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第12章 謹慎
上級戦争犯罪人
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かなめの後を続いて珍しくもないカラオケボックスに入る誠達。
「ランの姐御!」
「ああ分かってる」
かなめの言葉を合図としてランはテーブルの下に潜り込んだ。かなめは壁を丹念に叩きながら何かを探している。
「クバルカ中佐……」
そう言うカウラは二人が何を探しているのか分からずにいた。
「盗聴器だ!あのおっさんに関わったんだ。それなりの組織がアタシ等を追うのは当然だろ?早く探せ!」
かなめの言葉に弾かれた様に誠達はそれぞれに部屋の中を物色する。
「西園寺。こいつ等は盗聴器なんて教育課程で見て以来お目にかかったことがないんだ。あてになるか……って見っけた!」
ランはそう言って机の下から顔を出した。
「盗聴器……これが?」
ランの手のひらに転がる電子部品を見ながら茜は大きくため息をついた。彼女に視線を送るラーナの表情が凍っていた。
「見たところ通信機はついてないみたいだな。まあ、この大きさ。おそらく記憶媒体付きだ。後で回収してデータを抜くんだろ」
そう言ってかなめは盗聴器を軽くつつく。
「クバルカ中佐。西園寺。あの男の正体……教えていただけるんですよね」
カウラは真剣な表情でランとかなめに目をやった。ランとかなめはお互い顔を見つめあう。
「カウラ。あの面、見たことが無いとは言わせねえぜ。オメエとアイシャ、それにサラは『ラストバタリオン』。人造人間だ。記憶力も遺伝子レベルで強化されてる。あれだけ個性的な面を見れば……」
「元胡州帝国陸軍、遼南派遣外事憲兵隊副隊長、楠木伸介」
「ほう……実の親父の部下のことくらい覚えてるんだな」
かなめの問いにはカウラではなく茜が答えた。誠が見るに、茜のその表情にはどこか悟りきったようなところが見えた。
「茜さんの父親……嵯峨隊長!」
そう言う誠の中でこれまで起きた出来事が繋がった。
司法局実働部隊部隊長、嵯峨惟基特務大佐は約二十年前の戦争で遼南で憲兵隊長の職にあったことは知っていた。誠もその頃の話を何度か聞こうとしたが、その度に人の話をはぐらかす天才である嵯峨に話題を変えられた。
嵯峨は話さなかったのでは無く、話せなかった。誠も遼南で非道なゲリラ狩りが行われたことは知っていた。恐らく嵯峨はそのすべてを取り仕切り、先ほど見た大男とその部下が実際の殺戮を実行した。そのことを嵯峨が他人に語れば戦争犯罪人として追われている部下達に迷惑をかけることになる。
「思い出したわよ、楠木伸介中佐。捕まったニュースが無いから今でも逃げてるなあとは思ってたけど……こんなところにいたのね」
アイシャはそう言ってうなづいた。
「アイシャ。思い出すのが遅いぜ。まあ楠木。手配書じゃ階級は中佐ってことだが、叔父貴は当時大尉だ。まあ、当時の実際の記録なんてどこにも残っちゃいないだろうから、手柄を上げたい連中が下駄を履かせたんだろうな。まあ、当時の陸軍の編成から考えれば下士官相当。良くて准尉ってところだろうな」
相変わらず不敵な笑みを浮かべたままかなめはそう言った。
「あのう……」
サラがおずおずとニヤけるかなめの前で手を挙げた。
「でも、楠木さんが手配されてるってことは、なんで隊長が手配されてないのよ……その上司でしょ。楠木さんとその部下が酷いことをしたのも全部隊長の指示だって考えるのが自然じゃない」
自身の無さそうなサラの言葉に、島田が大きくうなづいた。
「サラよ。テメエの上司が何者だったか知らないオメエは部下失格だぜ。あのおっさんはな。アイツはゲリラ狩りのプロだ。手段は選んだらしいが民間人虐殺の罪は消えねえ。一切あのおっさんは一度、記録上は死んでるんだ。しかもアメリカ軍の優秀な銃殺隊の前でしっかり蜂の巣にされてる」
かなめの言葉に誠達は息を飲んだ。
だが、嵯峨にそんな過去があっても不思議でないことは誠にもすぐに分かった。
嵯峨は法術師である。しかもその中でも存在が稀な『エターナルチルドレン』である。不老不死。たとえ誰が嵯峨を殺そうとしても嵯峨は死ぬことが無い。
「確かにあの人がそう簡単には死なないのは分かっちゃいるんですがね。でも隊長は三年前まで遼南帝国皇帝でしたよね?」
手を挙げた島田の一言に隣に座るサラとラーナがうなづいた。
「たとえ刑に処されたとは言え上級戦争犯罪人だった男が一国の元首になるのはあり得ねーってか?まあ、あり得たんだから仕方がねーよな。まああのおっさんは胡州やゲルパルトにコネがあるし、最初の任地は東和の大使館付き武官だ。当然東和にも手が回る。色々政治的に動いたんだろ」
めんどくさそうにランがつぶやいた。小さな上司のランは基本的に嘘はつかない。島田も渋々うなづく。
「ともかく叔父貴とあのうどん屋の親父の部下達が遼南の反政府ゲリラっを狩って回ったのは事実だ。その後、戦局が悪化したらそいつ等にかき集めた兵隊を押し付けて連隊規模で再編成後、南下を始めた地球側に立つ遼北人民軍の千倍の戦力とかち合ったわけだ。普通ならそれでしまいだ。圧倒的な物量の前に部隊は壊滅。ジ・エンド。だが、そうはならなかった」
そう言うとかなめは口に筒を咥えた。
「西園寺。加熱式のタバコもダメだぞ」
いつも通りのカウラの規則第一の言葉に誠達は緊張感を解かれて大きくため息をついた。
「我慢してたんだ。いいだろ?少しくらい」
そう言ってかなめはタバコをふかす。
「まあいい。たった三機のアサルト・モジュールと寄せ集めの援軍。友軍は数だけでは遼北軍に負けるもんじゃないが弱兵で知られた遼南軍だ。勝負は見えていたはずだが、遼北軍はこれを攻めあぐねた。次々と戦線を離脱する友軍。いくら落としても湧いて出る敵。兵は銃の撃ち方を習ったばかりのド素人の集まり。それでも後退しながら胡州遼南派遣軍の戦線は崩壊しなかった。遼北軍だって、当時は宇宙の戦い終結しつつあったから主力は本国に戻っていたはずだ。そんな雑魚一瞬でかたずけられたはずだ」
「そんなに奇跡的なものだったんですか?」
話を聞いていた誠が手を挙げて質問した。
「まあ巧みなゲリラ戦法を使って、一つの過ちもなく任務を遂行できる戦力があれば無理な話じゃねーがな。つまりだ」
かなめの言葉を引き継いだランはニヤリと笑う。
「あのうどん屋の亭主の部下達にはそれが可能だってことだ」
小さな子供にしか見えないランだが。その言葉には凄味があった。誠達は彼女の姿に息を飲む。
「でもまあ、戦争の大局を左右するほどの意味がある戦いだったかどうかは知れたもんじゃねえがな。遼南帝国は軍を率いていたガルシア・ゴンザレス将軍が、敗戦の責任をすべて無能な皇帝ムジャンタ・バスバ帝に押し付けてこれを追放。哀れ、四百年の歴史を誇る遼南帝国は滅亡し、地球軍、特に主力のアメリカ軍が遼南を占拠した。進退窮まった胡州遼南派遣軍は当時アメリカ軍が血眼になって追っかけてた戦争犯罪人、嵯峨惟基の投降の混乱に紛れて四散して逃げ延びたわけだ」
そう言うとかなめは静かに加熱タバコをしまった。
「ランの姐御!」
「ああ分かってる」
かなめの言葉を合図としてランはテーブルの下に潜り込んだ。かなめは壁を丹念に叩きながら何かを探している。
「クバルカ中佐……」
そう言うカウラは二人が何を探しているのか分からずにいた。
「盗聴器だ!あのおっさんに関わったんだ。それなりの組織がアタシ等を追うのは当然だろ?早く探せ!」
かなめの言葉に弾かれた様に誠達はそれぞれに部屋の中を物色する。
「西園寺。こいつ等は盗聴器なんて教育課程で見て以来お目にかかったことがないんだ。あてになるか……って見っけた!」
ランはそう言って机の下から顔を出した。
「盗聴器……これが?」
ランの手のひらに転がる電子部品を見ながら茜は大きくため息をついた。彼女に視線を送るラーナの表情が凍っていた。
「見たところ通信機はついてないみたいだな。まあ、この大きさ。おそらく記憶媒体付きだ。後で回収してデータを抜くんだろ」
そう言ってかなめは盗聴器を軽くつつく。
「クバルカ中佐。西園寺。あの男の正体……教えていただけるんですよね」
カウラは真剣な表情でランとかなめに目をやった。ランとかなめはお互い顔を見つめあう。
「カウラ。あの面、見たことが無いとは言わせねえぜ。オメエとアイシャ、それにサラは『ラストバタリオン』。人造人間だ。記憶力も遺伝子レベルで強化されてる。あれだけ個性的な面を見れば……」
「元胡州帝国陸軍、遼南派遣外事憲兵隊副隊長、楠木伸介」
「ほう……実の親父の部下のことくらい覚えてるんだな」
かなめの問いにはカウラではなく茜が答えた。誠が見るに、茜のその表情にはどこか悟りきったようなところが見えた。
「茜さんの父親……嵯峨隊長!」
そう言う誠の中でこれまで起きた出来事が繋がった。
司法局実働部隊部隊長、嵯峨惟基特務大佐は約二十年前の戦争で遼南で憲兵隊長の職にあったことは知っていた。誠もその頃の話を何度か聞こうとしたが、その度に人の話をはぐらかす天才である嵯峨に話題を変えられた。
嵯峨は話さなかったのでは無く、話せなかった。誠も遼南で非道なゲリラ狩りが行われたことは知っていた。恐らく嵯峨はそのすべてを取り仕切り、先ほど見た大男とその部下が実際の殺戮を実行した。そのことを嵯峨が他人に語れば戦争犯罪人として追われている部下達に迷惑をかけることになる。
「思い出したわよ、楠木伸介中佐。捕まったニュースが無いから今でも逃げてるなあとは思ってたけど……こんなところにいたのね」
アイシャはそう言ってうなづいた。
「アイシャ。思い出すのが遅いぜ。まあ楠木。手配書じゃ階級は中佐ってことだが、叔父貴は当時大尉だ。まあ、当時の実際の記録なんてどこにも残っちゃいないだろうから、手柄を上げたい連中が下駄を履かせたんだろうな。まあ、当時の陸軍の編成から考えれば下士官相当。良くて准尉ってところだろうな」
相変わらず不敵な笑みを浮かべたままかなめはそう言った。
「あのう……」
サラがおずおずとニヤけるかなめの前で手を挙げた。
「でも、楠木さんが手配されてるってことは、なんで隊長が手配されてないのよ……その上司でしょ。楠木さんとその部下が酷いことをしたのも全部隊長の指示だって考えるのが自然じゃない」
自身の無さそうなサラの言葉に、島田が大きくうなづいた。
「サラよ。テメエの上司が何者だったか知らないオメエは部下失格だぜ。あのおっさんはな。アイツはゲリラ狩りのプロだ。手段は選んだらしいが民間人虐殺の罪は消えねえ。一切あのおっさんは一度、記録上は死んでるんだ。しかもアメリカ軍の優秀な銃殺隊の前でしっかり蜂の巣にされてる」
かなめの言葉に誠達は息を飲んだ。
だが、嵯峨にそんな過去があっても不思議でないことは誠にもすぐに分かった。
嵯峨は法術師である。しかもその中でも存在が稀な『エターナルチルドレン』である。不老不死。たとえ誰が嵯峨を殺そうとしても嵯峨は死ぬことが無い。
「確かにあの人がそう簡単には死なないのは分かっちゃいるんですがね。でも隊長は三年前まで遼南帝国皇帝でしたよね?」
手を挙げた島田の一言に隣に座るサラとラーナがうなづいた。
「たとえ刑に処されたとは言え上級戦争犯罪人だった男が一国の元首になるのはあり得ねーってか?まあ、あり得たんだから仕方がねーよな。まああのおっさんは胡州やゲルパルトにコネがあるし、最初の任地は東和の大使館付き武官だ。当然東和にも手が回る。色々政治的に動いたんだろ」
めんどくさそうにランがつぶやいた。小さな上司のランは基本的に嘘はつかない。島田も渋々うなづく。
「ともかく叔父貴とあのうどん屋の親父の部下達が遼南の反政府ゲリラっを狩って回ったのは事実だ。その後、戦局が悪化したらそいつ等にかき集めた兵隊を押し付けて連隊規模で再編成後、南下を始めた地球側に立つ遼北人民軍の千倍の戦力とかち合ったわけだ。普通ならそれでしまいだ。圧倒的な物量の前に部隊は壊滅。ジ・エンド。だが、そうはならなかった」
そう言うとかなめは口に筒を咥えた。
「西園寺。加熱式のタバコもダメだぞ」
いつも通りのカウラの規則第一の言葉に誠達は緊張感を解かれて大きくため息をついた。
「我慢してたんだ。いいだろ?少しくらい」
そう言ってかなめはタバコをふかす。
「まあいい。たった三機のアサルト・モジュールと寄せ集めの援軍。友軍は数だけでは遼北軍に負けるもんじゃないが弱兵で知られた遼南軍だ。勝負は見えていたはずだが、遼北軍はこれを攻めあぐねた。次々と戦線を離脱する友軍。いくら落としても湧いて出る敵。兵は銃の撃ち方を習ったばかりのド素人の集まり。それでも後退しながら胡州遼南派遣軍の戦線は崩壊しなかった。遼北軍だって、当時は宇宙の戦い終結しつつあったから主力は本国に戻っていたはずだ。そんな雑魚一瞬でかたずけられたはずだ」
「そんなに奇跡的なものだったんですか?」
話を聞いていた誠が手を挙げて質問した。
「まあ巧みなゲリラ戦法を使って、一つの過ちもなく任務を遂行できる戦力があれば無理な話じゃねーがな。つまりだ」
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「でもまあ、戦争の大局を左右するほどの意味がある戦いだったかどうかは知れたもんじゃねえがな。遼南帝国は軍を率いていたガルシア・ゴンザレス将軍が、敗戦の責任をすべて無能な皇帝ムジャンタ・バスバ帝に押し付けてこれを追放。哀れ、四百年の歴史を誇る遼南帝国は滅亡し、地球軍、特に主力のアメリカ軍が遼南を占拠した。進退窮まった胡州遼南派遣軍は当時アメリカ軍が血眼になって追っかけてた戦争犯罪人、嵯峨惟基の投降の混乱に紛れて四散して逃げ延びたわけだ」
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