145 / 1,531
第五章 出発
出発の時
しおりを挟む
「それにしても今回は少ないよな、参加者。技術部は島田のアホとキム、ソン、西、吉川、金子、遠藤。警備部はヤコブ、イワノフ、ボルクマン。管理部は菰田、服部、立川。それと家村親子にお姉さんと旦那か」
かなめはアイシャの冊子を誠に押し付けると男性陣を指折り数えた。
「暇そうな連中だな」
それを聞いたカウラもそう続ける。そこでかなめはサングラスを下げて、下から見上げるようにカウラに近づく。何事かと構えるカウラの正面に満面の笑みのかなめがいた。
「菰田、ソン、ヤコブが来るのはお前目当てなんだろ?ちゃんと絞めて行けよ」
『ヒンヌー教徒』三人の名前を聞いてカウラの表情が曇る。
「つまらない事は言わない方がいいぞ。口は災いの元だからな」
カウラはその話をしたくは無いと言うようにあっさり答えた。
「神前!荷物積むの手伝え!」
とても実働部隊の備品とは思えない量のパーティーグッズを荷物置き場に押し込んでいる島田が叫んだ。
「じゃあな、アタシ等乗ってるから」
そう言うと島田に見入られて身動き取れない誠を置いてかなめとカウラはバスに乗り込む。
「スイカはここに入れると割れるんじゃないですか?」
誠はパーラから島田が受け取ろうとしているスイカを見てそう言った。
「じゃあシャムちゃんに見つからないように隠しておくわね」
パーラはそう言うとそのままボストンバッグを誠に渡してバスに乗り込む。
「パラソルは折れるかな?」
「大丈夫なんじゃないですか?奥のほうに突っ込んでおけば」
誠と島田はバスに乗り込んでいく面々から荷物を受け取りつつ、それを床面の下の荷物置き場に突っ込む。
「正人!アイス買ってきたけど食べる?」
荷物置き場が一杯になった時、備品の自転車に乗って買出しに行っていたサラが二本のアイスキャンディーを島田達に手渡す。彼は受け取った二本のキャンディーを誠に見せた。
「悪いね。神前、どっち食う?」
「じゃあ小豆の方で」
いつの間にかかいた汗を拭いながら三人で一息つく。
「なるほどねえ。この前、姐御からM10の仕様書渡されて、どっからこんな最新機の情報手に入れたか聞こうと思ったんだが、ウチで動かすのか。整備のシフト考え直さないとまずいよなあ」
ソーダ味のアイスキャンディーを口にしながら島田がつぶやく。
「しかし、M10なら採用国は同盟加盟国でも何カ国かあるから大丈夫なんじゃないですか?運用の問題点とかのノウハウなら吉田さんに頼めば調べてくれるでしょうし」
誠の小豆のアイスバーは周りに氷が張り付いてしばらく味がしなかった。失敗したかなと思いながら、誠は小豆色のバーを口にねじ込む。
「別に吉田さんに頼まんでも俺も聞いてるよ、M10の運用の注意点くらい。海兵隊が採用しなかったのは初めて導入したアメリカ海軍での評判があまり芳しくなかったからだって話だぞ。関節部の駆動部品のメンテが面倒でね。交換に一癖あって正直俺もどうかなあって思ってたんだよ。まあA4にバージョンアップしてその部分はかなり改善されたって言う話だけど、コスト無視の05式は別格として主要国に採用されているアサルト・モジュールじゃあ相当なじゃじゃ馬だそうな。まあ実物を拝まないことには判断はつかないけどな」
そう言うと島田は解けて手にかかろうとするアイスに手を焼いてそのままがぶりと先から食いついた。
「そうなんですか……」
誠は島田の話を聞きながら伸びをする。その視線にバスの中で手招きしているかなめの姿を見つけた。
「島田の旦那ー!」
窓を開けようとする島田を待っていた誠に向けて叫ぶ声が聞こえて振り向いた。オリーブ色のTシャツにジーンズの小夏、桜色の日傘を手にする紫の和服の春子がハンガーから出てバスに向かってきていた。
「俺も旦那に昇格か」
窓を開けると島田は照れるように笑う。整備班員の統率を買われていた島田は技術部部長の明華の推薦で准尉に昇進していた。そんな島田が笑顔でバスに駆け寄って来た小夏を迎える。
「師匠はもう中ですか?」
そう言うと小夏はバスの先頭を指差す。誠は周りを見回すが、自分と島田以外は全員バスに乗っていることに気づいて苦笑いを浮かべた。
「そうみたいだな。それにしてもお前も少しは女らしくしろよ」
いつ見ても男の子のように見えるショートヘアーに化粧らしきものすら見えない小夏を島田はからかってみせる。
「それはグリファン少尉みたいにしろってことですか?」
小夏が思い切りにやけた笑みで島田を見つめる。彼女であるサラとのことを弄られて島田はムッとして小夏を睨み付けた。
「下らないこと言ってないでとっとと乗れ!」
柄にもなく照れている島田と笑顔の春子が誠の目に入る。誠はそれを暖かく見守るとそのまま。春子のかばんと小夏のリュックを荷物置き場に押し込んでロックをかける。
「じゃあ全員そろったわけだ。行くか?」
誠は島田の言葉で春子を連れてバスの前を回ってバスに乗り込む。
「神前!こことって有るからな!」
バスの窓からかなめが身を乗り出している。誠はしかたなくそのままバスに乗り込むとかなめの座る奥の方の座席へと歩き出した。
「ここだ。座れ」
ジャッキーカルパスを咥えながら、もう既にウィスキーの小瓶を手にして飲み始めているかなめの隣に席を占める。通路を隔てて隣は不機嫌そうにかなめをにらみつけるアイシャがいる。そして窓際に二人の動向を静かに見守るカウラが座っている。
「オメエも喰うか?」
燻製を差し出すかなめにしかたなく誠は受け取った。
「行くのは永峰海岸ですか。随分ありますよね、ここからだと」
運用艦『高雄』の停泊先が東に150kmの新港。それに対して永峰は南の戸蔵半島の付け根のリゾート地である。渋滞とかのことを計算に入れれば今から出ても着くのは夕方になる。
「いいじゃない。着いたら温泉が待ってるのよ」
アイシャがそこでニヤリと笑う。大体彼女が笑うときは何かあるので誠は冷や汗が流れるのを感じていた。
「まさか混浴じゃないですよね?」
誠は何となくそう言ってみた。それに答えるつもりはまるで無いというようにアイシャはじっと笑顔を保ち続ける。
「まあなんだ。アタシの顔が利くところだからな」
このかなめの一言で混浴の浴場があることは誠にも想像ができた。
「何かたくらんでますね、西園寺さん」
誠は恐る恐るかなめを見る。いかにもたくらんでいますというようにかなめは満面の笑みを浮かべていた。
「いや……なんだろうねえ……着いてからのお楽しみってところか?」
かなめが見慣れた下卑た笑みを浮かべた。次の瞬間、バスはゆっくりと走り出した。
かなめはアイシャの冊子を誠に押し付けると男性陣を指折り数えた。
「暇そうな連中だな」
それを聞いたカウラもそう続ける。そこでかなめはサングラスを下げて、下から見上げるようにカウラに近づく。何事かと構えるカウラの正面に満面の笑みのかなめがいた。
「菰田、ソン、ヤコブが来るのはお前目当てなんだろ?ちゃんと絞めて行けよ」
『ヒンヌー教徒』三人の名前を聞いてカウラの表情が曇る。
「つまらない事は言わない方がいいぞ。口は災いの元だからな」
カウラはその話をしたくは無いと言うようにあっさり答えた。
「神前!荷物積むの手伝え!」
とても実働部隊の備品とは思えない量のパーティーグッズを荷物置き場に押し込んでいる島田が叫んだ。
「じゃあな、アタシ等乗ってるから」
そう言うと島田に見入られて身動き取れない誠を置いてかなめとカウラはバスに乗り込む。
「スイカはここに入れると割れるんじゃないですか?」
誠はパーラから島田が受け取ろうとしているスイカを見てそう言った。
「じゃあシャムちゃんに見つからないように隠しておくわね」
パーラはそう言うとそのままボストンバッグを誠に渡してバスに乗り込む。
「パラソルは折れるかな?」
「大丈夫なんじゃないですか?奥のほうに突っ込んでおけば」
誠と島田はバスに乗り込んでいく面々から荷物を受け取りつつ、それを床面の下の荷物置き場に突っ込む。
「正人!アイス買ってきたけど食べる?」
荷物置き場が一杯になった時、備品の自転車に乗って買出しに行っていたサラが二本のアイスキャンディーを島田達に手渡す。彼は受け取った二本のキャンディーを誠に見せた。
「悪いね。神前、どっち食う?」
「じゃあ小豆の方で」
いつの間にかかいた汗を拭いながら三人で一息つく。
「なるほどねえ。この前、姐御からM10の仕様書渡されて、どっからこんな最新機の情報手に入れたか聞こうと思ったんだが、ウチで動かすのか。整備のシフト考え直さないとまずいよなあ」
ソーダ味のアイスキャンディーを口にしながら島田がつぶやく。
「しかし、M10なら採用国は同盟加盟国でも何カ国かあるから大丈夫なんじゃないですか?運用の問題点とかのノウハウなら吉田さんに頼めば調べてくれるでしょうし」
誠の小豆のアイスバーは周りに氷が張り付いてしばらく味がしなかった。失敗したかなと思いながら、誠は小豆色のバーを口にねじ込む。
「別に吉田さんに頼まんでも俺も聞いてるよ、M10の運用の注意点くらい。海兵隊が採用しなかったのは初めて導入したアメリカ海軍での評判があまり芳しくなかったからだって話だぞ。関節部の駆動部品のメンテが面倒でね。交換に一癖あって正直俺もどうかなあって思ってたんだよ。まあA4にバージョンアップしてその部分はかなり改善されたって言う話だけど、コスト無視の05式は別格として主要国に採用されているアサルト・モジュールじゃあ相当なじゃじゃ馬だそうな。まあ実物を拝まないことには判断はつかないけどな」
そう言うと島田は解けて手にかかろうとするアイスに手を焼いてそのままがぶりと先から食いついた。
「そうなんですか……」
誠は島田の話を聞きながら伸びをする。その視線にバスの中で手招きしているかなめの姿を見つけた。
「島田の旦那ー!」
窓を開けようとする島田を待っていた誠に向けて叫ぶ声が聞こえて振り向いた。オリーブ色のTシャツにジーンズの小夏、桜色の日傘を手にする紫の和服の春子がハンガーから出てバスに向かってきていた。
「俺も旦那に昇格か」
窓を開けると島田は照れるように笑う。整備班員の統率を買われていた島田は技術部部長の明華の推薦で准尉に昇進していた。そんな島田が笑顔でバスに駆け寄って来た小夏を迎える。
「師匠はもう中ですか?」
そう言うと小夏はバスの先頭を指差す。誠は周りを見回すが、自分と島田以外は全員バスに乗っていることに気づいて苦笑いを浮かべた。
「そうみたいだな。それにしてもお前も少しは女らしくしろよ」
いつ見ても男の子のように見えるショートヘアーに化粧らしきものすら見えない小夏を島田はからかってみせる。
「それはグリファン少尉みたいにしろってことですか?」
小夏が思い切りにやけた笑みで島田を見つめる。彼女であるサラとのことを弄られて島田はムッとして小夏を睨み付けた。
「下らないこと言ってないでとっとと乗れ!」
柄にもなく照れている島田と笑顔の春子が誠の目に入る。誠はそれを暖かく見守るとそのまま。春子のかばんと小夏のリュックを荷物置き場に押し込んでロックをかける。
「じゃあ全員そろったわけだ。行くか?」
誠は島田の言葉で春子を連れてバスの前を回ってバスに乗り込む。
「神前!こことって有るからな!」
バスの窓からかなめが身を乗り出している。誠はしかたなくそのままバスに乗り込むとかなめの座る奥の方の座席へと歩き出した。
「ここだ。座れ」
ジャッキーカルパスを咥えながら、もう既にウィスキーの小瓶を手にして飲み始めているかなめの隣に席を占める。通路を隔てて隣は不機嫌そうにかなめをにらみつけるアイシャがいる。そして窓際に二人の動向を静かに見守るカウラが座っている。
「オメエも喰うか?」
燻製を差し出すかなめにしかたなく誠は受け取った。
「行くのは永峰海岸ですか。随分ありますよね、ここからだと」
運用艦『高雄』の停泊先が東に150kmの新港。それに対して永峰は南の戸蔵半島の付け根のリゾート地である。渋滞とかのことを計算に入れれば今から出ても着くのは夕方になる。
「いいじゃない。着いたら温泉が待ってるのよ」
アイシャがそこでニヤリと笑う。大体彼女が笑うときは何かあるので誠は冷や汗が流れるのを感じていた。
「まさか混浴じゃないですよね?」
誠は何となくそう言ってみた。それに答えるつもりはまるで無いというようにアイシャはじっと笑顔を保ち続ける。
「まあなんだ。アタシの顔が利くところだからな」
このかなめの一言で混浴の浴場があることは誠にも想像ができた。
「何かたくらんでますね、西園寺さん」
誠は恐る恐るかなめを見る。いかにもたくらんでいますというようにかなめは満面の笑みを浮かべていた。
「いや……なんだろうねえ……着いてからのお楽しみってところか?」
かなめが見慣れた下卑た笑みを浮かべた。次の瞬間、バスはゆっくりと走り出した。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
特殊装甲隊 ダグフェロン 『廃帝と永遠の世紀末』 第六部 『特殊な部隊の特殊な自主映画』
橋本 直
SF
毎年恒例の時代行列に加えて豊川市から映画作成を依頼された『特殊な部隊』こと司法局実働部隊。
自主映画作品を作ることになるのだがアメリアとサラの暴走でテーマをめぐり大騒ぎとなる。
いざテーマが決まってもアメリアの極めて趣味的な魔法少女ストーリに呆れて隊員達はてんでんばらばらに活躍を見せる。
そんな先輩達に振り回されながら誠は自分がキャラデザインをしたという責任感のみで参加する。
どたばたの日々が始まるのだった……。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第三部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』は法術の新たな可能性を追求する司法局の要請により『05式広域制圧砲』と言う新兵器の実験に駆り出される。その兵器は法術の特性を生かして敵を殺傷せずにその意識を奪うと言う兵器で、対ゲリラ戦等の『特殊な部隊』と呼ばれる司法局実働部隊に適した兵器だった。
一方、遼州系第二惑星の大国『甲武』では、国家の意思決定最高機関『殿上会』が開かれようとしていた。それに出席するために殿上貴族である『特殊な部隊』の部隊長、嵯峨惟基は甲武へと向かった。
その間隙を縫ったかのように『修羅の国』と呼ばれる紛争の巣窟、ベルルカン大陸のバルキスタン共和国で行われる予定だった選挙合意を反政府勢力が破棄し機動兵器を使った大規模攻勢に打って出て停戦合意が破綻したとの報が『特殊な部隊』に届く。
この停戦合意の破棄を理由に甲武とアメリカは合同で介入を企てようとしていた。その阻止のため、神前誠以下『特殊な部隊』の面々は輸送機でバルキスタン共和国へ向かった。切り札は『05式広域鎮圧砲』とそれを操る誠。『特殊な部隊』の制式シュツルム・パンツァー05式の機動性の無さが作戦を難しいものに変える。
そんな時間との戦いの中、『特殊な部隊』を見守る影があった。
『廃帝ハド』、『ビッグブラザー』、そしてネオナチ。
誠は反政府勢力の攻勢を『05式広域鎮圧砲』を使用して止めることが出来るのか?それとも……。
SFお仕事ギャグロマン小説。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
底辺エンジニア、転生したら敵国側だった上に隠しボスのご令嬢にロックオンされる。~モブ×悪女のドール戦記~
阿澄飛鳥
SF
俺ことグレン・ハワードは転生者だ。
転生した先は俺がやっていたゲームの世界。
前世では機械エンジニアをやっていたので、こっちでも祝福の【情報解析】を駆使してゴーレムの技師をやっているモブである。
だがある日、工房に忍び込んできた女――セレスティアを問い詰めたところ、そいつはなんとゲームの隠しボスだった……!
そんなとき、街が魔獣に襲撃される。
迫りくる魔獣、吹き飛ばされるゴーレム、絶体絶命のとき、俺は何とかセレスティアを助けようとする。
だが、俺はセレスティアに誘われ、少女の形をした魔導兵器、ドール【ペルラネラ】に乗ってしまった。
平民で魔法の才能がない俺が乗ったところでドールは動くはずがない。
だが、予想に反して【ペルラネラ】は起動する。
隠しボスとモブ――縁のないはずの男女二人は精神を一つにして【ペルラネラ】での戦いに挑む。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
「日本人」最後の花嫁 少女と富豪の二十二世紀
さんかく ひかる
SF
22世紀後半。人類は太陽系に散らばり、人口は90億人を超えた。
畜産は制限され、人々はもっぱら大豆ミートや昆虫からたんぱく質を摂取していた。
日本は前世紀からの課題だった少子化を克服し、人口1億3千万人を維持していた。
しかし日本語を話せる人間、つまり昔ながらの「日本人」は鈴木夫妻と娘のひみこ3人だけ。
鈴木一家以外の日本国民は外国からの移民。公用語は「国際共通語」。政府高官すら日本の文字は読めない。日本語が絶滅するのは時間の問題だった。
温暖化のため首都となった札幌へ、大富豪の息子アレックス・ダヤルが来日した。
彼の母は、この世界を造ったとされる天才技術者であり実業家、ラニカ・ダヤル。
一方、最後の「日本人」鈴木ひみこは、両親に捨てられてしまう。
アレックスは、捨てられた少女の保護者となった。二人は、温暖化のため首都となった札幌のホテルで暮らしはじめる。
ひみこは、自分を捨てた親を見返そうと決意した。
やがて彼女は、アレックスのサポートで国民のアイドルになっていく……。
両親はなぜ、娘を捨てたのか? 富豪と少女の関係は?
これは、最後の「日本人」少女が、天才技術者の息子と過ごした五年間の物語。
完結しています。エブリスタ・小説家になろうにも掲載してます。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる