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第14章 遡及
遡及
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「ったくなんであの餓鬼だけ寮に住み着いてるんだ?」
署を出たときからかなめの機嫌はあまりよくなかった。そしてこうしてつい三日ほど前までは倉庫だっただろう豊川警察署の北側の狭い与えられた部屋を見回すと余計今朝のランの言葉が気になるようで伸びをしながらそうかなめがつぶやいていた。
「それを言うなら私達もじゃないの。あそこは一応男子下士官寮なんだから。私もカウラちゃんもかなめちゃんも『男子』でも『下士官』でもないんだから……」
「それなら私達には神前の護衛と言う任務があるんだ。例外として認められるだけの理由がある」
口を挟んだカウラをかなめはにやけたたれ目で見つめる。
「おい、珍しいなあアタシと同意見とは。あれか?それは建前でなにかすごい深い理由が別にあるのか?オメエには」
「深い理由?」
しばらく無表情で黙っていたカウラが急に頬を染めて目をそらすと自分の端末を起動した。
「やっぱり下心か……むっつりスケベは手に負えないねえ」
「どっちもどっちじゃないの」
「なんだ?アイシャ!言いたいことがあるならはっきり言えよ!」
かなめの声が急に怒声に変わる。それを見てカウラはなぜかホッとしたように吐息を漏らすと起動した端末に目を向けてキーボードをたたき始める。
誠はこれ以上の騒ぎはたくさんだと先ほどのランの話題に話を持っていこうと口を開いた。
「クバルカ中佐はあの格好だとどうしても部屋とか借りるのが大変だとか言ってましたよ。小学生低学年の一人暮らしなんて誰も部屋を貸してくれませんから」
かなめは怒るのも馬鹿馬鹿しいとそのまま椅子に腰を下ろす。それを見ながら自分の机に腰掛けたままのアイシャが指を頬に当てて少し考えていた。
「そらそうよね。あんな小さくてキュートな女の子を見つけたら私だって付いて行っちゃうもの」
「そんなこと恥ずかしげもなく言うな」
アイシャの言葉に一言突っ込むとカウラは再び目の前の画面に向かう。しばらくカウラのキーボードを叩く音ばかりであたりを沈黙が支配した。
突然かなめが手を叩く。全員の視線が何事かと彼女に向かった。
「おい、神前。もう一回言ってみろ!」
「驚かせないでくださいよ!何をですか!」
かなめの大声に誠は椅子からずり落ちそうになった。なんとか耐えながらかなめを見る。その表情は歓喜の色を湛えている。
「だからだ!もう一回!」
そのままかなめは今度は立ち上がって襟首をつかんで引っ張りあげる。驚いたアイシャがかなめの手にすがりつく。だが誠はとりあえずかなめが怒ってはいないらしいと言うことで安心したそしてその強力なサイボーグの怪力におどおどしながら何を言えばいいのか迷いながら彼女のタレ目を見つめていた。
「なによ、かなめちゃん。ランちゃんが部屋を借りられないのがどうしたのよ」
アイシャの言葉を聞いたかなめは誠の襟首から手を放した。そのままどすんと自分の椅子に落っこちる誠。そんな彼の目にはまるで子供が宝物にでも出会ったように満面の笑みを浮かべるかなめが映っていた。
「そうだよ!馬鹿だなあ。アタシ等がこのちんけな部屋から出るにはそこからはじめなきゃならなかったんだ!」
「うるさいぞ、西園寺。そんな何かつかめる糸口でもあれば苦労しないと思わないのか?」
カウラにまで言われると憤慨したようにかなめはカウラの脇にずかずか進んでいく。
「何をする!」
カウラの声もむなしくかなめは彼女の端末の画面を占領した。そして取り付かれたように凄まじい速度でキーボードを叩いてデータを入力し始めた。
「気が付かなかった……馬鹿だった……」
「かなめちゃんが馬鹿なのは昔から知ってるけど」
そんなアイシャの一言にチョップを入れるとかなめは画像を表示させた。
「不動産情報?賃貸物件の契約状況……?」
誠は不思議そうに不動産情報の検索結果の映る画面をどうだと言わんばかりに見せつけるかなめの表情を見ながらつぶやいた。
かなめは得意げに笑う。それとは対照的に誠もカウラ、そしてアイシャもぽかんと彼女の笑顔を見つめた。
「かなめちゃん……寮を出て行くのね……。うるうる」
アイシャのわざとらしい演技にため息をついた後かなめはさっと端末の画面を指差した。
「勘違いするんじゃねえ!賃貸契約の全容を把握するんだよ!もし今回のホシがこちらに拠点を移したとなれば部屋でも借りると考えるのが自然だろ?今のご時世、法術師の入居はいろいろ面倒が付きまとうはずだ」
かなめはそう言うと今度はポケットからコードを取り出し自分の後頭部のジャックに差し込んで端末とつながる。意識が途切れたように首が折られるがそのまま画面には検索モードの様子が映っていた。そしてそれを見てカウラが手を叩いた。
「そうか。法術師が部屋を借りる。貸してくれる大家は限られるしうまくいけばどこかで足が付くか」
「そう?検査なんて東和は任意じゃないの。法術適正を受けている人間が犯人と決まったわけじゃないでしょ?」
アイシャは半分期待はしていないと言う感じだが、その視線は明らかにかなめの検索の模様を眺めているものだった。
「法術適正を受けている人間の犯行だと僕は思いますよ。人の能力を横取りして発動させるんですから。法術に興味のない人物の犯行だとはとても思えないですから」
「でも最近東都の都心からこちらに引っ越してきた人間なんて山ほどいるじゃない。いちいち調べるの?」
「しかたねえだろ……235世帯か……所帯持ちは外しても156件」
かなめの言葉にうんざりしたと言うような顔のアイシャ。だが彼女の肩をカウラが叩いた。
「何万人と言う豊川市の人口から比べればわずかなものだ。四人で見回れない数じゃない」
「でもその中に犯人がいると言う保障はあるの?そもそも法術適正検査は匿名で行なわれてるのよ。その156人だって一人も法術師がいないかもしれないじゃない。いたとしても嘘をつかれれば……どうせ捜査令状は下りないんだから」
そんな言葉を吐くアイシャをケーブルを首から外したかなめが哀れむような目で見上げる。
「なによ……かなめちゃん」
「お前。馬鹿だろ」
「馬鹿はかなめちゃんでしょ?」
いつもの挑発合戦にうんざりした顔でカウラと誠は見詰め合った。
「アタシ等はこの豊川に犯人が来ていたときに意味があるから出向してきたんだ」
「そうよ。当然じゃないの」
「はー……」
アイシャはまだ分からないと言うような表情をしていたがその曖昧な顔が突然ゆがんだ。明らかにアイシャもかなめの言いたいことがよく分かったようだが彼女がかなめに頭を下げるつもりがないことは誠にもよく分かる。
「その為にわざわざ出向してきたのよ。もしこの町に犯人が転居してきたのならそいつを捕まえなきゃ意味がないんじゃないの」
「犯罪抑止が最低任務であって、逮捕は私達の仕事の範疇じゃ……」
「カウラちゃんは黙っていて!」
八つ当たりを食らったカウラが口をつぐむ。誠は噴出しそうになりながらいらいらしているアイシャを眺めていた。
「なんだよ。別に戸別訪問をしようというわけじゃないんだ。すべての転居に関わった不動産屋を訪ねて回れば自然と犯人のめぼしはつく。容疑者を限定できればそいつをはっていれば事件にたどり着く。そしてそこを現行犯逮捕ってシナリオだ。なんでそんな簡単なことが分からねえかなあ」
「そんな……相手の不動産屋さんはド素人よ。犯人らしい人物かどうかなんて分かるわけ無いじゃないの。それに一応不動産業者も個人のプライバシーに関することについては……」
そう言いながらアイシャは頭を掻いた。元々そう言う任意の捜査においてはかなり高圧的に対応して結果を残すのが得意なかなめである。プライバシーとか守秘義務などという一般社会の常識はかなめの捜査にはありえなかった。それに他に何か捜査の方法があるのかとかなめに聞かれれば思いつく方法はアイシャには無かった。
「おう、抗議するんだろ?さっさと言えよ」
「むー……」
膨れるアイシャだが、カウラの携帯端末が着信を注げたことで誠達の興味はそちらに移った。
「はい、ベルガーですが」
端末に出たカウラ。かなめは卓上の画面を操作して相手の画面を映し出す。そこには先日この部屋に誠達を押し込めた杉田という刑事の顔があった。
「今度はパイロキネシス暴走です。場所は……」
誠達は顔を見合わせた。捜査の手がかりを探す段階は過ぎていた。
「とりあえず文句は後だ、現場に行くぞ」
かなめはそう言うと椅子に掛けていた制服の上着に手を伸ばす。アイシャも渋々自分の机の上の帽子に手を伸ばした。
「事態は動いているんだ。私達の想像以上に早くな」
端末を終了して立ち上がるカウラの言葉を聞いて改めて自分達が明らかに後手に回っている事実に気づきながら誠は飛び出していくかなめの背中を追って部屋を飛び出した。
署を出たときからかなめの機嫌はあまりよくなかった。そしてこうしてつい三日ほど前までは倉庫だっただろう豊川警察署の北側の狭い与えられた部屋を見回すと余計今朝のランの言葉が気になるようで伸びをしながらそうかなめがつぶやいていた。
「それを言うなら私達もじゃないの。あそこは一応男子下士官寮なんだから。私もカウラちゃんもかなめちゃんも『男子』でも『下士官』でもないんだから……」
「それなら私達には神前の護衛と言う任務があるんだ。例外として認められるだけの理由がある」
口を挟んだカウラをかなめはにやけたたれ目で見つめる。
「おい、珍しいなあアタシと同意見とは。あれか?それは建前でなにかすごい深い理由が別にあるのか?オメエには」
「深い理由?」
しばらく無表情で黙っていたカウラが急に頬を染めて目をそらすと自分の端末を起動した。
「やっぱり下心か……むっつりスケベは手に負えないねえ」
「どっちもどっちじゃないの」
「なんだ?アイシャ!言いたいことがあるならはっきり言えよ!」
かなめの声が急に怒声に変わる。それを見てカウラはなぜかホッとしたように吐息を漏らすと起動した端末に目を向けてキーボードをたたき始める。
誠はこれ以上の騒ぎはたくさんだと先ほどのランの話題に話を持っていこうと口を開いた。
「クバルカ中佐はあの格好だとどうしても部屋とか借りるのが大変だとか言ってましたよ。小学生低学年の一人暮らしなんて誰も部屋を貸してくれませんから」
かなめは怒るのも馬鹿馬鹿しいとそのまま椅子に腰を下ろす。それを見ながら自分の机に腰掛けたままのアイシャが指を頬に当てて少し考えていた。
「そらそうよね。あんな小さくてキュートな女の子を見つけたら私だって付いて行っちゃうもの」
「そんなこと恥ずかしげもなく言うな」
アイシャの言葉に一言突っ込むとカウラは再び目の前の画面に向かう。しばらくカウラのキーボードを叩く音ばかりであたりを沈黙が支配した。
突然かなめが手を叩く。全員の視線が何事かと彼女に向かった。
「おい、神前。もう一回言ってみろ!」
「驚かせないでくださいよ!何をですか!」
かなめの大声に誠は椅子からずり落ちそうになった。なんとか耐えながらかなめを見る。その表情は歓喜の色を湛えている。
「だからだ!もう一回!」
そのままかなめは今度は立ち上がって襟首をつかんで引っ張りあげる。驚いたアイシャがかなめの手にすがりつく。だが誠はとりあえずかなめが怒ってはいないらしいと言うことで安心したそしてその強力なサイボーグの怪力におどおどしながら何を言えばいいのか迷いながら彼女のタレ目を見つめていた。
「なによ、かなめちゃん。ランちゃんが部屋を借りられないのがどうしたのよ」
アイシャの言葉を聞いたかなめは誠の襟首から手を放した。そのままどすんと自分の椅子に落っこちる誠。そんな彼の目にはまるで子供が宝物にでも出会ったように満面の笑みを浮かべるかなめが映っていた。
「そうだよ!馬鹿だなあ。アタシ等がこのちんけな部屋から出るにはそこからはじめなきゃならなかったんだ!」
「うるさいぞ、西園寺。そんな何かつかめる糸口でもあれば苦労しないと思わないのか?」
カウラにまで言われると憤慨したようにかなめはカウラの脇にずかずか進んでいく。
「何をする!」
カウラの声もむなしくかなめは彼女の端末の画面を占領した。そして取り付かれたように凄まじい速度でキーボードを叩いてデータを入力し始めた。
「気が付かなかった……馬鹿だった……」
「かなめちゃんが馬鹿なのは昔から知ってるけど」
そんなアイシャの一言にチョップを入れるとかなめは画像を表示させた。
「不動産情報?賃貸物件の契約状況……?」
誠は不思議そうに不動産情報の検索結果の映る画面をどうだと言わんばかりに見せつけるかなめの表情を見ながらつぶやいた。
かなめは得意げに笑う。それとは対照的に誠もカウラ、そしてアイシャもぽかんと彼女の笑顔を見つめた。
「かなめちゃん……寮を出て行くのね……。うるうる」
アイシャのわざとらしい演技にため息をついた後かなめはさっと端末の画面を指差した。
「勘違いするんじゃねえ!賃貸契約の全容を把握するんだよ!もし今回のホシがこちらに拠点を移したとなれば部屋でも借りると考えるのが自然だろ?今のご時世、法術師の入居はいろいろ面倒が付きまとうはずだ」
かなめはそう言うと今度はポケットからコードを取り出し自分の後頭部のジャックに差し込んで端末とつながる。意識が途切れたように首が折られるがそのまま画面には検索モードの様子が映っていた。そしてそれを見てカウラが手を叩いた。
「そうか。法術師が部屋を借りる。貸してくれる大家は限られるしうまくいけばどこかで足が付くか」
「そう?検査なんて東和は任意じゃないの。法術適正を受けている人間が犯人と決まったわけじゃないでしょ?」
アイシャは半分期待はしていないと言う感じだが、その視線は明らかにかなめの検索の模様を眺めているものだった。
「法術適正を受けている人間の犯行だと僕は思いますよ。人の能力を横取りして発動させるんですから。法術に興味のない人物の犯行だとはとても思えないですから」
「でも最近東都の都心からこちらに引っ越してきた人間なんて山ほどいるじゃない。いちいち調べるの?」
「しかたねえだろ……235世帯か……所帯持ちは外しても156件」
かなめの言葉にうんざりしたと言うような顔のアイシャ。だが彼女の肩をカウラが叩いた。
「何万人と言う豊川市の人口から比べればわずかなものだ。四人で見回れない数じゃない」
「でもその中に犯人がいると言う保障はあるの?そもそも法術適正検査は匿名で行なわれてるのよ。その156人だって一人も法術師がいないかもしれないじゃない。いたとしても嘘をつかれれば……どうせ捜査令状は下りないんだから」
そんな言葉を吐くアイシャをケーブルを首から外したかなめが哀れむような目で見上げる。
「なによ……かなめちゃん」
「お前。馬鹿だろ」
「馬鹿はかなめちゃんでしょ?」
いつもの挑発合戦にうんざりした顔でカウラと誠は見詰め合った。
「アタシ等はこの豊川に犯人が来ていたときに意味があるから出向してきたんだ」
「そうよ。当然じゃないの」
「はー……」
アイシャはまだ分からないと言うような表情をしていたがその曖昧な顔が突然ゆがんだ。明らかにアイシャもかなめの言いたいことがよく分かったようだが彼女がかなめに頭を下げるつもりがないことは誠にもよく分かる。
「その為にわざわざ出向してきたのよ。もしこの町に犯人が転居してきたのならそいつを捕まえなきゃ意味がないんじゃないの」
「犯罪抑止が最低任務であって、逮捕は私達の仕事の範疇じゃ……」
「カウラちゃんは黙っていて!」
八つ当たりを食らったカウラが口をつぐむ。誠は噴出しそうになりながらいらいらしているアイシャを眺めていた。
「なんだよ。別に戸別訪問をしようというわけじゃないんだ。すべての転居に関わった不動産屋を訪ねて回れば自然と犯人のめぼしはつく。容疑者を限定できればそいつをはっていれば事件にたどり着く。そしてそこを現行犯逮捕ってシナリオだ。なんでそんな簡単なことが分からねえかなあ」
「そんな……相手の不動産屋さんはド素人よ。犯人らしい人物かどうかなんて分かるわけ無いじゃないの。それに一応不動産業者も個人のプライバシーに関することについては……」
そう言いながらアイシャは頭を掻いた。元々そう言う任意の捜査においてはかなり高圧的に対応して結果を残すのが得意なかなめである。プライバシーとか守秘義務などという一般社会の常識はかなめの捜査にはありえなかった。それに他に何か捜査の方法があるのかとかなめに聞かれれば思いつく方法はアイシャには無かった。
「おう、抗議するんだろ?さっさと言えよ」
「むー……」
膨れるアイシャだが、カウラの携帯端末が着信を注げたことで誠達の興味はそちらに移った。
「はい、ベルガーですが」
端末に出たカウラ。かなめは卓上の画面を操作して相手の画面を映し出す。そこには先日この部屋に誠達を押し込めた杉田という刑事の顔があった。
「今度はパイロキネシス暴走です。場所は……」
誠達は顔を見合わせた。捜査の手がかりを探す段階は過ぎていた。
「とりあえず文句は後だ、現場に行くぞ」
かなめはそう言うと椅子に掛けていた制服の上着に手を伸ばす。アイシャも渋々自分の机の上の帽子に手を伸ばした。
「事態は動いているんだ。私達の想像以上に早くな」
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