356 / 1,503
第6章 情報
極秘通信
しおりを挟む「携帯端末、持ってんだろ?それを出してみろ」
かなめの言葉に茜の隣のラーナが素早くかばんから比較的モニターの大きな端末を取り出す。その後ろに島田とサラが移動して覗き込む格好になった。誠はアイシャが取り出した端末を覗き込んだ。
画面には志村三郎の画像とデータが表示されている。
「この男。東都の人身売買組織の一員だ。これまで営利目的誘拐容疑で三度、人身売買容疑で二度逮捕されているがどれも証拠不十分で起訴は免れている。まあ、どこで金をばら撒いたのか知らねえが、最近かなり羽振りが良いらしいや」
そう言うとかなめはタバコを取り出して火をつける。画面はすぐに東和でも有数の指定暴力団のデータに切り替わる。
「志村三郎……遼南系のシンジケートについての東都警察が抑えている名簿では、それなりの順位にいた人物ですわね。けっこうな大物ですわね」
苦々しげに茜がつぶやく。その言葉に不敵な笑みを浮かべるとかなめは話を続けた。
「志村三郎関係のどの事件でも共犯者には遼南系シンジケートとつながりのある東都の暴力団の組員が手配されてる。まあ東都の中に商品を運ぶとなれば協力者としては最適の相手だからな」
「でもこれは臓器取引とか売春組織なんかの関係の取引でしょ?法術の研究なんて地味で利益が出るかどうか分からないようなことやくざ屋さんが協力してくれるのかしら」
皮肉るようにアイシャがつぶやくが、タバコをくわえたかなめはただうつろな瞳で天井に向けて煙を吐くだけだった。
「まあな。だからあたしは直接あの男のところに出向いたわけだ」
その言葉に誠は疑問しか感じなかった。そんな誠をちらりと見たかなめだが、後ろめたいことでもあるとでも言うように目をそらして、タバコの煙を食堂の奥へと吐いた。
すぐに端末の画像が切り替わった。かなめの脳はネットワークに直結している。こうしてタバコをふかして無駄に天井を見上げているように見えても彼女は情報を管理していた。
「無線周波数の一覧。それと乱数表……でもこれって軍用周波数帯での交信じゃないの?そしてこの周波数帯は……」
「遼州じゃバルキスタン政府軍ぐらいじゃねーか?もしかしてあの店で……」
ランの鋭い視線がかなめを見つめる。先月バルキスタンの内戦鎮圧に出動した記憶が誠の頭をよぎる。かなめは椅子を後ろに倒してテーブルに足を乗せた。
「西園寺!」
「まあ、カウラちゃん抑えてよ。それよりこの周波数帯でどこと連絡していたか。そこまで掴んでるの?」
アイシャの言葉を聞くとかなめはにやりと笑った。そしてタバコを手に再び天井を見上げる。同時に画面が切り替わる。
「同盟機構医療監視財団?」
誠の言葉に茜は驚いたように顔を上げた後、ラーナの端末に目を移した。
「同盟厚生局の出先機関か……ずいぶんと大物が出てきたじゃねーか」
そう言って小さなランは頭をかいて苦笑いを浮かべながら天井を見たままのかなめを見た。
「近藤事件以降、法術系の情報の開示を担当していたのが同盟機構の厚生局健康医療関連部門だったな。その出先となればそれなりの人材や情報を抱え込んでるのは当たり前か。それで……おい!」
カウラはそう言うと立ち上がってかなめの肩に手を乗せた。バランスが崩れた。そのままかなめはカウラの体重を受けて後ろに倒れ、思い切り後頭部から床に落ちた。
「何……しやがんだ!」
「ああ、済まん」
「済まんじゃねえだろうが!」
後頭部を押さえて立ち上がるかなめを見てサラが噴出すのが見える。誠も笑顔で再び画面を見つめた。
「発信元の住所が港区港南?」
湾岸地区と都心の中間に当たる地域であり、再開発が行われて工事車両が行き来している地域である。
「ビンゴだな。まだテナントの入っていない大型の商業施設が山とある場所だ。大規模な研究施設を一時的に運営するには最適な場所だ」
ランはそう言うと茜を見つめた。だが、茜は納得がいかないような表情で画面を見つめている。
「ちょっと安直過ぎないかしら。いくら通信に特殊な設定が必要な軍用周波数帯の電波での情報のやり取りをしているからってあまりにもこれ見よがしにすぎないんじゃなくて?」
「まあそうなんだけどよー、とりあえず糸口にはなるだろ?まったく無関係なら情報のやり取りをする必要もねーだろうし事情を知っている人間の首に縄でもつけれれば御の字だ」
そう言ってランは立ち上がる。
「クバルカ中佐?」
誠は椅子から降りてちょこちょこ歩き出したランに声をかける。
「なんだよ!シャワーでも浴びようってだけだよ」
「お子ちゃまだから9時には寝ないとな」
いつもの軽口を吐いたかなめを一にらみするとランは手を振って食堂を後にする。
「じゃあ私も今日は3本あるから」
立ち上がったのはアイシャだった。他の全員が彼女の言うのがチェックしているアニメの数であることを納得して静かに立ち去る彼女を生暖かい視線で見送った。
「ああ、そうだ」
そう言ってカウラが立ち上がる。端末を片付けるラーナを見守っていた茜と目が会うと茜も立ち上がった。
「ラーナさん。明日にしましょう」
「え?もう少し西園寺大尉の情報を……」
「いいから!」
サラもラーナの肩に手をかける。仕方なくラーナはバッグに端末を入れて立ち上がる。
「もう終わりですか?」
そう言った島田に茜とサラから冷ややかな視線が浴びせられる。
「かなめさん。少し神前曹長とお話なさった方がよろしいですわよ」
茜の言葉にただかなめはタバコをくわえてあいまいにうなづく。それを確認して茜はほほえみを浮かべた。サラは空気の読めない島田を引っ張って食堂を出て行く。
そしてかなめと誠は食堂に取残された。
「アイツ等。気を使ってるつもりかよ……ばればれなんだよなあ!」
自虐的な笑いを浮かべたかなめは相変わらずタバコをくわえていた。
「別に僕は気にしていませんよ」
「は?何が」
かなめはそう言うと立ち上がりテーブルを叩いた。
「アタシがあそこで娼婦の真似事をしたのは、租界での情報収集に必要だったからだ。それにアタシの体は機械だからな。とうにその時の義体は処分済み……」
そう誠にまくし立てた後、再び椅子にもたれかかる。誠はかなめの吐くタバコの煙に咽ながら頭を掻くかなめを見つめていた。
誠はただ一人自分の中で納得できないものがあるようにいらだっているかなめに何を話すべきか迷っていた。
だがしばらくの沈黙に根をあげたのはかなめだった。
「お前はお人よしだからな。流れでどうしようもなくて体を売ってた女って目で見るならそれも良いって思ってたんだけどさ。そんな哀れむような目でアタシを見るなよ。それだけ約束してくれればいい」
かなめは携帯灰皿にタバコをねじ込む。
「きっとカウラさん達も……」
「まったく……なんだかなあ!お人よしが多くてやりにくいぜ」
ぼそりとそう言うとかなめはいつもの嫌味な笑顔を取り戻す。
「明日からはオメエとカウラで組んで動け。研究施設の規模の予想から湾岸地区のめぼしい建物のデータを送ってやる」
「西園寺さんは?」
かなめは笑顔に戻っていた。誠の言葉に再びタバコを取り出して火をつけたかなめはそのまま片手を上げる。
「お子ちゃまと駐留軍や東都に事務所のあるやくざ屋さんを当たってみるよ。おおっぴらに司法局が動いているとなれば最悪でも研究の中断くらいには持ち込めるだろうしな」
そう言って立ち上がるかなめを誠は落ち着いた心持で見送っていた。
かなめの言葉に茜の隣のラーナが素早くかばんから比較的モニターの大きな端末を取り出す。その後ろに島田とサラが移動して覗き込む格好になった。誠はアイシャが取り出した端末を覗き込んだ。
画面には志村三郎の画像とデータが表示されている。
「この男。東都の人身売買組織の一員だ。これまで営利目的誘拐容疑で三度、人身売買容疑で二度逮捕されているがどれも証拠不十分で起訴は免れている。まあ、どこで金をばら撒いたのか知らねえが、最近かなり羽振りが良いらしいや」
そう言うとかなめはタバコを取り出して火をつける。画面はすぐに東和でも有数の指定暴力団のデータに切り替わる。
「志村三郎……遼南系のシンジケートについての東都警察が抑えている名簿では、それなりの順位にいた人物ですわね。けっこうな大物ですわね」
苦々しげに茜がつぶやく。その言葉に不敵な笑みを浮かべるとかなめは話を続けた。
「志村三郎関係のどの事件でも共犯者には遼南系シンジケートとつながりのある東都の暴力団の組員が手配されてる。まあ東都の中に商品を運ぶとなれば協力者としては最適の相手だからな」
「でもこれは臓器取引とか売春組織なんかの関係の取引でしょ?法術の研究なんて地味で利益が出るかどうか分からないようなことやくざ屋さんが協力してくれるのかしら」
皮肉るようにアイシャがつぶやくが、タバコをくわえたかなめはただうつろな瞳で天井に向けて煙を吐くだけだった。
「まあな。だからあたしは直接あの男のところに出向いたわけだ」
その言葉に誠は疑問しか感じなかった。そんな誠をちらりと見たかなめだが、後ろめたいことでもあるとでも言うように目をそらして、タバコの煙を食堂の奥へと吐いた。
すぐに端末の画像が切り替わった。かなめの脳はネットワークに直結している。こうしてタバコをふかして無駄に天井を見上げているように見えても彼女は情報を管理していた。
「無線周波数の一覧。それと乱数表……でもこれって軍用周波数帯での交信じゃないの?そしてこの周波数帯は……」
「遼州じゃバルキスタン政府軍ぐらいじゃねーか?もしかしてあの店で……」
ランの鋭い視線がかなめを見つめる。先月バルキスタンの内戦鎮圧に出動した記憶が誠の頭をよぎる。かなめは椅子を後ろに倒してテーブルに足を乗せた。
「西園寺!」
「まあ、カウラちゃん抑えてよ。それよりこの周波数帯でどこと連絡していたか。そこまで掴んでるの?」
アイシャの言葉を聞くとかなめはにやりと笑った。そしてタバコを手に再び天井を見上げる。同時に画面が切り替わる。
「同盟機構医療監視財団?」
誠の言葉に茜は驚いたように顔を上げた後、ラーナの端末に目を移した。
「同盟厚生局の出先機関か……ずいぶんと大物が出てきたじゃねーか」
そう言って小さなランは頭をかいて苦笑いを浮かべながら天井を見たままのかなめを見た。
「近藤事件以降、法術系の情報の開示を担当していたのが同盟機構の厚生局健康医療関連部門だったな。その出先となればそれなりの人材や情報を抱え込んでるのは当たり前か。それで……おい!」
カウラはそう言うと立ち上がってかなめの肩に手を乗せた。バランスが崩れた。そのままかなめはカウラの体重を受けて後ろに倒れ、思い切り後頭部から床に落ちた。
「何……しやがんだ!」
「ああ、済まん」
「済まんじゃねえだろうが!」
後頭部を押さえて立ち上がるかなめを見てサラが噴出すのが見える。誠も笑顔で再び画面を見つめた。
「発信元の住所が港区港南?」
湾岸地区と都心の中間に当たる地域であり、再開発が行われて工事車両が行き来している地域である。
「ビンゴだな。まだテナントの入っていない大型の商業施設が山とある場所だ。大規模な研究施設を一時的に運営するには最適な場所だ」
ランはそう言うと茜を見つめた。だが、茜は納得がいかないような表情で画面を見つめている。
「ちょっと安直過ぎないかしら。いくら通信に特殊な設定が必要な軍用周波数帯の電波での情報のやり取りをしているからってあまりにもこれ見よがしにすぎないんじゃなくて?」
「まあそうなんだけどよー、とりあえず糸口にはなるだろ?まったく無関係なら情報のやり取りをする必要もねーだろうし事情を知っている人間の首に縄でもつけれれば御の字だ」
そう言ってランは立ち上がる。
「クバルカ中佐?」
誠は椅子から降りてちょこちょこ歩き出したランに声をかける。
「なんだよ!シャワーでも浴びようってだけだよ」
「お子ちゃまだから9時には寝ないとな」
いつもの軽口を吐いたかなめを一にらみするとランは手を振って食堂を後にする。
「じゃあ私も今日は3本あるから」
立ち上がったのはアイシャだった。他の全員が彼女の言うのがチェックしているアニメの数であることを納得して静かに立ち去る彼女を生暖かい視線で見送った。
「ああ、そうだ」
そう言ってカウラが立ち上がる。端末を片付けるラーナを見守っていた茜と目が会うと茜も立ち上がった。
「ラーナさん。明日にしましょう」
「え?もう少し西園寺大尉の情報を……」
「いいから!」
サラもラーナの肩に手をかける。仕方なくラーナはバッグに端末を入れて立ち上がる。
「もう終わりですか?」
そう言った島田に茜とサラから冷ややかな視線が浴びせられる。
「かなめさん。少し神前曹長とお話なさった方がよろしいですわよ」
茜の言葉にただかなめはタバコをくわえてあいまいにうなづく。それを確認して茜はほほえみを浮かべた。サラは空気の読めない島田を引っ張って食堂を出て行く。
そしてかなめと誠は食堂に取残された。
「アイツ等。気を使ってるつもりかよ……ばればれなんだよなあ!」
自虐的な笑いを浮かべたかなめは相変わらずタバコをくわえていた。
「別に僕は気にしていませんよ」
「は?何が」
かなめはそう言うと立ち上がりテーブルを叩いた。
「アタシがあそこで娼婦の真似事をしたのは、租界での情報収集に必要だったからだ。それにアタシの体は機械だからな。とうにその時の義体は処分済み……」
そう誠にまくし立てた後、再び椅子にもたれかかる。誠はかなめの吐くタバコの煙に咽ながら頭を掻くかなめを見つめていた。
誠はただ一人自分の中で納得できないものがあるようにいらだっているかなめに何を話すべきか迷っていた。
だがしばらくの沈黙に根をあげたのはかなめだった。
「お前はお人よしだからな。流れでどうしようもなくて体を売ってた女って目で見るならそれも良いって思ってたんだけどさ。そんな哀れむような目でアタシを見るなよ。それだけ約束してくれればいい」
かなめは携帯灰皿にタバコをねじ込む。
「きっとカウラさん達も……」
「まったく……なんだかなあ!お人よしが多くてやりにくいぜ」
ぼそりとそう言うとかなめはいつもの嫌味な笑顔を取り戻す。
「明日からはオメエとカウラで組んで動け。研究施設の規模の予想から湾岸地区のめぼしい建物のデータを送ってやる」
「西園寺さんは?」
かなめは笑顔に戻っていた。誠の言葉に再びタバコを取り出して火をつけたかなめはそのまま片手を上げる。
「お子ちゃまと駐留軍や東都に事務所のあるやくざ屋さんを当たってみるよ。おおっぴらに司法局が動いているとなれば最悪でも研究の中断くらいには持ち込めるだろうしな」
そう言って立ち上がるかなめを誠は落ち着いた心持で見送っていた。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
特殊装甲隊 ダグフェロン 『廃帝と永遠の世紀末』 第三部 『暗黒大陸』
橋本 直
SF
遼州司法局も法術特捜の発足とともに実働部隊、機動隊、法術特捜の三部体制が確立することとなった。
それまで東和陸軍教導隊を兼務していた小さな隊長、クバルカ・ラン中佐が実働部隊副隊長として本異動になることが決まった。
彼女の本拠地である東和陸軍教導隊を訪ねた神前誠に法術兵器の実験に任務が課せられた。それは広域にわたり兵士の意識を奪ってしまうという新しい発想の非破壊兵器だった。
実験は成功するがチャージの時間等、運用の難しい兵器と判明する。
一方実働部隊部隊長嵯峨惟基は自分が領邦領主を務めている貴族制国家甲武国へ飛んだ。そこでは彼の両方を西園寺かなめの妹、日野かえでに継がせることに関する会議が行われる予定だった。
一方、南の『魔窟』と呼ばれる大陸ベルルカンの大国、バルキスタンにて総選挙が予定されており、実働部隊も支援部隊を派遣していた。だが選挙に不満を持つ政府軍、反政府軍の駆け引きが続いていた。
嵯峨は万が一の両軍衝突の際アメリカの介入を要請しようとする兄である西園寺義基のシンパである甲武軍部穏健派を牽制しつつ貴族の群れる会議へと向かった。
そしてそんな中、バルキスタンで反政府軍が機動兵器を手に入れ政府軍との全面衝突が発生する。
誠は試験が済んだばかりの非破壊兵器を手に戦線の拡大を防ぐべく出撃するのだった。
潜水艦艦長 深海調査手記
ただのA
SF
深海探査潜水艦ネプトゥヌスの艦長ロバート・L・グレイ が深海で発見した生物、現象、景観などを書き残した手記。
皆さんも艦長の手記を通して深海の神秘に触れてみませんか?
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第二部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』が発動した『干渉空間』と『光の剣(つるぎ)により貴族主義者のクーデターを未然に防止することが出来た『近藤事件』が終わってから1か月がたった。
宇宙は誠をはじめとする『法術師』の存在を公表することで混乱に陥っていたが、誠の所属する司法局実働部隊、通称『特殊な部隊』は相変わらずおバカな生活を送っていた。
そんな『特殊な部隊』の運用艦『ふさ』艦長アメリア・クラウゼ中佐と誠の所属するシュツルム・パンツァーパイロット部隊『機動部隊第一小隊』のパイロットでサイボーグの西園寺かなめは『特殊な部隊』の野球部の夏合宿を企画した。
どうせろくな事が起こらないと思いながら仕事をさぼって参加する誠。
そこではかなめがいかに自分とはかけ離れたお嬢様で、貴族主義の国『甲武国』がどれほど自分の暮らす永遠に続く20世紀末の東和共和国と違うのかを誠は知ることになった。
しかし、彼を待っていたのは『法術』を持つ遼州人を地球人から解放しようとする『革命家』の襲撃だった。
この事件をきっかけに誠の身辺警護の必要性から誠の警護にアメリア、かなめ、そして無表情な人造人間『ラスト・バタリオン』の第一小隊小隊長カウラ・ベルガー大尉がつくことになる。
これにより誠の暮らす『男子下士官寮』は有名無実化することになった。
そんなおバカな連中を『駄目人間』嵯峨惟基特務大佐と機動部隊隊長クバルカ・ラン中佐は生暖かい目で見守っていた。
そんな『特殊な部隊』の意図とは関係なく着々と『力ある者の支配する宇宙』の実現を目指す『廃帝ハド』の野望はゆっくりと動き出しつつあった。
SFお仕事ギャグロマン小説。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
レジェンド・オブ・ダーク遼州司法局異聞 2 「新たな敵」
橋本 直
SF
「近藤事件」の決着がついて「法術」の存在が世界に明らかにされた。
そんな緊張にも当事者でありながら相変わらずアバウトに受け流す遼州司法局実働部隊の面々はちょっとした神前誠(しんぜんまこと)とカウラ・ベルガーとの約束を口実に海に出かけることになった。
西園寺かなめの意外なもてなしや海での意外な事件に誠は戸惑う。
ふたりの窮地を救う部隊長嵯峨惟基(さがこれもと)の娘と言う嵯峨茜(さがあかね)警視正。
また、新編成された第四小隊の面々であるアメリカ海軍出身のロナルド・スミスJr特務大尉、ジョージ・岡部中尉、フェデロ・マルケス中尉や、技術士官レベッカ・シンプソン中尉の4名の新入隊員の配属が決まる。
新たなメンバーを加えても相変わらずの司法局実働部隊メンバーだったが嵯峨の気まぐれから西園寺かなめ、カウラ・ベルガー、アイシャ・クラウゼの三人に特殊なミッションが与えられる。
誠はただ振り回されるだけだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる