480 / 1,505
第35章 宴会
晴れ舞台
しおりを挟む
「ああ、そうだ。カウラ。顔貸せ」
一瞬の沈黙をついてようやくいつもの調子に戻ったかなめが、アタッシュケースを手にカウラを呼び寄せる。
「何のつもりだ?」
近づいてきて肩に手を伸ばしたかなめにカウラは迷惑そうな顔を向けた。新品とわかるつやのある表面の銀色のアタッシュケース。誠はかなめならば入っているものは小型のサブマシンガンなどだと思って苦い顔をした。
しかしかなめはそんな迷惑そうな誠の視線など無視して立ち上がりかけたカウラの手を引く。
「ああ、薫さん。しばらくこいつを借りますから。それとアイシャ。鏡を見て来い」
そう言うとかなめはそのまま三人が泊まっている客間へとカウラを連れて行った。きっとガンショーか何かで見つけた最新式の銃器の発注をどうするかと言ったところを、小火器担当の整備士官であるキム・ジュンヒ少尉あたりと連絡を取って話し合う。そんなことを誠は想像していた。
「西園寺さん……また銃関係の話でもするんですかね」
誠は落ち着いて再びコタツに座りなおすと、食べかけのみかんに取り掛かった。再びだらけたモードに落ち着いたアイシャもみかんに取り掛かっている。
「あれでしょ?お互いの肉体で愛を確かめ合うんじゃないの?」
「なに言ってるんですか……」
アイシャらしい百合な発想に呆れ果てながら、誠はみかんを口に放り込んだ。薫もテレビのラグビーの試合に飽きたようでそのまま台所へと帰っていった。
「本当に鈍いのね」
アイシャは誠にだけ聞こえるようにひそかにつぶやく。誠にはしばらくその意味がわからず首をひねりながらアイシャを見つめていた。
「わからないの?」
「何がですか?」
誠の解答が相当不満だったようで、アイシャは大きくため息をつくとみかんの袋を口に運んだ。
「アイシャさん、誠。机を運ぶの手伝ってほしいんだけど」
「行くわよ、誠ちゃん」
薫の言葉にアイシャは気分を切り替えたと言うように立ち上がる。誠も先ほどのアイシャの発言に納得がいかないまま後ろ髪を引かれるようにコタツの中から足を引き抜いた。
コタツを廊下に運び、台所のテーブルと椅子を居間に運ぶ。そこで景気よく呼び鈴が鳴る。
「誠!お願い!」
母に言われて誠が玄関に走る。
「ピザロマーナです!シーフードとチキンのL、お持ちしました!」
大学生くらいの配達員がそう言ってピザの入った薄い箱を誠に差し出す。
「はい……カードで……」
ピザの配達は予想していたので誠はズボンのポケットに入れていたカードを差し出す。
「ありがとうございます!」
立ち去る配達員を見ながら誠はピザの入った箱を手に茶の間に戻った。冬の夕方の日差しは黄色く、部屋の中に充満した。
「母さん!ピザはどうするの!」
「刺身用の大皿があるでしょ!戸棚の一番上!それにお願い!」
母の言葉を聞いて誠がピザを載せるタイの姿づくりが一匹乗る刺身用の大きな皿をお勝手の戸棚から取り出すと箱から出したピザを移す。
またそこで呼び鈴が鳴った。
「誠ちゃんはそのままで!」
今度はアイシャが玄関に走る。
『バースデーケーキ……宅配で頼んでたんだ、アイシャさん』
誠はそう思いながらピザを載せた皿を茶の間のテーブルの上に置いた。
「プレートはカウラちゃんに食べてもらいましょう」
わざわざアイシャがそう言った。実は辛党で通っているかなめが、チョコレートだけは別腹だということは誠も知っていた。それを薫に伝えたかったのだろうと思うと誠は苦笑いを浮かべた。台所からはシンのレシピによるタンドリーチキンの焼ける香りが漂う。だが、そんな下準備が済んだというのに客間のかなめとカウラは出てくる様子が無かった。
「アイシャさん……」
テーブルにケーキを設置する。さらに昨日いつの間にかかなめが運び込んだ数本の地球産のワインのボトルを誠は並べた。それを眺めているアイシャに誠が声をかけた。
「ああ、あの二人ね。それはそれは深い愛に目覚めちゃって……」
「冗談は良いんですよ。もうすぐ始められるじゃないですか。呼んできたほうが良いんじゃないですか?」
誠の言葉にアイシャは一瞬目が点になる。そしてまじまじと誠を見つめてくる。
「誠ちゃん。本気で言ってるの?」
「あの二人がアイシャさんの望む展開になっているとは思えないんですけど」
こちらも負けてたまるかと、誠もじっとアイシャを見つめる。
「何、二人で馬鹿なことやってんだよ」
客間に向かう廊下からかなめが顔を出した。いつものように黒いタンクトップにジーンズ。先ほど出て行ったときと変わった様子は無い。
「カウラちゃんは?」
アイシャは明らかにかなめ達が何をしていたのか知っていたようにかなめに尋ねる。
「あいつの説得には骨が折れたぜ。こいつに二回も恥ずかしい格好を見せたくないとか抜かしやがって……」
「二回?恥ずかしい?」
愚痴をこぼしてそのまま椅子に座って足を組むかなめを見ながら誠はつぶやいていた。その言葉がいまいち理解できず、呆然とかなめを見つめる。
「お肉焼けたわよ!手伝って!」
薫の声で三人は立ち上がる。そわそわしながら台所に行くと、そこにはそれぞれの皿に大盛りのタンドリーチキンが並んでいた。
「凄いですね」
満面の笑みでアイシャが皿を両手に持った。誠は先ほどのかなめの言葉が気になったが追及するわけにも行かずに母から預けられた皿をテーブルに運ぶ。
そして肉まで運ばれてくると居間の雰囲気はすっかり素朴な感じのパーティーのそれに変わっていた。
「もういいかな?」
そう言うとかなめが再び客間に消える。
「スパーリングワイン係!」
アイシャは手にしていたスパークリングワインを誠に渡す。あまりにも満足げな彼女の笑みにほだされてつい、誠はワインの栓の周りの銀紙を外す作業をはじめた。
「どう?誠ちゃん」
「そんなすぐは無理ですよ」
恐る恐るスパークリングワインのコルクを緩めはじめた誠をアイシャが急かせる。
「おい、アイシャ。いいか?」
廊下で後ろに何かを抑えているようなかなめの顔が飛び出していた。だがアイシャはかなめの言うことなど聞かずおっかなびっくり栓をひねっている誠を見つめている。
「いいわよ……って要領悪いわね」
そう言うと明らかにびびりながら栓を抜こうとしている誠からアイシャはスパークリングワインを奪い取る。彼女はそのまま勢い良く栓をひっぱる。
ぽんと栓が突然はじけた。栓はそのまま天井に当たって力なく床に転がった。
「ったく何やってんだよ……来いよ」
アイシャがワインを撒き散らす寸前でどうにか落ち着いたのを見計らうと、かなめが後ろの誰かに声をかけた。
「すまない……なんだか……似合わなくて」
戸惑いながら響くカウラの声。誠がそちらに目をやると緑の髪の淑女がそこに立っていた。アイシャ、薫、そして誠の視線がもじもじしながら立っているカウラに向けられていた。
「綺麗……」
アイシャがそう言うまでも無く誠も心のそこからカウラの美しさに惹かれていた。額と胸、そして腕には先日かなめが選んだルビーとエメラルドの装飾が飾られている。着ているドレスは先日店で見たものとは違う薄い緑色の楚々とした雰囲気のドレスだった。
「凄いわね」
薫もうっとりとカウラの姿を見つめている。いつもは活動的なポニーテールになっている後ろ髪が流れるようにドレスの開いた背中に広がっている。
「まあ、こんくらいじゃないとアタシの上司って言うことで紹介するわけにはいかねえからな」
得意げなかなめのラフな黒いタンクトップとジーパン姿が極めて浮いて見える。
「かなめちゃん。どきなさい」
「んだ?アイシャ。今日の主役はこいつ。アタシの格好がどうだろうが関係ねえだろ?」
「だから言ってんの。視界に入らないで。目が穢れるから」
「なんだって?」
かなめがこぶしを作るのを見るとカウラはドレスが見せる効果か、ゆったりとした動きで握り締めたかなめの右手を抑えて見せた。
「止めろ、西園寺。貴様はそうやって……」
いつもの調子で言葉をつむぐカウラかなめは突然顎をしゃくって大仰に構えた。。
「そのような無骨な言葉を使うことは感心しませんわよ。もう少し穏やかな言葉を使ってくださいな」
かなめは作ったように上品に笑ってアイシャの隣のを引いて静かに座る。
「かなめちゃん。ちょっといい?」
「どうぞ、おっしゃって頂戴」
「キモイ」
確かにあまりにも普段の暴力娘的な格好で上品な口調をするかなめには違和感があるのを誠も感じていた。
「てめえ、一回死ね!」
かなめはいつもの調子でそうつぶやくと再び穏やかな表情に戻った。
一瞬の沈黙をついてようやくいつもの調子に戻ったかなめが、アタッシュケースを手にカウラを呼び寄せる。
「何のつもりだ?」
近づいてきて肩に手を伸ばしたかなめにカウラは迷惑そうな顔を向けた。新品とわかるつやのある表面の銀色のアタッシュケース。誠はかなめならば入っているものは小型のサブマシンガンなどだと思って苦い顔をした。
しかしかなめはそんな迷惑そうな誠の視線など無視して立ち上がりかけたカウラの手を引く。
「ああ、薫さん。しばらくこいつを借りますから。それとアイシャ。鏡を見て来い」
そう言うとかなめはそのまま三人が泊まっている客間へとカウラを連れて行った。きっとガンショーか何かで見つけた最新式の銃器の発注をどうするかと言ったところを、小火器担当の整備士官であるキム・ジュンヒ少尉あたりと連絡を取って話し合う。そんなことを誠は想像していた。
「西園寺さん……また銃関係の話でもするんですかね」
誠は落ち着いて再びコタツに座りなおすと、食べかけのみかんに取り掛かった。再びだらけたモードに落ち着いたアイシャもみかんに取り掛かっている。
「あれでしょ?お互いの肉体で愛を確かめ合うんじゃないの?」
「なに言ってるんですか……」
アイシャらしい百合な発想に呆れ果てながら、誠はみかんを口に放り込んだ。薫もテレビのラグビーの試合に飽きたようでそのまま台所へと帰っていった。
「本当に鈍いのね」
アイシャは誠にだけ聞こえるようにひそかにつぶやく。誠にはしばらくその意味がわからず首をひねりながらアイシャを見つめていた。
「わからないの?」
「何がですか?」
誠の解答が相当不満だったようで、アイシャは大きくため息をつくとみかんの袋を口に運んだ。
「アイシャさん、誠。机を運ぶの手伝ってほしいんだけど」
「行くわよ、誠ちゃん」
薫の言葉にアイシャは気分を切り替えたと言うように立ち上がる。誠も先ほどのアイシャの発言に納得がいかないまま後ろ髪を引かれるようにコタツの中から足を引き抜いた。
コタツを廊下に運び、台所のテーブルと椅子を居間に運ぶ。そこで景気よく呼び鈴が鳴る。
「誠!お願い!」
母に言われて誠が玄関に走る。
「ピザロマーナです!シーフードとチキンのL、お持ちしました!」
大学生くらいの配達員がそう言ってピザの入った薄い箱を誠に差し出す。
「はい……カードで……」
ピザの配達は予想していたので誠はズボンのポケットに入れていたカードを差し出す。
「ありがとうございます!」
立ち去る配達員を見ながら誠はピザの入った箱を手に茶の間に戻った。冬の夕方の日差しは黄色く、部屋の中に充満した。
「母さん!ピザはどうするの!」
「刺身用の大皿があるでしょ!戸棚の一番上!それにお願い!」
母の言葉を聞いて誠がピザを載せるタイの姿づくりが一匹乗る刺身用の大きな皿をお勝手の戸棚から取り出すと箱から出したピザを移す。
またそこで呼び鈴が鳴った。
「誠ちゃんはそのままで!」
今度はアイシャが玄関に走る。
『バースデーケーキ……宅配で頼んでたんだ、アイシャさん』
誠はそう思いながらピザを載せた皿を茶の間のテーブルの上に置いた。
「プレートはカウラちゃんに食べてもらいましょう」
わざわざアイシャがそう言った。実は辛党で通っているかなめが、チョコレートだけは別腹だということは誠も知っていた。それを薫に伝えたかったのだろうと思うと誠は苦笑いを浮かべた。台所からはシンのレシピによるタンドリーチキンの焼ける香りが漂う。だが、そんな下準備が済んだというのに客間のかなめとカウラは出てくる様子が無かった。
「アイシャさん……」
テーブルにケーキを設置する。さらに昨日いつの間にかかなめが運び込んだ数本の地球産のワインのボトルを誠は並べた。それを眺めているアイシャに誠が声をかけた。
「ああ、あの二人ね。それはそれは深い愛に目覚めちゃって……」
「冗談は良いんですよ。もうすぐ始められるじゃないですか。呼んできたほうが良いんじゃないですか?」
誠の言葉にアイシャは一瞬目が点になる。そしてまじまじと誠を見つめてくる。
「誠ちゃん。本気で言ってるの?」
「あの二人がアイシャさんの望む展開になっているとは思えないんですけど」
こちらも負けてたまるかと、誠もじっとアイシャを見つめる。
「何、二人で馬鹿なことやってんだよ」
客間に向かう廊下からかなめが顔を出した。いつものように黒いタンクトップにジーンズ。先ほど出て行ったときと変わった様子は無い。
「カウラちゃんは?」
アイシャは明らかにかなめ達が何をしていたのか知っていたようにかなめに尋ねる。
「あいつの説得には骨が折れたぜ。こいつに二回も恥ずかしい格好を見せたくないとか抜かしやがって……」
「二回?恥ずかしい?」
愚痴をこぼしてそのまま椅子に座って足を組むかなめを見ながら誠はつぶやいていた。その言葉がいまいち理解できず、呆然とかなめを見つめる。
「お肉焼けたわよ!手伝って!」
薫の声で三人は立ち上がる。そわそわしながら台所に行くと、そこにはそれぞれの皿に大盛りのタンドリーチキンが並んでいた。
「凄いですね」
満面の笑みでアイシャが皿を両手に持った。誠は先ほどのかなめの言葉が気になったが追及するわけにも行かずに母から預けられた皿をテーブルに運ぶ。
そして肉まで運ばれてくると居間の雰囲気はすっかり素朴な感じのパーティーのそれに変わっていた。
「もういいかな?」
そう言うとかなめが再び客間に消える。
「スパーリングワイン係!」
アイシャは手にしていたスパークリングワインを誠に渡す。あまりにも満足げな彼女の笑みにほだされてつい、誠はワインの栓の周りの銀紙を外す作業をはじめた。
「どう?誠ちゃん」
「そんなすぐは無理ですよ」
恐る恐るスパークリングワインのコルクを緩めはじめた誠をアイシャが急かせる。
「おい、アイシャ。いいか?」
廊下で後ろに何かを抑えているようなかなめの顔が飛び出していた。だがアイシャはかなめの言うことなど聞かずおっかなびっくり栓をひねっている誠を見つめている。
「いいわよ……って要領悪いわね」
そう言うと明らかにびびりながら栓を抜こうとしている誠からアイシャはスパークリングワインを奪い取る。彼女はそのまま勢い良く栓をひっぱる。
ぽんと栓が突然はじけた。栓はそのまま天井に当たって力なく床に転がった。
「ったく何やってんだよ……来いよ」
アイシャがワインを撒き散らす寸前でどうにか落ち着いたのを見計らうと、かなめが後ろの誰かに声をかけた。
「すまない……なんだか……似合わなくて」
戸惑いながら響くカウラの声。誠がそちらに目をやると緑の髪の淑女がそこに立っていた。アイシャ、薫、そして誠の視線がもじもじしながら立っているカウラに向けられていた。
「綺麗……」
アイシャがそう言うまでも無く誠も心のそこからカウラの美しさに惹かれていた。額と胸、そして腕には先日かなめが選んだルビーとエメラルドの装飾が飾られている。着ているドレスは先日店で見たものとは違う薄い緑色の楚々とした雰囲気のドレスだった。
「凄いわね」
薫もうっとりとカウラの姿を見つめている。いつもは活動的なポニーテールになっている後ろ髪が流れるようにドレスの開いた背中に広がっている。
「まあ、こんくらいじゃないとアタシの上司って言うことで紹介するわけにはいかねえからな」
得意げなかなめのラフな黒いタンクトップとジーパン姿が極めて浮いて見える。
「かなめちゃん。どきなさい」
「んだ?アイシャ。今日の主役はこいつ。アタシの格好がどうだろうが関係ねえだろ?」
「だから言ってんの。視界に入らないで。目が穢れるから」
「なんだって?」
かなめがこぶしを作るのを見るとカウラはドレスが見せる効果か、ゆったりとした動きで握り締めたかなめの右手を抑えて見せた。
「止めろ、西園寺。貴様はそうやって……」
いつもの調子で言葉をつむぐカウラかなめは突然顎をしゃくって大仰に構えた。。
「そのような無骨な言葉を使うことは感心しませんわよ。もう少し穏やかな言葉を使ってくださいな」
かなめは作ったように上品に笑ってアイシャの隣のを引いて静かに座る。
「かなめちゃん。ちょっといい?」
「どうぞ、おっしゃって頂戴」
「キモイ」
確かにあまりにも普段の暴力娘的な格好で上品な口調をするかなめには違和感があるのを誠も感じていた。
「てめえ、一回死ね!」
かなめはいつもの調子でそうつぶやくと再び穏やかな表情に戻った。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる