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第3章 もとをただせば
企画会議
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「それじゃあ、僕は……」
部屋中の注目が誠に向いてくる。気の弱い誠は額に汗がにじむのを感じていた。
「おい!オメー等。何やってんだ?」
突然扉が開いて東和軍の制服を着た小さな女の子が部屋に舞い込んで来た様子を誠はじっと見つめてしまった。
小さな女の子。確かに110cmと少しの身長の、あらゆる意味で正反対の大男、明石清海の後任である司法局実働部隊副隊長クバルカ・ラン中佐はどう見てもそう表現するしかない外見をしていた。
「悪巧みか?アタシも混ぜろよな」
そう言って勝手に椅子を運んできて話の輪に加わろうとする。ランはしばらく机の上の紙切れをめくってみた後、吉田の操作しているモニターに目をやった。そして明らかに落胆したような様子でため息をつく。
「おい、あのおっさん馬鹿じゃねーのか?」
吉田にランは正直な感想をもらす。すぐにいつものその見た目とは正反対な思慮深い目で吉田がいじっている端末の画面を覗き見る。
「で、シャムが巨大ロボット?そんなもん明華にでも頼んで作ってもらえよ。カウラは剣と魔法のファンタジー?ありきたりだなあ、個性がねーよ。かなめが刑事モノ?ただ銃が撃ちてーだけだろ?」
ランはあっさりとすべての案をけなしていく。
「じゃあ、教導官殿のご意見をお聞かせ願いたいものですねえ」
そんなランに吉田が挑戦的な笑みを浮かべる。ランは先月まで東和国防軍の教導部隊の隊長を務めていた人物である。吉田もそれを知っていてわざと彼女をあおって見せる。
そこでランの表情が変わった。明らかに予想していない話題の振り方のようで、おたおたと視線を彷徨わせた。
「なんでアタシがこんなこと考えなきゃならねーんだよ!」
「ほう、文句は言うけど案は無し。さっきの見事な評価の数々はただの気まぐれか何かなんですかねえ」
吉田は得意げな笑みを浮かべる。その視線の先には明らかに面子を潰されて苦々しげに吉田を見つめるランがいた。
「アタシは専門外だっつうの!オメエが仕切ればいいだろ!」
ランの口を尖らせて文句を言う姿はその身なりと同様、小学校低学年のそれだった。
「じゃあ、仕切ると言うわけで。神前」
そう言って吉田は誠を見つめる。明らかに逃げ道はふさがれた。薄ら笑いを浮かべるアイシャを見ながら誠は冷や汗が流れるのを感じていた。
「それじゃあ戦隊モノはどうですか?」
破れかぶれでそう言ってみた。
「いいね!それやろう!」
シャムは当然のように食いつく。
「おい、オメエのロボットの案はどうしたんだ?」
呆れたようにかなめが口を開いた。
「戦隊モノねえ。そうすると野郎枠が増えるけど……島田呼んでくるか?」
吉田のその言葉に急に表情を変えたのは意外なことにかなめだった。
「バーカ。島田の馬鹿に英雄なんて務まるわけねだろ?うちの野郎は骨のあるのは本部に引き抜かれた明石のタコとシンの旦那くらいだぞ。シンの旦那は今は同盟機構軍教導部隊の発足準備で忙しいんだからそんな暇ねえよ」
そのかなめの言葉にアイシャが珍しくうなづく。
「キャストを決めるのは後でだろ。じゃあ……クラウゼ。貴様はどうしたいんだ?」
吉田が同じ階級の少佐だが先任と言うことと実力で上に立っているということを示すような投げやりな態度でそう言った。そんな吉田の態度に自信満々で口を開くアイシャだった。
「まず『萌え』と言うことでシャムちゃんは欠かせないわね。色は当然ピンク」
「やったー!」
叫ぶシャムをめんどくさそうに一瞥した吉田はすぐにアイシャに視線を移す。
「そしてクールキャラはカウラちゃんでしょうね。ブルーのナンバー2っぽいところはちょうどいいじゃないの。それに影の薄い緑は誠ちゃん」
「僕ってそんなに影薄いんですか?」
そう言いながら誠は弱ったように苦笑いを浮かべた。さらにアイシャは言葉を続けた。
「そして黄色の怪力キャラは……当然リアル怪力のかなめちゃん!」
「てめえ、外出ろ!いいから外出ろ」
そう言って指を鳴らすかなめを完全に無視してアイシャは言葉を続けた。
「なんと言ってもリーダーシップ、機転が利く策士で、カリスマの持ち主レッドは私しかいないわね!」
「おい!お前のどこがカリスマの持ち主なんだ?ちゃんとアタシに納得できるように説明しろよ!」
叫ぶかなめを完全に無視してアイシャはどうだという表情で吉田を見つめる。
「なるほどねえ、よく考えたもんだ。もし神前の意見となったら頼むわ。それじゃあ……それでお前は何がしたいんだ」
吉田は彼女達のどたばたが収まったのを確認すると、半分呆れながらアイシャの意見を確認した。
「それは当然魔法少女よ!」
「あのー、なんで僕を指差して言うんですか?」
アイシャはびしっと音が出そうな勢いで人差し指で誠を指しながらそう言い切った。
「おめー日本語わかってんのか?それともドイツ語では『少女』になんか別の意味でもあるのか?アタシが習った限りではそんな意味ねーけどな」
淡々と呆れた表情でランが突っ込みを入れる。
「ああ、それじゃあアイシャは『神前が主役の魔法少女』と」
「あの、吉田少佐?根本的におかしくないですか?」
カウラはさすがにやる気がなさそうにつぶやく吉田を制した。
「何が?」
「少女じゃねえよな、神前は」
同情するような、呆れているような視線をかなめは誠に送る。
「じゃあ……かわいくお化粧しようよ!」
そう言って手を打つシャム。
「女装か。面白いな」
「わかってるじゃないですか吉田君!それが私の目論見で……」
「全力でお断りします」
さすがに自分を置いて盛り上がっている一同に、誠は危機感を感じてそう言った。
「えー!つまんない!」
シャムの言葉に誠は心が折れた。
「面白れーのになあ」
ランは明らかに悪意に満ちた視線を誠に向けてくる。
「……と言う意見があるわけだが」
吉田は完全に他人を装っている。
「見たいわけではないが……もしかしたらそれも面白そうだな」
カウラは好奇心をその視線に乗せている。
誠はただ呆然と議事を見ていた。
「やめろよな。こいつも嫌がってるだろ!」
そう言ってくれたかなめに誠はまるで救世主が出たとでも言うように感謝の視線を送る。
「魔法少女ならこいつ等がいいじゃねえの?」
かなめはそう言うとシャムとランを指差した。
「やっぱりかなめちゃんもそう思うんだ」
そう言うアイシャは自分の発言に場が盛り上がったのを喜んでいるような表情で誠を見つめた。
「誠ちゃん本気にしないでよ!誠ちゃんがヒロインなんて……冗談に決まってるでしょ?」
ようやく諦めたような顔のアイシャを見て、誠は安心したように一息ついた。
「なるほどねえ……とりあえず意見はこんなものかね」
そう言うと吉田は一同を見渡した。
「良いんじゃねーの?」
ランはそう言うと目の前のプリントを手に取った。
「隊員の端末に転送するのか?」
そう言いながら手にしたプリントを吉田に見せ付ける。
「ああ、わかってますよ。とりあえずアンケートはネットで知らせますが、記入は隊長が用意したのを使った方が良いですね」
「そうね、自分の作ったアンケート用紙を捨てられたら隊長泣いちゃうから」
吉田の言葉にアイシャがうなづく。
「隊長はそう言うところで変に気が回るからな」
ランがそう言いながらここにいる全員にプリントを配る。
「じゃあ、神前。お前がこいつを配れ」
そう言ってランはプリントの束を誠に渡す。
「そうだよね!誠ちゃんが一番階級下だし、年下だし……」
「そうは見えないがな」
かなめはいたずらっぽい視線をシャムに送る。そんなかなめの言葉にシャムは口を尖らせた。
「ひどいよかなめちゃん!私のほうが誠ちゃんよりお姉さんなんだぞ!」
「じゃあ、配りましょう!」
口を尖らせるシャムを無視してアイシャは誠の手を取って立ち上がった。それに対抗するようにカウラとかなめも立ち上がる。
「おう、全員にデータは転送したぜ。配って来いよ」
吉田の声を聞くとはじかれるようにアイシャが誠の手を引っ張って部屋を出ようとする。
「慌てるなよ。それよりどこから配る?」
「決まってるじゃないの!島田君のところから行くわよ」
アイシャはそう言ってコンピュータルームを後にする。誠はその手にひきづられて寒い廊下に引き出された。かなめとカウラもいつものように誠の後ろに続く。そのまま実働部隊の詰め所で雑談をしている第四小隊と明石を無視してそのままハンガーに向かった。
部屋中の注目が誠に向いてくる。気の弱い誠は額に汗がにじむのを感じていた。
「おい!オメー等。何やってんだ?」
突然扉が開いて東和軍の制服を着た小さな女の子が部屋に舞い込んで来た様子を誠はじっと見つめてしまった。
小さな女の子。確かに110cmと少しの身長の、あらゆる意味で正反対の大男、明石清海の後任である司法局実働部隊副隊長クバルカ・ラン中佐はどう見てもそう表現するしかない外見をしていた。
「悪巧みか?アタシも混ぜろよな」
そう言って勝手に椅子を運んできて話の輪に加わろうとする。ランはしばらく机の上の紙切れをめくってみた後、吉田の操作しているモニターに目をやった。そして明らかに落胆したような様子でため息をつく。
「おい、あのおっさん馬鹿じゃねーのか?」
吉田にランは正直な感想をもらす。すぐにいつものその見た目とは正反対な思慮深い目で吉田がいじっている端末の画面を覗き見る。
「で、シャムが巨大ロボット?そんなもん明華にでも頼んで作ってもらえよ。カウラは剣と魔法のファンタジー?ありきたりだなあ、個性がねーよ。かなめが刑事モノ?ただ銃が撃ちてーだけだろ?」
ランはあっさりとすべての案をけなしていく。
「じゃあ、教導官殿のご意見をお聞かせ願いたいものですねえ」
そんなランに吉田が挑戦的な笑みを浮かべる。ランは先月まで東和国防軍の教導部隊の隊長を務めていた人物である。吉田もそれを知っていてわざと彼女をあおって見せる。
そこでランの表情が変わった。明らかに予想していない話題の振り方のようで、おたおたと視線を彷徨わせた。
「なんでアタシがこんなこと考えなきゃならねーんだよ!」
「ほう、文句は言うけど案は無し。さっきの見事な評価の数々はただの気まぐれか何かなんですかねえ」
吉田は得意げな笑みを浮かべる。その視線の先には明らかに面子を潰されて苦々しげに吉田を見つめるランがいた。
「アタシは専門外だっつうの!オメエが仕切ればいいだろ!」
ランの口を尖らせて文句を言う姿はその身なりと同様、小学校低学年のそれだった。
「じゃあ、仕切ると言うわけで。神前」
そう言って吉田は誠を見つめる。明らかに逃げ道はふさがれた。薄ら笑いを浮かべるアイシャを見ながら誠は冷や汗が流れるのを感じていた。
「それじゃあ戦隊モノはどうですか?」
破れかぶれでそう言ってみた。
「いいね!それやろう!」
シャムは当然のように食いつく。
「おい、オメエのロボットの案はどうしたんだ?」
呆れたようにかなめが口を開いた。
「戦隊モノねえ。そうすると野郎枠が増えるけど……島田呼んでくるか?」
吉田のその言葉に急に表情を変えたのは意外なことにかなめだった。
「バーカ。島田の馬鹿に英雄なんて務まるわけねだろ?うちの野郎は骨のあるのは本部に引き抜かれた明石のタコとシンの旦那くらいだぞ。シンの旦那は今は同盟機構軍教導部隊の発足準備で忙しいんだからそんな暇ねえよ」
そのかなめの言葉にアイシャが珍しくうなづく。
「キャストを決めるのは後でだろ。じゃあ……クラウゼ。貴様はどうしたいんだ?」
吉田が同じ階級の少佐だが先任と言うことと実力で上に立っているということを示すような投げやりな態度でそう言った。そんな吉田の態度に自信満々で口を開くアイシャだった。
「まず『萌え』と言うことでシャムちゃんは欠かせないわね。色は当然ピンク」
「やったー!」
叫ぶシャムをめんどくさそうに一瞥した吉田はすぐにアイシャに視線を移す。
「そしてクールキャラはカウラちゃんでしょうね。ブルーのナンバー2っぽいところはちょうどいいじゃないの。それに影の薄い緑は誠ちゃん」
「僕ってそんなに影薄いんですか?」
そう言いながら誠は弱ったように苦笑いを浮かべた。さらにアイシャは言葉を続けた。
「そして黄色の怪力キャラは……当然リアル怪力のかなめちゃん!」
「てめえ、外出ろ!いいから外出ろ」
そう言って指を鳴らすかなめを完全に無視してアイシャは言葉を続けた。
「なんと言ってもリーダーシップ、機転が利く策士で、カリスマの持ち主レッドは私しかいないわね!」
「おい!お前のどこがカリスマの持ち主なんだ?ちゃんとアタシに納得できるように説明しろよ!」
叫ぶかなめを完全に無視してアイシャはどうだという表情で吉田を見つめる。
「なるほどねえ、よく考えたもんだ。もし神前の意見となったら頼むわ。それじゃあ……それでお前は何がしたいんだ」
吉田は彼女達のどたばたが収まったのを確認すると、半分呆れながらアイシャの意見を確認した。
「それは当然魔法少女よ!」
「あのー、なんで僕を指差して言うんですか?」
アイシャはびしっと音が出そうな勢いで人差し指で誠を指しながらそう言い切った。
「おめー日本語わかってんのか?それともドイツ語では『少女』になんか別の意味でもあるのか?アタシが習った限りではそんな意味ねーけどな」
淡々と呆れた表情でランが突っ込みを入れる。
「ああ、それじゃあアイシャは『神前が主役の魔法少女』と」
「あの、吉田少佐?根本的におかしくないですか?」
カウラはさすがにやる気がなさそうにつぶやく吉田を制した。
「何が?」
「少女じゃねえよな、神前は」
同情するような、呆れているような視線をかなめは誠に送る。
「じゃあ……かわいくお化粧しようよ!」
そう言って手を打つシャム。
「女装か。面白いな」
「わかってるじゃないですか吉田君!それが私の目論見で……」
「全力でお断りします」
さすがに自分を置いて盛り上がっている一同に、誠は危機感を感じてそう言った。
「えー!つまんない!」
シャムの言葉に誠は心が折れた。
「面白れーのになあ」
ランは明らかに悪意に満ちた視線を誠に向けてくる。
「……と言う意見があるわけだが」
吉田は完全に他人を装っている。
「見たいわけではないが……もしかしたらそれも面白そうだな」
カウラは好奇心をその視線に乗せている。
誠はただ呆然と議事を見ていた。
「やめろよな。こいつも嫌がってるだろ!」
そう言ってくれたかなめに誠はまるで救世主が出たとでも言うように感謝の視線を送る。
「魔法少女ならこいつ等がいいじゃねえの?」
かなめはそう言うとシャムとランを指差した。
「やっぱりかなめちゃんもそう思うんだ」
そう言うアイシャは自分の発言に場が盛り上がったのを喜んでいるような表情で誠を見つめた。
「誠ちゃん本気にしないでよ!誠ちゃんがヒロインなんて……冗談に決まってるでしょ?」
ようやく諦めたような顔のアイシャを見て、誠は安心したように一息ついた。
「なるほどねえ……とりあえず意見はこんなものかね」
そう言うと吉田は一同を見渡した。
「良いんじゃねーの?」
ランはそう言うと目の前のプリントを手に取った。
「隊員の端末に転送するのか?」
そう言いながら手にしたプリントを吉田に見せ付ける。
「ああ、わかってますよ。とりあえずアンケートはネットで知らせますが、記入は隊長が用意したのを使った方が良いですね」
「そうね、自分の作ったアンケート用紙を捨てられたら隊長泣いちゃうから」
吉田の言葉にアイシャがうなづく。
「隊長はそう言うところで変に気が回るからな」
ランがそう言いながらここにいる全員にプリントを配る。
「じゃあ、神前。お前がこいつを配れ」
そう言ってランはプリントの束を誠に渡す。
「そうだよね!誠ちゃんが一番階級下だし、年下だし……」
「そうは見えないがな」
かなめはいたずらっぽい視線をシャムに送る。そんなかなめの言葉にシャムは口を尖らせた。
「ひどいよかなめちゃん!私のほうが誠ちゃんよりお姉さんなんだぞ!」
「じゃあ、配りましょう!」
口を尖らせるシャムを無視してアイシャは誠の手を取って立ち上がった。それに対抗するようにカウラとかなめも立ち上がる。
「おう、全員にデータは転送したぜ。配って来いよ」
吉田の声を聞くとはじかれるようにアイシャが誠の手を引っ張って部屋を出ようとする。
「慌てるなよ。それよりどこから配る?」
「決まってるじゃないの!島田君のところから行くわよ」
アイシャはそう言ってコンピュータルームを後にする。誠はその手にひきづられて寒い廊下に引き出された。かなめとカウラもいつものように誠の後ろに続く。そのまま実働部隊の詰め所で雑談をしている第四小隊と明石を無視してそのままハンガーに向かった。
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