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第八章 奢られ酒
アイシャの独壇場
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それなりに盛り上がっている場の雰囲気に満足したように、ランが愉快そうな笑みを浮かべつつ酒の盃を傾ける。
「おい、アイシャ!あれを何とかしろ!」
かなめがそう叫んで指差した所に、サラと島田が、こちらの喧騒をよそに仲良く烏賊玉を突いていた。一斉に誠達の視線が集中する。島田は急に注目を浴びて戸惑う。そしてそれを無視してサラは平然と烏賊玉を食べていた。
「島田!テメエ!」
「男の仁義を知らんのか!」
菰田とキムがそう叫ぶ。ようやく全員が何故自分を見ているかわかった島田はおずおずと手を引くが、サラがいかにもおいしそうに島田が焼いた烏賊玉を食べていた。
「サラ!あんたって人は!」
アイシャが立ち上がろうとするところを、ランが重い腰を上げて止めた。
「ただ正人に作ってもらってただけよ。文句あるの?」
強気にサラはそう言い放った。アイシャの目が嫉妬に狂ったような怪しい青い色に染まる。
「文句があるから言ってるんじゃない!」
「何!階級が上だからっていちいち文句つけないでよ!」
サラが怒りに顔を赤らめながら叫ぶ。そのサラの態度がアイシャにコミケの件でこき使われている腹いせだと言うことは、にぶい誠にもわかった。部屋は騒然とし、誠はどうすればいいかおたおたと周りを見回すばかりだった。 サラとアイシャの間に険悪な空気が流れる。誠もさすがににらみ合う二人をどうにかしようとあたふたと視線を泳がせていた。
「なあクラウゼ。ここは押さえてくれ。せっかく楽しくやってるんだ。野暮は関心しねーぞ。まあ一杯やれ」
ランはそう言って半立ちのアイシャの開いたグラスに日本酒を注いだ。
「中佐がそこまで言うなら……」
アイシャはそう言うとグラス一杯の日本酒を一気に喉に流し込んだ。
「馬鹿が!」
ランがそう言った時には後の祭り、もうかなり出来上がっていたアイシャはそのままひっくり返った。
「チビ中。潰れちゃったぜ」
かなめはもうすでに寝息を立てているアイシャを指してそう言った。
「奴も飲めない方だからな。戦うためだけに作られたから、こんな席には向いちゃいねーんだよな。カウラ、後で送って行ってやれ」
「分かりました。パーラと同じマンションだったな?」
カウラはそう言うと烏龍茶を飲んだ。
「そうね。とりあえず放り込んでおけばなんとかするでしょ」
パーラはそう言うと一口ビールを飲んだ。
「確かにあの部屋は凄いからな、誰かさんの部屋みたいに」
カウラが楽しげに語る。そんな彼女の言葉に誠は寝ているアイシャを見つめた。
「僕の部屋ってそんな凄かったですか?」
その誠の言葉にカウラとパーラが凍りついた。
「まあな、オメエの部屋……アニメとゲーム関係のものだらけだったじゃねえか」
かなめは呆れながらそう言うと、胸のポケットからタバコを取り出した。
「隊長がいない時は禁煙だよ!ここは!」
吉田に豚玉を焼かせながら、じっとこの騒ぎを見ていたシャムがそう突っ込みを入れた。
「叔父貴がいるときだけ喫煙可って……くわえてるだけだっての!ったくお子ちゃまはこれだから……」
かなめは目を細めてタバコをしまう。
「お子ちゃまじゃないもん!中尉さんだい!」
シャムは頬を膨らまして抗議する。誠は展開についていけず黙ってたこ焼きを突いていた。
「しかし、良く食べますねシャムさん」
誠はもう二玉、豚玉を食べ終わり、三つ目が焼けるまでのつなぎでたこ焼きを食べているシャムを見て、心の底からの声を発した。
「ただでさえチビなのに、これ以上食ったら太るぞ?」
かなめはグラスを傾けながらそう言ってみせる。
「大丈夫だよ!シャムは元気に動いてるから!」
シャムは気にする様子も無く、たこ焼きを頬張った。
「おい、アイシャ!あれを何とかしろ!」
かなめがそう叫んで指差した所に、サラと島田が、こちらの喧騒をよそに仲良く烏賊玉を突いていた。一斉に誠達の視線が集中する。島田は急に注目を浴びて戸惑う。そしてそれを無視してサラは平然と烏賊玉を食べていた。
「島田!テメエ!」
「男の仁義を知らんのか!」
菰田とキムがそう叫ぶ。ようやく全員が何故自分を見ているかわかった島田はおずおずと手を引くが、サラがいかにもおいしそうに島田が焼いた烏賊玉を食べていた。
「サラ!あんたって人は!」
アイシャが立ち上がろうとするところを、ランが重い腰を上げて止めた。
「ただ正人に作ってもらってただけよ。文句あるの?」
強気にサラはそう言い放った。アイシャの目が嫉妬に狂ったような怪しい青い色に染まる。
「文句があるから言ってるんじゃない!」
「何!階級が上だからっていちいち文句つけないでよ!」
サラが怒りに顔を赤らめながら叫ぶ。そのサラの態度がアイシャにコミケの件でこき使われている腹いせだと言うことは、にぶい誠にもわかった。部屋は騒然とし、誠はどうすればいいかおたおたと周りを見回すばかりだった。 サラとアイシャの間に険悪な空気が流れる。誠もさすがににらみ合う二人をどうにかしようとあたふたと視線を泳がせていた。
「なあクラウゼ。ここは押さえてくれ。せっかく楽しくやってるんだ。野暮は関心しねーぞ。まあ一杯やれ」
ランはそう言って半立ちのアイシャの開いたグラスに日本酒を注いだ。
「中佐がそこまで言うなら……」
アイシャはそう言うとグラス一杯の日本酒を一気に喉に流し込んだ。
「馬鹿が!」
ランがそう言った時には後の祭り、もうかなり出来上がっていたアイシャはそのままひっくり返った。
「チビ中。潰れちゃったぜ」
かなめはもうすでに寝息を立てているアイシャを指してそう言った。
「奴も飲めない方だからな。戦うためだけに作られたから、こんな席には向いちゃいねーんだよな。カウラ、後で送って行ってやれ」
「分かりました。パーラと同じマンションだったな?」
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「そうね。とりあえず放り込んでおけばなんとかするでしょ」
パーラはそう言うと一口ビールを飲んだ。
「確かにあの部屋は凄いからな、誰かさんの部屋みたいに」
カウラが楽しげに語る。そんな彼女の言葉に誠は寝ているアイシャを見つめた。
「僕の部屋ってそんな凄かったですか?」
その誠の言葉にカウラとパーラが凍りついた。
「まあな、オメエの部屋……アニメとゲーム関係のものだらけだったじゃねえか」
かなめは呆れながらそう言うと、胸のポケットからタバコを取り出した。
「隊長がいない時は禁煙だよ!ここは!」
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「叔父貴がいるときだけ喫煙可って……くわえてるだけだっての!ったくお子ちゃまはこれだから……」
かなめは目を細めてタバコをしまう。
「お子ちゃまじゃないもん!中尉さんだい!」
シャムは頬を膨らまして抗議する。誠は展開についていけず黙ってたこ焼きを突いていた。
「しかし、良く食べますねシャムさん」
誠はもう二玉、豚玉を食べ終わり、三つ目が焼けるまでのつなぎでたこ焼きを食べているシャムを見て、心の底からの声を発した。
「ただでさえチビなのに、これ以上食ったら太るぞ?」
かなめはグラスを傾けながらそう言ってみせる。
「大丈夫だよ!シャムは元気に動いてるから!」
シャムは気にする様子も無く、たこ焼きを頬張った。
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