レジェンド・オブ・ダーク 遼州司法局異聞

橋本 直

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第4章 戦いの記録

メインキャラ

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「ここにいるとろくなことになりそうにないな」 

 思い直すような表情で立ち上がるとかなめはそう言い残して出て行った。カウラは追った方がいいのかと視線をアイシャに送るが、アイシャは首を横に振った。そしてかなめが放置していった端末を覗いたサラは手でOKと言うサインを送っている。たまたま息抜きに頭を上げていた誠はかなめがなんやかんや言いながら仕事をしていたことに思わず笑みを浮かべていた。

「島田君!そっちの宣伝活動はどうよ」 

「ええ、まあ順調ですね。あちらもうちと同じでシャムさんやレベッカさんの絵を使ってキャラクターの設定を始めたみたいですけど……」 

「ちょっと見せて」 

 アイシャはすっかりこの部屋の指揮官として動き回っている。誠は再び頭を上げた。さすがに集中力が尽きてアイシャが島田の端末の画像を見て悪い笑いを浮かべるのを見ながら首を回して気分転換をしてみる。

「これなら勝てるわね。シャムちゃんのは少年向けの絵柄だし、レベッカの絵は女性向けっぽいところがあるから。遼北軍みたいに女性の多いところだと危なかったけど……東和軍は男性比率は80パーセント以上!逃げ切れるわよ」 

 アイシャはそう言って勝利を確信した。確かに彼女が『東和限定』と言う設定に持ち込んだ理由が良くわかってきた。遼北軍は70パーセント以上、外惑星のゲルパルトなどでも60パーセントは女性兵士、人工的に作られた兵士である『ラストバタリオン』で占められていた。

 アイシャと運行部での彼女の部下であるサラとパーラはその『ラストバタリオン』計画の産物だった。他にもカウラやかえでの部下と言うより愛人と言われる渡辺要も同じように人工的にプラントで量産された人造女性兵士である。

 先の大戦で作られた人造兵士達は技術的な問題から女性兵士が多く、司法局の配属の『ラストバタリオン』の遺産達もほぼすべて女性だった。それを知り尽くしているアイシャに不敵な笑みが浮かぶ。

「でもあちらにお姉さんがついたのは痛いわね……意外とあの人厄介よ」 

 アイシャが独り言のようにつぶやいた。カウラとかえでの顔色が変わる。

「鈴木中佐があちらに?菱川重工を押さえるつもりか?」 

 そんなかえでの言葉に再び作業に戻ろうとした誠が視線を向けた。

「お姉さんは泣き落としに弱いからしょうがないわよ。それにあちらが軍と警察だけに限定していた範囲を広げるならこちらも攻勢をかけましょう」 

 アイシャは笑顔で島田の耳元に何かを囁いた。

「マジですか?」 

「大マジよ!」 

 島田の顔色が変わったのを見て誠はそちらに目を向けた。そんな彼の視線を意識しているようにわざと懐からディスクを取り出したアイシャは島田にそれを手渡した。

「なんだそれは?」 

 場に流されるままのカウラが島田が端末に挿入するディスクを見つめる。そのディスクのデータがすぐにモニターに表示された。数知れぬ携帯端末のアドレスが表示される。カウラはそれを見てさらに頭を抱えた。

「それって……」 

「ちょっとした魔法で手に入れた同志達の端末のアドレスよ」 

 何事も無いように答えるアイシャに誠は開いた口がふさがらなかった。非合法活動のにおいがぷんぷんする個人データ。こういうことなら吉田の真骨頂が見れるのだが、さすがの吉田もこんなことではハッキング活動をするほど汚くは無い。

「どうやって集めた?場合によっては刑事事件モノだぞ!」 

「そんなに怖い顔しないでよ。アタシのサイトのメールマガジン登録者のデータよ。これもメールマガジンの一部のサービスってことで」 

 それでも一応は個人データの流用をしてはならないと言う法律がある。それを思い出して誠はため息をつくしかなかった。アイシャの趣味はエロゲ攻略である。女性向けだけでなく男性向けのデータも集めたその膨大な攻略法の記されたページはその筋の人間なら一度は目にしたことがある程の人気サイトになっていた。

 そしてアイシャは隠し球はそれだけではないと言うように携帯端末から電話をかける。

「今度は何をする気だ?」 

 カウラはそう言って誠を見つめる。

「あ、私よ。例のプロジェクトが発動したわ。今こそ中佐への忠誠を見せる時よ。情報の提供頼むわね」 

 そう言うとアイシャはすぐに通信を切る。

「誰にかけていた?」 

「あ、小夏ちゃんよ」 

 カウラの問いに即答するアイシャに誠は感心するより他になかった。小夏は以前はシャムの子分格だったが、中佐で明石のあとをついで二代目司法局隊副長に就任することが確定したランの登場で今では彼女の手下となっていた。

 シャムは『人間皆友達』と言うおめでたいキャラである。だが、ランの名前をちらつかせてアイシャが小夏にアプローチをかけて寝返らせたと言う光景を想像しまった誠は、ただこの状況を見なかったことにしようと目の前の絵に没頭することにした。

「勝てるわね」 

「まあ勝つだろうな。勝ってもまったく自慢にはならないがな」 

 余裕の表情を浮かべるアイシャをカウラはあきれ果てたという感じで眺めていた。

 そんな二人をしり目に島田はキーボードを叩いていた。

「菱川重工……なんとか陥落だけは防ぎましたよ」

 そう言って島田は伸びをした。

「よし!勝った!」

 アイシャが勝利を確信したように叫んだ。

「さっきから気になってたんだが……物語はどんななんだ?」

 カウラはアイシャが描いたキャラクターの設定資料の束をサラの隣の机から取り上げた。そして一枚目のページをめくる。

「南條シャム。南條家の三人姉妹の末っ子。小学5年生」 

「そうよやっぱり魔法少女は小学生じゃないと!」 

 カウラの言葉にアイシャは胸を張って答える。そんなアイシャを完全に無視してカウラはさらに読み進める。

「魔法の森の平和を守る為にやってきたグリンに選ばれて魔法少女になる……魔法の森って……」 

 そこでカウラはアイシャをかわいそうなものを見るような視線で眺める。だが、そのような視線で見られることに慣れているアイシャはまったく動じる様子が無い。

「おてんばで正義感が強い元気な女の子……まあアレも女の子だな。背と胸が小さいことを気にしている」 

 ここまでカウラが読んだところで会議室の空気が緊張した。だが、カウラはさすがにこれに突っ込むことはしなかった。しかし、胸を気にしていると言うことを自ら認めるほどカウラは愚かではなかった。

「勉強は最悪。かなりのどじっ娘。変身魔法の呪文はグリン……グリン?ああこの絵か。魔法熊?熊ってなんだ?まあいいか、が『念じればかなうよ』と言ったのに変身呪文を創作して勝手に唱える。しかも記憶力が無いので毎回違う……まあシャムだからな」

「そうでしょ?シャムちゃんだもの」 

 二人のこの奇妙な会話に誠はただ笑いをこらえるのに必死だった。だがその我慢もすぐに必要が無くなった。

「よう!」 

 突然会議室の扉が開き、入ってきたのは嵯峨だった。雪駄の間抜けな足音が会議室にこだまする。

「隊長、なんですか」 

 島田の作業を注視していたアイシャが顔をあげる。嵯峨は頭を掻きながらそれを無視すると義娘のかえでなどを眺めながら誠に歩み寄る。

「やっぱり、お前はたいしたもんだなあ……」 

 誠の書き上げたイラストを嵯峨はしみじみと見つめる。その後ろからタバコを吸い終えて帰ってきたかなめが珍しそうに眺める。

「叔父貴がなんで居るんだ?」 

「仲間はずれかよ、傷つくよなあ……」 

 嵯峨はそう言いながらふらふらと端末を操作している島田の方に歩いていく。

「あちらはシャムが空回りしていたけどこっちはかなり組織的みたいだねえ」 

 そう言うとアイシャが立ちはだかって見えないようにしている端末のモニターを、背伸びをして覗き込もうとする。

「一応秘密ですから。敵に寝返る可能性のある人物にはお見せできません」 

 アイシャに睨みつけられて肩を落す嵯峨はそのまま会議室の出口へと歩いていく。

「ああ、そうだ。一応これは本職じゃないから、あと30分で全員撤収な」 

 そう言い残して嵯峨は出て行く。誠がその言葉に気がついたように見上げれば窓の外はすでに闇に包まれていた。

「え、五時半?」 

 アイシャの言葉に全員が時計に目をやった。

「省エネ大臣の高梨参事が来ないうちってことですかね」 

 手だけはすばやくタイピングを続けながら島田がつぶやいた。誠もこれが明らかに仕事の範囲を逸脱しているものだということは分かっていた。もうそろそろ配属6ヶ月を過ぎて、おそらくこの馬鹿騒ぎは嵯峨と言う中央から白い目で見られている危険人物が隊長をやっているから許されるのだろうとは理解していた。おかげで司法局実働部隊の評価が中央では著しく低いことの理由もみてとれた。

「じゃあ誠ちゃんとカウラ、パーラとサラ。ちょっと片付け終わったら付き合ってくれるかしら」 

「アタシはどうすんだ?」 

 かなめが不機嫌そうに叫ぶ。同じように島田が手を止めてアイシャを見上げ、かえでと渡辺がつまらなそうな視線をアイシャに投げる。

「もう!いいわよ!来たい人は着替え終わったら駐車場に集合!続いての活動は下士官寮でと言うことでいいわね!」 

 そんなアイシャの言葉に全員が納得したと言うように片づけを始める。誠はデザイン途中のキャラクターの絵をどうしようか悩みながらペンタブを片付けていた。

「途中みたいだが良いのか?」 

 カウラはそう言うと描き途中の絵を手にしていた。何枚かの絵を眺めていたカウラの目がエメラルドグリーンの髪の女性の姿を前にして止まる。

「これは私だな」 

 そう言いながらカウラは複雑そうな笑みを浮かべる。『南條家長女』と誠の説明書きが入ったその絵の女性の胸は明らかにカウラのそれに似て平原だった。

「神前……まあ良いか」 

 以前のカウラには聞かれなかったような明るい調子の声がしたのを確認すると誠は肩をなでおろした。
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