207 / 1,503
第17章 西園寺かなめ
凸凹コンビの珍勇者乱入
しおりを挟む
誠はどう慰めようか言葉を選ぼうとした時に、窓の外に一本のロープがぶら下がっていることに気づいた。
「西園寺さん……」
誠の言葉よりもかなめの行動の方が素早かった。机の引き出しから愛銃XD40を取り出したかなめは、そのままベランダに出るための窓を静かに開けた。
ロープは静かに揺れている。誠はそのままかなめの後ろをつけて行った。かなめはハンドサインで静かにするように伝えるとそのままロープの真下に座り込んだ。何者かが明らかにこのマンションを上ろうとしている。かなめは突如立ち上がると、ベランダの向こうにいる侵入者に銃を向けた。
「撃たないでー!」
間抜けなナンバルゲニア・シャムラード中尉の声が響く。誠はそのままベランダの下を見下ろした。シャムと吉田俊平少佐がマンションの壁面を登ってきていた。あまりに間抜けな光景に、誠はただ唖然とするしかなかった。
「どうもー……」
消え入るような声で、シャムはベランダに降り立つ。
「こいつ、結構使えるな。今度キムに教えてやるか」
ベランダに降り立った吉田が左腕を前に突き出す。手首の辺りで腕が上下に裂け、中にグレネードランチャーの発射装置のようなものが見えた。おそらくこれで屋上にロープの先端に付けたフックを撃ち込んでこうして二人は上ってきたのだろう。
「なんだ、またギミック搭載したのかよ」
「まあな。でも結構便利だぞ。お前も今度義体換えるときやってみれば?」
そう言うと左腕を元の形に戻してかなめの寝室にさも当然と言うように入り込む。
「靴ぐらい脱げ!馬鹿野郎!」
かなめの叫び声に慌ててシャムと吉田は靴を脱ぐ。二人は靴を誠に手渡す。仕方なく誠は玄関に靴を運んで行った。
「今日は第一小隊は待機じゃないんですか?」
誠の言葉に吉田はにんまりと笑う。
「どうせすることも無いからな。隊長が『かなめが神前を拉致ったらしいから様子を見てこいや』って言うもんで見に来たんだけど……なんもしてないんだな」
「オメエ等帰れ!黙っといてやるから今すぐ帰れ」
かなめは噛みつかんばかりに怒鳴り散らす。それを無視するようにシャムがとりあえずベッドの上に置いた誠がもらったゲームソフトに目を付ける。
「『心物語』だ!これって結構人気なんだよね。誰の?かなめちゃんの?」
「うぜえんだよ餓鬼!そいつはアタシが神前に……」
勢いで吐きかけた言葉の意味を理解してかなめが口ごもる。吉田、シャムの二人はにんまりと笑いながら誠とかなめを見回した。
「へー、プレゼントしたんだ。良かったね!誠ちゃん!」
シャムが屈託の無い笑顔で誠を見つめる。誠は頭を掻きながらそんなシャムを見ていた。
「それにしても汚ねえ部屋だねえこりゃ」
呆れ果てたと言う表情で埃の積もった床の上に吉田は足先で線を描く。
「余計なお世話だ!」
そんな吉田の頭をかなめが怒りに任せて小突いた。明らかにいつもの不機嫌なかなめの姿に戻っていた。
「これじゃあカウラの部屋の方がまだましなんじゃねえか?」
靴下に付いた埃を見て顔をしかめた吉田がそう言った。カウラと言う言葉を聴いて、かなめの目に殺気がこもる。
「そんな目で見るなよ。それより三時間後にあまさき屋に集合なんだけど、この様子じゃあすることないな」
「だったら帰れよ、な?」
かなめは敵意むき出しで吉田を見つめる。
「あまさき屋で何するんですか?」
誠はかなめと吉田の間にさえぎるように体をねじ込んで尋ねる。
「聞いてないのか?アイシャには伝えたはずなんだけどな」
「忘れてるな。まああいつは引越しとなるとねえ……どれだけのものを持ち込むかわからねえからな。それの算段を胸のうちでしていて忘れたんだろ」
気を落ち着かせようとかなめはタバコを取り出す。
「明後日から俊平とアタシ、遼南に出張でーす!」
ライターに伸ばされたかなめの手が止まる。
「法術がらみだな」
仏頂面だったかなめの表情に生気が戻る。それを見て黙って吉田は頷いた。
「まあそう言うこと。遼南軍や警察でもかなり法術適正者が発見されたってことで、遼南帝国青銅騎士団団長の御子神さんの戦闘技術指導のお手伝いに行くってわけだ。まあ、隊長が監修した面白くもねえビデオ上映して、さらにこいつの原稿棒読みの講義とか……、とにかくつまんねえことをしにいくわけだ」
シャムはふくれっつらをするが、特に言葉を出すわけではなかった。
「なるほどねえ、それに合わせてあのアメリカさんの歓迎会を今日やるわけだ」
かなめはそう言うと寝室にもしっかり置いてある灰皿を手に取った。
「それと俺等の壮行会な。しかし、まああのシンプソン中尉って結構かわいいよな」
突然、吉田から話題を振られて誠は周りを見回した。シャムは吉田にけなされたまんまのいかにも不満そうな表情で誠を見つめる。誠が目をやるとかなめは黙ってタバコに火をつけていた。こういう場面でわざと視線を泳がせているかなめに下手なことを言えば何をされるかわからない。
「そうですね。特に胸が……」
地雷を踏んだ。そう誠が自分の言葉を飲み込んだとき、かなめは誠の右手に思い切り火の付いたタバコの先を押し付けた。
「それは禁句だろ?な?」
かなめらしいサディスティックな笑顔が誠の目に入った。誠は手の甲を見るがさすがにすぐにかなめが火を遠ざけてくれたおかげで火傷の跡は残っていない。だが明らかに自分の振った話題で予想通りの動きをした二人を満足そうに吉田は見つめている。
「お前もそう思うか?そうだよなあ」
そして吉田はついに笑い始める。しかし、誠は自分で言いだした話なのに横目で見つけたかなめの右手のタバコが震えるのを見て顔を引きつらせた。
「あれだな。形はたぶんアイシャかマリアさんの争いだが、大きさではどこかの人工巨乳を抜いてトップにたったな」
「おい、吉田。オメエいっぺん死んだ方が良いぞ……」
机に置いた銃に手を伸ばそうとするかなめだが、次の瞬間には銃はシャムの手の中にあった。その早業に誠もかなめもただ立ち尽くすしかなかった。
「だめだよかなめちゃん!こんなの持ち出したら。それよりのど渇いた!」
「じゃあビールでも飲むか!あるんだろ?」
マイペースな二人に肩をすくめたかなめがそのまま部屋を出て行った。
「西園寺さん……」
誠の言葉よりもかなめの行動の方が素早かった。机の引き出しから愛銃XD40を取り出したかなめは、そのままベランダに出るための窓を静かに開けた。
ロープは静かに揺れている。誠はそのままかなめの後ろをつけて行った。かなめはハンドサインで静かにするように伝えるとそのままロープの真下に座り込んだ。何者かが明らかにこのマンションを上ろうとしている。かなめは突如立ち上がると、ベランダの向こうにいる侵入者に銃を向けた。
「撃たないでー!」
間抜けなナンバルゲニア・シャムラード中尉の声が響く。誠はそのままベランダの下を見下ろした。シャムと吉田俊平少佐がマンションの壁面を登ってきていた。あまりに間抜けな光景に、誠はただ唖然とするしかなかった。
「どうもー……」
消え入るような声で、シャムはベランダに降り立つ。
「こいつ、結構使えるな。今度キムに教えてやるか」
ベランダに降り立った吉田が左腕を前に突き出す。手首の辺りで腕が上下に裂け、中にグレネードランチャーの発射装置のようなものが見えた。おそらくこれで屋上にロープの先端に付けたフックを撃ち込んでこうして二人は上ってきたのだろう。
「なんだ、またギミック搭載したのかよ」
「まあな。でも結構便利だぞ。お前も今度義体換えるときやってみれば?」
そう言うと左腕を元の形に戻してかなめの寝室にさも当然と言うように入り込む。
「靴ぐらい脱げ!馬鹿野郎!」
かなめの叫び声に慌ててシャムと吉田は靴を脱ぐ。二人は靴を誠に手渡す。仕方なく誠は玄関に靴を運んで行った。
「今日は第一小隊は待機じゃないんですか?」
誠の言葉に吉田はにんまりと笑う。
「どうせすることも無いからな。隊長が『かなめが神前を拉致ったらしいから様子を見てこいや』って言うもんで見に来たんだけど……なんもしてないんだな」
「オメエ等帰れ!黙っといてやるから今すぐ帰れ」
かなめは噛みつかんばかりに怒鳴り散らす。それを無視するようにシャムがとりあえずベッドの上に置いた誠がもらったゲームソフトに目を付ける。
「『心物語』だ!これって結構人気なんだよね。誰の?かなめちゃんの?」
「うぜえんだよ餓鬼!そいつはアタシが神前に……」
勢いで吐きかけた言葉の意味を理解してかなめが口ごもる。吉田、シャムの二人はにんまりと笑いながら誠とかなめを見回した。
「へー、プレゼントしたんだ。良かったね!誠ちゃん!」
シャムが屈託の無い笑顔で誠を見つめる。誠は頭を掻きながらそんなシャムを見ていた。
「それにしても汚ねえ部屋だねえこりゃ」
呆れ果てたと言う表情で埃の積もった床の上に吉田は足先で線を描く。
「余計なお世話だ!」
そんな吉田の頭をかなめが怒りに任せて小突いた。明らかにいつもの不機嫌なかなめの姿に戻っていた。
「これじゃあカウラの部屋の方がまだましなんじゃねえか?」
靴下に付いた埃を見て顔をしかめた吉田がそう言った。カウラと言う言葉を聴いて、かなめの目に殺気がこもる。
「そんな目で見るなよ。それより三時間後にあまさき屋に集合なんだけど、この様子じゃあすることないな」
「だったら帰れよ、な?」
かなめは敵意むき出しで吉田を見つめる。
「あまさき屋で何するんですか?」
誠はかなめと吉田の間にさえぎるように体をねじ込んで尋ねる。
「聞いてないのか?アイシャには伝えたはずなんだけどな」
「忘れてるな。まああいつは引越しとなるとねえ……どれだけのものを持ち込むかわからねえからな。それの算段を胸のうちでしていて忘れたんだろ」
気を落ち着かせようとかなめはタバコを取り出す。
「明後日から俊平とアタシ、遼南に出張でーす!」
ライターに伸ばされたかなめの手が止まる。
「法術がらみだな」
仏頂面だったかなめの表情に生気が戻る。それを見て黙って吉田は頷いた。
「まあそう言うこと。遼南軍や警察でもかなり法術適正者が発見されたってことで、遼南帝国青銅騎士団団長の御子神さんの戦闘技術指導のお手伝いに行くってわけだ。まあ、隊長が監修した面白くもねえビデオ上映して、さらにこいつの原稿棒読みの講義とか……、とにかくつまんねえことをしにいくわけだ」
シャムはふくれっつらをするが、特に言葉を出すわけではなかった。
「なるほどねえ、それに合わせてあのアメリカさんの歓迎会を今日やるわけだ」
かなめはそう言うと寝室にもしっかり置いてある灰皿を手に取った。
「それと俺等の壮行会な。しかし、まああのシンプソン中尉って結構かわいいよな」
突然、吉田から話題を振られて誠は周りを見回した。シャムは吉田にけなされたまんまのいかにも不満そうな表情で誠を見つめる。誠が目をやるとかなめは黙ってタバコに火をつけていた。こういう場面でわざと視線を泳がせているかなめに下手なことを言えば何をされるかわからない。
「そうですね。特に胸が……」
地雷を踏んだ。そう誠が自分の言葉を飲み込んだとき、かなめは誠の右手に思い切り火の付いたタバコの先を押し付けた。
「それは禁句だろ?な?」
かなめらしいサディスティックな笑顔が誠の目に入った。誠は手の甲を見るがさすがにすぐにかなめが火を遠ざけてくれたおかげで火傷の跡は残っていない。だが明らかに自分の振った話題で予想通りの動きをした二人を満足そうに吉田は見つめている。
「お前もそう思うか?そうだよなあ」
そして吉田はついに笑い始める。しかし、誠は自分で言いだした話なのに横目で見つけたかなめの右手のタバコが震えるのを見て顔を引きつらせた。
「あれだな。形はたぶんアイシャかマリアさんの争いだが、大きさではどこかの人工巨乳を抜いてトップにたったな」
「おい、吉田。オメエいっぺん死んだ方が良いぞ……」
机に置いた銃に手を伸ばそうとするかなめだが、次の瞬間には銃はシャムの手の中にあった。その早業に誠もかなめもただ立ち尽くすしかなかった。
「だめだよかなめちゃん!こんなの持ち出したら。それよりのど渇いた!」
「じゃあビールでも飲むか!あるんだろ?」
マイペースな二人に肩をすくめたかなめがそのまま部屋を出て行った。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
潜水艦艦長 深海調査手記
ただのA
SF
深海探査潜水艦ネプトゥヌスの艦長ロバート・L・グレイ が深海で発見した生物、現象、景観などを書き残した手記。
皆さんも艦長の手記を通して深海の神秘に触れてみませんか?
特殊装甲隊 ダグフェロン 『廃帝と永遠の世紀末』 第三部 『暗黒大陸』
橋本 直
SF
遼州司法局も法術特捜の発足とともに実働部隊、機動隊、法術特捜の三部体制が確立することとなった。
それまで東和陸軍教導隊を兼務していた小さな隊長、クバルカ・ラン中佐が実働部隊副隊長として本異動になることが決まった。
彼女の本拠地である東和陸軍教導隊を訪ねた神前誠に法術兵器の実験に任務が課せられた。それは広域にわたり兵士の意識を奪ってしまうという新しい発想の非破壊兵器だった。
実験は成功するがチャージの時間等、運用の難しい兵器と判明する。
一方実働部隊部隊長嵯峨惟基は自分が領邦領主を務めている貴族制国家甲武国へ飛んだ。そこでは彼の両方を西園寺かなめの妹、日野かえでに継がせることに関する会議が行われる予定だった。
一方、南の『魔窟』と呼ばれる大陸ベルルカンの大国、バルキスタンにて総選挙が予定されており、実働部隊も支援部隊を派遣していた。だが選挙に不満を持つ政府軍、反政府軍の駆け引きが続いていた。
嵯峨は万が一の両軍衝突の際アメリカの介入を要請しようとする兄である西園寺義基のシンパである甲武軍部穏健派を牽制しつつ貴族の群れる会議へと向かった。
そしてそんな中、バルキスタンで反政府軍が機動兵器を手に入れ政府軍との全面衝突が発生する。
誠は試験が済んだばかりの非破壊兵器を手に戦線の拡大を防ぐべく出撃するのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第二部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』が発動した『干渉空間』と『光の剣(つるぎ)により貴族主義者のクーデターを未然に防止することが出来た『近藤事件』が終わってから1か月がたった。
宇宙は誠をはじめとする『法術師』の存在を公表することで混乱に陥っていたが、誠の所属する司法局実働部隊、通称『特殊な部隊』は相変わらずおバカな生活を送っていた。
そんな『特殊な部隊』の運用艦『ふさ』艦長アメリア・クラウゼ中佐と誠の所属するシュツルム・パンツァーパイロット部隊『機動部隊第一小隊』のパイロットでサイボーグの西園寺かなめは『特殊な部隊』の野球部の夏合宿を企画した。
どうせろくな事が起こらないと思いながら仕事をさぼって参加する誠。
そこではかなめがいかに自分とはかけ離れたお嬢様で、貴族主義の国『甲武国』がどれほど自分の暮らす永遠に続く20世紀末の東和共和国と違うのかを誠は知ることになった。
しかし、彼を待っていたのは『法術』を持つ遼州人を地球人から解放しようとする『革命家』の襲撃だった。
この事件をきっかけに誠の身辺警護の必要性から誠の警護にアメリア、かなめ、そして無表情な人造人間『ラスト・バタリオン』の第一小隊小隊長カウラ・ベルガー大尉がつくことになる。
これにより誠の暮らす『男子下士官寮』は有名無実化することになった。
そんなおバカな連中を『駄目人間』嵯峨惟基特務大佐と機動部隊隊長クバルカ・ラン中佐は生暖かい目で見守っていた。
そんな『特殊な部隊』の意図とは関係なく着々と『力ある者の支配する宇宙』の実現を目指す『廃帝ハド』の野望はゆっくりと動き出しつつあった。
SFお仕事ギャグロマン小説。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる