365 / 1,531
第11章 捜査権限
時すでに遅く
しおりを挟む
「遅かったじゃないか」
突然の人の声に銃口を向けた誠の先には嵯峨が着流し姿で立っていた。明らかに不機嫌そうな顔でタバコをくわえている。
「隊長……?なんで?」
カウラはすぐに嵯峨の足元に人が縛られて転がっているのを見つけた。
「隊長、この人は?」
「ああ、この基地の総責任者の三上中佐だ。ちゃんと挨拶した方がいいぞ」
そう言う嵯峨の手には日本刀が握られている。それを見ると警戒していたかなめは狐につままれたように呆然と立ち尽くした。
「なんだよ、叔父貴は知ってたのか」
「知ってたというか……ラン」
「は!」
嵯峨のにごった視線がランを捕らえると彼女の小さな体が硬直したように直立不動の姿勢をとる。
「お前がついているから安心していたんだけどなあ……こりゃあちょっとまずいぞ」
そう言うと嵯峨は抜き身の愛刀『長船兼光』を転がっている指揮官の首に突きつけた。
嵯峨はタバコを再び口にくわえて、足元の三上と言う指揮官を軽く蹴飛ばす。
「コイツに話を聞こうと思ったんだけどさ。まあ記憶が消されてるみたいでまるで話のつじつまが合わなくてさ。お前さんら完全にマークされてるな、研究の指揮を執っている奴に。やられたよ」
嵯峨の言葉にかなめの顔が硬直する。
「じゃあこっから先の情報は……事件の糸は切れたわけですか」
そう言いながらランは銃口を下げる。
「ぷっつんだな。それにこんだけ派手に動いたんだ。相手もかなり警戒することになるだろう。一声、俺に話しとけば何とかできたかもしれねえが……まあ、もう終わったことだ」
いつの間にか外の銃声が止んでいた。そしてフル装備の茜達の陽動部隊が入ってきた。
「ああ、お父様」
明らかに茜の声は沈んでいた。察しのいい茜である。この場所に来るまでの景色でこれまでのすべての誠達の行動が無駄に終わったことを理解しているように見えた。
「茜。なんなら安城さんに頭下げるか?機動隊の情報網ならなにか引っかかるかもしれないぞ」
嵯峨の言葉に茜は首を横に振った。いつも物腰が柔らかい茜にしては珍しい意固地な表情に誠は驚いていた。
「機動隊に頼めば確かに発見できる可能性は上がりますが、あちらの任務は非法術系の捜査活動に限定されているはずですわ。法術にからむ犯罪は私達の……」
「そうか。まああちらは俺達と違って暇も無いだろうしな。なら俺も手伝ってやるか」
そう言うと嵯峨は立ち上がる。頭を掻いてそのまま誠に近づくと嵯峨は手を伸ばした。
「なんでしょう?」
「端末」
嵯峨の言葉に誠は銃のマガジンが刺さっているベストから端末を取り出して嵯峨に手渡す。
「茜、あんまり期待しないでくれよ。俺も神様じゃねえから、情報網の幅が広いのはそれだけ人生を積み重ねてきただけ……出た」
その嵯峨の言葉に茜とランが画面を見ようと飛び出して頭をぶつけてそのまましゃがみこむ。
「あのなあ、逃げたりしないから……ほい、拡大」
そう言うと嵯峨は端末の画面を拡大してみせる。
「ゲルパルトの退役軍人支援団体ですか」
島田が画面に映る凝ったフォントが踊るサイトの表紙を見つめている。嵯峨はそれに入力が出来ないはずのパスワードを打ち込んで次の画面へと進む。
「オデッサ?」
茜が頭をさすりながら画面を見つめる。『ネオ・オデッサ機関』。ゲルパルトの戦争犯罪人として追われている人物達の互助会と言うことで誠も名前を聞いたことがあった。
「叔父貴、ずいぶんと大物が釣れたじゃないか」
目を見開くかなめだが、嵯峨は表情を一つとして変えることが無い。
「ああ、こいつらは関係ないよ。裏は取ってある」
そう言うと嵯峨は画面を検索モードに戻す。明らかに遊んでいる嵯峨の態度にかなめが拳を握り締める様を誠はひやひやしながら見つめていた。
「最近巷で話題の地球人至上主義を唱える連中が動き出したにしては早すぎるし、あいつ等にしてはこれまでの証拠を並べてみれば抜けてるところが多すぎる。今回の件に直接は顔をだすかどうか……」
嵯峨は相変わらず濁った眼で画面を見つめている。彼の足元に転がっている三上と言う名の遼南指揮官は恐怖におびえながら嵯峨の表情を伺っている。
「まあ連中は金は持ってるからな。でも技術はあまり無い。顔が効く範囲で当たってみたんだがやはり、同盟厚生局が噛んでるって所までは当たれるんだけどねえ」
そう言うと嵯峨はサラと並んで立っている島田に目をやった。
「?……隊長?」
島田が見つめられて自分の鼻に指を当てる。それを見て嵯峨は満足げにうなづいた。そしてそのまま転がっている指揮官に目をやるランに声をかける。
「同盟厚生局はマークしてるんだろ?ならそっちを調べな。ここにいても時間の無駄だぞ。俺は島田と話があるんだ」
剣を収めた嵯峨は島田の肩を叩くと廊下を進む。ランは何かを悟ったようにかなめの脇を小突いた。仕方なく不思議そうな顔の島田は嵯峨に続いて廊下に消えた。
「西園寺、司令官殿を連行しろ。サラ、手伝え」
「でも……」
島田が連れ出された出口を見つめるサラだが、鋭いランの視線に導かれるように口から泡を吐いている三上と言う司令官の肩を支える。
「じゃあ、撤収だ」
ランはそれだけ言うと銃を背負って歩き出す。カウラもアイシャもそれに習うようにショルダーウェポンを背負う。階段の途中で外で爆音が響いているのに気づいた。
「早速隊長の顔が効いた訳だ」
ランは振り返ると部下達に乾いた笑みを投げかけた。そしてそのまま急ぎ足で階段を上りきり施設の出入り口を開ける。
輸送ヘリから次々とラベリング降下してくる兵士が目に入る。駐留軍の兵士達が次々と黒ずくめの降下してきた兵士達に武装解除される光景が目に
入ってくる。
「ラン!」
一人降下した装甲車両の脇で部下からの報告を受けているような女性指揮官が誠達を見つけて手を振っている。誠は苦笑しながら歩いていくランを見つめていた。ランの知り合いらしい女性部隊指揮官は余裕のある表情で時折引きつった笑みを浮かべるランと話し始めた。
「あの人……なんか見たことがあるような……」
誠はそう言ってカウラとかなめを見た。
「遼南皇家の映像が頭に残っているんだな。ムジャンタ・ライラ中佐か。つまりこの部隊は……」
「遼南帝国第一山岳レンジャー連隊ってことになるな」
かなめの言葉に緊張が走る。弱兵で知られる遼南軍だが、一部の驚異的な強さを誇る部隊が存在することで知られていた。シャムが最初に軍で配属された禁裏守護特機隊、通称『青銅騎士団』は最強のアサルト・モジュール部隊として知られていた。そして目の前で次々と降下し展開する山岳レンジャー部隊もそんな遼南を代表する特別急襲部隊として恐れられる組織だった。
ランから一通り説明を受けたようで自信に満ちた笑みを浮かべながらライラは誠達に向かって歩み寄ってきた。
「おう、紹介しとくぞ。コイツが遼南第一山岳レンジャー連隊の連隊長のアルバナ……」
ランがそこまで言ったところで茶色い地が鮮やかな戦闘服の女性士官がランの頬をつねった。
「クバルカ中佐?その苗字は去年の話でしょ?」
にこやかに笑いながらランの頬をつねるだけつねると安心したように敬礼をする。
「遼南第一山岳レンジャー連隊、連隊長のムジャンタ・ライラ中佐だ!」
その言葉に誠達は整列して敬礼する。
「ムジャンタ姓……遼南皇家と言うことは……」
誠はライラの顔の記憶はあったが皇帝ムジャンタ・ラスコーこと司法局実働部隊隊長嵯峨惟基との関係までは覚えていなかった。
「うちの隊長の弟の娘さん。つまり姪御さんだ」
つぶやいた誠の耳元でカウラがささやく。
「やっぱり身内で固めるんだなあ、あのおっさんは。それでこの状況の説明は?」
そう言いながらタバコに火をつけようとしていたかなめに、明らかに殺気を込めた視線を送るライラに、思わずかなめの手が止まる。
「それについては説明させてもらう。指揮車まで来てもらおう」
ライラはそのまま部隊展開の報告をしようとする部下を待たせて誠達を装甲車両の中へといざなった。
「あのー、警視正……」
誠は遅れて歩き出した茜に声をかけた。そのいつも自信にあふれていた表情がそこには無かった。青ざめたような、弱弱しいような。そんな茜の姿に誠はその肩を叩いていた。
「私のせいで……」
「うじうじすんなよ!間違いなくここで研究が行われていたのは確かなんだ。少なくともここを引き払うのにかかった手間と時間の分だけ被害者を減らすことが出来たんだ」
ランが入り口で茜を一喝する。ようやく気づいた茜が指揮車の後部にある司令室に歩き出した。
突然の人の声に銃口を向けた誠の先には嵯峨が着流し姿で立っていた。明らかに不機嫌そうな顔でタバコをくわえている。
「隊長……?なんで?」
カウラはすぐに嵯峨の足元に人が縛られて転がっているのを見つけた。
「隊長、この人は?」
「ああ、この基地の総責任者の三上中佐だ。ちゃんと挨拶した方がいいぞ」
そう言う嵯峨の手には日本刀が握られている。それを見ると警戒していたかなめは狐につままれたように呆然と立ち尽くした。
「なんだよ、叔父貴は知ってたのか」
「知ってたというか……ラン」
「は!」
嵯峨のにごった視線がランを捕らえると彼女の小さな体が硬直したように直立不動の姿勢をとる。
「お前がついているから安心していたんだけどなあ……こりゃあちょっとまずいぞ」
そう言うと嵯峨は抜き身の愛刀『長船兼光』を転がっている指揮官の首に突きつけた。
嵯峨はタバコを再び口にくわえて、足元の三上と言う指揮官を軽く蹴飛ばす。
「コイツに話を聞こうと思ったんだけどさ。まあ記憶が消されてるみたいでまるで話のつじつまが合わなくてさ。お前さんら完全にマークされてるな、研究の指揮を執っている奴に。やられたよ」
嵯峨の言葉にかなめの顔が硬直する。
「じゃあこっから先の情報は……事件の糸は切れたわけですか」
そう言いながらランは銃口を下げる。
「ぷっつんだな。それにこんだけ派手に動いたんだ。相手もかなり警戒することになるだろう。一声、俺に話しとけば何とかできたかもしれねえが……まあ、もう終わったことだ」
いつの間にか外の銃声が止んでいた。そしてフル装備の茜達の陽動部隊が入ってきた。
「ああ、お父様」
明らかに茜の声は沈んでいた。察しのいい茜である。この場所に来るまでの景色でこれまでのすべての誠達の行動が無駄に終わったことを理解しているように見えた。
「茜。なんなら安城さんに頭下げるか?機動隊の情報網ならなにか引っかかるかもしれないぞ」
嵯峨の言葉に茜は首を横に振った。いつも物腰が柔らかい茜にしては珍しい意固地な表情に誠は驚いていた。
「機動隊に頼めば確かに発見できる可能性は上がりますが、あちらの任務は非法術系の捜査活動に限定されているはずですわ。法術にからむ犯罪は私達の……」
「そうか。まああちらは俺達と違って暇も無いだろうしな。なら俺も手伝ってやるか」
そう言うと嵯峨は立ち上がる。頭を掻いてそのまま誠に近づくと嵯峨は手を伸ばした。
「なんでしょう?」
「端末」
嵯峨の言葉に誠は銃のマガジンが刺さっているベストから端末を取り出して嵯峨に手渡す。
「茜、あんまり期待しないでくれよ。俺も神様じゃねえから、情報網の幅が広いのはそれだけ人生を積み重ねてきただけ……出た」
その嵯峨の言葉に茜とランが画面を見ようと飛び出して頭をぶつけてそのまましゃがみこむ。
「あのなあ、逃げたりしないから……ほい、拡大」
そう言うと嵯峨は端末の画面を拡大してみせる。
「ゲルパルトの退役軍人支援団体ですか」
島田が画面に映る凝ったフォントが踊るサイトの表紙を見つめている。嵯峨はそれに入力が出来ないはずのパスワードを打ち込んで次の画面へと進む。
「オデッサ?」
茜が頭をさすりながら画面を見つめる。『ネオ・オデッサ機関』。ゲルパルトの戦争犯罪人として追われている人物達の互助会と言うことで誠も名前を聞いたことがあった。
「叔父貴、ずいぶんと大物が釣れたじゃないか」
目を見開くかなめだが、嵯峨は表情を一つとして変えることが無い。
「ああ、こいつらは関係ないよ。裏は取ってある」
そう言うと嵯峨は画面を検索モードに戻す。明らかに遊んでいる嵯峨の態度にかなめが拳を握り締める様を誠はひやひやしながら見つめていた。
「最近巷で話題の地球人至上主義を唱える連中が動き出したにしては早すぎるし、あいつ等にしてはこれまでの証拠を並べてみれば抜けてるところが多すぎる。今回の件に直接は顔をだすかどうか……」
嵯峨は相変わらず濁った眼で画面を見つめている。彼の足元に転がっている三上と言う名の遼南指揮官は恐怖におびえながら嵯峨の表情を伺っている。
「まあ連中は金は持ってるからな。でも技術はあまり無い。顔が効く範囲で当たってみたんだがやはり、同盟厚生局が噛んでるって所までは当たれるんだけどねえ」
そう言うと嵯峨はサラと並んで立っている島田に目をやった。
「?……隊長?」
島田が見つめられて自分の鼻に指を当てる。それを見て嵯峨は満足げにうなづいた。そしてそのまま転がっている指揮官に目をやるランに声をかける。
「同盟厚生局はマークしてるんだろ?ならそっちを調べな。ここにいても時間の無駄だぞ。俺は島田と話があるんだ」
剣を収めた嵯峨は島田の肩を叩くと廊下を進む。ランは何かを悟ったようにかなめの脇を小突いた。仕方なく不思議そうな顔の島田は嵯峨に続いて廊下に消えた。
「西園寺、司令官殿を連行しろ。サラ、手伝え」
「でも……」
島田が連れ出された出口を見つめるサラだが、鋭いランの視線に導かれるように口から泡を吐いている三上と言う司令官の肩を支える。
「じゃあ、撤収だ」
ランはそれだけ言うと銃を背負って歩き出す。カウラもアイシャもそれに習うようにショルダーウェポンを背負う。階段の途中で外で爆音が響いているのに気づいた。
「早速隊長の顔が効いた訳だ」
ランは振り返ると部下達に乾いた笑みを投げかけた。そしてそのまま急ぎ足で階段を上りきり施設の出入り口を開ける。
輸送ヘリから次々とラベリング降下してくる兵士が目に入る。駐留軍の兵士達が次々と黒ずくめの降下してきた兵士達に武装解除される光景が目に
入ってくる。
「ラン!」
一人降下した装甲車両の脇で部下からの報告を受けているような女性指揮官が誠達を見つけて手を振っている。誠は苦笑しながら歩いていくランを見つめていた。ランの知り合いらしい女性部隊指揮官は余裕のある表情で時折引きつった笑みを浮かべるランと話し始めた。
「あの人……なんか見たことがあるような……」
誠はそう言ってカウラとかなめを見た。
「遼南皇家の映像が頭に残っているんだな。ムジャンタ・ライラ中佐か。つまりこの部隊は……」
「遼南帝国第一山岳レンジャー連隊ってことになるな」
かなめの言葉に緊張が走る。弱兵で知られる遼南軍だが、一部の驚異的な強さを誇る部隊が存在することで知られていた。シャムが最初に軍で配属された禁裏守護特機隊、通称『青銅騎士団』は最強のアサルト・モジュール部隊として知られていた。そして目の前で次々と降下し展開する山岳レンジャー部隊もそんな遼南を代表する特別急襲部隊として恐れられる組織だった。
ランから一通り説明を受けたようで自信に満ちた笑みを浮かべながらライラは誠達に向かって歩み寄ってきた。
「おう、紹介しとくぞ。コイツが遼南第一山岳レンジャー連隊の連隊長のアルバナ……」
ランがそこまで言ったところで茶色い地が鮮やかな戦闘服の女性士官がランの頬をつねった。
「クバルカ中佐?その苗字は去年の話でしょ?」
にこやかに笑いながらランの頬をつねるだけつねると安心したように敬礼をする。
「遼南第一山岳レンジャー連隊、連隊長のムジャンタ・ライラ中佐だ!」
その言葉に誠達は整列して敬礼する。
「ムジャンタ姓……遼南皇家と言うことは……」
誠はライラの顔の記憶はあったが皇帝ムジャンタ・ラスコーこと司法局実働部隊隊長嵯峨惟基との関係までは覚えていなかった。
「うちの隊長の弟の娘さん。つまり姪御さんだ」
つぶやいた誠の耳元でカウラがささやく。
「やっぱり身内で固めるんだなあ、あのおっさんは。それでこの状況の説明は?」
そう言いながらタバコに火をつけようとしていたかなめに、明らかに殺気を込めた視線を送るライラに、思わずかなめの手が止まる。
「それについては説明させてもらう。指揮車まで来てもらおう」
ライラはそのまま部隊展開の報告をしようとする部下を待たせて誠達を装甲車両の中へといざなった。
「あのー、警視正……」
誠は遅れて歩き出した茜に声をかけた。そのいつも自信にあふれていた表情がそこには無かった。青ざめたような、弱弱しいような。そんな茜の姿に誠はその肩を叩いていた。
「私のせいで……」
「うじうじすんなよ!間違いなくここで研究が行われていたのは確かなんだ。少なくともここを引き払うのにかかった手間と時間の分だけ被害者を減らすことが出来たんだ」
ランが入り口で茜を一喝する。ようやく気づいた茜が指揮車の後部にある司令室に歩き出した。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第三部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』は法術の新たな可能性を追求する司法局の要請により『05式広域制圧砲』と言う新兵器の実験に駆り出される。その兵器は法術の特性を生かして敵を殺傷せずにその意識を奪うと言う兵器で、対ゲリラ戦等の『特殊な部隊』と呼ばれる司法局実働部隊に適した兵器だった。
一方、遼州系第二惑星の大国『甲武』では、国家の意思決定最高機関『殿上会』が開かれようとしていた。それに出席するために殿上貴族である『特殊な部隊』の部隊長、嵯峨惟基は甲武へと向かった。
その間隙を縫ったかのように『修羅の国』と呼ばれる紛争の巣窟、ベルルカン大陸のバルキスタン共和国で行われる予定だった選挙合意を反政府勢力が破棄し機動兵器を使った大規模攻勢に打って出て停戦合意が破綻したとの報が『特殊な部隊』に届く。
この停戦合意の破棄を理由に甲武とアメリカは合同で介入を企てようとしていた。その阻止のため、神前誠以下『特殊な部隊』の面々は輸送機でバルキスタン共和国へ向かった。切り札は『05式広域鎮圧砲』とそれを操る誠。『特殊な部隊』の制式シュツルム・パンツァー05式の機動性の無さが作戦を難しいものに変える。
そんな時間との戦いの中、『特殊な部隊』を見守る影があった。
『廃帝ハド』、『ビッグブラザー』、そしてネオナチ。
誠は反政府勢力の攻勢を『05式広域鎮圧砲』を使用して止めることが出来るのか?それとも……。
SFお仕事ギャグロマン小説。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
底辺エンジニア、転生したら敵国側だった上に隠しボスのご令嬢にロックオンされる。~モブ×悪女のドール戦記~
阿澄飛鳥
SF
俺ことグレン・ハワードは転生者だ。
転生した先は俺がやっていたゲームの世界。
前世では機械エンジニアをやっていたので、こっちでも祝福の【情報解析】を駆使してゴーレムの技師をやっているモブである。
だがある日、工房に忍び込んできた女――セレスティアを問い詰めたところ、そいつはなんとゲームの隠しボスだった……!
そんなとき、街が魔獣に襲撃される。
迫りくる魔獣、吹き飛ばされるゴーレム、絶体絶命のとき、俺は何とかセレスティアを助けようとする。
だが、俺はセレスティアに誘われ、少女の形をした魔導兵器、ドール【ペルラネラ】に乗ってしまった。
平民で魔法の才能がない俺が乗ったところでドールは動くはずがない。
だが、予想に反して【ペルラネラ】は起動する。
隠しボスとモブ――縁のないはずの男女二人は精神を一つにして【ペルラネラ】での戦いに挑む。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
「日本人」最後の花嫁 少女と富豪の二十二世紀
さんかく ひかる
SF
22世紀後半。人類は太陽系に散らばり、人口は90億人を超えた。
畜産は制限され、人々はもっぱら大豆ミートや昆虫からたんぱく質を摂取していた。
日本は前世紀からの課題だった少子化を克服し、人口1億3千万人を維持していた。
しかし日本語を話せる人間、つまり昔ながらの「日本人」は鈴木夫妻と娘のひみこ3人だけ。
鈴木一家以外の日本国民は外国からの移民。公用語は「国際共通語」。政府高官すら日本の文字は読めない。日本語が絶滅するのは時間の問題だった。
温暖化のため首都となった札幌へ、大富豪の息子アレックス・ダヤルが来日した。
彼の母は、この世界を造ったとされる天才技術者であり実業家、ラニカ・ダヤル。
一方、最後の「日本人」鈴木ひみこは、両親に捨てられてしまう。
アレックスは、捨てられた少女の保護者となった。二人は、温暖化のため首都となった札幌のホテルで暮らしはじめる。
ひみこは、自分を捨てた親を見返そうと決意した。
やがて彼女は、アレックスのサポートで国民のアイドルになっていく……。
両親はなぜ、娘を捨てたのか? 富豪と少女の関係は?
これは、最後の「日本人」少女が、天才技術者の息子と過ごした五年間の物語。
完結しています。エブリスタ・小説家になろうにも掲載してます。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる