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第3章 仲間達
独自ルートの話題
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続くアイシャの口撃にしょげたようなかなめを満足そうに見ながら、アイシャは携帯端末に耳を寄せた。
「もしもし……ああ、ありがとう。やっぱりそうなんだ。それでシンの旦那はどこに行くわけ?」
アイシャは大声で電話を続けている。それを見て話題を変えるタイミングを捕らえてかなめは運転中のカウラの耳元に顔を突き出す。管理部部長、アブドゥール・シャー・シン大尉の話が出たところでアイシャが人事のことで情報を集めているらしいことは誠にも分かった。
「それにしてもアイシャの知り合いはどこにでもいるんだなあ」
かなめはそう言うとわざと胸を強調するように伸びをする。思わず誠は目を逸らす。
「同盟司法局の人事部辺りか?」
「だろうな……ちっちゃい姐御はシンの旦那以外にも誰かと会ってる感じだったが……秋の人事。結構動きがありそうだな」
かなめが爪を噛みつつ考え込む。
「じゃあ、また何かあったらよろしくね」
そう言ってアイシャは電話を切る。
「やっぱり、だれか動くのか?」
かなめがぼんやりと尋ねるのにアイシャは悠然と構えて話し始める。
「ああ、管理部の方に入れ替えがあるらしいわね」
「シンの旦那か……確か西モスレム国防軍のレンタル移籍の期間は半年残ってたはずだけど……」
「あの人はエースパイロットだもの。いつまでもそろばん握らしとくわけにいかなくなったんでしょ、上の方も。来年度の予算の増額見積もりを立てるのに背広組のエリートを一本釣りするみたいよ、隊長は」
アイシャは淡々と答えた。
「それより相手は誰なんだ?その電話」
珍しく好奇心をそそられたのかハンドルを握りながらカウラが尋ねてくる。
「ああ、この電話の相手ね。……独自のルート。いろいろと私もコネがあるから情報は入ってくるのよ」
カウラの車はそのまま高速道路を降りて一般国道に入った。前後に菱川重工豊川に向かうのだろう大型トレーラーに挟まれて、滑らかにスポーツカーは進んだ。
「もしもし……ああ、ありがとう。やっぱりそうなんだ。それでシンの旦那はどこに行くわけ?」
アイシャは大声で電話を続けている。それを見て話題を変えるタイミングを捕らえてかなめは運転中のカウラの耳元に顔を突き出す。管理部部長、アブドゥール・シャー・シン大尉の話が出たところでアイシャが人事のことで情報を集めているらしいことは誠にも分かった。
「それにしてもアイシャの知り合いはどこにでもいるんだなあ」
かなめはそう言うとわざと胸を強調するように伸びをする。思わず誠は目を逸らす。
「同盟司法局の人事部辺りか?」
「だろうな……ちっちゃい姐御はシンの旦那以外にも誰かと会ってる感じだったが……秋の人事。結構動きがありそうだな」
かなめが爪を噛みつつ考え込む。
「じゃあ、また何かあったらよろしくね」
そう言ってアイシャは電話を切る。
「やっぱり、だれか動くのか?」
かなめがぼんやりと尋ねるのにアイシャは悠然と構えて話し始める。
「ああ、管理部の方に入れ替えがあるらしいわね」
「シンの旦那か……確か西モスレム国防軍のレンタル移籍の期間は半年残ってたはずだけど……」
「あの人はエースパイロットだもの。いつまでもそろばん握らしとくわけにいかなくなったんでしょ、上の方も。来年度の予算の増額見積もりを立てるのに背広組のエリートを一本釣りするみたいよ、隊長は」
アイシャは淡々と答えた。
「それより相手は誰なんだ?その電話」
珍しく好奇心をそそられたのかハンドルを握りながらカウラが尋ねてくる。
「ああ、この電話の相手ね。……独自のルート。いろいろと私もコネがあるから情報は入ってくるのよ」
カウラの車はそのまま高速道路を降りて一般国道に入った。前後に菱川重工豊川に向かうのだろう大型トレーラーに挟まれて、滑らかにスポーツカーは進んだ。
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