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第29章 エピローグ
エピローグ
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「嵯峨少佐、部屋に入ってもよろしいでしょうか?」
カウラの言葉に機動部隊詰め所の前に立ちはだかるかえでは、あからさまに誠に向けていた敵意をほぐす。そしてその手は当然のようにカウラの胸に向かった。
「あの……」
「大丈夫、自信を持って……」
そう言うと静かに平らなカウラの胸をかえでが人撫でする。それを見ている誠は次第に顔が赤くなるのを感じていた。
「うん、ベルガー大尉。飾らない胸も素敵だよ」
かえではそう言うと笑みを浮かべて部屋に入っていく。そう言われたカウラはほうけたような顔で誠を見つめた。いつもの緊張感で支えられているような鋭い視線はそのエメラルドグリーンの瞳にはもはやなかった。
「神前……」
「大丈夫ですか?」
誠の声にすぐに自分を取り戻したカウラは東和軍教導隊から運ばれてきたばかりの執務机に向かった。誠も隣の自分の席に向かう。そして机の上に花が置いてあるのを見つけた。
「これは誰ですか?」
そう言った誠の視界の隅でそっと手を上げるのはアンだった。誠の背筋に寒いものが走る。
「神前曹長。人の好意は受けておくものだな」
かえでの言葉に誠は仕方なくぎこちない笑みを浮かべる。そんな彼が入り口で中の様子を伺っているかなめを見つけた。
「西園寺!とっとと席に着け!」
カウラの言葉に仕方なく部屋に入ったかなめは、かえでの方をびくびくしながらうかがった。かえではまじめに通信端末の設定をしており、それを見て安心したようにかなめは自分の席に座る。
「ああ、お姉さまの机の設定は僕がしておきましたから!」
そんなかえでの一言にかなめはあわててモニターを開いた。大写しされるかえでの凛々しい新撰組のような段だら袴に剣を振るう姿をかなめは冷汗をかいて眺めていた。
「かえで様素敵です!」
思わず渡辺が叫ぶ。吉田とカウラはただ黙って同情の視線をかなめに投げる。
「ちょっとこれは……」
誠がそうつぶやくと再びかえでの鋭い視線が誠に向けられる。
「わかったよ!これを使えばいいんだろ!」
そう言ってかなめはそのまま自分用にモニターの仕様を変更する。かえではその姿を確認すると笑みを浮かべながら自分の作業を続けた。
「誠ちゃん!今度のコミケのネームなんだけど!」
大声を張り上げてアイシャが入ってくる。誠にとってこのときほど彼女の存在がいとしいと思える瞬間はなかった。そのまま立ち上がったのは誠とかなめだった。かなめはそのまま誠とアイシャの肩を抱えて部屋を出ようとする。
「西園寺!仕事しろ!」
カウラの怒鳴り声を聞いてかなめはめんどくさそうに振り向いた。
「ああ、遠隔でやっとくよ!それより今度のあのコミックマーケットって奴だ」
「ふうん貴方からそう言うこと切り出すなんて珍しいわね」
部屋の中に取り残されるかえでを見て状況を察したアイシャは彼女もつれてそのまま外に出る。
「一応、誠ちゃんの端末にネームは送っておいたけど確認できる?」
アイシャはそのまま部屋から離れようとするかなめの勢いに押されながらも誠の腕に巻かれた携帯端末を指差した。
「ああ、後で確認します。ところで、西園寺さん?」
「もう少し歩こうじゃねえか、な?」
明らかに引きつった表情でそう言うかなめにアイシャは何かをたくらんでいるような視線を向ける。とりあえずかえでと距離を取りたい。そのためなら何でもする。かなめの顔にはそう書いてあった。
「作業中、夜食とかあるといいわよね。できればピザとか」
「わかった神前とオメエとシャムとサラとパーラの分だろ?ちゃんと用意するよ」
かなめは即答した。その様子にさらに押せると踏んだアイシャは言葉を続けた。
「甘いものは頭の回転を早くするのよね……まあ飴とか饅頭は持ち寄るから良いんだけど……」
「なんだ?駅前のリアナお姉さんご用達のケーキ屋のか?わかった人数分用意する」
そのままかなめはコンピュータルームまで二人を押していくと、セキュリティーを解除して中へと誠達を連れ込む。
「じゃあ手を打ちましょう。ちょうど茜さんからお仕事貰ってきているしね」
そう言って端末の前に腰掛けるアイシャをかなめは救世主を見るような目で見つめている。画面には次々と傷害事件や器物破損事件の名前が並んだファイルが表示された。
「法術特捜の下請けか……わかった!」
そう言うとかなめは隣の端末に腰掛けて首のスロットにコードを刺すと直接脳をデータとリンクさせた。硬直したままのかなめは目を閉じる。外部センサーの機能を低下させて事件のデータを次々と読み込んでいる様子がアイシャの前の画面でもわかった。
「かなめちゃんは単純でいいわね」
そう言うとアイシャは立ち上がって彼女の後ろに立っていた誠に向き直る。
「誠ちゃん。もうだいぶ部隊に慣れたわよね」
アイシャは紺色の流れるような長い髪をひらめかせる。誠はそのいつもと違うアイシャの姿に惹きつけられていった。
「ええ、皆さんのおかげで」
細く切れ込むようなアイシャの視線が誠の目を捕らえて離そうとしない。誠はただ心臓の鼓動が激しくなるのを感じながら固まったように立ち尽くしていた。
「えーと、困ったな私。何を言ったらいいんだろうね」
そう言って視線をそらすアイシャ。長い髪の先に手を伸ばし、上目遣いに誠を見つめる。
誠も困っていた。アイシャ、かなめ、カウラ。三人に嫌われてはいないとは思っていた。それぞれに普通とはかなり違う好意が示されているのもわかっていた。それでもどうしても踏み込めない。そんな誠。そしてアイシャは今その関係を踏み越えようとしているのかもしれない。
そう考えると誠の心臓の鼓動はさらに早くなった。
「クラウゼ少佐……」
「いいえ、アイシャって呼んで」
二人は見詰め合っていた。お互いの呼吸の音が聞こえる。静まり返ったコンピュータルーム。近づく二人の顔と顔。誠にはこの時間がどこまで続くかわからないとでも言うように思えた。
「おい……」
突然沈黙が破られた。データの閲覧を終えたかなめがいらだたしげに机に頬杖を付いて二人を見上げている。
「ああ、いいぜ続きをしてくれても」
誠の額に脂汗がにじむ。かなめは明らかに怒りを押し殺している。
「かなめちゃん、無粋ね」
いつものようにアイシャは挑戦的な視線を投げる。かなめは口元に皮肉めいた笑みを浮かべてにらみかえす。
「人を無視していちゃいちゃするってのは無粋じゃねえのか?」
かなめの言葉が震えているのに気づいた誠は一歩彼女から引き下がった。
「神前、三股とは良い了見じゃねえか。まず……」
「三股?カウラちゃんと私はわかるけどあと誰がいるのかしら?」
その切れ長の目の目じりを下げてアイシャはかなめに迫る。
「馬鹿!こいつは人気なんだよ!こんなんでも。ブリッジにもいるだろ?あんだけ女がいるんだから」
「ふーん。そんな話は聞かないけど……私よりあの娘達に詳しいのねかなめちゃんは」
その言葉に反撃できずにただかなめはアイシャを見上げる。
「まあ、いい。データの抽出はできたからあとは各事件の共通項を抜き出す作業だ!神前!手伝えよ!」
「素直じゃないんだから」
「何か言ったか?」
かなめの怒鳴り声に辟易したようにアイシャは両手を上げる。誠も次々と自分の前のモニターに映し出されていくデータに呆然としていた。そこで部屋の扉が開く。
「仕事だろ、手伝うぞ」
そう言っていかにも偶然を装うようにカウラは端末に腰掛ける。
「また邪魔なのがまた来やがった」
そうかなめは吐き捨てるようにつぶやく。
誠はいつまでこのどたばたが続くのか、そんなことを考えながら自分の頬が緩んでいるのを感じていた。
了
カウラの言葉に機動部隊詰め所の前に立ちはだかるかえでは、あからさまに誠に向けていた敵意をほぐす。そしてその手は当然のようにカウラの胸に向かった。
「あの……」
「大丈夫、自信を持って……」
そう言うと静かに平らなカウラの胸をかえでが人撫でする。それを見ている誠は次第に顔が赤くなるのを感じていた。
「うん、ベルガー大尉。飾らない胸も素敵だよ」
かえではそう言うと笑みを浮かべて部屋に入っていく。そう言われたカウラはほうけたような顔で誠を見つめた。いつもの緊張感で支えられているような鋭い視線はそのエメラルドグリーンの瞳にはもはやなかった。
「神前……」
「大丈夫ですか?」
誠の声にすぐに自分を取り戻したカウラは東和軍教導隊から運ばれてきたばかりの執務机に向かった。誠も隣の自分の席に向かう。そして机の上に花が置いてあるのを見つけた。
「これは誰ですか?」
そう言った誠の視界の隅でそっと手を上げるのはアンだった。誠の背筋に寒いものが走る。
「神前曹長。人の好意は受けておくものだな」
かえでの言葉に誠は仕方なくぎこちない笑みを浮かべる。そんな彼が入り口で中の様子を伺っているかなめを見つけた。
「西園寺!とっとと席に着け!」
カウラの言葉に仕方なく部屋に入ったかなめは、かえでの方をびくびくしながらうかがった。かえではまじめに通信端末の設定をしており、それを見て安心したようにかなめは自分の席に座る。
「ああ、お姉さまの机の設定は僕がしておきましたから!」
そんなかえでの一言にかなめはあわててモニターを開いた。大写しされるかえでの凛々しい新撰組のような段だら袴に剣を振るう姿をかなめは冷汗をかいて眺めていた。
「かえで様素敵です!」
思わず渡辺が叫ぶ。吉田とカウラはただ黙って同情の視線をかなめに投げる。
「ちょっとこれは……」
誠がそうつぶやくと再びかえでの鋭い視線が誠に向けられる。
「わかったよ!これを使えばいいんだろ!」
そう言ってかなめはそのまま自分用にモニターの仕様を変更する。かえではその姿を確認すると笑みを浮かべながら自分の作業を続けた。
「誠ちゃん!今度のコミケのネームなんだけど!」
大声を張り上げてアイシャが入ってくる。誠にとってこのときほど彼女の存在がいとしいと思える瞬間はなかった。そのまま立ち上がったのは誠とかなめだった。かなめはそのまま誠とアイシャの肩を抱えて部屋を出ようとする。
「西園寺!仕事しろ!」
カウラの怒鳴り声を聞いてかなめはめんどくさそうに振り向いた。
「ああ、遠隔でやっとくよ!それより今度のあのコミックマーケットって奴だ」
「ふうん貴方からそう言うこと切り出すなんて珍しいわね」
部屋の中に取り残されるかえでを見て状況を察したアイシャは彼女もつれてそのまま外に出る。
「一応、誠ちゃんの端末にネームは送っておいたけど確認できる?」
アイシャはそのまま部屋から離れようとするかなめの勢いに押されながらも誠の腕に巻かれた携帯端末を指差した。
「ああ、後で確認します。ところで、西園寺さん?」
「もう少し歩こうじゃねえか、な?」
明らかに引きつった表情でそう言うかなめにアイシャは何かをたくらんでいるような視線を向ける。とりあえずかえでと距離を取りたい。そのためなら何でもする。かなめの顔にはそう書いてあった。
「作業中、夜食とかあるといいわよね。できればピザとか」
「わかった神前とオメエとシャムとサラとパーラの分だろ?ちゃんと用意するよ」
かなめは即答した。その様子にさらに押せると踏んだアイシャは言葉を続けた。
「甘いものは頭の回転を早くするのよね……まあ飴とか饅頭は持ち寄るから良いんだけど……」
「なんだ?駅前のリアナお姉さんご用達のケーキ屋のか?わかった人数分用意する」
そのままかなめはコンピュータルームまで二人を押していくと、セキュリティーを解除して中へと誠達を連れ込む。
「じゃあ手を打ちましょう。ちょうど茜さんからお仕事貰ってきているしね」
そう言って端末の前に腰掛けるアイシャをかなめは救世主を見るような目で見つめている。画面には次々と傷害事件や器物破損事件の名前が並んだファイルが表示された。
「法術特捜の下請けか……わかった!」
そう言うとかなめは隣の端末に腰掛けて首のスロットにコードを刺すと直接脳をデータとリンクさせた。硬直したままのかなめは目を閉じる。外部センサーの機能を低下させて事件のデータを次々と読み込んでいる様子がアイシャの前の画面でもわかった。
「かなめちゃんは単純でいいわね」
そう言うとアイシャは立ち上がって彼女の後ろに立っていた誠に向き直る。
「誠ちゃん。もうだいぶ部隊に慣れたわよね」
アイシャは紺色の流れるような長い髪をひらめかせる。誠はそのいつもと違うアイシャの姿に惹きつけられていった。
「ええ、皆さんのおかげで」
細く切れ込むようなアイシャの視線が誠の目を捕らえて離そうとしない。誠はただ心臓の鼓動が激しくなるのを感じながら固まったように立ち尽くしていた。
「えーと、困ったな私。何を言ったらいいんだろうね」
そう言って視線をそらすアイシャ。長い髪の先に手を伸ばし、上目遣いに誠を見つめる。
誠も困っていた。アイシャ、かなめ、カウラ。三人に嫌われてはいないとは思っていた。それぞれに普通とはかなり違う好意が示されているのもわかっていた。それでもどうしても踏み込めない。そんな誠。そしてアイシャは今その関係を踏み越えようとしているのかもしれない。
そう考えると誠の心臓の鼓動はさらに早くなった。
「クラウゼ少佐……」
「いいえ、アイシャって呼んで」
二人は見詰め合っていた。お互いの呼吸の音が聞こえる。静まり返ったコンピュータルーム。近づく二人の顔と顔。誠にはこの時間がどこまで続くかわからないとでも言うように思えた。
「おい……」
突然沈黙が破られた。データの閲覧を終えたかなめがいらだたしげに机に頬杖を付いて二人を見上げている。
「ああ、いいぜ続きをしてくれても」
誠の額に脂汗がにじむ。かなめは明らかに怒りを押し殺している。
「かなめちゃん、無粋ね」
いつものようにアイシャは挑戦的な視線を投げる。かなめは口元に皮肉めいた笑みを浮かべてにらみかえす。
「人を無視していちゃいちゃするってのは無粋じゃねえのか?」
かなめの言葉が震えているのに気づいた誠は一歩彼女から引き下がった。
「神前、三股とは良い了見じゃねえか。まず……」
「三股?カウラちゃんと私はわかるけどあと誰がいるのかしら?」
その切れ長の目の目じりを下げてアイシャはかなめに迫る。
「馬鹿!こいつは人気なんだよ!こんなんでも。ブリッジにもいるだろ?あんだけ女がいるんだから」
「ふーん。そんな話は聞かないけど……私よりあの娘達に詳しいのねかなめちゃんは」
その言葉に反撃できずにただかなめはアイシャを見上げる。
「まあ、いい。データの抽出はできたからあとは各事件の共通項を抜き出す作業だ!神前!手伝えよ!」
「素直じゃないんだから」
「何か言ったか?」
かなめの怒鳴り声に辟易したようにアイシャは両手を上げる。誠も次々と自分の前のモニターに映し出されていくデータに呆然としていた。そこで部屋の扉が開く。
「仕事だろ、手伝うぞ」
そう言っていかにも偶然を装うようにカウラは端末に腰掛ける。
「また邪魔なのがまた来やがった」
そうかなめは吐き捨てるようにつぶやく。
誠はいつまでこのどたばたが続くのか、そんなことを考えながら自分の頬が緩んでいるのを感じていた。
了
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