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第19章 巡回
巡回
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慣れない事をすれば誰でも疲れるものだった。
「これで何件目……」
「カウラさん……まだ始めたばかりじゃないですか」
いつもの運転席に乗り込むカウラの顔は疲れていた。
初日。すぐに動き出したカウラ、誠、ラーナ。とりあえず防犯の呼びかけのポスターを手に五件のマンションを回ったが、捜査よりも戦闘のために作られた人造人間であるカウラの忍耐力はすでに限界を迎えていた。
「午前中はこんなもんすかねえ。こっからお昼。いかがっすか?」
後部座席で腕組みをしているラーナは静かにそう言うと幼くも見えるようなおかっぱの髪を掻き上げた。
「午前中でたった五件でこれか……と言うか午前中か……」
カウラの声がかすれるのも無理は無かった。すでに三時を過ぎようとしている。住宅街の食べ物屋は多くが準備中になっている時間帯。
「訪問がこんなに疲れるものだとは……」
そう言いながらカウラは赤いスポーツカーを動かす。狭い路地を縫うようにして車は進んだ。
「まあ……こういう地道な積み重ねが大事っすからねえ。それと市民と向かい合う時はいつも笑顔。ベルガー大尉はまだイマイチっすね」
「はあ」
ラーナに駄目だしされて少しばかりカウラは肩を落としながら狭い道を進む。両脇に続く家並みはすべて平屋。二十年前の第二次遼州大戦の時の特需以前の貧しさを感じるような家々が続く。
「でも……もしかしたら僕達が回った家の中にすでに犯人の家もあるんじゃないですか?」
思わず誠はそう言っていた。不機嫌になるだろうと振り向いたラーナ。だが誠をまっすぐに見つめるその顔には別にいつもの落ち着いた物腰のラーナの親切そうな表情が写っている。
「それで良いんすよ」
「え?良いのか?」
カウラはようやく大通りに出る入り口の信号で車を止めながら驚いたように静かにつぶやいた。ラーナは再び助手席で正面を向くと教え諭すような口調で話を始めた。
「もしアタシ等が警戒しているって分かればそれだけで犯罪に対する抑止力になるんすから。確かに犯人逮捕も大事っす。でもこうして未然に犯罪を防ぐことも任務の一つっすから」
警戒感を解くような笑顔を向けるラーナ。いつも茜の助手として付いて回っていると言う印象しかない誠には、そんなラーナの穏やかな表情が非常に新鮮に見えた。カウラも頷きながら大通りに車を走らせる。
「それは分かった。じゃあ西園寺とアイシャは……」
『おいおい、特殊部隊上がりを馬鹿にすんじゃねえぞ』
車の固定端末のスピーカーから響くのはかなめの声だった。彼女の脳には常に通信端末が接続されている。そんな彼女にとってこの車の会話を盗聴することなど手数にも入らないことなのはまことも知っている。
「なんだ聞いていたのか……悪趣味だな」
『陰口を言おうとしていた奴に言われたくねえよ!』
そう言うとしばらく雑音が響く。そしてすぐに車のコントロールパネルの画面に映像が映った。そこではかなめとアイシャが並んで寿司を食っている場面が映し出された。多分端末の一つをカメラのつもりでテーブルの端にでも置いているらしい。
「そちらも今昼飯か。それに寿司か……回転寿司とは考えたな」
『まあしかたねえだろ?今の時間は開いている店が限られるんだから』
満面の笑みでトロを頬張るかなめ。それを見ながら時々画面を見つめつつ、アイシャはかっぱ巻きを続けて口に運んでいる。
「そうだな。カルビナ、寿司でいいか?」
「できれば安いところが良いんすけど……」
いつもの控えめなラーナに戻る姿が滑稽で誠は思わず噴出した。
「じゃあ……この近くならハンバーガーの店があったろ?」
「チェーン店ですか?」
「確かそうだよな」
カウラのいう通りなので誠はうなづいた。
「ならそこで良いっすよ……神前曹長もその方がいいっすよね?」
カウラは誠が頷くのを見ると笑みを浮かべてアクセルを吹かした。
「そう言えば……西園寺はラーナの意見に特に反論しなかったな。それとなにやらラーナの端末にアクセスしていたみたいだが……何か掴んだのか?」
そんなカウラの質問にウニを頬張りながらタレ目のかなめは大きく頷いた。
『当たり前だろ?アタシを誰だと思ってるんだよ。そんな作業でも並行してやっていなきゃなんでこんな奴と……』
『かなめちゃんひどい!こんな奴なんて!』
アイシャの声だけが端末に響く。思わず誠も苦笑しながらラーナを見てみた。彼女はと言えば相変わらず自分の端末を叩いて作業を続けていた。
「で……結果は?」
『焦るなっての。そんなに簡単に行くわけ無いだろ?とりあえずラーナのデータは正確だったってことはよく分かったよ』
「あんがとうございます」
ラーナはついでのように答えた。それが気に入らないと言うようにかなめはかっぱ巻きを口の放り込む。
『アタシも豊川の街をこうして回るのは初めてだが……まあ予想以上に複雑だわ、この国も』
「実のところ本当の意味で東和が大国になったのは先の大戦のあとの復興景気以降だからな。それを考えて見ればこういう地方都市の矛盾と言うものも見えてくる」
『難しいこと言うじゃねえか。まあそんなことはどうでもいいとして……今回の事件。誰が犯人でもおかしくない気がしてきたよ。特に旧市街のアパート住人と旧住人の軋轢は昔から酷いもんだったらしいや。それが今回の法術の存在の発表。火に油を注いだようなもんだ』
そう言いながら再びかなめは回転するベルトから高そうな軍艦巻きを手に取った。
「以前は市民団体やら市役所の担当窓口やらが仲介に入ってなんとか騒ぎにはならないでいたらしいが……すでに何軒かの訴訟が起きてる。ほとんどが法術がらみだ。アタシ等が法術師を探して歩くと言い出すかも知れない以上、豊川署の連中が会議から締め出した理由は読めてきたよ』
「恐らく法術師をめぐるトラブルの話題が会議でも取りざたされるだろうからな。うちが法術師なんてものを世の中に発表する機会が無ければよかったと言うお決まりの愚痴も叩けなくなるだろうからな」
納得したようにカウラはうなづく。誠はすぐにラーナに目を向ける。誠もラーナも法術適正のある法術師である。恐らく同じように部屋を探したりアパートに暮らしたりすれば同じように差別や嫌がらせを受けることはすぐに想像が付く。そしてそんな世の中にした法術の存在の顕現化を行なったのは他でもない『近藤事件』での誠の法術による敵アサルト・モジュールの撃墜だった。
「西園寺。そこらへんは後で話す」
誠の動揺がカウラに見透かされていたようでカウラはすばやく話を変えると端末を消した。
「気にするな……と言っても無理か」
そう言うとカウラはハンバーガーショップの駐車場に車を入れた。そしてそのまま車をドライブスルー
の場所に移動させる。
「食べていかないんですか?」
訪ねてくる誠にカウラは疲れたような笑みを浮かべるだけだった。
「そう……だったな。カルビナはどうする」
駐車場にハンドルを切ろうとしたときに助手席のラーナが思わずカウラの左手を押さえた。
「アタシはどうも……お店で食べるのは慣れないんすよ」
「むしろ地球人の顔は見たくないか……」
ラーナの言葉を聞くとカウラはそのまま運転席の窓を開ける。
『いらっしゃいませ!ご注文をどうぞ』
明るい店員の女性の声が響く。ラーナはなぜかうつむいたまま自分の端末を呆然と眺めていた。
「全員Aセットでいいな……じゃあAセットを三つ。ドリンクはブレンドコーヒーで」
『かしこまりました。Aセット三つ、お飲み物はブレンドですね』
明るい声だが、誠もなぜか相変わらず違和感を感じていた。
「見ただけじゃ分からないのに……やはり壁は感じますね」
そうつぶやいた誠に情けないと言うような笑顔で答えるラーナ。彼女は遼南難民出身で純血の遼州人だった。誠も名前こそ日本風だが遺伝子検査では地球人との混血はほとんど無いと判定されていた。
「人はそれぞれ違うものだと言うが……あれだけ違うとな」
カウラがそう言ったのは最後のアパートの男子大学生との会話を思い出したからだった。
『迷惑なんですよね……法術適正?そんなの受けなきゃいけない化け物に生まれたつもりはありませんよ』
無精髭が目立つ小太りの男子大学生はそう言うとラーナが差し出したチラシを受け取らずにドアを閉めた。まるで自分は関係なく、地球人の直系の人種だと言うことを特に証拠もなく信じている若者が増えていることは誠も知っていた。だがそれにしてもその死んだように誠達を見つめる目。自分の差別意識に露ほども疑問を感じていないその鈍感な管制に誠は衝撃を受けていた。
「近くに運動公園があるな。そこで食べるか」
そう言いながらカウラは商品の受け取り口のある店の裏手へと車を進めた。誠もラーナもただ何もできずに黙ってカウラの言葉にうなづくだけだった。
「これで何件目……」
「カウラさん……まだ始めたばかりじゃないですか」
いつもの運転席に乗り込むカウラの顔は疲れていた。
初日。すぐに動き出したカウラ、誠、ラーナ。とりあえず防犯の呼びかけのポスターを手に五件のマンションを回ったが、捜査よりも戦闘のために作られた人造人間であるカウラの忍耐力はすでに限界を迎えていた。
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「でも……もしかしたら僕達が回った家の中にすでに犯人の家もあるんじゃないですか?」
思わず誠はそう言っていた。不機嫌になるだろうと振り向いたラーナ。だが誠をまっすぐに見つめるその顔には別にいつもの落ち着いた物腰のラーナの親切そうな表情が写っている。
「それで良いんすよ」
「え?良いのか?」
カウラはようやく大通りに出る入り口の信号で車を止めながら驚いたように静かにつぶやいた。ラーナは再び助手席で正面を向くと教え諭すような口調で話を始めた。
「もしアタシ等が警戒しているって分かればそれだけで犯罪に対する抑止力になるんすから。確かに犯人逮捕も大事っす。でもこうして未然に犯罪を防ぐことも任務の一つっすから」
警戒感を解くような笑顔を向けるラーナ。いつも茜の助手として付いて回っていると言う印象しかない誠には、そんなラーナの穏やかな表情が非常に新鮮に見えた。カウラも頷きながら大通りに車を走らせる。
「それは分かった。じゃあ西園寺とアイシャは……」
『おいおい、特殊部隊上がりを馬鹿にすんじゃねえぞ』
車の固定端末のスピーカーから響くのはかなめの声だった。彼女の脳には常に通信端末が接続されている。そんな彼女にとってこの車の会話を盗聴することなど手数にも入らないことなのはまことも知っている。
「なんだ聞いていたのか……悪趣味だな」
『陰口を言おうとしていた奴に言われたくねえよ!』
そう言うとしばらく雑音が響く。そしてすぐに車のコントロールパネルの画面に映像が映った。そこではかなめとアイシャが並んで寿司を食っている場面が映し出された。多分端末の一つをカメラのつもりでテーブルの端にでも置いているらしい。
「そちらも今昼飯か。それに寿司か……回転寿司とは考えたな」
『まあしかたねえだろ?今の時間は開いている店が限られるんだから』
満面の笑みでトロを頬張るかなめ。それを見ながら時々画面を見つめつつ、アイシャはかっぱ巻きを続けて口に運んでいる。
「そうだな。カルビナ、寿司でいいか?」
「できれば安いところが良いんすけど……」
いつもの控えめなラーナに戻る姿が滑稽で誠は思わず噴出した。
「じゃあ……この近くならハンバーガーの店があったろ?」
「チェーン店ですか?」
「確かそうだよな」
カウラのいう通りなので誠はうなづいた。
「ならそこで良いっすよ……神前曹長もその方がいいっすよね?」
カウラは誠が頷くのを見ると笑みを浮かべてアクセルを吹かした。
「そう言えば……西園寺はラーナの意見に特に反論しなかったな。それとなにやらラーナの端末にアクセスしていたみたいだが……何か掴んだのか?」
そんなカウラの質問にウニを頬張りながらタレ目のかなめは大きく頷いた。
『当たり前だろ?アタシを誰だと思ってるんだよ。そんな作業でも並行してやっていなきゃなんでこんな奴と……』
『かなめちゃんひどい!こんな奴なんて!』
アイシャの声だけが端末に響く。思わず誠も苦笑しながらラーナを見てみた。彼女はと言えば相変わらず自分の端末を叩いて作業を続けていた。
「で……結果は?」
『焦るなっての。そんなに簡単に行くわけ無いだろ?とりあえずラーナのデータは正確だったってことはよく分かったよ』
「あんがとうございます」
ラーナはついでのように答えた。それが気に入らないと言うようにかなめはかっぱ巻きを口の放り込む。
『アタシも豊川の街をこうして回るのは初めてだが……まあ予想以上に複雑だわ、この国も』
「実のところ本当の意味で東和が大国になったのは先の大戦のあとの復興景気以降だからな。それを考えて見ればこういう地方都市の矛盾と言うものも見えてくる」
『難しいこと言うじゃねえか。まあそんなことはどうでもいいとして……今回の事件。誰が犯人でもおかしくない気がしてきたよ。特に旧市街のアパート住人と旧住人の軋轢は昔から酷いもんだったらしいや。それが今回の法術の存在の発表。火に油を注いだようなもんだ』
そう言いながら再びかなめは回転するベルトから高そうな軍艦巻きを手に取った。
「以前は市民団体やら市役所の担当窓口やらが仲介に入ってなんとか騒ぎにはならないでいたらしいが……すでに何軒かの訴訟が起きてる。ほとんどが法術がらみだ。アタシ等が法術師を探して歩くと言い出すかも知れない以上、豊川署の連中が会議から締め出した理由は読めてきたよ』
「恐らく法術師をめぐるトラブルの話題が会議でも取りざたされるだろうからな。うちが法術師なんてものを世の中に発表する機会が無ければよかったと言うお決まりの愚痴も叩けなくなるだろうからな」
納得したようにカウラはうなづく。誠はすぐにラーナに目を向ける。誠もラーナも法術適正のある法術師である。恐らく同じように部屋を探したりアパートに暮らしたりすれば同じように差別や嫌がらせを受けることはすぐに想像が付く。そしてそんな世の中にした法術の存在の顕現化を行なったのは他でもない『近藤事件』での誠の法術による敵アサルト・モジュールの撃墜だった。
「西園寺。そこらへんは後で話す」
誠の動揺がカウラに見透かされていたようでカウラはすばやく話を変えると端末を消した。
「気にするな……と言っても無理か」
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の場所に移動させる。
「食べていかないんですか?」
訪ねてくる誠にカウラは疲れたような笑みを浮かべるだけだった。
「そう……だったな。カルビナはどうする」
駐車場にハンドルを切ろうとしたときに助手席のラーナが思わずカウラの左手を押さえた。
「アタシはどうも……お店で食べるのは慣れないんすよ」
「むしろ地球人の顔は見たくないか……」
ラーナの言葉を聞くとカウラはそのまま運転席の窓を開ける。
『いらっしゃいませ!ご注文をどうぞ』
明るい店員の女性の声が響く。ラーナはなぜかうつむいたまま自分の端末を呆然と眺めていた。
「全員Aセットでいいな……じゃあAセットを三つ。ドリンクはブレンドコーヒーで」
『かしこまりました。Aセット三つ、お飲み物はブレンドですね』
明るい声だが、誠もなぜか相変わらず違和感を感じていた。
「見ただけじゃ分からないのに……やはり壁は感じますね」
そうつぶやいた誠に情けないと言うような笑顔で答えるラーナ。彼女は遼南難民出身で純血の遼州人だった。誠も名前こそ日本風だが遺伝子検査では地球人との混血はほとんど無いと判定されていた。
「人はそれぞれ違うものだと言うが……あれだけ違うとな」
カウラがそう言ったのは最後のアパートの男子大学生との会話を思い出したからだった。
『迷惑なんですよね……法術適正?そんなの受けなきゃいけない化け物に生まれたつもりはありませんよ』
無精髭が目立つ小太りの男子大学生はそう言うとラーナが差し出したチラシを受け取らずにドアを閉めた。まるで自分は関係なく、地球人の直系の人種だと言うことを特に証拠もなく信じている若者が増えていることは誠も知っていた。だがそれにしてもその死んだように誠達を見つめる目。自分の差別意識に露ほども疑問を感じていないその鈍感な管制に誠は衝撃を受けていた。
「近くに運動公園があるな。そこで食べるか」
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