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第3章 仲間達
アイシャの買い物
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「でも遅せえな、アイシャの奴。さっさと置いて帰っちまうか?」
話を逸らすようにかなめがつぶやく。
「とりあえずお前はその前にタバコをどうにかしろ」
そして、ずっとかなめの口元のタバコの火を眺めていたカウラが突っ込みを入れる。誠が生協の入り口を見ると、そこにはなぜかお菓子以外に大きな包み紙の物まで買い込んで走ってくるアイシャの姿があった。
「ったく何買い込んでんだよ!」
「かなめちゃん、もしかして心配してくれてるの?大丈夫よ。私は誠ちゃんじゃないから誘拐されることなんて無いし……」
かなめは仕方なくタバコをもみ消して一息つくと、そのまま携帯灰皿に吸殻を押し込んで後部座席に乗り込む。アイシャは誠がつっかえながら後部座席に乗り込むのに続いて当然のように助手席に座り買い物袋を漁り始めた。
「誠ちゃん。このなつかしの戦隊シリーズ出てたわよ」
アイシャがそう言うと包み紙から戦隊モノのフィギュアを取り出して誠に見せた。
「なんつうもんを置いてあるんだあそこは?」
かなめが呆れて誠の顔を覗き込む。
「大人買いじゃないのか?」
車を発進させながら、カウラはアイシャに目をやった。
「ああ、そっちはもう近くのショップで押さえてあるから。これは布教のために買ったの」
そう言ってかなめや誠にも見えるように買い物袋を拡げて見せる。そこには他にもアニメキャラのフィギュアなどが入っていた。
「よくそんなの見つけてくるな……」
「すごいでしょ」
「いや、呆れてんだよ」
威張るアイシャにかなめは大きくため息をついた。カウラはそのかなめをバックミラー越しに見ながら微笑んでいた。
話を逸らすようにかなめがつぶやく。
「とりあえずお前はその前にタバコをどうにかしろ」
そして、ずっとかなめの口元のタバコの火を眺めていたカウラが突っ込みを入れる。誠が生協の入り口を見ると、そこにはなぜかお菓子以外に大きな包み紙の物まで買い込んで走ってくるアイシャの姿があった。
「ったく何買い込んでんだよ!」
「かなめちゃん、もしかして心配してくれてるの?大丈夫よ。私は誠ちゃんじゃないから誘拐されることなんて無いし……」
かなめは仕方なくタバコをもみ消して一息つくと、そのまま携帯灰皿に吸殻を押し込んで後部座席に乗り込む。アイシャは誠がつっかえながら後部座席に乗り込むのに続いて当然のように助手席に座り買い物袋を漁り始めた。
「誠ちゃん。このなつかしの戦隊シリーズ出てたわよ」
アイシャがそう言うと包み紙から戦隊モノのフィギュアを取り出して誠に見せた。
「なんつうもんを置いてあるんだあそこは?」
かなめが呆れて誠の顔を覗き込む。
「大人買いじゃないのか?」
車を発進させながら、カウラはアイシャに目をやった。
「ああ、そっちはもう近くのショップで押さえてあるから。これは布教のために買ったの」
そう言ってかなめや誠にも見えるように買い物袋を拡げて見せる。そこには他にもアニメキャラのフィギュアなどが入っていた。
「よくそんなの見つけてくるな……」
「すごいでしょ」
「いや、呆れてんだよ」
威張るアイシャにかなめは大きくため息をついた。カウラはそのかなめをバックミラー越しに見ながら微笑んでいた。
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