるか……』
『心配すんなよサラ……アンタ等の悪いようにはしないからさ……悪いようには』
シャムの機体から同じ声で通信が入る。それと同時にハッキング時に注入されたシステムを通じて音楽が全周波数帯にわたって流され始めた。
『この曲…マーチ……』
警戒していたカウラの言葉に緊張が走る。全隊員の視線は、全通信が発せられたシャムの機体に向けられた。
シャムの愛機、クローム・ナイトは先程から微動だにせず同じ空域をさまよっていた。
「終わりだ!」
そう叫んで誠は最後の抵抗として干渉空間に力のすべてを注ぎ込んだ。
『諦めるのはまだだぜ……』
突然それまで沈黙していたシャムのクローム・ナイトから全機に通信が送られた。同時にエネルギーの渦は突然途切れ、宇宙は何事もない沈黙に包まれた。
『……インパルス・カノンのエネルギーパルスが消えた?……しかしなぜ……』
カウラはそう言って前を見つめた。射線上、宇宙空間は空間はまるで何事も無かったかのように沈黙している。
『え?何が起きたの?誠ちゃん……何かした?』
管制官の通信としてサラが連絡をよこす。
「何もしてませんよ!僕は!」
叫ぶ誠。
『そうだぜ、神前はなにもしてねえ……なあ!ランの姐御!』
かなめは叫びつつ笑っていた。
『そうだな。神前の馬鹿は何もしてねーよ。やったのは別の馬鹿だ……おい!吉田!聞いてんだろ!この性悪!』
そう叫んでランはヘルメットの下で満面の笑みを浮かべていた。
「吉田さんならさっきあの砲台の砲身に突っ込んで死んじゃったじゃないですか!今更よんでも……」
『おいおいおい、神前よ……人を勝手に殺すなよ。通信ならさっき入れたぜ……』
再びシャムの機体から全機に通信が送られる。それと同時に、全周波数帯にわたるハッキングが行われたことを示すアラームが各機のコンソールに点る。
『ハッキングよ!各機!OSのチェック!なにが起きるか……』
『心配すんなよサラ……アンタ等の悪いようにはしないからさ……悪いようには』
シャムの機体から同じ声で通信が入る。それと同時にハッキング時に注入されたシステムを通じて音楽が全周波数帯にわたって流され始めた。
『この曲…マーチ……』
警戒していたカウラの言葉に緊張が走る。全隊員の視線は、全通信が発せられたシャムの機体に向けられた。
シャムの愛機、クローム・ナイトは先程から微動だにせず同じ空域をさまよっていた。
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