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第28章 調査
調査
しおりを挟む 相変わらず暖房の効きが悪い豊川署の詰め所。じっとしていることが性に合わないかなめがうろうろと歩き回っていた。
「どうだい」
十分に一度のペースの話だった。かなめはそう言うとラーナがじっと見つめているモニターを覗き込んでいた。そこには警邏隊のアストラルデータの値がグラフで表示されている。
「そう簡単に見つかれば楽できるんすけどね」
そう言うとラーナは椅子の背もたれに体を預ける。軋む椅子。その音に驚いたようにラーナは背筋を伸ばした。
「ある程度絞り込めれば後は私達でもどうにかなるだろう。いや、正確につかめない方がいいな。素人の警察の連中でも分かるデータが出てしまえばこれまでの怒りの持って行き場が無いからな」
さすがのカウラもこれまでの警察のやり方には腹に据えかねるものがあったのだろ。そんな珍しい感情的な言葉にアイシャもうなづく。いつもなら合いの手を入れる彼女が浮かない顔で黙っているのを見て誠はアイシャのモニターを見た。そこではネットオークションで同人漫画を落とそうとしているらしい様子が見て取れた。いつものことだ。誠は大きくため息をついてつまらなそうに画面を終了するアイシャを見つめていた。
「他人任せってのは……どうもねえ。しかもその他人に手柄を取られるのはどうしても避けたいとなるとこれもまた……」
そんなかなめの言葉に全員が同意するような雰囲気をかもし出している。誰もが部屋に閉じ込められてこうしてデータだけを与えられる情況に飽きてきていた。
「あと定時まで30分か……あまさき屋を冷やかすか?」
「それはいいんだけど……よかったのかしら。支給されたショットガンをみんな隊に送っちゃって。確かに慣らしも済んでいない銃じゃあ使えないのはわかるんだけど……でも後でチェックされたらどうするの?」
アイシャの言葉にカウラとラーナの視線がかなめに向かう。かなめはめんどくさそうに椅子に腰掛けると端末を起動していた。
「犯人に逃げられたら終りだろ?良いんだよ。名人は道具も選ぶもんさ」
「誠ちゃんも名人に入れる訳?」
冷やかすようなアイシャの声に誠はかなめに目を向ける。かなめは一瞥した後大きくため息をついた。
「そんな……僕だって多少は射撃も上手くなったんですよ」
「多少はな……だかそれじゃあ本番にはどうなるかわからねえ」
相変わらず誠をからかう調子のかなめ。誠にも多少は意地があるむっとしてタレ目のかなめをにらみ付けた。
「そんなに気になるなら……西園寺。突入の時は神前と組んだらどうだ?」
カウラの冗談にかなめはいかにもめんどくさそうな表情を浮かべる。その顔を見て誠はいつもどおり落ち込んだ。
「それもこれも……ちゃんと犯人が見つかってからの話っすからね」
相変わらずラーナは画面に張り付いたまま手にしたせんべいを口に放り込んでいた。
「アストラルパターンデータ。便利ですよねえ」
突然のアイシャの言葉に視線が彼女に集中する。
「だってそうじゃないの。確かに法術の研究は誠ちゃんが全世界的に存在を示しちゃった『近藤事件』の前から進んでたけど……それにしてもなんだかどんどん対応製品が出てきて……恐くならない?」
「まあな。その筋の専門家は……うちじゃあヨハン・シュペルター中尉殿だが……。実際法術研究はどこまで進んでるのか表にまるで出てこないからな。あいつも実際どれくらい自分が知っているのかなんて絶対に言わないからな……そんなに秘密ばっかり抱えてるからあんなに体が膨らんじゃうんだよ」
アイシャに言ったかなめの言葉の中のヨハンのことを思い出して誠が噴出す。外惑星の国家、ゲルパルト共和国出身の若干成人病が気になる体型の大男を思い出すと自然と誠は笑いが浮かんできてしまった。だがヨハンが法術に関する専門家だと知ったのは『近藤事件』での胡州海軍の演習空域で誠が叛乱軍の近藤中佐貴下の部隊と衝突する直前の話だったことを思い出した。それまではただの技師。かなめ達もそう教えられていたとことの後で聞かされた。それほど法術の存在は丁寧に隠蔽されてきたものだった。
一度気になり出すとどこまででも疑問が膨らむ。
「やっぱりどこまで研究が進んでるのか……気になるな」
エメラルドグリーンのポニーテールの毛先を弄っていたカウラが目があった誠につぶやいた。
「あら、カウラちゃんもそういうこと気になるわけ?意外と『研究が進んでるんだから良いじゃないか』とか言い出しそうなのに」
「そうでもないさ。私だって想像の範疇を超えた力が存在してその力がどのように使用されるか分からないと言うのは不気味に感じるものさ」
「ふーん」
カウラの言葉に納得してみせたアイシャの視線は自然と誠を向いた。
「僕だってこんな力は知ったのは例の事件の直前ですよ」
「アタシは知ってたっすよ」
モニターに目を向けたまま手を上げるラーナ。その突然の行動にかなめが立ち上がる。
「どこでこいつが法術使いだって……」
「一応トップシークレットっすから」
「けっ!つまらねえな」
ラーナの事務的な反応に舌打ちをしたかなめを見て笑みを浮かべるアイシャだが、その目は笑っていなかった。
「ラーナちゃんが知っていたってことは……その筋の人の間では誠ちゃんて有名人だったの?」
「さあ……」
またとぼけるラーナ。相手を読めるアイシャは何を聞いても無駄だと思ってそのまま黙り込んで席に体を押し付けた。
「僕の力の話はここですることじゃ……」
誠の言葉に不思議そうな顔をするかなめがいた。めんどくさそうに一度視線を外した後ため息をつく。
「ここまでの話の流れと事件の容疑者の能力で分からないか」
カウラのその言葉。ようやく誠は結論に行き着いた。
「僕を外すと言うことですか」
ある程度は誠にも分かる話だった。相手は法術師の能力を奪って暴走させることで世間に何かを伝えたいと思っている愉快犯であることが想像できる。ならばその法術師の再発見のきっかけを作った誠の能力を暴走させることが犯人の最大の喜びにつながるだろうことも想像できた。
「でも……外したら隊長がこの面子で東都警察に私達を出向させた意味が分からなくなるじゃない。私としても誠ちゃんが外れた方がいいと思うけど……隊長の意向もあるしね」
「叔父貴の都合か……そうだけどな」
アイシャのフォローにもただかなめの表情は曇るだけだった。誠の能力は干渉空間展開と領域把握能力の二種が確認されていた。干渉空間を展開し、その中の存在を有る程度意のままに操れる。それは先日の死者を出した事件を見ればかなり危険な能力だった。そして領域把握能力をハッキングして他の隊員の意思を読み取られてしまえば逮捕どころの話ではなくなる。
「法術師を使いこなせ……相手が誰でも……そう言いてえのは分かるんだけどさ」
再びかなめがこめかみの辺りの長い髪を掻きあげる。沈黙がその場を支配した。
「でもアタシも法術師っすけど?」
ラーナは相変わらずモニターから目を離さずにそうつぶやいた。思い出したようなかなめの表情。そしてアイシャがうれしそうに頷く。
「かなめちゃん。ラーナちゃんも捜査から外すつもり?」
「こいつは慣れてるから良いんだよ!」
「慣れてるって……この種の法術師が発見されたケースはほとんどねえっすけど」
そんなラーナの言葉にかなめはさすがに頭に来たようで手を上げかけたものの静かに右の握りこぶしを静かに下ろした。
「ああ、ようやく我慢を覚えたか」
「うるせえよ」
カウラに茶化されてかなめは苦笑いを浮かべていた。
「どうだい」
十分に一度のペースの話だった。かなめはそう言うとラーナがじっと見つめているモニターを覗き込んでいた。そこには警邏隊のアストラルデータの値がグラフで表示されている。
「そう簡単に見つかれば楽できるんすけどね」
そう言うとラーナは椅子の背もたれに体を預ける。軋む椅子。その音に驚いたようにラーナは背筋を伸ばした。
「ある程度絞り込めれば後は私達でもどうにかなるだろう。いや、正確につかめない方がいいな。素人の警察の連中でも分かるデータが出てしまえばこれまでの怒りの持って行き場が無いからな」
さすがのカウラもこれまでの警察のやり方には腹に据えかねるものがあったのだろ。そんな珍しい感情的な言葉にアイシャもうなづく。いつもなら合いの手を入れる彼女が浮かない顔で黙っているのを見て誠はアイシャのモニターを見た。そこではネットオークションで同人漫画を落とそうとしているらしい様子が見て取れた。いつものことだ。誠は大きくため息をついてつまらなそうに画面を終了するアイシャを見つめていた。
「他人任せってのは……どうもねえ。しかもその他人に手柄を取られるのはどうしても避けたいとなるとこれもまた……」
そんなかなめの言葉に全員が同意するような雰囲気をかもし出している。誰もが部屋に閉じ込められてこうしてデータだけを与えられる情況に飽きてきていた。
「あと定時まで30分か……あまさき屋を冷やかすか?」
「それはいいんだけど……よかったのかしら。支給されたショットガンをみんな隊に送っちゃって。確かに慣らしも済んでいない銃じゃあ使えないのはわかるんだけど……でも後でチェックされたらどうするの?」
アイシャの言葉にカウラとラーナの視線がかなめに向かう。かなめはめんどくさそうに椅子に腰掛けると端末を起動していた。
「犯人に逃げられたら終りだろ?良いんだよ。名人は道具も選ぶもんさ」
「誠ちゃんも名人に入れる訳?」
冷やかすようなアイシャの声に誠はかなめに目を向ける。かなめは一瞥した後大きくため息をついた。
「そんな……僕だって多少は射撃も上手くなったんですよ」
「多少はな……だかそれじゃあ本番にはどうなるかわからねえ」
相変わらず誠をからかう調子のかなめ。誠にも多少は意地があるむっとしてタレ目のかなめをにらみ付けた。
「そんなに気になるなら……西園寺。突入の時は神前と組んだらどうだ?」
カウラの冗談にかなめはいかにもめんどくさそうな表情を浮かべる。その顔を見て誠はいつもどおり落ち込んだ。
「それもこれも……ちゃんと犯人が見つかってからの話っすからね」
相変わらずラーナは画面に張り付いたまま手にしたせんべいを口に放り込んでいた。
「アストラルパターンデータ。便利ですよねえ」
突然のアイシャの言葉に視線が彼女に集中する。
「だってそうじゃないの。確かに法術の研究は誠ちゃんが全世界的に存在を示しちゃった『近藤事件』の前から進んでたけど……それにしてもなんだかどんどん対応製品が出てきて……恐くならない?」
「まあな。その筋の専門家は……うちじゃあヨハン・シュペルター中尉殿だが……。実際法術研究はどこまで進んでるのか表にまるで出てこないからな。あいつも実際どれくらい自分が知っているのかなんて絶対に言わないからな……そんなに秘密ばっかり抱えてるからあんなに体が膨らんじゃうんだよ」
アイシャに言ったかなめの言葉の中のヨハンのことを思い出して誠が噴出す。外惑星の国家、ゲルパルト共和国出身の若干成人病が気になる体型の大男を思い出すと自然と誠は笑いが浮かんできてしまった。だがヨハンが法術に関する専門家だと知ったのは『近藤事件』での胡州海軍の演習空域で誠が叛乱軍の近藤中佐貴下の部隊と衝突する直前の話だったことを思い出した。それまではただの技師。かなめ達もそう教えられていたとことの後で聞かされた。それほど法術の存在は丁寧に隠蔽されてきたものだった。
一度気になり出すとどこまででも疑問が膨らむ。
「やっぱりどこまで研究が進んでるのか……気になるな」
エメラルドグリーンのポニーテールの毛先を弄っていたカウラが目があった誠につぶやいた。
「あら、カウラちゃんもそういうこと気になるわけ?意外と『研究が進んでるんだから良いじゃないか』とか言い出しそうなのに」
「そうでもないさ。私だって想像の範疇を超えた力が存在してその力がどのように使用されるか分からないと言うのは不気味に感じるものさ」
「ふーん」
カウラの言葉に納得してみせたアイシャの視線は自然と誠を向いた。
「僕だってこんな力は知ったのは例の事件の直前ですよ」
「アタシは知ってたっすよ」
モニターに目を向けたまま手を上げるラーナ。その突然の行動にかなめが立ち上がる。
「どこでこいつが法術使いだって……」
「一応トップシークレットっすから」
「けっ!つまらねえな」
ラーナの事務的な反応に舌打ちをしたかなめを見て笑みを浮かべるアイシャだが、その目は笑っていなかった。
「ラーナちゃんが知っていたってことは……その筋の人の間では誠ちゃんて有名人だったの?」
「さあ……」
またとぼけるラーナ。相手を読めるアイシャは何を聞いても無駄だと思ってそのまま黙り込んで席に体を押し付けた。
「僕の力の話はここですることじゃ……」
誠の言葉に不思議そうな顔をするかなめがいた。めんどくさそうに一度視線を外した後ため息をつく。
「ここまでの話の流れと事件の容疑者の能力で分からないか」
カウラのその言葉。ようやく誠は結論に行き着いた。
「僕を外すと言うことですか」
ある程度は誠にも分かる話だった。相手は法術師の能力を奪って暴走させることで世間に何かを伝えたいと思っている愉快犯であることが想像できる。ならばその法術師の再発見のきっかけを作った誠の能力を暴走させることが犯人の最大の喜びにつながるだろうことも想像できた。
「でも……外したら隊長がこの面子で東都警察に私達を出向させた意味が分からなくなるじゃない。私としても誠ちゃんが外れた方がいいと思うけど……隊長の意向もあるしね」
「叔父貴の都合か……そうだけどな」
アイシャのフォローにもただかなめの表情は曇るだけだった。誠の能力は干渉空間展開と領域把握能力の二種が確認されていた。干渉空間を展開し、その中の存在を有る程度意のままに操れる。それは先日の死者を出した事件を見ればかなり危険な能力だった。そして領域把握能力をハッキングして他の隊員の意思を読み取られてしまえば逮捕どころの話ではなくなる。
「法術師を使いこなせ……相手が誰でも……そう言いてえのは分かるんだけどさ」
再びかなめがこめかみの辺りの長い髪を掻きあげる。沈黙がその場を支配した。
「でもアタシも法術師っすけど?」
ラーナは相変わらずモニターから目を離さずにそうつぶやいた。思い出したようなかなめの表情。そしてアイシャがうれしそうに頷く。
「かなめちゃん。ラーナちゃんも捜査から外すつもり?」
「こいつは慣れてるから良いんだよ!」
「慣れてるって……この種の法術師が発見されたケースはほとんどねえっすけど」
そんなラーナの言葉にかなめはさすがに頭に来たようで手を上げかけたものの静かに右の握りこぶしを静かに下ろした。
「ああ、ようやく我慢を覚えたか」
「うるせえよ」
カウラに茶化されてかなめは苦笑いを浮かべていた。
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